【食事マナー】取引先と会食!席次や服装、和食の基本ルールとは?

「取引先との会食は、和食かぁ…」
上司とともに、取引先を和食で接待することになったあなた。
会社での接待準備は完了しているのに、どこか浮かない顔をしていますね?
「実は、和食ってあまり食べないし、食事のマナーに自信がないんだよね…」
確かに、接待でいただくようなお店での食事となると、普段から慣れていなくて自信がない!と悩んでしまいますよね。
ここでは、和食や和室のマナーに自信がない!と悩むあなたへ、“毎日ココロをフルにするお手伝い!”ココロフルプランナーこと現役マナー講師&国家資格キャリアコンサルタント@大川礼子が、食事のマナーから、和室の席次や服装などの基本ルールをお伝えいたします。
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席次(上座・下座)のルールとは?
「席次…?席の順番にも決まりがあるの?」
「とりあえず、自分は入口の近くに座るとして…あとは、誰がどこに座るんだろう…?」
何となく、若手社員は入口の近くに座る、ということを教わっていたものの、他の人がどこに座るかは、なかなかわかりませんよね。
ここではまず、席次の基本を押さえていきましょう。
上座・下座とは?
席には全て、「上座(かみざ、じょうざ)」「下座(しもざ、げざ)」があり、主賓や年長者など、その場での上位者から順に座ります。
上座・下座の基本原則は「座の中心、もしくは入口から遠い席=上位」なので、あなたがなんとなく「若手社員は入口の近くに座る」ということを教わっていたのは、これによるものですよね。
また、座の中心や入り口からの遠さが同じなど同条件の席が2つ以上ある場合、和室であれば「左>右」とする左上位、洋室であれば「左<右」とする右上位が原則になるんですよ。
ただ、席次は状況によって変わることもあり、上位者本人の希望や窓の位置、和室では「床の間」の場所によっても変わりますので、ここではまず原則だけしっかり覚えておいてくださいね。
当日の服装は何を着る?
「当日の服装って、普通にスーツでいいんだよね…?」
会食の日程が近づくにつれて、当日の服装について悩み始めたあなた。
上司だけでなく、取引先の方との会食となると、どんな服装が良いのか悩んでしまいますよね?
接待する側・接待を受ける側に関わらず、取引先との会食であればもちろんスーツなど、ジャケットの着用が基本ですが、お店の格式に合わせる必要があります。
また、会食の席での動きや和室での作法を併せて考えると、いつものスーツでよいかどうかの判断が出来ますよね。
その上で、「正座ができるかどうか」「足元まで見られても大丈夫かどうか」の2つの視点も加えると失敗が少なくなりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
その服装で、正座できますか?
和室で会席料理をいただく際、服装選びのポイントとなる1つ目は「正座ができるかどうか」です。
「当日は、外出してから会食に向かうから、動きやすいパンツスーツで良いよね。」
当日は、パンツスーツで会食に向かおうと考えているんですね。
女性の場合、「正座ができるかどうか」を基準に考えると、フレアスカートが適していると言われています。
なぜなら、脚を崩しても周りからわかりづらく、体のラインも出にくいという利点があります。
パンツスタイルを選ぶ際には、タイトなシルエットではないものや、またスカートの場合もミニ丈でないものを選ぶと良いですよ。
男性も同じように、ウエストや太腿辺りに余裕のないものは避けた方が無難ですよね。
覚えておきたい足元のマナー
そして2つ目のポイントは、「足元まで見られても大丈夫かどうか」です。
「和室って、靴を脱ぐんだよね…」
1日中仕事をした後に、和室で靴を脱ぐと思うと、いろいろと気になりますよね。
実は和室には、“素足は避ける”というマナーがあります。
「じゃあ、仕事の時はストッキングを履いているから大丈夫よね。」
そう思いますよね。
でも、ストッキングも素足と同じとされているので、靴下やフットカバーを持参することをお勧めします。
またパンツスタイルで靴下を履いている場合や男性も、靴を脱いだ時に臭いが気になるようなら、新しい靴下を一足、カバンに入れておくと安心です。
これは食事の場だけでなく、余所のお宅にお招きを受けた際も同様なんですよ。
これは、足の皮脂で畳を汚さないためという、「訪問先を汚さない」という相手への心遣いからなので、ぜひ覚えておいてくださいね。
和食の基本マナー
「会席料理の食べ方って、決まりがあるのかな?」
「お箸の持ち方に自信がないけど大丈夫かな…?」
自宅での食事と違って、取引先の人と一緒に会席料理をいただくとなると、緊張しますよね。
特に、お箸の持ち方や食べ方に自信がない場合、「食べこぼしたらどうしよう…」「変な箸の持ち方をしたらどうしよう…」と考えると、料理の味どころではなくなってしまいますよね。
このように書いていながらも、実は私も、昔から自分の食事のいただき方に自信を持っていたわけではありません。
私は育った環境から、ある時期まで姿勢やお箸の持ち方ばかりを気にして食事時間=緊張の時間でしたし、大人になってからはその反動で“マナーなんて知ったこっちゃない”とすら思っていました。(マナー講師になる随分前の話ですよ…)
ですが、和食に限らず会食の場で大切なのは「食事を通して相手とコミュニケーションを取ること」です。
作法や食事マナーにばかり気を取られ、お相手との会話はおろか、料理の味すら覚えていない!ということにならないためにも、ポイントを押さえて食事時間=楽しい時間にしましょうね。
