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介護人材育成のグレーゾーンに挑む!不適切ケアを蔓延させない3つの決意

 
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1987年看護師として病院勤務、退職後、自営業手伝いしながら子育てする。1995年大手複合医療法人、社会福祉法人の新規立ち上げ事業、居宅介護相談業務、エリアマネージャーとして、述べ1万人以上の家族介護相談や、介護職の様々な相談を受ける。2006年認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率84%から、4%に激減させ、人材不足の波に押しつぶされぬよう現在も奮闘中。

こんにちは、ケアびと育成コンサルタント平野真弓です。

虐待は、社会的に大きな問題を抱えています。家庭内外など、様々な場所での虐待の危険性をはらんでいます。

特に高齢者の虐待の中で、認知症との関係性において、身体的な虐待のみ限らず、心理的な虐待など多いと言われています。

ここでは明らかに顕在化した高齢者虐待は、氷山の一角であり、ほぼ適切なケアでない(グレーな不適切なケア)の中に虐待の芽が多く潜んでいます。

虐待の芽を含むグレーなケアについての現状を理解した上で、私たち介護職はどのように適切なケアに向かって対応して行ったら良いのかを、考えてみましょう。

下記、記事もご確認くださいね。

虐待、身体拘束の不適切なケア

高齢者虐待防止法で言われている、顕在化した虐待行為は、次にあげるのが含まれます。

高齢者虐待防止法において5つの類型

  1. 身体に外傷が生じ、また生じる恐れのある暴行を加えること。
  2. 高齢者に対する著しい暴言または著しい拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心的外傷を与える言動を行うこと。
  3. 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
  4. 高齢者の財産を不当に処分することその他当該等高齢者から不当な財産上の利益を得ること。
  5. 高齢者を衰弱させつような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を擁護すべき職務上の義務を著しく怠ること。

明らかな虐待に繋がらない行為であっても、不適切なケアである行為、また、曖昧なグレーンなケアがあります。

図に示しますと次のような状態を含みます。

グレーンゾーンにある具体的な介護場面

グレーゾーンに含まれる行為として、具体的にはどのような介護場面が想定されるでしょうか。

こんな場面
  • 利用者が同じことを繰り返し訴えると、無視する。
  • 「ちょっと待って!」「さっきも言ったでしょ!」などの強い口調で言い返す。
  • 自力で食事摂取が可能だが、時間がかかる利用者に対して、時間の節約のため職員がすべて介助してしまう。
  • 一斉介護のスケジュールがあるからという理由で、利用者の臥床・離床・起床を半強制的に行う。
  • 利用者に口頭で何度か入浴を促したが拒否されたので、その後は誘うことはせず、しばらく入浴していない。

まだまだ、たくさんのグレーゾーンに含まれる不適切なケアや虐待の芽が、存在すると考えます。

適切か、不適切なケアかを、誰がきめるのか

先に挙げた5つの類型に当てはまるものだけが虐待なのでしょうか。

虐待に当てはまるからダメだとか、当てはまらないから対応しなくて良いとかとなるのでしょうか。

そもそも、誰が適切か、不適切かをきめるのでしょうか。

あなた自身ですか。それとも上司ですか。

いやいや、利用者本人でしょう。

じゃ家族の意見はどうするの?そんな声が聞こえてきます。

ところで、この虐待防止の例えとして料理の場面を思い浮かべてみました。

ここであなたは、調理の時の、味付けの場面、その場面を思い出してください。

「味見」をしませんか?

何度も味見をして、丁度味加減か、どうか確認をしませんか?

中には、味付けには自信があるからと行って、「これで、よし」と一人で確認している方もおられるかもしれません。

ケアでも「味見」が必要!

家族や友人達、ましてやお金をいただいているお客様に食べてもらおうと思うと、やはり「味見」は必要ではないでしょうか。時には、少しお皿にとって、相手に「どう?辛い?甘い?」などと、尋ねることをします。

何が言いたいのかと言いますと、この料理の場面がケアの場面にも通じるところがあるのではないかと思います。

ケアの場面において、「味見」をしてもらうといった、相手への確認が必要であると思います。

相手というのは、利用者の方出会ったり、ケアスタッフでもあります。

料理のレシピはあっても、実際に作るときの微妙なさじ加減、相手に合わせた味付けが必要であります。

「個」にあわせるやさしさ

ケアで言えば、マニュアルはあっても、実際のケアは、その人その人の状態や、その様々な環境の違いや、昨日ははうまく対応できても、今日はうまく行かなかったということは、よくあることです。

ましてや、認知症の利用者の方のケアにおいては、その時その時によって様々であり、正解がないことが多く見受けられます。

多数の人をケアすれば、そのことがもっとも重要であり、10把一絡げではないのです。

一人一人に対しての個別性のケアを求められます。

こんな声があります!

