障害者家族が「親なきあと」の障害者本人の住まいに向けて取り組みたいポイント

親なきあとについて取り組む必要はあるのはわかっていても、今のままで問題がなかったら現状を変えるのは怖くなってしまいます。
しかし、障害者家族の生活は、2020年に発生したコロナのような不測の事態が長期化した場合、住まいや金銭的において生活の危機に直面する可能性があります。
そんな時、家族が体調を崩した時、親なきあとに取り組んでいなければ、日々の暮らしへの不安が強くなりすぎて、生活を守るので精一杯。
障害者本人が落ち着いて過ごせなくなってしまいます。
だからこそ、「親なきあと」は無計画ではよいはずはありません。
段取りをしっかり踏んでおけばいざっていう時、慌てなくて済みます。
今回は準備不足にならず、いざいう時、住まいを中心に親なきあとの準備が役立つ方法をお伝えします。
親いる間に障害者本人の住む場所を考えていく
「親なきあと」を考えると、どうしても障害者本人がどこで誰と過ごすのかも悩ましいところです。
グループホーム、入所施設、サテライト型グループホーム、家族と同居、福祉サービスを利用した一人暮らし
そして、グループホームに入るにあたっては支援区分の認定を受けていることで、これは市区町村の窓口に申請します。
障害支援区分とは
障害者総合支援法によって定められた福祉サービスを受けるために6段階に区分されているもの。1が一番軽く6が一番重い。
療育手帳の等級とは別である。
グループホームによって支援区分の4以上の方などの条件が出るので見学等を考える際は要チェックです。
障害者本人の体験と意思の確認
グループホームを検討するには障害者本人の見学とショートステイを繰り返しながらの体験が必要になります。
グループホームは多様な世代と価値観を持った人と一緒に暮らすことになります。
だから、現場でしかわからない空気感やスタッフの人柄などがあります。
その時、バリアフリーや利用料などの施設面、通所先に近い、困ったことは相談しやすいかなど気になっていること、教えてほしいこと、知りたいこと、聞きたいことはしっかりとスタッフに聞いて住む場所を決めていきます。
一人暮らしで必要なお金の検討
グループホームで暮らす際は、障害基礎年金と国からの家賃補助などで暮らしていけるようになっています。
でも、日中は外出することが基本。
出かけるとなれば交通費がかかるし、それに、食費、光熱費、医療費、趣味のお金がかかります。
それらを障害者本人の収入でするのか、家族が親なきあとも見据えて用意しておくのかも検討していきます。
親なきあとを限りある時間内でやる
仕事をしながらや家族が高齢期を迎えた親なきあとは、限りある時間をどうやりくりして取り組むかも必要です。
疲れているとやる気にならないし、家にいたらテレビやネットを見たりしてだらだらと過ごしがちになります。
そうすると、今日はしようと思ってもできないことで、だんだんと「親なきあと」から遠ざかっていきます。
障害者の暮らす場所は残念ながら現在のところ限りもあります。
探して、利用するための手続きと障害者本人の体験の繰り返しです。
とても時間と労力がいるということを忘れずにいてください。
「親なきあと」に障害者本人が安心して過ごせる場所
「親なきあと」が滞らないためにも、毎日の過ごし方で何が今大事で、何をしないかを決めていきます。
今までの習慣をしないと決めるのは勇気がいります。
誰にとっても安心して過ごせる場所はとても大事。
だからこそ、時間を無駄に使っていると心の片隅で思っているなら、日々のあれこれを振り返り、時間の使い方を見直していきます。
毎日少しずつを習慣にするを目標にします。
障害者本人が自立に向けて取り組むこと
障害者本人が一人暮らしをする中で作業所へ通所していたり、就労している場合もあるので、
病院へ定期的に通っているなら通院と服薬、時間と金銭管理は欠かせません。
身の回りのことも自分でできるようになる自分でできる力と相談できる力を育てていきます
自立に向けては見守る姿勢を持つ
障害者本人にとって苦手なことって多いですよね。
私も反省するところなのですが、家族としてはついつい先回りしちゃうことだってありますよね。
でも、それはちょっと控えます。
障害者本人はできないこと、苦手なこともどうすれば取り組めるのかしっかりと自分で考えて、工夫して実行できます。
ここは見守る姿勢を持ってください。
障害者本人が自分でできる力を信じる
いつでも困っているとさっと手が伸びる毎日だと障害者本人もそれが当然になって家族に頼りがちになります。
そうなると、親元を離れた時、親が長期入院した時、親なきあと障害者本人にとって戸惑うことが出てきても、頼る相手が家族だけだと
相談相手がおらず、戸惑うことが多くなります。
・洗濯、掃除、食器を洗う、身だしなみ、買い物に行くなど自分でできることを積み重ねていきます。
障害者本人の自立に視点を持って気持ちを整える
自分のことを振り返ってみると、親にいちいち口出しされるのってうっとしいって感じたことはないでしょうか?
