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【管理職必見】働かない社員4タイプ!対処法はネガティブフィードバック

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国家資格キャリアコンサルタント。中高年危機脱出キャリアコンサルタント。ソフトウェア開発、システムエンジニアを経て、人事部(労務管理・人材育成・キャリア相談)業務に従事。企業における職場環境・人間関係・セカンドキャリアに関するコンサルティングの他、中高年の危機を乗り越える支援の専門家として活動中。高知県出身、広島県在住。【好き】広島カープ、WoWoW海外ドラマ、坂本龍馬、広島風お好み焼きなど

あなたは働かない社員と聞いてどんなイメージを持ちますか。

  • 朝から晩までパソコンで趣味に関してネットサーフィンをしている社員
  • 営業所周りと称してよく外出し、直帰を繰り返す社員
  • 権限移譲と言って、自分では何もやらず、部下に仕事を丸投げする社員

しかし、今時、そんな人は皆無とは言いませんが、ほとんどいません。

露骨に仕事の手を抜く社員が、のんびり生き残れるほど会社を取り巻く環境は甘くありません。

それではどういう人が、「働かない社員」と呼ばれてしまうのでしょうか。

それは、「真面目でコツコツ働く人」が社会環境の変化、会社の都合によって「働かない社員」になってしまうのです。

そこで、中高年危機脱出キャリアコンサルタントの坪根克朗が、働かない社員問題の対処法として「ネガティブフィードバック」のやり方についてお話していきます。

働かない社員問題とは

まず、働かない社員問題とはいったいどういうことなのでしょうか。

働かない社員問題の意味

働かない社員の問題とは、「働かない」のではなくて、本人が思うとおりに「働けない」ことになります。

本人たちは、真面目にコツコツやっているし、また働く意欲がないわけではありません。

また、会社に貢献してきたという自負をもっている方も多いです。

しかし、本人としては意欲をもって働いているけど、会社の期待に対して十分な成果が出せなくなってしまっているため、「あの人は働いていない」という評価になってしまっているのです。

会社がモチベーションをあげて働いてもらいたいと思っている方々というのは、働いてはいるものの、会社が期待する役割とそれに対する行動にギャップを生じてしまっている方々なのです。

働かない社員が生み出された理由

それでは働けない社員が生み出された理由はどのようなものがあるのでしょうか。

会社の事業構造改革

会社では、今後の経済動向に先行して生き残りを図るべくいろいろな施策を打っています。

例えば、経営合理化を目的として、「事業の選択と集中」を進め、事業譲渡、事業の中止、ノンコア業務のアウトソーシング等を行います。

その結果、当該業務についていた人は、「仕事がなくなる」状態になります。

日本において、仕事がなくなったからといって解雇は簡単にはできません。

そこで、会社は配置転換、役割変更、出向、転籍を行うことによって、本人への期待役割を変えてきています。

しかし、新たな仕事で、能力、スキル、知識、成果がついてこないと会社の期待を裏切りことになってしまいます。

働き方改革

2019年から国が推し進めてきた働き方改革として、長時間残業規制、テレワークといった働き方が推奨されるようになりました。

その結果、上司の言われるままに多くの仕事を引き受け、長時間労働によって成果を上げてきた人は異端児扱いされ、逆に限られた時間で成果を出す人が重要視される時代になってきました。