「でも、そんなこと忙しくてやってあげられません。」

「いいケアをしたくても、物理的に無理です。」

「上司は現場をしらないから、そんな無茶なことを言ってくる。」

「もう、疲れます。」

などの声があるのも、事実です。この声は、とても重要です!

「忙しくて料理するのができないです。」「めんどくさい」と言っていること重なります。

ご飯を食べないと、働くことや、生きていくことに支障が出ます。

なので、どんな形にしろ、食料を到達したり、外食したり、簡単に済ませるなどとしてすごしています。

では、ケアはどうしていくのか、私たちはどのように対応していくのか、どんなケアを行っていくのかと考えることです。

なぜケアの仕事をしたいのか?

利用者に対して投げやりにすること、見て見ぬ振りすること、放置することが、私たちのしたいことなのでしょうか。

決してそうではないはずです。

誰しも、虐待はしてはならないことと知っているし、反対に適切なケアは、倫理や教科書ではわかっていることです。

虐待と不適切なケアの間に、グラデーションとして存在する、「グレーンゾーン」に、たくさんのケアが含まれています。

不適切なケアの中にも、たくさんのケア場面が含まれています。

そして、適切なケアの中にも、私たちが当たり前に行っているケアが、気がつかずにたくさん含まれています。

顕在化した虐待や、身体拘束、大きな事故、事件につながる可能性の、無自覚な虐待の芽を、摘んでいくことが私たちの行うことでしょうか?

見つけた虐待の芽を摘むことは、必要なことです。しかしながら、その虐待の芽を摘んだとしても、必ず次の虐待の芽が生えてきます。

自問自答を忘れない

あなたが、そんな堂々巡りに苦慮し、もしも、真っ暗の中で出口を見つけられずに、思い苦しんでしたとしたら、一度立ち止まって、自分自身に問いかけて下さい。

自分に問いかけしてみよう!

「今行なっているケアは、どうして虐待でないって言えるのか」

「今行なっているケアは、どうして虐待だって言えるのか」

自分に質問してみてください。そして、その答えがしっくりと本当に言えるのかが重要です。

もしも、自分にごまかしている答えを出していたならば、精神的に疲弊することになります。強いては肉体的にも影響することになります。

悪循環でネガティブな感情や、価値観の中に陥った時は、その感情や価値観を認め、思い込んでいる人格に目を向けることをお勧めします。

「あ、今ネガティブになっている。

「自分の感情を、ごまかしているな」

と感じ、認めることから始めてみましょう。

そこから、むしろ、適切なケアの中にある「小さなケアの芽」を見つけてみることを次に行ってみましょう。

無自覚に、当たり前の行っているケアを育てることが、とても重要です。

私たちは「適切な小さなケアの芽」を毎日育てていきましょう。

チームケアの風土

大勢の中の心の声

「不適切なのは私ばっかりではない。」

「他の人もやっている。」

「一人だけ、真面目にやっているのはバカみたい」

こんな声が聞こえてきます。

はっきりとしていないことを一人で行うのはとても心細いものです。

また、ジェネレーションギャップや価値観の違い等で、メンバーそれぞれの違いがあり、正解がない中、チームケアを行うのは、これで本当に良いのかと目標を見失いそうになります。

組織運営、チームアプローチ、ケアの質、倫理観・法令遵守そして、ストレス・組織風土の5つの要素が絡み合って存在します。

次にあげる図は、背景要因として5つあります。

だからこそ、メンバーとの話し合いを重ね、「これで、本当に良いのか」とチーム全体での基準や、物差しを作り上げていきましょう。

一旦作成したらそれでよしと決めつけるのではなく、継続して繰り返し、繰り返し見直しが必要です。

それぞれのおける組織の基準や物差しは、オーダーメイドのものを作り上げていきましょう。

適切ケアの芽を育てる3つの決意

1.自分の感情・行動に自問自答します

自分をごまかさず、自分に問いかけをすることを習慣化します。「それって、本当なの」って絶えず問いかける習慣をつけます。

2.相手の感情・行動を確認します。

私と相手の違いをよく観て、その意図や前提、理由を確認します。違うことを前提に合意、同意をとります。

3.チームで取り組みます。

オーダーメイドのチームの規範、基準、ボーダーライン、物差しを一緒に作り上げます。また一人一人のメンバーが考え、組織全体で継続的行うチームケアに取り組みます。

最後に、不適切なケアを蔓延させないため、私たちは、巨大なグレーゾーンの中にある虐待の芽があることを自覚した上で、グレーゾーンに挑んでいきます。そこから適切なケアの芽を育てることを目的に、3つの決意したいです。

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1987年看護師として病院勤務、退職後、自営業手伝いしながら子育てする。1995年大手複合医療法人、社会福祉法人の新規立ち上げ事業、居宅介護相談業務、エリアマネージャーとして、述べ1万人以上の家族介護相談や、介護職の様々な相談を受ける。2006年認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率84%から、4%に激減させ、人材不足の波に押しつぶされぬよう現在も奮闘中。










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