【50代】テレワークが苦手でやりたくない!「働かない社員」にならないための対応策

50代の中高年の皆さん、今までは会社に出社し、成果に直接関係しなくても認められていた以下のような働き方や行動がテレワークの導入に伴い、上司・同僚から見えなくなったせいもあって、会社から「評価されてないなー」と感じたことありませんか?
また、テレワークでの上司や同僚、他部門とのコミュニケーションの取り方が難しくて、テレワークなんてやりたくない!と思っていません。
- 勤務態度は良く、台風や災害の時も、這ってでも出社し、働いた
- 会議には必ず出席し、積極的に発言はしないが、うなずきにより賛成していた
- 職場に来る人といつも雑談を交わし、社内情報を仕入れ、教えていた
そのうえ、「給与水準と仕事の成果が見合っていない」と若手が中心として言いだし、「働かないおじさん」と揶揄されています。
この先、会社は、テレワークのメリットや効果を実感してきているので、完全にテレワークを止めて、コロナ前の働き方に戻ることはないでしょう。
それでは、中高年の社員がテレワーク時代に「働かない社員」と言われなくなり、会社に貢献していくにはどうしたらいいのでしょうか。
私が60歳の時に、東京の会社の仕事をテレワークで1年間やり続けたキャリアコンサルタントの坪根克朗がお話していきます。
テレワークの今後
テレワークとは
本来、テレワークとは「tele=離れた所」と「work=働く」をあわせた造語で、ICTを活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を意味します。
テレワークには大きく3種類あり、従業員の自宅で仕事を行う「在宅勤務」、取引先のオフィスや移動途中の駅、カフェなどで仕事を行う「モバイルワーク」、そして専門の事業者が提供するサテライトオフィスやコワーキングスペース、自社で整備した専用施設などで仕事を行う「サードプレイスオフィス勤務」が含まれます(一般社団法人日本テレワーク協会より)
テレワークは今後も続く
新型コロナの感染対策で、半ば強制的に始まったテレワークは、「Zoom」「Microsoft-Teams」といったWeb会議ツールの『使い勝手の良さ』もあり、首都圏/大企業/IT・インターネット/ホワイトカラーを中心に定着しつつあります。
もちろん、接客・飲食・物流・医療・建設などの業種は「出勤」が前提となっていますし、すべての仕事でテレワークが普及するとは限りませんが、テレワークは継続されると思われます。
テレワークをやりたくない理由
中高年の社員がテレワークをやりたくない理由、言い分はなんでしょう。
自分の評価がどうなっているか心配
いままでは、上司から「成果を出している」「勤務態度がいい」「成果につながる行動がいい」で評価されていたのが、テレワークになって「勤務態度が見えない」「成果につながる行動を細かく把握しづらい」中で、成果が出ない場合、自分の評価はどうなってしまうかという心配です。
テレワークでは、できない仕事がある
上司の判子をもらうための出社とか、会社の荷物の受け取りのための出社とか、「テレワークあるある」に出てきそうな、テレワークではできない仕事がたくさんあると思っています。
パソコンが苦手、テレワーク環境の設定なんてできない
そもそもパソコンスキルがあまりないのに、テレワーク環境の設定、例えば「仮想ディスクトップ環境の設定」「社内LAN接続の設定」「情報セキュリティの設定」などを自宅一人でやれと言われてもね!