そういえばと心当たりがあれば、障害者本人の自立に向けてに視点を切り替えます。
どうしても離れて暮らすって心配が募ってきますよね。
心配な気持ちは私自身も山のようにあって、動作一つにとってもやきもきすることはあります。
でも、手を出してしまって余計なことをししたと自己嫌悪。
なので、見守る姿勢を心がけています。
もちろん、どうにもならいとなったらサポートはしてくださいね。
将来を見据えて、ゆっくりでも障害者本人の自立に向けて「子離れ」という気持ちを整えていきましょう。
障害者本人の【相談する力】を育てていく
障害者本人も成長するにつれて学校や就労、そして一人暮らしなど行動と日常を営む範囲が広がっていきます
その時は、大切なのが「自分から相談できる」ということ。
自分なりに頑張って行動しても上手くいかないことや対人関係のコミュニケーションで悩んだりします。
そんな時、家族はもちろんですが、周りの人にも相談できるようにしていきます。
相談することで、相談相手と時間がかかっても問題に一緒に取り組み、そこからいくつかある解決方法を自分で選んでいく解決していくという経験を重ねる
「自立」は周りのサポートを受けながら生活していく
特にグループホームや一人暮らしをする中で、困ったことが起きた時、まず相談するのはそこのスタッフやヘルパーさんになってきます。家族や通所先や就労先ではないのです。
何も言えないままだと困った状況が続くことになります。
「自立」という文字をみると、すべて自分でと思いがちですが、そうではありません。
障害の有無に関係なく一人でできることは少ないもの。
周りのサポートを受けながら生活していきます。
だから、相談する力を身を育んでいきます。
障害者本人の一人暮らしをさせることに後ろめたさを感じない
家族でお世話するものという考え方もまだまだあります。
一人暮らしをさせるなんてと言われて後ろめたさを感じないでください。
障害者本人の一人暮らしは当たり前の権利です。
一人暮らしを体験した障害者家族なら、大変なこと寂しい気持ちもあったけれどそれだけ貴重な経験ができたという方もいるでしょう。
その経験を障害者本人もするということ。
しなやかに生き抜く力はあるので、そこを信じて、少しでもお互いにとって未来に希望を持てる方向に進めていきましょうね
自分の決めたことに自信を持つ
障害者本人が決めたといっても一人暮らしをさせて本当によかったのかなと割り切れなかったりするかもしれません。
悩んで、考えて、行動して今があります。
どんな時でもその時にできることをしています。
自分の決断に自信を持ってくださいね
[家族で暮らすという選択を選んだ時に考えておきたいお金の管理
障害者本人が支援学校や大学を卒業後、就労移行支援事業所に通った後、障害者本人が就職したら一週間、朝から晩までしっかりと仕事をして一か月生活できる収入があって欲しいという希望もあるかもしれません。
でも、週に4日や短時間だったり、正社員でなかったり就労継続支援事業所という場合ももあります。
そこで、家族が世話を見ると決めたからには、障害者本人の収入が就労継続支援B型事業所の1か月の工賃があればいい位のある意味割り切りも必要です。
大切なのは障害者本人が「働こう」と思ったその気持ち。
就労したから続けることは大事。
でも、無理してでも続けるべきという今まで通りの考えはやめます。
そういう親や周りからのプレッシャーを感じると障害者本人が動けなくなることもあります。
週2日、一日、3,4時間でも仕事をしたことをしっかりと認めいきます。
そして、今通所したり、通勤したりしている中で、障害者本人が「幸せや喜び、やる気を感じているかどうか」を目安にして欲しいのです。
親なきあとも生き抜いていける今あるお金の把握が大切
今あるお金をしっかりと把握して親いる間と親なきあとも生き抜いていける未来のプランをつくること。
限りある収入の中で家族との生活していくプランを立てます。
プランは何度も書き直しをしてもいいし、変更もありです。
現実と折り合いをつけながら、経済的にも精神的にも落ち着いて生活できる環境を整えていきます。
障害者本人の高齢化も視野に入れて、住む場所を考えます。
障害者本人の住まいについて目途が立ったからほっとしたいところですが、障害者本人も確実に年を取ります。
私も含めた40代以降のきょうだいたちの関心は、「親なきあと」、障害者本人が高齢になってさらに今よりケアが必要になった場合、障害者本人の住む場所とケアをどうするかという問題です。
そのため、高齢者になった時のことも忘れてはなりません。
今の住まいで生活できないという事実が出てくる