また、テレワークもうまく対応できる人、できない人で顕著に分かれ、それが会社での評価につながっています。

生涯現役を求められる

少子高齢化が進む日本では、労働力人口が減少していく中、国からも会社からも生涯現役で働き続けるよう社会的圧力が強まってきています。

その結果、ビジネスの現場では、ITのさらなる発展により、すべての人が新しい技術や知識を習得するために、学んでいくことを求められるようになります。

自分自身のスキルや知識のアップデートをあきらめてしまった人は、あっという間に「働かない社員」という烙印を押されてしますのです。

働かない社員のタイプとは

働かない社員と言われる人は、4種類のタイプがあります。

報酬と成果のミスマッチタイプ

日本では、若手時代の給料を低めに抑え、勤続年数と比例して多くあげていく賃金体系を採用している会社が少なくありません。

このような賃金体系の会社の場合、中高年社員で多く見られるように、報酬と仕事の成果にギャップが生まれてしまっていることがあります。

仕事消滅タイプ

今までやってきた仕事自体が、本人の能力に関係なく急になくなってしまうケースです。

事業中止やノンコア業務のアウトソーシングのような事業構造改革によって、現実的に働ける場所がなくなり、「働けない状態」になってしまうタイプです。

燃えつきタイプ

仕事を一生懸命没頭したにも関わらず、本人が期待した結果(昇進や昇格)が得られないことにより、不満や疲労感によって燃え尽きてしまうタイプです。

元エリートタイプ

かつて会社の屋台骨を支えたエリート社員が、世の中のトレンドやマーケット、働き方が変わってしまったことによって、もっている能力やスキルが不要になり、活躍しにくくなっているタイプです。

ネガティブフィードバックとは

ネガティブフィードバックとは、「望ましくない状態の改善に向けて耳の痛い情報を相手に伝えて、望ましい状態へ促すコニュニケーション」のことを言います。

重要な点は、「ネガティブな情報をあえて相手に伝える」という点になります

ポジティブフィードバックとの違い

ポジティブフィードバックとは、相手のモチベーションを高めて成長につなげるフィードバックで、肯定的な言葉選びが特徴です。受け入れやすい言葉でフィードバックを行いますが、人によっては現状に満足して成長する努力をしない人も出てきます。

ネガティブフィードバックが必要性な理由

現実的な問題として、働かない社員に対して、上司から何も働きかけしないのに、部下が変化することはほとんどありません。

そのため、会社からの期待と本人の成果においてギャップが生じていることを部下に伝え、行動変容を起こしてもらうために行います。

タイプ別対処法

「働かない社員」へのネガティブフィードバックにおいて、会社(上司)の関わり、本人の気づきにはどのようなものになってくるか、タイプ別に示すと下図のようになります。

ネガティブフィードバックにあたっての心構え

ネガティブフィードバックをする側の心構えとしては、以下のようなものになります。

嫌われることを覚悟する

相手にとって、耳に痛い、ネガティブな話しをするのですから、当然ながら喜ばれません。

かなりの確率で嫌われることを覚悟する必要があります。

ただ、上司の仕事だと割り切り、以下のような気持ちをもって進めてください。

  • 嫌われようが、煙たがられようが、会社や本人のために必要なことを伝える
  • 短期的に恨まれたとしても長い目でみれば、必ず理解してくれる

行動変容は期待するが、過度に期待しない

上司が良かれと思って、しんどいという気持ちの中でネガティブフィードバックを行っても、相手の行動が変わらないことは十分あります。

行動が変わらないといって、悩む必要はないと思います。

なぜなら「行動しないことも本人の自由意思であり、その結果責任は本人が背負う」からです。

ただ、相手の自由意思と責任を尊重せず、あなたが思う目標へ100%誘導したり、説得する姿勢は反発や面従腹背を招くだけの結果になるので注意が必要です。

感情的にならない

部下に耳の痛い話をするわけですから、「変わってもらいたい、改善してもらいたい」という感情が表にでて、喧嘩ごしの言い方になると反発を受けて泥沼化してしまいます。

伝える側としては、アンガーマネジメントを学んで冷静に対応することが必要になります。

真剣に仕事に取組む

ネガティブフィードバックが相手に受け入れてもらうには、「この人に言われたら仕方ない」と思ってもらえることも重要になってきます。

「あなたが言うなよ」「あなただって」というブーメランを食わないように平素から自分の仕事に誠意をつくしましょう。

自分のことは棚に上げて、部下にだけ高い要求をすることはできないと思ってください。

ネガティブフィードバックの進め方

ネガティブフィードバックの進め方についてお話します。

【ステップ1】合意する

行動変容につなげてもらうには、「置かれている状況」「改善の必要性」「改善計画」「改善できなかった場合の処遇の可能性」に関して、お互いが確認し、合意することが重要です。

本人がおかれている状況の理解

最初にすることは、本人が置かれている状況を理解してもらうことになります。

「期待している成果が出ていない事実」「以前と違って仕事の中身が変わっている事実」「このままだと処遇を下げざるを得ない可能性」を伝えて、部下にわかってもらう必要があります。

部下への問いかけとして、「オープンクエスチョン」が有効になります。

  • あなたの今の状況に関してどのように感じていますか
  • 私は、こう考えていますが、あなたの意見はどうですか
  • 納得できた点と、納得が難しい点を教えてもらえますか