和食の基本は「美しさ」と「機能性」
食事マナーの中でも、和食の基本ルールは多くありますが、その成り立ちの多くは「美しさ」と「機能性」に由来します。
「美しさ」…食べる時の姿勢、箸遣い、口を大きく開けない(口の中は相手に見えないようにする)、ひと口で食べる(噛み切らない) 等
「機能性」…右のものは右手・左のものは左手で取る、食べにくければ手元に持ってくる、小ぶりな器は手に持つ、小皿や取り皿を活用する、懐紙を活用する 等
このように見てみると、「あれもこれも、こうしなきゃ!」ということではなく、相手に不快に思われないようにすれば、和食のマナーはかなり柔軟性が高いことがわかりますよね。
特に、肘をつかない、椅子の時には足を組まないなど「姿勢を良くする」ことは、かみ合わせを整えたり、消化機能を助けることにもつながります。
結果的にあなた自身の体を助けることにもなりますので、最初から完璧を目指さずに、まずは姿勢に気を付けることから始めてみてください。
この基本を押さえたうえで、次に「基本の箸の使い方」と「器の扱い方」を見てみましょう。
基本の箸の使い方
「お箸の持ち方に自信がないけど大丈夫かな…?」
「箸使いって、ルールが多そうで覚えきれるかな…」
お箸の持ち方や箸遣いに自信がなく、全て覚えきれるか心配ですよね。
箸使いを良くするためには、日常の食事の時から練習を重ねるのが一番です。
ここでは正しい箸遣いのポイントと、箸遣いのタブー(忌み箸・嫌い箸)の一例を図にしましたので、参考にしながら少しずつ身につけてくださいね。
器の扱い方
箸使いと併せて覚えておきたいのは、器の扱い方です。
せっかくなので、この機会に器の扱い方も覚えておきましょう。
- 大皿や平鉢を除いて、基本的に器は持つ
- お椀と一緒に箸を持つ際は、先に両手で椀を持ってから箸を取り上げる
- 煮物椀など大きめの器から煮物をいただく際は、懐紙か椀の蓋で煮汁を受けながらいただく
参考)懐紙とは…二つ折りになった一束になった和紙のこと。外側から1枚ずつ取り、口元や指先の汚れを拭く、汁気のあるものをいただく時の受け皿にするなど、柔軟な使い道があります。
これは避けたい!食事のタブー
「食事のマナーって、たくさん覚えることがあって大変だわ…」
取引先との会食の日も近づき、どうしても全部覚えられない!と思っていませんか?
そんなあなたは、これだけは押さえておきたい「食事マナーのタブー」だけでも覚えておきましょう。
取引先との会食だけでなく、食事マナーとして最低限覚えておいていただきたいのは、「食事中はスマホの取扱いに注意する」「意外としがち!な手皿」「左手の使い方」の3つです。
では、ひとつずつ説明していきますね。
スマホの取扱いには注意!
食事中についついスマホを触ってしまう…。
そんなこと、ありませんか?
でも、会食の場でスマホを触るのはタブーです。
特に取引先でなくとも、目の前に人がいるのにスマホを触ると、「あなたとの時間に興味がありません」「目の前のあなたよりスマホの方が大切です」と言っているようなものです。
「でも、どうしてもこの時間に別の取引先から連絡が来ることになっているんだけど…」
仕事をしていると、そんな時もありますよね。
どうしても外せない連絡が入ることが初めから分かっている場合は、予めその旨を自分の上司に相談した上で、電話が掛かってきたら会食の場から席を外して対応します。
もちろん、着信音は出ないようにする、マナーモード設定にしておくことも忘れないでくださいね。
意外としがち!手皿はNG
食事をいただく時に、箸を持つのと反対側の手を受け皿のようにして口元に料理を運ぶ“手皿”。
実はこれ、食事マナーとしてはNGなんです。
「でも、よくテレビなどで見かけるんだけど…」
そうですよね。
そのため、ここだけの話、私自身もマナーを本格的に学ぶまではてっきり「上品な仕草」だと思っていました。
ただ「器の扱い方」でもお伝えしたように、小ぶりな器や取り皿を持つ、または懐紙を使うことが基本であり、手皿は食事マナーとしてはルール違反なので、取引先との会食では特に気を付けてくださいね。
実は見られている⁈左手の使い方
あなたが右手で箸を持つ場合、食事中の左手はどうしていますか?
「和食では”手は膝の上”って聞いたことがあるんだけど…」
確かに、和食では手は膝の上、西洋料理では手はテーブルの上に置くのがマナーですよね。
ただ食事の最中に関しては、左手は「飯椀か、汁椀、取り皿」のいずれかを持つか、取り皿が大きい場合は皿に軽く手を添えます。
右手で箸を持ちながら取り皿から食事をいただく際、左手を膝の上に置いていると、どうしても前かがみになり「犬食い」と呼ばれる姿勢になってしまうので、気を付けてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
食事のマナーは覚えるのが大変!という声が聞こえてきそうですね。
ですが先にも述べた通り、会食の場で大切なのは「食事を通して相手とコミュニケーションを取ること」です。
人が生きていく上で食事は必要ですが、命をいただくということに対してはもちろん、食材を育む人、調理する人、提供してくれる人達に感謝しながら、目の前の相手と楽しい時間を過ごすこと。
このことを忘れずに日常の食事の時から練習を積めば、食事マナーはもちろん、取引先との関係も良いものとなるでしょう。
あなたの人生が、より良い人間関係に基づいて、充実した毎日を過ごせるよう心から願っています。
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