【50代】年下の上司が苦手!心のモヤモヤを解消し、うまく付き合っていく方法7選

近年、年功序列制度の崩壊に伴う完全能力主義への移行、若手の抜擢、役職定年でのポストオフ、定年後の再雇用制度の導入等によって、職場に年下の上司がいるのが当たり前になっています。
しかし、頭ではわかってはいても、実際に自分がそういう立場に置かれてみると、感情的に何かモヤモヤが残る方がいるのではないでしょうか。
今回は、50代を過ぎるとだれでもが経験する年下の上司とうまく付き合っていく方法を中高年危機脱出キャリアコンサルタントの坪根克朗がお話していきます。
年下上司はめずらしくない
職場おける年下上司の状況をみていきたいと思います。
上司の年齢が年上から年下に変化するのは53.5歳
2017年のパーソル総合研究所の調査によると、年下の上司がいる会社員は40代前半では約1割くらいですが、40代後半で約2割、50代後半では6割近くにもなります。
そして、上司の年齢が年上から年下に変化するのは53.5歳になります。
2017年でこの結果ですから、2020年代に入っている今は、50代のほとんどの方の上司は、年下になっていると思われます。
年下上司に「やりにくさを感じる人」は約3割
マンパワーグループの調査(2018年)によると、35~55歳の正社員男女400名のうち、約3割が年下の上司に対して「やりにくさを感じたことがある」と答えています。
具体的な理由としては「お互いに思っていることをストレートに言えない」「年下の上司のプライドを損ねないように気を使う」「年下の上司が本音を語ってくれない」「年下の上司が人の話をまともに聞かない」などがあるようです。
年下上司でも「能力があれば年齢は関係ない」と思う人75%
方や一方で、2005年という少し古いデータですが、日本経済新聞が「年下の上司」に関するアンケート調査を行ったとき、「自分より有能だが年下の上司のもとで働くことに抵抗を覚えますか?」という質問に対し、「抵抗ない」と答えた人が75%にものぼったといいます。
年下上司へモヤモヤ事例と原因
成果主義、能力主義になってきた会社において、今では、能力があれば年齢には関係ないとは思っていても、思わず年下の上司にモヤモヤすることはありますよね。
年下上司へのモヤモヤ事例
年下上司へのモヤモヤ事例、私が見聞きした話は以下のようなものがありました。
- 「自分は上司である」というプライドが強く、経験豊富な部下のアドバイスを聞かない
- 経験不足でうまく仕事を回せないにもかかわらず、態度だけは大きく偉そうにしている
- 情実人事で出世するが、担当する仕事は初めてなので、仕事は部下に丸投げ
- 優秀なので、大風呂敷を広げて仕事をとるが、トラブルが発生すると逃げ出す
- 現場経験が少ないため、現場作業員とトラブルを起こし、その尻ぬぐいが大変
年下上司へのモヤモヤが起こる原因とは
年下上司へのモヤモヤが起こる原因は何なのでしょうか。
年齢の若さから偏見を持ってしまう
上司の年齢が若いというだけで、「 経験が少ない」と感じて不安になったり、先行きのリスクを考慮せずに指示を出されることに不満を感じてしまうことがあります。
上司の指示の出し方に不満がある
上司の指示の出し方に対して、「自分だったらこう指示するのに…」とつい不満に思ってしまうのも、働くうえでのモヤモヤを感じる原因の1つだと思います。
上司と自分に能力の差が見られない
モヤモヤが起こる大きな原因は、年下上司と自分に大きな能力の差があるとは思えなくて「なぜあの人が・・?」「なぜあの人の言うことを聞かないといけないの・・?」と疑問に感じてしまうこともあるからではないでしょうか。
年下上司へのNGな言動
年下上司とのうまいつき合い方をお話する前に、年下上司にしてはいけないNGな言動についてお話します。
年齢や経験を理由に指示に従わない
勤続年数などが長くなればなるほど、自分の仕事のやり方に固執してしまうようになります。
年下上司から効率が良い方法などアドバイスを受けた時、「今まで自分はこれでやってきた」と意固地にならないようにしましょう。
ただ、一度言われた通りに新しい方法を取り入れてみて、ダメだったら、だめだった原因を上司と話をしたうえで、新しいやり方で進めていくという柔軟な考え方が大切です。
年下上司の足は引っ張らない
上司も間違った判断をして、失敗することはあります。
このような場合、この失敗話に余計な尾ひれをつけて、面白おかしく他の職場で語るような上司の足を引っ張る行動は慎まなければいけません。
年下上司とうまく付き合っていく方法7選
年下の上司とうまく付き合っていく方法として、重要なことは信頼関係を築くことです。
年下の上司も部下が年上だと思うとなんとなく身構えてしまいます。
そして、言動は場合によっては過激になる可能性もあります。
ただ、信頼関係ができあがれば、年下の上司から攻撃されることはないし、逆に頼りにされる関係になることができます。
以下、年下上司とうまく付き合っていく方法について説明していきます。
【付き合っていく方法①】人としての敬意をもって接する
年下上司の現在のポストは、会社の仕組みの中で、年齢に関係なく経験や能力が反映された結果です。
年功序列が主流の時代とは違うことをきちんと認識し、年齢ばかりにこだわらず上司のスキルや人間性に目を向け、敬意を持って接することが重要です。
敬語で話す
敬意を表す方法として、年齢が年下であっても、上司には変わりないのですから、敬語を使用することが基本です。
会社で話をするときには必ず敬語を使うようにしましょう。
