国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

 仕事離職後のブランクが長い。面接時に上手く切り抜ける考え方のコツ

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国家資格キャリアコンサルタント。熟練キャリアコンサルティング技能士2級。関西地方の専門学校で10代、20代前半を中心とした生徒への進路指導、就職相談を行う。就職支援を行う事業所に転職後、様々な年代のキャリアカウンセリング、仕事紹介、応募書類の添削や面接時におけるビジネスマナーの指導などに従事。飴とムチの使い分けの達人。ちょい辛口のコメントには支援対象者への大きな愛がこめられている。 >>上岡愛の記事一覧はこちら!

会社を辞めてからブランクが長くなってしまった人で悩みを持っている方も多いと思います。

  • 次に応募した会社の面接の時に色々と突っ込まれそうで不安
  • 実際に面接に行ったけど、案の定ブランクのことを聞かれ上手く答えられなかった

今日は面接の時にブランクのことで突っ込まれそうで怖い!という不安でいっぱいのあなたに、なぜ採用担当者が離職後のブランクが長いことを気にするのか、そして転職面接を上手く切り抜ける考え方のコツを、キャリアコンサルタント@上岡愛がお話しさせていただきます!

ブランク期間ってみんなどれくらい?長いと思われてしまう期間は?

20代であればブランク期間無しの人が多い?

まずは20代について考えてみますね。

もし自己都合で退職した場合、雇用保険を実際受給できるようになるのは手続きをしてから3ヶ月後になります。

何かの理由で自分から会社を辞めてしまった。そんな人はその後3ヶ月は無収入に。

働いた期間が少ない20代の人だと貯金だけで3ヶ月持ちこたえるのはちょっと辛いですよね。

しかもその雇用保険は会社都合でなければ、受け取る権利が発生するのに1年間は働いているという前提条件があります。

また、若くて社会経験もある第2新卒と呼ばれる人たちは、事業所側からすると欲しくてたまらないゾーンの人材です。

そういった人向けの魅力的な求人が転職サイトなどに多くあります。転職エージェントに登録しておけば在職中で時間のない人でも、エージェントがその人に合う求人をマッチングしてくれるのです。

そうやって在職中でも楽に次の仕事が見つかるのであれば、3ヶ月無収入のリスクを取るより、ブランク期間無しにすぐに働こう、と思う人が多くなるのは納得ですよね。

一般的なブランク期間

ブランク期間で多いのは1〜2ヶ月くらい。これだと特に何も言い訳をすることもなく「求職活動を頑張っていました」と言えば通るレベルです。

面接時にあれこれと疑惑を含んだツッコミを受けることもそれほどないと思います。

少しブランクあるなと思われる期間

3〜6ヶ月の人。例えて言うと採用担当者が「ブランクあり」というのを、心の中に鉛筆でメモするといった感じでしょうか。

退職後半年という人が少なくないのはどういう理由でしょうか。

職歴がまだ浅い人(1〜10年)で自己都合退職をした場合、給付制限期間3ヶ月を経て、失業給付金が給付されます。

90日間、約3ヶ月です。

つまり自己都合で退職した人が給付制限期間を経て、雇用保険の失業給付金をもらい終えるまでが6ヶ月なのです。

できるだけ早く就職して次の会社で給料を貰いたいという人がいる一方で、失業給付金をもらい終えてから再就職しよう、と計算している人が一定数いるということです。

採用担当者もそのあたりの事情は分かっていることだとは思いますが、この売り手市場の今日この頃、3〜6か月ブランク期間があると「働く意欲があるのかな」という疑問を持たれることも。

面接においてはある程度の準備がいることになりそうです。

ブランク期間6ヶ月〜1年まで

ここまでくると、採用担当者は「ブランク期間あり」というのを心の中にマジックでしっかり書くというイメージです。面接においてはかなりの確率でツッコミが入ることになりそうです。

ただ求職活動を頑張っていました、言うだけでは済まされないと覚悟し、ここはしっかりとした準備をしましょう。

ブランク期間1年以上

離職後、1年以上のブランク期間になると、事業所側は「ブランク期間に何があったのか」を必ず聞こうと心の中のメモ帳にがっつりマジック、それも忘れないよう消せない油性のもので書くことでしょう。

ちょっとゆっくりするつもりで過ごしていたら、アッと言う間に1年が過ぎていた、といううっかりさんであったとしても、それはもう言い訳にはなりません。

ここまで期間が空いてしまった人は、面接に向け相当な準備をした上で挑むようにしましょう。

ブランク期間が長い 採用担当者はここを気にしている!

