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プロ介護職の親介護失敗体験!うまくいかない時のストレスコーピング5選

 
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1995年 看護師のキャリアを生かし、大手複合医療法人、社会福祉法人の介護・福祉サービス事業に11年間携わる。   2006年〜 認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率82%から、4%に激減させる。 2018年〜 人財育成コミュニティ「ケアびと育成Lab.」立ち上げる。 現在までに、さまざまな家族介護の相談、介護保険についての相談、認知症介護の相談、介護職員のキャリア相談など、延べ1万人以上の方の相談、支援してきた。 今も認知症高齢者グループホーム所長として奮闘する中、「ケアする人、される人が、笑顔が溢れる世界を創ろう」と、わかちあう「ケアびと」と共に地域活動・社会貢献をも実践している。

「あのとき、あんなことを言わなければよかった…」言ってしまった後に、自分に「なぜ、いつもこんなにイライラしてしまうのか…」

「些細なことに、いちいち腹を立てたくない…」なんで、こんなに腹がたつのだろうか。仕事でお年寄りと接している時と、ほぼ同じ年齢である親と接する時の気持ちは、どうして怒りがわきおこってくるのはどうしてだろうか?

年老いた両親と同居することになった介護職は、介護は専門であるから「こうした方が良い」と頭ではわかっているのに、こころはイライラ、カリカリして、優しく対応できないといったジレンマがあります。

介護職の仕事と家族介護のちがい

対人支援職の私たちは、お年寄りに傾聴、共感し、寄り添うケアが大切であることをこれまでに十分学び、経験をしています。

しかし、介護現場で、認知症の高齢者の行動障害や、周辺症状に悩まされ、不適切なケアから虐待に繋がる危険性を感じることや、不適切なケアを行ったあとの自分の中の苦い思いを、幾度となく経験してきました。

しかし介護職が、自分の親の介護となると、とたんに自分が介護のプロだということを忘れ、介護手技などそっちのけに、感情剥き出し状態になることが、しばしあります。

これは、いったいどうことが前提としておきているのでしょうか。

それぞれの立場で考えてみました。

介護職の子供の立場として

  • 介護職で経験した介護方法が、親の介護には通じない。
  • いつまでも親は、元気であって欲しいという願望が増す。
  • 元気でいた親の姿が記憶として鮮明にあり、老いた状態の現実が辛い。
  • 仕事をしている自分と、子供としての親の介護している自分の立場を、切り分けできにくい。

子供に介護される親の立場として

  • 親は、いつまで経っても「子供はこども」という意識があり、介護されているという実感がもちにくい。
  • 親は、衰えきつつある自分を、子供に見てもらうことは、辛い。
  • 介護職である子供に対して、基準以上の介護を期待してしまう。
  • 子供は、親を看るのが当たり前という観念がある。
  • 今まで、自分は一生懸命子供を育ててきた。

それぞれの立場によって思いにズレがあることが考えられます。

同じ介護を行うにも関わらず、対象者や、置かれている役割や、立場によって感情が変化し、できたりできなかったりすることがあります。

次に、実際の親の介護が、急に始まった場合の事例を紹介いたします。

親が老いることの実例

80歳の父親が散歩中に、側溝の段差につまずき転倒した。その後整形外科に受診したところ、転倒した際に咄嗟に右手をついたが、レントゲン検査の結果、右手関節の骨折が判明する。顔面も負傷し痛々しいものでした。医師からは、糖尿病で末梢神経が鈍くなっているから、杖をついて歩くように言われるも、杖なんてまだつくような年齢でない!ギプス固定された手でどうやって杖をつけっていうのか。まったく年寄り扱いしやがって」と本人は起こりだす始末。これまでできていた車の運転もギプス固定されたことでできなくなり、娘からは、「この際、運転免許を返納した方がよい」と強く言われる。転倒骨折したことがきっかけで、移動手段や、生活全般に支障が出てきた実例です。

身の回りの動作に介助が必要になって、外出もままならない状態で、介護職の子供と、急遽同居することになりました。

生活リズムのズレや、これまで自分のことは自分で行っていた親が、介助を受けなくてならない状態に、お互い戸惑い、意見の食い違いから、衝突を繰り返すように。お互いにストレスを感じながら過ごしています。