ポイントとしては、本人の口から意見を述べてもらうことが有効です。

人から言われたより、自分で言ったことのほうが内的動機付けを高める効果があります。

改善の必要性

次に、上司として「改善に取り組んでほしいと考えていますが、納得してくれますか」といった言葉をかけて改善の必要性を理解し、納得してもらう必要があります。

改善計画

本人の置かれている状況、そして改善の必要性を合意しあえたら、次は、改善に向けて「改善期間」「改善計画」を立てる必要があります。

そして、1on1ミーティング等を利用しての振り返りも必要です。

改善できなかった場合の今後の対応

開始時点で重要なことは、改善できなかった場合の今後の処遇(配置転換、降格、退職勧奨等)について、可能性を説明しておく必要があります。

【ステップ2】自分の気持ちの矛盾に気づかせる

ネガティブフィードバックでは、「期待と現状のギャップ」が存在します。

聞かされたギャップの中には、本人が認めたくないこともあります。

部下は、そのギャップを認めたくないので、反発や食ってかかるかもしれません。

しかし心の中では、「今のままでいたい」という気持ちと「今のままではまずい」というなんらかの矛盾に気が付いているかもしれません。

人は、矛盾を感じると、その状況に留まることが気持ち悪くなり、なんらかの行動や意識が変わり始めます。

【ステップ3】話すより聞く(傾聴)

しゃべり過ぎない

ネガティブフィードバックで上司が犯すミスとして「しゃべり過ぎ」があります。

部下の沈黙に間がもてなくなって、余計なことを話すことがあります。

上司が、過剰にしゃべりすぎると、部下はじっくり内省する時間がもてません。

必要な情報を与えたら、相手の反応や内省をじっくりみる姿勢が要ります。

部下に考える時間を与えない限りフィードバックのボールが相手に渡らないのです。

沈黙を恐れない間を保つことが重要です。

本人の言い分を傾聴する

フィードバックというと「うまい言い方」と考えがちですが、「うまい聞き方」のほうが重要です。

まずは、本人の言い分をしっかり傾聴しましょう。

「これ以上、言うことはない」「本音をすべて言い切った」という状態まで付き合うと、本人の頭の中と気持ちは整理できます。

【ステップ4】行動と真実について話す

ネガティブフィードバックを行う際は、「どういう行動や真実をみて、上司である自分が問題と判断したか」を説明しないと相手はなかなか納得しません。

例えば、上司であるあなたは、相手に対して「プロジェクトリーダーとしての自覚が足りない」と思ったとします。

この場合、「トラブルを起こしているプロジェクトに関して、プロジェクトリーダー視点での問題点/改善施策の報告を求めているのに、毎回、部下が作成した資料をチェックもせず、そのまま提出しているのが、まるわかりの資料になっている」という行動、事実をフィードバックします。

そして、あなたの部下が「何が問題だったか」を理解できたら、今後のプロジェクトリーダーとして行動変容につなげることができます。

【ステップ5】終わりを作る

ネガティブフィードバックは、部下も上司もストレスがかかるコミュニケーションです。延々と続けるとお互いが疲弊してしまいます。

現実問題として「改善する場合」「改善しない場合」どちらもおこります。

どこかのタイミングで「終わりを作る」ことも必要です。

3か月から6か月、本気で取り組んで改善しなければ、その時は最初に合意した「改善できなかった場合の今後の対応」を進めていくしかありません。

本人にとって、難しすぎる役割や、興味を持てない職務を続けることは長い会社人生で考える場合、必ずしも幸せなことではないかもしれません。

社内外で違う役割や環境に変わったことで、生き生き働けることができる例がたくさんあります。

まとめ

ネガティブフィードバックした結果、「伝えたかった真意が伝わらない」「行動も意識も変わらない」「意見が合わず、感情的な対立を招く」ことが当然起こります。

一方で、「真意が伝わり感謝される」「行動や意識が望ましいい方向に変わる」「今まで以上に相手と深い信頼関係ができる」も起こります。

邪心なしに心から相手のため、会社のためを願ったネガティブフィードバックは相手はもちろん、職場の仲間も好意的に受け止めてくれます。

全員に嫌われない関係より、心ある人たちとの深い信頼関係のほうが大きな財産になります。

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