国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

障害者家族になる時、人生の向き合い方、視点の持ち方

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国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。

発達障害、精神障害、病気や事故による、身体障害、高次機能障害、内部障害など突然、障害を持つことがあります。

障害者になった当人にとっては、まさに青天の霹靂。

自分が悔しく、無力感が募ったり、過去に戻りたいなど葛藤や苦悩が何度も頭をよぎります。

そして、障害者家族のスタートした家族は、これからの人生をどう過ごせばよいのか、先が見通せなくて不安だらけになります。

そこで、今回は障害者家族になる時、これからの人生の向き合い方、視点の持ち方をご紹介します。

人生の転換期を乗り越えていく気持ちの持ち方

焦らずに今を受け止める

障害者本ににとって、なぜ、「今、自分が」という気持ち。

また、このまま人生が進んでいくものと思っていたのに、急に立ち止まって違う未来になってしまう不安や世間から取り残されるのではという焦りが出てくるのも当然です。

でも、なんとかしようとやみくもに行動に移してしまうとさらに心や体調が悪くなったりして、後々「しなければよかった」と後悔してしまう残念な結果になってしまいます。

今の自分を受け止めるのは決して簡単ではありませんが、心のブレーキを緩めて等身大の自分を知っていきましょう。

それが、これからの人生を歩む一歩になります。

へこむだけへこんだら次の可能性に目を向ける

体や心の痛みは誰も変わってくれるものではありません。

痛みはかなり伴いますが、へこむところまでへこんだら、次の可能性に心を開く方へシフトしていきましょう。

そのためには、これまでの働き方、生き方をといった価値観を変えていきます。

この世界には抱える困難は人によって様々あるんです。

それでも前を向いてできることに精一杯向き合っている人はたくさんいます。

柔軟にチャレンジしていく姿勢にしていきます。

ポイント

障害者家族になるということは決して本人や家族の努力不足ではありません。

責めず自分を大切にすることを選んだと発想を持ちます

「働く」を整える就労継続支援事業所や就労移行支援とは?

復職するときは会社へ理解と合理的配慮を求める

今まで一般企業で働いていて、病気や事故による、身体障害、高次機能障害、内部障害など突然、障害を持った際、いったん休職して

再び復職という場合もあります。

その時は、必ず、上司に自分自身の今の状態と働くための配慮を必ず伝えていきます。

通院や働く時間など改めて働き方を見つめなおして、無理せず働き続けられる環境を整えていきます。

復職にあたっては、なかなか理解を得られなかったり、休みがちになった時などは心無い言葉も同僚からもらうこともあります。

それでも、頑張って働き続けていくのかも大事な視点となります

仕事を退職した後、福祉サービスを活用して「働く」を整えていく

離職後、障害者としての生活や体調も少しずつ落ち着いたらもう一度「仕事」という気持ちも湧き出てきます。

しかし、心や体調面、通院などでこれまで通りの働き方が厳しい場合も。

そんな時は、福祉事業所で「働く」を整えていくというのもありです。

今回は、就労継続支援B型と就労移行支援事業所についてご紹介します。

障害者施設に行くことに戸惑いがあって当然

キャリアコンサルタントの勉強会に参加した時、「就労継続B型で働いています」というと初めて聞く言葉だからと「どんな仕事ですか」と尋ねられます

また、『地域に障害者の施設があるのは知っているけれど、一体どんな活動をしているのかわからなくて』という言葉も聞きます。

確かに。そうなんです。

身近に障害者がいなければ、遠く感じていて、その実像を知る機会がほとんどないですよね。

知っているとすれば、メディアに取り上げられている人たちでしょうか?

