国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

障害者家族が自分らしい老後を過ごすために大切にしておきたいことは?

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国家資格キャリアコンサルタント。 ヤングケアラー・元ヤングケアラー・障害者家族のためのカウンセリング 「カウンセリングルーム あしたの」代表 学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり、自身もかつては亡くなった母の介護と弟のケアを継続しているケアラーという当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。

人生100年時代とはいえ、障害者のケアや親の介護をしながら長く働き続けるのは大変なこと。

でも、老後の家計や障害者本人の事を考えると生涯賃金が増えたり、厚生年金、健康保険といったメリットもあるのもたしか。

将来が不安と思っていても、まだ大丈夫と過ごしていては、時間はいくらあってもたりません。

自分自身だって病気やけがになって、思うとおり体が動かせない事実に直面するかもしれない。

そうならないために働き方や暮らし方を考え直すタイミングにしてしましょう。

そして、来るべき老後の備え方をお伝えします。

障害者家族としてのキャリアデザインを考えてみよう

「Nowjob」をご覧の障害者家族は、「キャリア」の言葉を見たり、聞いたりすると「仕事・職業」と結び付けられると思います。

もちろん、「仕事・職業」の意味もありますが、私は次のように考えています。

キャリアとは

日々の暮らしの中で、迷いや不安があった時、どうすれば自分らしい人生を歩めるのか、気持ちと行動のあり方を考えること

定年前と後の過ごし方は意識していますか?

キャリアデザイン

自分の人生や働き方をについて考えて、将来を設計していくこと

50代、60代の障害者家族は、定年を前にした働き方、定年後の生き方、生活のあり方についてのキャリアデザインをどうしていくか、目を向けていかなくてはいけません。

その上で、『親なきあと』を含めた障害者の生活も考えていきますが、一人するのではなく、家族と相談します。

家族として大切にしていることの理解を深めるために

話し合うということは

家族で『障害者も含めた家族の老後』に向き合って、予測不能な事態が起こっても余裕がない!気力も使い果たした!にならないために頼れる福祉や【親なきあと】の理解をお互いに深める機会

これからの自分らしい人生をどうやって手に入れていくか事前に整えておけば来るべき時に動きやすくなります。

家族として人生観を見つめ直していく時間

話すというのは自分の大切にしていること、人生観を見つめ直すいく時間でもあります。

しっかり向き合ったら、家族だけで全てをまかなうのではなく、信頼できる人に代理意思決定者をめていきます。

その上で、自分が受けたい医療やケアについても書いておいたり伝えておくのも大事。

障害者だけはいざという時の環境変化に大きく戸惑ったり、判断が難しかったり。

きょうだいも何も知らなければ起こる出来事を処理して選択、決定いくだけで精一杯。

本当にこれでよかったのかと戸惑いの中で、ストレスフルになります。

きょうだいと話し合うことを大切に

だからこそきょうだいの存在を忘れてはなりません。

親が50代以降であれば、きょうだいは自分の人生を選んで進んでいます。

ということは、例えば結婚、子育ての真っ最中とするときょうだいの家族や暮らし、仕事があることも想定しておきます。

きょうだいにはきょうだいの人生があるとは頭でわかっていていますよね。

でも、やっぱりきょうだいに障害者のケアをお願いしたいなと思う気持ちも心のどこかにある。

そして、きょうだいに気持ちを聞いた時、あまり頼られたくないという言葉を聞くかもしれません。

納得も理解することも、それを受け入れるのが難しいです。

でも、一方的に話を打ち切らないで、きょうだいがどうしたいか、しっかり耳を傾けて下さいね。

きょうだいの考えを応援できるところは応援していきましょう。

今は、介護も障害者本人のケアができる福祉制度はあります。

ポイント

どこまで協力をお願いして、しないのか、頼らないのかをよく話し合っていきます。

老後を過ごし方を形にしていく。障害者家族として4つのポイント

老後って誰でも初めての経験をしていくこと。

周りの人たちの様子は知っていても実際の体験はこれからです。

わからないから、今後10年間自分の仕事や家族について書き出してぼんやりしていたり、無計画で良いはずはありません。

はっきりした形にしていくことで、自分の人生を自分で選んで生きていけるようになります。

①家計管理

②仕事を含めた生活設計

③障害者や親の福祉の利用選択と活用

④セカンドライフをどう過ごすか?