リアルよりコミュニケーションが悪くなる
上司・部下の間のほか、「部門」「同僚」といった間でもコミュニケーションの問題が出てくると言っています。
部門間のコミュニケーションが悪化する
リアルでは、自由に行き来して部門間の連携を図ることで、組織力の強化や社内の一体感を生み出していたのが、テレワークによって自由なやり取りができなくなって、部門の孤立感が深まる可能性がでてきてしまう。
雑談によるアイデア創出や問題解決が減る
テレワークになると社員同士の交流が減ってしまうので、当然雑談は減り、そこから生まれたアイデアや問題解決の可能性も減ってくることになります。
中高年社員にとってのテレワークのメリット
通勤が楽
中高年の社員にとって、最大のメリットは体力的・精神的に負担の大きい通勤がなくなることですよね。
そして、テレワークの仕組みが整っていれば、毎日の通勤ラッシュ対策だけでなく、台風や大雨・大雪といった災害時にも安全に働くことができます。
無駄な出張が減る
地方で働く社員にとって、交通費かけて、1~2時間の報告のためだけの出張がなくなるのは非常にうれしいですよね。
最近では、お客さんも使用するWeb会議ツールは指定されますが、Web会議は問題なく許してくれるので、お客さまへの出張もなくなります。
上司からのパワハラが減る
部下を席の前に呼びだし、パワハラに近い形で、部下に成果をもとめていた上司いますよね。
テレワークになれば、画面越しでは強い恐怖感を感じることは少ないし、メールやチャット、Web会議の場合、データとしてパワハラの証拠が残ってしまうので、大人しくせざるを得ないですよね。
仕事がはかどる
仕事が中断されにくい
テレワークになると、不要不急のミーティングや来客もないので、仕事が中断されにくくなるので、集中することができます。
隙間時間が活用できる
オフィス勤務しているときは、隙間時間が生まれても、待機時間として待たされたり、人に話しかけられてしまったりすることがあります。
しかし、テレワークで仕事をしている場合、隙間時間が生まれれば、合間に別な用事を行うこともでき、時間を有効に使うことができます。
内緒の話ができる
テレワークだと回りにだれもいないので、人事や労務問題など難しい話もできるようになります。
働かない社員と言われないための対応策
【対応策①】テレワークだからこその仕事をつくる
まずは、テレワーク環境下になってもしっかり働いて会社に貢献しているところ見せないといけないのですから、次のようなことをやってみてはいかがでしょうか。
「ひと固まりの仕事として請け負う」姿勢を出す
業務経験が長いと自分の裁量で最初から最後までやりたくなりますよね。
こんな場合は、仕事をひと固まりのタスクとして請け負うことをお勧めします。
たとえば、会社の新製品の販売予測を考えるとき、アンケート調査をした結果を「整理」「ビジュアル化」「分析」「販売予測」といったタスクをひと固まりの仕事としてやらせてもらうのです。作業量は多くなりますが、やりがいがでてきます。
また、こうしたひと固まりの仕事では、アウトプットが明確になるので、成果を出やすいし評価されると思います。
「業務改革」を提案し、やらせてもらう
既存の業務をどこまでテレワークで行えるか、逆にどこからはリアルな職場の作業が必須なのか、これまでの膨大な業務を分類して、まとめ直す業務改革の作業を会社に提案してやらせてもらうなんていかがですか。
業務改革のポイントは、お客さま視点(こんなのお客さんは望んでいないよね)でみて不要な手続きをバッサリ無くしていくと良いと思います。
社内スタッフにとっては、お客さまは、社員、パートナー会社の社員が該当します。
【対応策②】仕事のオンオフの切り替え方法
テレワークになると、ある意味、いつでも仕事ができてしまう環境に身を置くことになります。そのため、仕事のオンとオフの切り替えを上手にしないと、いつもプレッシャーを感じてストレスを抱えてしまうことになります。
そうならないためにも、自分なりの切り替え方法を決めて、実践することをおすすめします。
私がテレワークで仕事していた時、以下のことをやっていました。
- 始業前に部屋の掃除をして、机を拭く
- 仕事着に着替えて、身だしなみを整える
- 始業時間前の10分で今日の仕事の段取りを確認する
- 昼休憩の時間を定める
- 残業しても19時までと決め、仕事の途中でも止める
【対応策③】テレワーク活用スキルを身につける