なので、障害者の施設に行くとなったら戸惑いがあって当然なんです。

就労継続B型事業所と就労移行支援事業所との違い

就労継続支援B型事業所

対象者

現時点で一般企業への就職は困難であるが、知識や能力の向上・維持が期待される人。年齢制限なし。利用期間なし。

農業、クッキーなどのお菓子、パンの製造、内職など作業内容は多岐にわたっています。

見学する際には体力がいる、立ち仕事が多い、手先を使うなどの作業風景やその場の雰囲気、施設に通っている利用者さん人数の多いや少ないなどを見て感じて自分に合った所を見つけていきます。

週2日から毎日にしていくなど自分の体調に合わせながら通うことも可能です。

ただ、これまでとは違って物足りなさやこのままペースで良いのかと焦りを感じたりする場合もあります。

就労移行支援事業所

一般企業の就労を希望する人で、就職のために必要なスキルを身に付けていく。

雇用契約はなし。年齢制限は65歳未満。利用期間は原則2年間以内

最近はパソコン等のスキルを学べる所も増えてきています。

企業への就業体験もあり、自分がどんな働き方ができるのか実践を通じて習得できます。

ただし、体験をしたからといってその会社へ就労できるとは限りません。

自分らしく働くを考える期間にしていく

福祉サービスを受けることになるので、サービス受給者の申請が必要です。

サービス受給の流れ

手続きや見学と時間がかかります。

時間ばかりが過ぎると思うかもしれませんが、準備をおろそかにしては、後々ここを選ばなければよかったと後悔してしまいます。

どちらにしても、それぞれに特徴があり、自宅から自力で通うのが基本ですので、必ず幾つか見学と体験をしてください。

「自分らしく働く」を考えてじっくりと決めていきます。

「怖い」気持ちを否定しない

私の場合は、障害がある弟が目の前にいるのが当たり前の日常として育ってきました。

なので、学校司書時代も障害者施設で勤務している今も、特別な存在ではなく、一人ひとり個性がある人たちとして接しています。

でも、ある日を境にして障害者になり、障害者がたくさんいる場所へ通うのは、障害者本人や家族にとっても想像がつきにくいはずです。

体調が戻り、社会復帰の第一歩として就労継続B型や就労移行支援事業所に行くにしても、今まで接したよりははるかに多くの障害者の方たちと過ごします。

全く関係のない世界だと思っていたのに、まさかわが身に降りかかってくる衝撃は大きいもの。

だから、その時、怖くなってもいいし、その気持ちを否定しないでください。

視点のポイント

怖いは障害とちゃんと向き合うっているから苦しいんです。

自分で障害としっかりと向き合う、受け入れる第一歩

福祉施設での過ごし方

障害を受け入れる期間が大切

障害を受け入れて施設で過ごすのは、就職するためだけではなくてその先の人生を生きていくためです。

出来なったことを知る寂しさと以前の姿からどんどんかけ離れていくことへの受け入れていく期間なんです。

また、今まで通りの世界に無理して身を置くのではなくて、現実と折り合いをつけがながら自分を守るためです。

世の中に迷惑をかけてはいけない、社会の役に立った方がいいなど、こうあるべきにこだわりすぎません。

障害者手帳を手にすることは障害者というレッテルを貼られると身構えてしまうかもしれません。

手帳は自分から提示しない限り持っているかどうか他人にはわからないものなので、これから何かあった時に役立つ福祉サービスを受けるための切符を手に入れたぐらいの気持ちでいてくださいね。