心配事や不安ばかりでモヤモヤしているのなら、ここから丁寧に意識を向けていきます。

①家計管理の問題に目を向ける

30代、40代は子育てのための収入を重視していたとしても60代以降はそうはいきません。

例えば60歳定年、働かないという第二の人生を楽しもうと思っている方もいるかもしれません。

それも、ありです。

でも、貯蓄を切り崩していくだけの生活は、通帳を見るたびに不安を大きくするのも忘れないでくださいね。

退職金と年金など老後にもらえるお金と最低限の生活費、ローン、障害者のケアと親の介護にかかる費用と自分や障碍者本人の老後にかかるお金の全体像を把握しておきます。

洗い出した上で、収入はそこそこで安定を求めるのか、定年延長や多少リスクがあるかもしれないが新しい環境にシフトして収入を増やしていくのかも考えていきます。

家族とライフプランを共有することで、今一番気になること、もう少し先でも良いことを見極めていき、

すぐに取り組むべきは取り組んでいきます。

②仕事を含めた生活設計

定年後もそのまま再雇用されると思ってあまり未来を思い描いていないのはいただけないもの。

会社が「定年まで雇います」と言えない時代。

もし、雇用継続がなければ、別の場所で働くかそのまま定年を迎えるかも選択しないといけません。

仕事をすると選んだ場合

  • 給料
  • 仕事と家庭の両立
  • 福利厚生の充実・安定
  • 時間や休みの融通が利く
  • 自分がしたい、やりがいが仕事
  • 資格や能力を活かせる内容
  • リモートワーク、フルタイムではなく短時間、毎日ではなく週3日などの働き方の融通が利く

ケアの状態などによって仕事の優先事項は違ってきます。

再雇用時の気持ちの持ち方

また、再雇用されても今まで通りいかないことはあります。

組織における役割の変化に伴って今までの居場所だった所が変わったり、新しい人間関係、慣れない仕事内容になることも。

環境変化に柔軟にチャレンジする姿勢を保てますか?

年下の上司から指示されて素直にやってみることができますか?

過去の価値観に縛られず周囲をゆっくり見回して、変化になじんでいくにも力が要ります。

その中で、仕事と障害者との生活とケア、介護などをワークライフバランスをどう上手に保てるかが大事です。

仕事ばかり優先すると生活がおろそかになってしまったりします。

時間は限りがあります。

仕事がキャパオーバーにならないように、適量に意識を向けて自分の役割をこなしていくという視点も大切です。

③障害者や親の福祉の利用選択と活用

「核家族化」、「高齢化」こういう言葉をよく目にするようになりました。

これは障害者家族にも当てはまります。

ここで忘れてならないのは、

夫婦二人で障害者のケアや親の介護をすることになった時、夫、妻のどちらかが体調不良であれば、一人が全てを担うことになります。

ひとり親の場合は自分自身の体調になった時、親がいなくてきょうだいしか頼る相手がいないなど

支える家族がいない事実も想定しないといけないんです。

未来に視線を合わせる

本当に面倒な場面も多いです。

大切なのはここで未来に起こるかもしれない事態に対して目を背けないこと

今は良くても、その時がきたら生活の全てにストレスがかかってきます。

そうならないために情報収集をしたり、困らないためのいくつかの選択肢を持つようにして、行動に移せる準備をしていきます。

かなり時間がかかりますが、ここは逃げ出さないで取り組んでくださいね

障害者の年齢を考えたケア

障害者本人も年齢を重ねるということは、できることがちょっとずつできなくなったりします。

ということは、家族の負担もまた、かかるということ。

そのことを受け入れる心の準備も必要です。

例えば、

障害者が今一般企業に就労していても、年齢を重ねて症状が変わった場合は、いつまで仕事ができるのかを検討する事態もありえます。そうなれば日中活動できる施設を探していく労力が要ります。

