【名刺交換のマナー】上司との同行や相手が複数の時の順番は?
「〇〇さん、取引先への挨拶回り、段取りは進んでる?」
上司に言われて気付いたけど、長らくリモートが続いたから、取引先に直接訪問するなんて1年ぶりぐらいかも…。
「訪問の段取りは済ませているけど、そういえば名刺交換って、どうやってするんだったっけ?」
久しぶりに上司と取引先へ同行することになって、名刺交換について考えているんですね?
オンライン上では名刺の表示などを行っているものの、直接訪問する機会がなければ研修で学んだことも忘れてしまいますよね。
「上司に確認しても『研修で学んだでしょ。』と言われるだけだし、雰囲気で行うしかないのかな…」
上司に確認したものの教えてもらえなかったんですね。
それならせっかくのこの機会に、名刺交換のマナーをおさらいしてみませんか?
ここでは、名刺交換のマナーを改めて学びたい!と思うあなたへ“毎日ココロをフルにするお手伝い!”ココロフルプランナーことマナー・プロトコール講師&国家資格キャリアコンサルタント@大川礼子がお伝えいたします。
名刺交換の基本をおさらい
取引先や異業種交流会など、ビジネスの場面では初めて会った人に挨拶をして名刺を渡します。
何度も名刺交換を行っていれば慣れますが、新入社員研修で学んで以降、その機会がないと手順を忘れてしまいますよね。
ここではまず名刺交換の基本をおさらいしていきましょう。
名刺交換で第一印象が決まる
名刺交換がスマートにできる人、かっこいいなって思う事ありませんか?
そう、名刺交換は第一印象を決める重要なツールです。
名刺そのものは単なる情報カードですが、名刺交換を行うときには目の前に大切なお相手がいますよね。
一番大切なのは、名刺に気を取られて目の前の相手を置き去りにしてしまうこと。
余裕を持って、お相手の動きに合わせて行なうことが大切ですよ。
名刺交換、基本のおさらい
海外に比べて日本では、名刺を大切に扱う風習があります。
たった一枚の情報カードですが、そこから大きな契約などにつながることもあります。
次の項目で確認してみてくださいね。
- 外出時には枚数を確認し、忘れずに携帯する。
- 名刺は名刺入れを使い、定期入れ等で代用しない。
- 名刺を扱う時は、右手で持ち左手を添えて両手で行なう。
- 名刺交換は立って行なう。
- テーブル越しに行なう時は、「テーブル越しに失礼いたします」と添える。
- 名刺を取り出し差し出す前に、折れたり汚れたりしていないかを確認する。
- 会社のロゴや名前などは全て見えるように、指の位置に配慮する。
- 差し出した時に、自分の名前が相手から見て正面になるように向きを変える。
- 渡す時には、社名とフルネームを名乗って渡す。
- 右手で受け取り、左手を添えて「頂戴いたします」と受け取る。
- 続けて「〇〇様ですね。いつもお世話になっております。」と礼をして受け取る。
- 名前などの読み方がわからなければ、その場で確認する。
名刺交換を行う順番は?
名刺を渡す順番は、『目下の者から目上の方へ』が原則です。
「そうは言っても、相手の人が複数いたりすると、慌てるんだよね…」
確かに、相手の方が複数いると名刺をお渡しする順番がわからず、慌ててしまうこともありますよね。
それではここで、名刺交換の順番について「1対1での対面時」「複数での対面時」の両方をお伝えいたしますね。
1対1で対面する時は?
1対1で行なう時の順番は、『どこで名刺交換を行なうか』がポイントです。
原則は先に書いた通り、目下から目上の関係性ですが、お相手の会社へ訪問した際は『訪問した側が先に』名前を名乗って名刺を渡します。
「え、じゃあ、ホテルのロビーなど外で会う時は、どっちから?」
その時は、『目下=契約をもらう側』と考えてくださいね。
また、1対1の場面では同時に名刺交換を行なうことがほとんどですよね。
そんな時は、次の手順で行なってくださいね。
- 目下(=訪問した側)が先に、右手で名刺を持ち、左手を添えて名前を名乗る。
- 目上(=訪問を受けた側)が、同じように名刺を持ち名前を名乗る。
- それぞれ自分の名刺を、右手で相手の名刺入れの上に置くように渡しながら、左手の自分の名刺入れの上で相手の名刺を受け取る。
複数で対面する時は?