テレワークの専用マニュアルの活用
会社として、社員向けにテレワークの準備マニュアルを作ってもらう必要があります。
以下のことを書いたマニュアルを作って、説明会を開いたり、質問に答えてくれるコールセンターを置いてくれると助かりますよね。
- 仮想ディスクトップ環境の設定
- 社内LANへの接続手順
- Web会議ツールの使い方
- 情報セキュリティでやってはいけないこと
聞く前に検索する
職場と違って、同僚に質問したり、環境設定を手伝ってもらったりできません。
テレワークでは、自分で調べる(検索する)癖をつけるしかないと思います。
そして、検索できたら、その内容をコピー&ペーストしてメモで残して自分専用のマニュアルを作ってもいいと思います。
【対応策④】Web会議の参加では「準備」が大切
リアルの会議だと、参加者大勢いても「存在」はあります。ただ、オンラインでは、表示される画面に限りがあるので、「発言しない」と参加していること自体もアッピールできません。
Web会議で発言するのは、「準備すること」しかありません。
事前に資料が配られるのであれば、きちんと読み込み、質問内容や自分の意見をまとめておくことです。
【対応策⑤】テレワーク用のコニュニケーションスキルを上げる
テレワークでの「コミュニケーションルール」を作り、活用する
テレワークでは、メールやチャットなどのコミュニケーションツールに頼るしかありません。
こちらがすぐに返事がほしくても、相手がメールなどに気付くのが遅い場合もあります。
このようなコミュニケーションのタイムラグの発生、行き違いはストレスの原因にもなります。
それを生じさせないためにも、コミュニケーションツールの活用方法について上司やチームメンバーと話し合い、ルールを作成することは有効です。
- 始業時/昼休憩前後/終業時にはメールやチャットを確認し、返信する
- ちょっと確認したいことあればチャットを利用
- 相談ごとはメールを利用
- 緊急の相談は電話かWeb会議ツールを使用 等
リアルより過剰なくらいの配慮が必要
テレワーク環境では対面でのコミュニケーションよりも意志が通じにくいので、それを意識した行動が重要になります。
特に、メールやチャットのように文章でのコミュニケーションでは、対面で行うコミュニケーションよりずっと少ない情報しか伝えることができません。
例えば、何気なく送ったメールを読み返してみると、思ったよりきつい言い回しになっていたとかありますよね。
テレワークでは、リアルより過剰なくらい以下のような配慮が必要になってきます。
- チャットで送られたメッセージではなからず「いいね」を返す
- メールの文面は普段より丁寧に書く
- 感謝やねぎらいの言葉を必ず入れる
- メールは2~3回読んで返信する
【対応策⑥】自由な時間を自己啓発に使う
テレワークによって、通勤時間や出張などの移動時間が減るので、その時間は、自分の将来のために自己啓発に使うことをお勧めします。
今の仕事の延長上の勉強に使う
今の自分が担当している仕事を発展させるような勉強をすることも手だと思います。
エンジニアだったら、「AI」「プログラミング」なんかどうでしょうか。
セカンドキャリアを睨んだ資格取得の勉強に使う
中高年の方々なら、定年後のことなどセカンドキャリアが気になりますよね。
どのようなセカンドキャリアに進みたいか明確にしたうえで、資格取得の勉強などしてはどうでしょうか。
まとめ
中高年にとって、テレワークが進んでいくことは、従来から「良し」と思っていた働き方や仕事のやり方を、ある意味否定されるわけですから、中高年の危機(注1)になりえます。
だからと言って、何もせず手をこまねいていてもしかたありません。
先の予測できない時代では、自分から環境に適応して変化していくために工夫し、知恵を出していく必要があります。
中高年を迎えた個人が「出世や能力の限界」「中高年期特有の身体的変化と病気」「働き方の環境変化」といったことを経験することによって、自分が持っていたプライドが壊され、自己肯定感も下がることをいいます。その結果、「自分が何者なのか」「何をめざしていたのか」「これから何をしたいのか」が分からなくなり、行動や努力ができなくなってしまうことを言います。中高年の危機については、このブログに詳しく書いていていますので、読んでみてください。
今回のブログに作成においての参考図書は以下になります。
中高年の危機を感じている方は、是非、相談に来てください。