介護職のコミュニケーション報連相!相手に伝わらない言葉7選

みなさんの中で、「伝えたつもりでも、伝わってない」とか「そんな話は、聞いてない」ということを経験されたことはありませんか?
私は、これまで、看護師時代から現在の介護分野で30年以上、人を相手のお仕事(対人支援)を生業にしてきました。
そのためなのか、何度となくこのような苦い経験をしてきました。
今日は、そんな話が伝わらない報連相について考えてみました。
現在、私が勤める介護施設(認知症対応型グループホーム)は、24時間365日入居施設です。その為、働くスタッフは24時間シフト勤務にて交代に切れ目なく働いています。
シフト交代時には「申し送り」といって交代者に順に、その日出来事、利用者の状態報告、業務伝達等を行っています。
そこで、今回は、「申し送り」の場面での報連相(報告・連絡・相談)の重要性についてお話したいと思います。
報告・連絡・相談の違い
まずは、それぞれ報告・連絡・相談の意味として、一般的の理解している定義は以下のようになっています。
1)報告とは
告げ知らせること。特に、ある任務を与えられた者が、その経過や結果などを述べること。
2)連絡とは
別々のものの間のつながりあい。つながりがつくこと。つながりをつけること。
3)相談とは
どうすればよいかなどについて、意見を述べ合ったり、意見を述べてもらったりして考えること。
(goo辞書引用)
みなさんの仕事の中では、ほぼこのうちのどれかを使い、情報伝達、情報交換しています。
しかしながら、この3つのどれかが欠落したり、1つだけが強調されると、情報が滞ってしまうことや、スムーズに情報が伝わらないことがあります。
それぞれの意味解釈を理解して、使いこなすことが大切なことと、みなさんも十分理解はできてのことと思います。
しかしながら、いざ様々な場面で、「報告がないよ」とか「ちゃんと連絡してよ」「相談して欲しかった」などと言う言葉を耳にすることや、自分自身が思わず呟いてしまうことがあるのではないでしょうか。
ここで、先日、私の職場でおこった事例を、お伝えいたします。
あるある!伝わらない事例について
介護施設で、毎朝行われている「申し送り」と言われる伝達場面
夜勤スタッフから「Aさん、昨夜から寝られていません。」との申し送り事項がありました。それを聞いた日勤スタッフは、何も疑問を持たずにそのまま聞きました。Aさんは昼食時に、食事がなかなか進まず途中で、食べられず終えました。体調不良を心配した介護リーダーが、日勤スタッフに「Aさん、食事をされなかったようだけど、なにかあった?」と尋ねました。しかし、日勤スタッフは思い当たる節がない為、答えに戸惑っていたところ、介護リーダーは「昨晩からの申し送りはどうなっているの?」と強い口調で言い放ちました。申し送りを直接受けていない他のスタッフまでも、「いや、私はその場にいませんでしたので、わかりません。」と答え、結局のところAさんの食欲不振は、昨夜不眠と直接的な因果関係があるのか、またはその他の体調不良が原因なのか、何かほかに心理的な原因なのかはっきりしないことがありました。 この場面を、みなさんはどのように思いましたか? 「介護施設って大変ね」「わたしの職場にも、似たようなことがある」「コミュケーションがとれないだよね」とかいろいろな考え方があるかと思います。 しかし、人と人との関わりのは避けることはできません。 伝えたつもりでも、伝わっていなかったことが、あるあるな事例として、みなさんの中でも振り返ってみて、なんでそのようなことが起きたんだろうか? どこが、伝わらなかった要素だったんだろう?振り返って感がてみるといくつかの伝わらないポイントがわかってきます。 齟齬とは、物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。ゆきちがい。(goo辞書引用) 齟齬が起きているのは、言葉の使い方として以下の7つの言葉を使っていることが考えられます。 一回だけの説明で、「わかったでしょ」と伝えた方だけでは記憶に残りにくい。納得できるのは、繰り返し反服することで、記憶に残ります。 自分の話すペースが、速い場合は、印象にのこりにくい。ゆっくり、相手の反応を見ながらペースを合わせてみましょう。 伝える側のお願いごとや、「私は〜と考える」のみの話し方は、相手の意図を聞く余地がありません。相手の言い分も良く聞き入れましょう。 「頼んだわね」「よろしく」など、漠然とした内容は、聞き手には、事柄をイメージしにくいです。具体的に、期日や数字を示したり、具体的な目標や、目的を一致させましょう。 「でもね」「だって」「どうして」と伝える側の決めつける話し方は、相手も気持ちをブロックさせ、聞く耳を持ちにくいです。 共感的な言葉や、相槌もいれながら話してみましょう。 要点のまとまりのない言葉として、状態と解釈と感情がごちゃまぜになっていてわかりづらい。また、長い切れ目のない文章は、結論が伝わりにいことがあります。要点を、まとめて伝えましょう。 「〜以上です。」「他、特にありません。」と一方的な話の終わらせ方や、反対意見を受け付けることを嫌う態度や雰囲気は、情報を遮断します。また、相手の話そうとする感情までもなくす場合もあります。また、まずは相談してみようという気持ちを持ってもらう関わりを心がけましょう。 今回、スムーズに情報が伝わらない場面として、介護現場でよくありがちな報連相の事例をご紹介させて頂きました。 大きな事故や、事件に繋がらなかったからそんなに問題にはならないと感じる人もいれば、いやうまく伝わらないのは相手の理解力が足らないからだと捉える人もあるかもしれません。 または、自分自身の話し方のスキルが足らないからと自分を責めたり、もう話すことをやめてしまったら、情報伝達、情報交換するという目的は達成できません。 ここで重要なのは、「相手にはそれぞれ相手の事情がある」ということです。 推察力を持っているか否かによって、報連相の仕方や、順番が違ってくるかと思われます。 場合によっては、相談を先にして、その後に連絡し、報告となる場合がスムーズに伝わることもあるかもしれません。 相手ともすり合わせを、めんどくさがらずに、丁寧に行うことが求められます。 その場合、「WHY(なぜ)?」「WHAT(なに)?」「HOW(どうする)?」を順序に質問していくこと。 その意識、手順を踏むことで情報共有、共通理解が深まり、それぞれのパフォーマンス力が増し、サービスの質があがり、利用者の方に不利益を与えることを防ぐことになります。そしてチーム中での満足度が向上していくことにつながると思います。 今回も、最後までお読み下さいましてありがとうございました。伝わらないポイント
伝わらない7つの話し方
齟齬をおこす7つのパターン
1.繰り返さない
2.せっかちで、早口である
3.自分のことだけ話す
4.曖昧な抽象的である
5.否定的な言葉を使う
6.ダラダラ長い言葉(文章)で話す
7.反論させない、意見を受け付けない
まとめ