「1対1だとわかりやすいんだけど、複数の人と同時に挨拶する時もあるよね…」
確かに上司と同行する時など、誰と誰が先に行なうかの順番が、曖昧になりますよね。
複数の方での名刺交換は『相手方の中での上位者から』が原則です。
ここでは『自分側は1人で相手側が複数』『自分側も相手側も複数』の時を、それぞれ見ていきましょう。
- 自分から、相手側の上位者の順番に名刺を渡す(交換する)
例)自分が取引先へ訪問し、取引先上司と担当者が対応の場合
①あなた→取引先の上司へ
②あなた→取引先の担当者へ
- 自分側の上位者が、相手側の上位者の順番に名刺を渡す(交換する)
- 自分から、相手側の上位者の順番に名刺を渡す(交換する)
例)自社が訪問する側で、自分と上司が同行。取引先は上司と担当者が対応の場合
①自社の上司→取引先の上司へ
②自社の上司→取引先の担当者へ
③あなた→取引先の上司へ
④あなた→取引先の担当者へ
「自分の上司が取引先の上司と名刺交換している間に、自分が取引先の担当者に名刺を渡したら、効率的じゃない?」
確かに、空いている人どうしで名刺交換を行なうと時間の短縮ははかれますよね。
ただ、初対面の挨拶はビジネスにおいて重要な場面です。
自分側の上司であっても、あなたと一緒に訪問した側であれば、先方の担当者の方が上位であることをわすれずに順番を守ってくださいね。
名刺交換を行なう時の注意は?
「なんだか、名刺交換って手順が多くて面倒くさいよね。」
慣れないうちは、面倒くさいと感じるかもしれないですね。
では名刺交換は、挨拶と同じ、と考えてはいかがですか?
挨拶は“相手の存在を認める第一歩”です。
名刺交換の注意点を覚えておくと、いいかもしれませんね。
名刺交換を行なう時の注意点は、主に次の3つ。
『名刺は相手の顔と心得て扱う』『名刺交換の変化』『名刺を切らした時』の3点を見てみましょう。
名刺は相手の顔と心得て
名刺は単なる情報カードですが、受け取る時には『相手の顔』だと思ってください。
「相手の顔って、どういうこと?」と、思いますよね。
例えば名刺交換を行なってすぐ、相手の名刺を手にしたまま話す時、いただいた名刺をぶらぶらと手で持て余していませんか?
『相手の顔』だと思っていれば、そもそも名刺を受け取った両手はずっと胸の高さにしておけますよね。
他にも、お相手の目の前で面談の日付を書いたり、メモ代わりに使ったりすると失礼に当たるので覚えておいてくださいね。
名刺をすぐにしまうのは、アリ?ナシ?
「もらった名刺って、すぐにしまってもいいのかな?」
はい、大丈夫です。
いただいた名刺を、いつまでもテーブルの上に並べておかないのが正解です。
特に欧米諸国ではそのような習慣はなく、名刺を交換してお相手の名前を覚えたら、名刺入れにしまってくださいね。
ただ、私も含めて30~40代以上の方は「名刺は面談の間中、ずっと目の前に並べて置く」と教えられてきた世代なので、並べて置く方もいらっしゃいます。
「え…、じゃあ、名刺交換した人が“ずっと置いておく”人だったら、どうすればいいの?」
確かに、迷いますよね。
その時は、お相手に合わせて並べておいてもかまいません。
マナーは型もありますが、その根底は「相手を想う心」です。
お相手の方に合わせて、柔軟に対応してくださいね。
名刺が足りない!と慌てる時は
「どうしよう!名刺があと、1枚しかない!」
年始のご挨拶など思いがけず多くの方にお会いした時、名刺を切らしてしまうことがあります。
そのために、外出前には訪問社数に合わせて多めに準備するのですが、それでも…の時、気になりますよね。
次の手順で、対応してくださいね。
- 「あいにく名刺をきらしておりまして…」と、素直に伝える。
- 口頭で、「会社名」「部署名」「氏名(フルネーム)」を述べる。
- 「後日、お送りしてもよろしいでしょうか。」とお相手方に確認する。
- あるいは「後日、名刺をお送りいたします」と言って、その場でメモに書いてお渡ししてもよい。
まとめ
いかがでしたか?
名刺交換の基本マナーのおさらいで、不安はなくなりましたか?
挨拶回りなどで名刺交換を行なう時は、くれぐれも目の前のお相手を大切にしながら、あなたの第一印象をよくしましょうね!