理由はどうあれ、ブランク期間が長い。

これに対しては必ず質問が来るだろうな、と思うと面接の前から気になりますよね。

何を聞かれるんだろう、何て説明すればいいんだろう、と思うとそれだけで緊張してしまい、他の質問にも上手く答えられないかも。

そこで面接前に対策できるよう、ブランク期間が長いことについて採用担当者が気になる主な点を幾つか挙げてみました。

仕事をすることに対する情熱はあるのか

仕事を辞める。次に働く意欲はある。

  • だったらブランク期間なく仕事をするだろう、と思うのが人間。
  • せっかく転職して一旦は会社を辞めるんだから、ちょっとくらい休んじゃえ、と思うのも人間。

当然、前者の方が印象がいいですよね。後者の人は「ちょっとくらい休んじゃえ」という事実を、何かしらの前向きな理由をつけて話した方が良いということがわかります。

何かその間、働けないような問題があったのか

これはかなり気になるところでしょう。

特にブランク期間が長い場合、「働いていなかった」理由というよりは「働きたくても働くことができなかった」理由が隠されていないか相当疑われていると覚悟しましょう。

資格取得のための学校に通っていた、スキルアップのために留学していた、など特に仕事に関係するような前向きな理由だったら問題ありません。

問題なのは

  • 家族、本人の病気
  • 前の仕事で何かネガティブなことで辞めて気持ちが沈みっぱなしだった
  • 採用試験に失敗し続け1年以上

こういった理由での長期ブランクについては、相手が納得するようなポジティブな理由を添える必要があります。

採用後、しっかりとスピード感を持って働ける人材なのか

働く情熱と若干かぶる項目ですが、一つの事が終わった後、気持ちを切り替えてすぐに次に取りかかれることができない人材なのではないか。

退職後のブランク期間の長さはあなたの気持ちの切り替え、問題解決に対するスピードと合致するのではないか。

こういった疑惑を払拭できるよう、あなたは面接までに、そうではない、という安心材料を揃えて準備しておきましょう。

ブランクが長い 面接を上手く切り抜ける考え方、コツ

面接に向け、ブランク期間について聞かれることを想定し、あなたはあれこれと説明という名の言い訳を考えます。ここで上手く切り抜けるためには

  • 事業所の採用担当者目線で答えを考えること
  • 仕事に対するやる気があることをアピールすること

上記のことプラス、面接を上手く切り抜ける考え方、コツは以下の通りです。

その1:”やる気あります”アピールは具体的な文言を添える

ブランク期間中、仕事探しを頑張っていました、と言うだけではブランク期間の長さで採用担当者の心の中に書かれた疑惑の文字を消すには不十分。

そんな時には具体的な文言を添えるだけでぐんと変わります。

具体的文言をプラスした例

ブランク期間は仕事探しを頑張っていました。その間、在職中は多忙でできなかった自分の能力、適性を整理することから始めました。業種、職種の情報収集にも力を入れ、〇〇の業種、□□の職種を調べ、リサーチした事業所は何十社あります。

実際は仕事を辞めた後、ここぞ!とばかりにのんび〜り過ごしちゃった人でも、その後働くことを考えたら、ちょいちょい求人情報くらいは見ていたでしょ?本格的に仕事探しを始めたら、上記のことくらいは言えるように、効率的かつ真剣に情報収集作業はやるようにしましょう。

その2:たとえ後ろめたくても、下を向かない!

ブランクが長いことについて、これと言った深刻な理由は特になし。でもちょっとした後ろめたさはある。そんなことだけで視線が下がりがちになったり表情が暗くなってしまう。

これは問題です。あなたがそういうリアクションをすることで、採用担当者は「長く働けなかった理由があるのかも!」とあなたの痛くもない腹を探ってくるかもしれません。

他の質問同様、相手の顔を正面から見て、きっちりと前向きな理由を添えて話すようにしましょう。

その3:真実をありのまま、そのままをぶっちゃけて話さない!