きちんと敬意をもって接するようにすれば、適度な距離感で年下上司とスムーズに付き合っていけます。
職場の仲間への思いやりも持つ
上司にだけ、敬意をもって接するだけではダメです。
職場のみんなに対して、年の功を生かして、思いやりを持つことも必要です。
上司もあなたが職場でどのように振舞っているかを見ています。
あなたが職場で信頼されている人物とわかり、職場であなたの味方が多くいることがわかれば、あなたに対して邪険な扱いはしてこないでしょう。
【付き合っていく方法②】コミュニケーションの取り方を工夫する
褒めよう。部下からだってうれしい
いい結果がでた時は、素直に言葉をかけてあげたらいかがでしょうか。
「さすがですねー」「良かったです」「参考にさせていただきます」
「あの時点で〇〇さんと交渉されたのがよかったです等」具体的な部分を表現して成功を語り合うのです。
経験のある年上のあなただからこそ、素直に言えるし、年下上司も褒められて悪い気持ちはしないと思います。
「どうでもよいこと」と「譲ってはいけないこと」を区別する
なにがなんでも自己主張することが良いとは限りません。
どちらを選択しても同じ結果ができるなら、上司の意見に合わせてあげていいと思います。
ただ、重要な局面で上司と意見が違ったら、あなたの考えの根拠を明確にして説明することです。
議論を充分尽したうえで、合意点を見つけてから行動する、部下として当然の行為だと思います。
年下上司がどうであれ、報告と説明責任は果たす
ひどい年下上司に対しても部下は説明責任があります。
重要な案件は、「前にメールで報告しています」ではだめです。
口頭できちんと説明する必要があります。
後々、自分が困らないようにするために、報告を怠ってはいけません。
自分から積極的にコミュニケーションをとる
年下上司に苦手意識を持つと、なかなか自分から話しかけづらかったり、仕事の相談をしにくかったりしますよね。
でも、そうやってコミュニケーションをとらないでいると、ますます年下上司と一緒に仕事をすることが、苦痛になってきてしまいます。
年下上司の方も、年上の部下であるあなたに対して、苦手意識を持ってしまうかもしれません。
ぜひあなたの方から積極的にコミュニケーションを取って、あなたの方から話しかけることによって、 年下上司も安心して、あなたと一緒に仕事ができるようになります。
年下の上司も苦労していることを理解する
たまには、年下上司の立場も考えてあげましょう。
責任あるポストをまかされた以上、歳には関係なく、会社から結果を求められます。
表には出さなくても、上に立つ者としてのプレッシャーを感じています。
また、リーダーシップを発揮するために部下との接し方や、年上部下の反発心にどのように対応するべきかといった悩みを抱えていることもあるでしょう。
部下として、上司の苦労も頭の片隅に置いておくだけで、年下上司への反発は減ってくるでしょう。
特に、役職定年でポストを部下に渡したあなたならば、その役職、その立場の大変さをわかっているのではないでしょうか。
【付き合っていく方法③】凡事を徹底する
信頼は、積み重ねです。
出社時間、会議、アポイントに遅れる人など約束の時間に遅れる人はどんな理由があろうと信頼される人にはなれません。
「時間厳守」「口約束を守る」「やると言ったら最後までやる」「人が見ていてもいなくてもやるべきことはやる」といった凡事を徹底することが信頼を勝ち取るには重要なことになります。
【付き合っていく方法④】「自責思考」によって信頼は強くになる
「自責思考」とは、自分の行動による結果は、自分に責任があると考える思考法であり、「他責思考」とは、自分の行動による結果は、他人に責任があると考える思考法です。
ビジネスの世界では、「自責思考」「他責思考」のバランスが必要です。
「自責思考」と「他責思考」を織り交ぜ、失敗の原因を冷静に見極めて改善する努力をすることを求められます。
ただ、「自責思考」をもっている方は、自分ができていないことを素直に相手に伝えるのですから、相手からは、非常に正直な人だと好印象をもたれ、信頼感が高くなるのは間違いないです。
【付き合っていく方法⑤】年上部下の役割に徹する
年上部下の役割として大きいのは、経験知があるので、将来起こる可能性のあるリスクを教えてあげて、それを回避する対応策をアドバイスするのです。
いうなれば「転ばぬ先の杖」になってあげるということです。
【付き合っていく方法⓺】会社の中だけの関係と割り切る
年下上司の中には、凄く偉そうにして嫌な人もいます。
そんな人と、無理をして関わる必要はありません。
うまくいかないなと感じた時には、あくまで会社の中だけでの関係だと割り切ってしまうことも大切です。
一時的な付き合いだと考えれば、気分は楽になります。
【付き合っていく方法⑦】上司の異動、自分の異動
年功序列の崩壊や成果主義になっているということは、会社の中でも組織改正や昇格・降格が日常的に行われ、人材の流動化は激しくなります。
そのため1年~2年で上司は異動します。
しかし、メンタルになるくらいどうしても待てないなら、上位上司に異動をお願いしたり、他の組織の役職者に引っ張ってもらったりしたら良いと思います。
まとめ
年下上司と付き合っていく方法をご紹介してきましたが、大切なことは年齢や職位の上下にかかわらず、お互いに人間として敬意をもって接することです。
年下上司の中にはあなたを成長させてくれる上司もいます。
また、逆にあなたにとって年下上司との関係での悩みは、中高年の危機になってくるかもしれません。
中高年の危機と感じた時は、相談にきてください。