知的障害者自身が高齢になり病気の症状の進行などによりケアがさらに必要になった時。
現状のグループホームや一人暮らし、またきょうだいと暮らすのは難しくなります。
そうなると、看取りも含めた老人福祉施設に移るという選択肢が出てきます。
介護型施設の種類
特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護医療院、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症高齢者グループホーム、介護型ケアハウス、小規模多機能居宅介護施設
高齢期の住まい探しも時間と労力がかかる
入所に当たっては介護認定を受けなくてはいけないし、入居は申し込み順ではありません。
必要度合いの高い人が優先です。
ということは、入居できるまでどのようにしてケアをしていくのかも考えなくてはいけません
施設によって入居期間や金額、看取りまでなどそれぞれなので、障害者本人に合った施設を探すのは時間をかかることになります。
老人福祉施設によっては、障害者の受け入れは施設によって様々です。
そこで、もし、家族が自分たちもいずれ老人福祉施設に入居しようと考えているなら、障害者が入居できるかも確認します。
自分たちの住まい探しを兼ねて、障害者も入居可能かどうか施設見学の際には、聞いておくとあとあと一から探さすではなくて、もう一度連絡して確認するという手順になり手間がかなり違います。
高齢者の福祉と障害者の福祉サービスとの違い
住み慣れた地域で相談できる先を考えていくことも障害者本人にとって大切にしておきたいものです、
そこで、相談先として2つ例を挙げます。
高齢者の相談を受け付ける場所、生活していくうえで困ったことがあったら相談できる。
要介護認定の申請や、介護サービスの手続き、介護サービス事業所の紹介など介護サービスに関する相談窓口として機能しています。
介護保険、福祉制度やサービスの申請や利用の支援・生活する上での経済的な困りごとなどを行い、利用者が安心して自立した生活を送れるようにサポートすることを目的にしています。
障害者本人も地域を形成する一員です。
住んでいる地域の支援の力を借りながら、「親なきあと」も暮らしていけるようにサポーターを広げていきます。
ポイントは相談員の名前を家族と共有して、何かあったらその相談員さんを通じて対応できるようにしておくことです。
きょうだいが当たり前の日常を送れなくなる場合
障害者本人や親が高齢になって介護が必要になった場合、自分以外に支える家族がいないから、家族の面倒見て欲しいという想いに応えるようや家族を見離せないという気持ちが高まってきてしまいますよね。
例えば、遠方に住んでいて親が認知症になった場合、親と障害者本人のケアを考えて仕事を介護を理由に退職したとします。
辞める時「仕方がない」という後ろ向きな気持ちがでてくるかもしれません。
さらに、時間があるからと地域包括支援センターなどに相談せず一人で抱え込むと終わりが見えず、体も心も疲れ切ってしまったり、
ケアする相手に大声を出してしまうなどしてしまって、後悔するという負のループに陥るかもしれません。
仕事をする、友達や同僚と食事に行く、話す、趣味を楽しんだり、出かけること今までできていたことができなくなることはそれはそれはストレスになるからです。
きょうだいが背負い込むのは当たり前ではない
面倒を見なければならないからしたいこと、夢、仕事をあきらめたという気持ちを持つことになると後々まで、気持ちを引きずり、マイナス思考になって上手くいくこともいかないとなってきます。
親なきあとはどうやって過ごすか、どこまでかかわるか家族としっかり話し合います。
少しでもうまくいくかもと思える方法を探していきます。
障害者本人の生活を守る仕組みは整っています。
共倒れしない、自滅しない、自分のことを守る姿勢を持つことがとっても大切です。
終わり
最近は、障害者本人のいいところをわかってくれる人たちと出会って、「親なきあと」も過ごすことができればいいなと思わずにはいられません。
だからこそ、親なきあとへの第一歩がとても大事
今まで見ようとしなかったこと、見えなかったことも向き合うことだから、思わずため息が出ることもあります。
思わず、二の足を踏むこともあるかもしれません
でも、決めたらからには、動き続ける
そして、時々見直して、こうした方がいいなと思ったらメンテナンスをしていきます。お手入れも怠らないこと
定期的に目を向けて自分にとっても、障害者本人にとっても心地よいを作り上げていきます。
心を込めて取り組んだことが「親なきあと」が障害者本人の羅針盤となって安心して人生を過ごせるようにしていきましょう。