障害者と過ごしていくためには

お互いに苦手なこと、面白さ、人間らしさを見せ合ったコミュニケーションがお互い気まずくなりません。

言葉でのやりとりでは、なかなか想いが伝わらないこともありますが、壁をつくらないでくださいね。

自分の価値観だけで目の前の人を判断しない目も持ちましょう。

仕事を正社員でするべきという思い込みは捨てる

これまで通りの仕事や働くイメージをいったん捨てます。

以前の仕事や生活の在り方が忘れ難たく、同年代の方と比べしまうかもしれません。

上手くいかないことが続けば、このまま取り残されるのではという不安やすぐに成長が感じられず、もっと就職につながることがしたいなど焦りも出てきます。

頑張るのは良いのですが、すぐに結果に結びつかなければせっかく芽生えたやる気もなくなっていきます。

これから自分らしく働くとはどういうことかを考え抜いてく

生活リズムと健康管理に焦点を当てていく

まずは新しい生活のリズムと服薬や通院といった健康管理を整えていきます。

障害者になる前と違って疲れやすくなったりするからです。

自分の中にある障害とすりあわせながら、自分の心と体を知って上手く付き合って仕事のペース配分や生活と仕事のバランスをどうするのか見極めていきます。

そして、通いながら自分なりの生活の過ごし方、習慣を失敗と成功を繰り返しつつ、自分で考えて、選択して自分のスタイルをつくっていきます。

新しい生活に慣れるまでには時間が必要。

目の前のことに取り組みながら次へのステップを踏むための準備をしていく

準備期間を持つことが一歩進む力になる

準備期間なくしてフルマラソンはすぐに止まってしまいます。

だからまずは、通うことから。そして、徐々に時間や日数を増やす。の繰り返しです

自分は大丈夫っていう気付きを感じることが自身の持ち方も変わります。

この時、支援者との面談があります。

3か月や6ヶ月の振り替えをしますが、自分のしてきたことのプロセスに注目してください。

小新しい生活習慣と仕事の経験は小さくても確実に前に進んでいます。

遠回りと感じて焦る気持ちも出てきますが、コツコツ毎日を積み重ねることが「働く」を続けるコツとなります。

家族としての向き合い方

家族として子供に、夫に、妻に起こった出来事を現実として引き受けなければいけない、何かの間違いであって欲しいと願ってみたり。

しんどくて、辛くて何度も泣いて自分にはどうやっても変えることができないと無力感に襲われることもあるでしょう。

障害者本人とどう向き合えばよいのか迷ってしまうこともあります。

そんな時は、障害者本人のことを想いながら、今まで通りを目指すのではなくてできることに精一杯向き合っていきます。

ポイント

人は、全てを共感できなくても、本を読んで登場人物に重ね合わせることができるようにその人の置かれた状況や立場を想像できます。

自分たちが思う普通とは何かを考える

他の家族と比べてはいけない、仕方がないと思っていてもつい比べちゃいますよね。

そうするとだんだん周囲の空気から感じる肩身の狭さに葛藤を繰り返ていく日々になっていきます。

普通ってなんでしょう?

家族の形って千差万別で、正解はないもの。

周りの目が気になりますが、自分たちの暮らしを組み立てていくことにエネルギーを使っていきます。

今できることを精一杯取り組む

診断名だけが全てではありません。

抱える困まりごとは一人ひとり違うので、ひとくくりせず、目の前の障害者本人に寄り添っていきます

また、「前はできたのに」、「前はできたのに」という見方もしてしまうものですが、お互いにとってなにも良いことはないんです。

私は現在、障害を持つ弟の「老化」に向き合っています。じょじょにできないことが増えるのは私も受け入れがたいものです。

でも、気持ちと体で現状になじんでいかないといけないから、もっと困っているのは障害者本人です。

だから、障害者家族として、以前に戻そうとするのではなくて「今、工夫しながらできること」を目指します。

そのベースづくりのためには一緒にできること、できないことを見極めていくことです

障害者家族として生き抜くライププランを立てる

それでも、不安の中で一から生活を組み立てていかなければなりません。

いずれはフルタイムで働いてくれるという期待よりも障害者家族として生き抜くライフプランを描いていていきます。

就職というプレッシャーは本人もものすごく感じています。

なんとかしようと家族が突っ走ったり、気負いの気持ちがまさって、良かれとあれこれ言うことがものすごく我慢を強いる可能性も。

目の前もみつつ、ここはロングスパンの視点を持ちます。

意識を変えると物の見方も受け止め方も変化します。

障害者本人と一緒に今後の生活を話し合う

例えば、就労継続B型の工賃は平成30年度は 月平均16,118円です。

収入が低いなら、どうやって生活を成り立たせるのかを障害者本人も一緒に考えなくてはいけません。

なかなか結論は出ないかもしれません。

でも、言葉を交わしてお互いに知る、理解して、認め、受け入れていきます。

そうしないと歩き始めても難題に直面した時、お互いの想いがぶつかってばらばらになってしまいます。

だから、とっても大変ではありますが、問題が起こったら、一緒に見直して、粘り強く試行錯誤を重ねて妥協点や落としどころを探りながら、改めて家族の形をつくっていきます。