また、家で過ごすのかヘルパーさんなどサポートを得ながら一人暮らしをするのか、グループホームで過ごすのかによっても費用も変わってきます。

親の介護の負担も考えていく

親が突然入院など介護状態に入った場合、時間と費用がかかります。

頼れる先は大事だけど、人任せにするのではなくサポートを受けながら自分たちの生活をどう維持していくかを押さえて、行動に移していきます。

地域包括支援センターに相談➡要介護認定の申請から認定に至りケアプランを作っていく

時間の確保は相当なものです。

ここは介護休業などを確認しておくことも大切です。

ケアや介護を続ける上で気をつける点

いい親、いい子供として見られたいという思いを強くしないこと

介護されている側からなかなか感謝の言葉がでてこないことも多いです。

「なんで」と思うと疲労感がどんどん積もっていくだけ。

心も優しくなれずに、自分自身の嫌悪感も増すだけ。

障害者のケアや親の介護は家族の問題だから家族だけで頑張ればいいってものではありません。

一緒にいて落ち着ける人や場所である心の居場所と愚痴れる相手も効果的に取り入れる習慣を身につけていきましょう。

自分の心と体を守る意識を忘れない

自分たちの生活をしながら、障害者本人のケア、親の介護とさまざまな役割をこなしていくのはつぶれかねません。

目の前の親や障害者を見放せないという気持ちは経験上よくわかります。

そうはいっても、ここは家族が経済的にも精神的にも落ち着くこと、生活を回すための仕組みづくりをし、背伸びせず継続できる方法を探していきます。

④セカンドライフをどう過ごしていきますか?

何を持って何を持たないか見極めてもいかなくてはいけません。

例えば、車。障害者と生活していく上では欠かせないものですが、運転免許の返納時期もあります。

そう思えば、障害者に外出時のガイドヘルパーを視野に入れていく必要も出てきます。

家や持ち物についても障害者だけではどうすればいいかわからないものは整理していきます。

自宅時間をどう過ごすか

同じ年代の人と同じではないから不安になってしまっては時間だけが過ぎていきます。

不安は無くせないものなので、考え方ひとつでマイナス思考をでない考え方過ごしていきます。

せっかくの自宅時間です。

「歳をとったから、めんどうだ、しんどい」などマイナスの言葉を口にしないのも心がけたいですね。

気持ちまで、下がっていきますよ。

生涯学習を楽しむ

ここで注目したいのが「生涯学習」という言葉。

学習というとちょっとどこかに行って何か習ったり、覚えたりするのかなと思いがちかもしれません。

確かにそうではありますが、私はいくつになっても興味があることは試して欲しいのです。

費用も出るものもありますが、もっと知りたい、もっと学びたいも出てきて自分の世界が広がったりします。

好奇心が前向きな心を育てる

学校図書館にいた時、知りたいが高まるとどんどんはまり込んでいって虫や電車などは私より詳しいって子もいました。

好奇心って大事。

前向きな気持ちにもさせてくれるんです。

だから、障害者がいるからと後ろ向きな考えいないこと。

自宅で過ごす時間も働いている時に比べれば増えてくるはず。

今なら何ができるのかも思い巡らしてくださいね。

人生のどのステージにもその時々にできることを探してみつけて、楽しむのがポイントです。

さまざまな年代の交流

自分の年代とは違う人たち、違う仕事をしていた人たちといった交流を大切にします。

さらに、障害者のつながりでできた家族会や趣味、地域やネットのコミュニティなどの参加もしていきます。

自分にはない価値観を広げていくきっかけになります。

また、なにか困ったことがあった時、そこで出会った人がピンチを救ってくれたりします。

人って、自分が知っていることで役に立つなら情報を伝えたいと思うもの。

繫がっていることで解決の糸口がつかめたりします。

ポイント

世の中の流れに敏感になってアンテナを立てつつ、社会とのつながりが弱くならないようにする。

そして、社会の変化に臨機応変になじんでいくスタイルにしていくことも大切です。

体のケアもしながらセカンドライフを過ごす

今までの働き方と違ってくると体の疲れより気持ちの疲れの方が強く感じるので、いかにリラックスしてストレスを解消するかも大切です。

年を重ねると動かせる体づくりを目指した日々の健康管理に目を向けることも忘れてはなりません。

いったん自分をゼロにして、自分らしさを戻すためのリラックスタイムを持ってくださいね。

終わり

そろそろ定年の入り口にいる方は、まず自分と未来にできる計画を立てていく時です。

回り道も時にはいいのですが、後々と先送りしていくと時間も余裕もなくなっていきます。

今ここから少しずつ整えいきます。

対策をしておくとといつも不安と毎日過ごすより、人生の後半、自分らしい人生を歩むために時間とお金の使い方のモヤモヤが解消されますよ

【結木つばめ】のまとめページ

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国家資格キャリアコンサルタント。 ヤングケアラー・元ヤングケアラー・障害者家族のためのカウンセリング 「カウンセリングルーム あしたの」代表 学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり、自身もかつては亡くなった母の介護と弟のケアを継続しているケアラーという当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。










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