嘘を言え!と言っているのではありません。

私が接してきた方々の中で特に社会経験が浅い人たちは、ありのままのことを洗いざらい話さなくてはいけないという意識に囚われてしまうあまり、それを言っちゃあおしまいよ、ということまでぶっちゃけてしまう人がかなりの割合でいらっしゃいました。

例を挙げるとこういった風に。

ぶっちゃけてしまった例

前の会社が合わなくて、体調不良になって退職しました。退職後半年間は何も手につかなくって。家を出ることもほとんどなかったです。でもしばらくしたらだんだん調子が良くなってきました。そうするうちに次に就職するならもっとPCスキルが上がった方がいいんじゃないかと考えるようになって、3ヶ月間PCスクールに通いました。だんだん自信がついてきて、今は就活に前向きに取り組んでいます。

ご本人はPCスキルを上げることを頑張った、今は前向き、ということをアピールされていると思っているのかもしれませんが、これでは前の会社の悪口とも取られかねないですし、うちの会社に入ったものの、また体調不良になるのではないかという新たな心配も出てきます。

こういった場合は

よく整理された回答例

前職退職後、自分の中のビジネススキルや、希望する仕事について整理する時間が必要と感じました。考えた結果、今後希望する〇〇職で再就職するためにはPCスキルの向上は必須だと思いました。そこでスクールに通い3ヶ月間技術の向上に励む一方、希望職種や企業の情報収集をしておりました。

こういった風に話す方が良いでしょう。

ここでの考え方は理由を述べる時、ネガティブなことから始めないということです。

ブランクが長い人の中には、前の会社を辞める際の何からしらネガティブなことがあり、すぐに就活できなかったという人も少なくないと思います。

ただ、そのことをありのまま言っても、事業所側は「それは気の毒に」と同情するよりも前に「前向きに働いてくれないかも」という負のイメージがつく可能性の方が大きいことをお忘れなく。

その4:親族、本人の怪我、病気は「今後問題ない」ということを根拠とともに説明

親族、本人の何かしらの体調不良も長期ブランクの理由になる場合があります。

ここでのポイントは「今現在は問題ない」ということだけでなく、「今後も心配ない」ということを可能な限り強調しておくということです。

「今は大丈夫です」というだけでは、担当者は「今のところたまたま調子がいいだけで、うちで採用後にまた長期に休むのかも」という新たな疑念が湧きます。

病気・怪我が治癒して経過観察で数ヶ月に1度、平日に休んで病院に行く必要がある場合などは「数ヶ月に1度平日に休みが欲しい」と言ってしまう前に、「回復後の経過観察のために」と前置きすることで、随分と印象が変わります。

困った時にはキャリアコンサルタントに相談だ!

これまで、ブランクが長い人が面接をいかに上手く切り抜けるかにスポットを当ててお話ししてきました。

  • 考え方は理解できるけど、自分のこととなるとどう言えばいいのか分からない。
  • 私のブランクの理由は他の人とかなり違う。どう説明したらいいのか個別に相談したい。

こんなあなたは是非キャリアコンサルタント、アドバイザーに相談されることをお勧めします

あなたの話を、気持ちを含めてゆっくり聞いた上で、きっとあなた個人に合った面接対策をしてくれますよ!

まとめ

いかがでしたか?

採用担当者の心のメモに書かれた「ブランクあり」。

それに対する先に述べたような懸念・心配が解消され、ああ、これなら大丈夫、と心の中のメモの文字を消してもらうことが重要です。

メモで描かれている文字が鉛筆書きならば、消しゴムでさっと消えますが、がっつりと書かれたマジックは専用の薬剤で強くこすらないと消えません。

それだけ強力な「理由・意欲」という名の薬剤をきっちりと準備して挑みましょう!

最後に、私の友人で一部上場企業の管理職をしている人に「ブランクが長い人が面接に来たらどう思うか」と聞いてみました。

その友人は、「過去がどうあれ、その人が今やる気があって能力が高く、今後一緒に働きたいと思える人材であれば、私は会社や上司に採用するよう推す」と言っていました。

大切なのは過去よりもあなたの現在、未来です。

ちょっぴり長く「人生の夏休み」をとったあなたが、また社会で生き生きと働けるよう、応援しています。

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