「どんな家族としてありたいか」を考えながら未来の設計図を書き出し、再始動の準備をしていく

ストレスを解消する方法も大切

長く長く障害者家族としてあり続けることは、ずっと走り続けます。

それでは、息切れしてしまうので、ストレスを解消する方法も大切です。

疲れてしまうと気持ちが後ろ向きになったり、今の状況を悲観したりしてしまうもの。

自分を守る方法として、音楽や漫画などの読書、心がときめくもの、リラックスできるものなど5分で良いので時間を持つ

自分でストレスを感じているなと思ったら、まずは休む。

そして、また、動き出していくということを心がけてくださいね。

これを繰り返すと家族であっても、一人ひとりの人間としてそれぞれの人生を応援できる距離感と関係を築いていけるんです。

障害者であることを伝えていく

障害者になった時、親、きょうだい、また、現在結婚していれば子どもや親族に障害を伝えるか迷うと思います。

もちろん年齢によって理解や受け止め方も違いますが、正直に話して欲しいのです。

私は、はっきりと弟の障害について親からの説明がなくずっと疑問があっても聞けませんでした。

だから、伝えてくださいね。

そして、いつでも質問があればしていいよという状態にして少しでも相手側の不安を和らげてくださいね。

言葉にすることで今自分が思っていること、感じていることを気づいたりもします。

自分の子どもにケアラーとしての役割を求めすぎない

現在結婚していて障害者になった場合、子どもがいればその子供はヤングケアラー、ケアラーになっていく可能性もあります。

役目を押し付けるようになってしまうのはいただけないですね。

いい子でなければ、甘えたいけれど我慢しよう、助けなきゃという気持ちを抱えます。

そして、本音を出すのはあきらめ、自分のしたいことやりたいことにフタをしていきます、

目の前の親を見放されないという重圧で、押しつぶされるのは家族としてもそうなって欲しくないと思うもの。

だったら、全てを託すのであなく、周りのサポートを受けながら負担感の少ない方法を目指します。

周囲の励ましが苦しく感じる時があります

障害者になったり、障害者家族であることは、周りの人はあれこれと心配してくれます。

励ましてくれているのはわかっていても、「あなたのため」という気持ちが苦しくなってしまいます。

いらぬおせっかいは人によって言うことが違うこともあって不安感が増していき、さらに心細くなってしまいます

また、急な人生の方向転換にあるときはどうしたらいいのかわからないし、自分で決めることができない状態になります。

そんな時、周囲からのアドバイスもなるほどって思ってしまうぐらいもっともらしく聞こえます。

その通りに動いてみても思う結果が出ないこともあるので、粘り図よく周囲に振り回されず、自分に合ったスタイルを自分で作り上げることが大事です。

心無い言葉にどこまで許して許さないか杓子定規に決められないものですがさらりと受け止めていくようにしましょう。

心のモヤモヤを吐き出していく

誰も自分のことはわかってくれない、周りのに本音を話せる人がいないと思うかもしれませんが、それは自分の思い込みかもしれません

そんな思い込みの背景にあるのはきっと周りに迷惑をかけてはいけないという気持ちがあるのかもしれません。

それは、かえって、自分の殻に閉じこもると負のループに陥ってしまいます

心の重荷はずっと持てないから、背負い込まずおろしていきます。

また、家族としては恥ずかしい気持ちもわかりますが、自分にとって今が苦しいと感じたら限界までため込まず、モヤモヤを吐き出します。

家族の問題は家族で頑張ればいいのではないのです。

相談に乗ってくれて適切なサポートにたどり着く道筋は必ずあります。

誰だって一人では生きられないものです。

自分の不安をわかってくれる人を見つけていきます。

辛い、寂しいと感じた時でも生きていかなくてはならない。そんな時に心にぽっと光が差し込むようなと出会いはきっとあります。

終わり

障害者についてその存在がもっと身近になる社会へと変わりつつあります。

障害者本人が自分で、家族も「障害者だから」という言葉で限界を決めてしまいません。

「自分らしく働く、生活していく」は可能性がたくさんあります。

障害者として生きていくという大きな決断ができる家族とあなたです。

しなやかさは新しい自分のために行動することを決めて行動していくあなたの追い風になってくれます。

★八木尚美のHPはこちら

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国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。










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