「このままじゃ、これまでの親子関係が介護によって亀裂が生じる」どうしたらよいのかといったご相談でした。

ここでは、親の介護と介護のプロの、ジレンマからおきるストレスについて考えてみましょう。

介護のストレスコーピング

ストレスについて

親の介護のストレスコーピング

ストレスコーピングとは

ストレスを感じた時の問題の捉え方や、ストレスの要因や自分の感情への働きかけによるストレス対処法のことです。

そして、ストレスコーピング戦略(以下 コーピング・ストラテジー)してみましょう。

一般的に、ストレスコーピング戦略には、2つのタイプに別れます。1つは「問題焦点型」もう一つは「感情焦点型」と言われます。

「問題焦点型」とは、ストレスフルな状況とその原因の根本を追求し、解決、除去しようとすることです。

「感情焦点型」とは、気晴らしをしたり、先のことをあまり考えずに、不快な感情をうまくコントロールしようとするものと言われています。

先ほどの親の介護の事例から、コーピング・ストテラジーしてみましょう。

「問題焦点型」コーピング・ストテラジー

  • 仕事でも、家に帰っても、介護しなくてはならないことが体力的にも、精神的にも負担が大きい。
  • 仕事が忙しいのに、親の怪我、骨折の受診や、身の回りの世話をするのが自分しかいないと思うと、ストレスが大きい。
  • 仕事を休むわけにはいかない現実がある。
  • 仕事をやめなくなったら、自分の生活まで支障が出てくることが、心配である。
▶︎介護休暇の申請ができるかどうか、上司に相談してみよう。

「感情焦点型」コーピング・ストテラジー

  • イライラして怒鳴り散らしている。
  • 親に対して、怒鳴って怒りの感情をぶつけてしまったあと、嫌な気持ちだけが残ってその後ストレスがこれまで以上に増す。
  • イライラした怒りの感情から逃れたい。

▶︎イライラしだしたら、その場を離れ冷静になる時間を物理的に持ってみよう。

▶︎怒って怒鳴ったとしても、自分自身も親も共に、嫌な感情だけが残る「ま、いいか、仕方がないな」と気持ちを切り替える。

▶︎お風呂に入り、リラックスする。(ストレス解消型と言われる)

それぞれに、対処方法がありますが、どちらもこれを行ったら対処可能なものではありません。ストレスの度合いや、感じ方、出現の仕方も様々です。

自分自身でまずストレスを把握、認知することです。そのストレスの反応がどのように出ているかによってストレスコーピングも変わってきます。

そして、前提はどういうことがかんがえられるのか、この感情はどこからきているのか先に予測できることはどういうことがあるのかなど、コーピング・ストテラジーも組み合わせをしながら、より現実的・効果的な対処をしていくことが必要ですね。

介護のストレスコーピングのポイント5選

1.ストレスが起こる原因を把握する。

どんなことがストレスだと感じているのかを自覚するために、身体状況に変化を把握しることや、心の変化を日記や手帳に、思いのまま書き出してみて、メモを目でみて客観的に把握することをしてみましょう。

 2.ストレッサーによって起こっている自分の体の反応を把握する。

イライラする、眠れない、胃が痛い、涙が出るなど、ストレスを感じている自分の体ににどんなことが起こっているのかを静かにみつめ、自分自身をモニタリングしてみましょう。

3.状況改善のためにプラスになる人間関係を大切にする。

ストレスの原因に関わる親子関係が、自分にとってマイナスかプラスかを判断してください。例えば、親との関係が、今の悪化した関係が、少しでも改善できるようになることが前提に、経験者や友人、相談者にアドバイスをもらったり、兄弟親戚間で話し合ったりすることで、プラスに働く人との繋がりを大切にすることが重要です。

4.意識を変えてみる。

親は、親としての威厳や、親としての役割で子供扱いをされるような態度でお世話される状況があったとしたら、「以前の親と、今の親は違う」「年齢相応に歳をとってきた。」「できなくなっても当然だ」と捉えてみましょう。

また、まだまだ元気にいてほしいから、自分でできることをしてもらうために、頭ごなしに叱ることよりも、まずは自身でやってもらうことが先決だと意識をかえてみるなど、意識や捉え方を変えると、ストレッサー自体が変化していなくても、ストレスの感じ方が違ったり軽くなったりします。

5.怒りの感情などの境界線を明確に知る。

怒りは、自分の身を守るための感情です。怒りは身近な人に強く出やすい傾向があると言われています。また悲しみの裏返しの感情でもあります。自分が許容できる範囲・限界をまずは知って、親に対して「せめて、こうしてほしい」と冷静にゆっくりとした言葉で伝えることをしてみましょう。

まとめ

今回は、親の介護を行うことになった介護職の実例を通じて、介護のプロだってうまくはいかない。

むしろ、介護職だからこそ自分で「こうあるべきだ」と自分自身で、親の介護を決めつけ、親の気持ちや現状を見て見ぬふりしていたのではないかと思います。

私たちは、介護職である前に、一人の人間、生活者であります。また、子供の立場や、親の立場であったりします。

その時々の役割を持ちながら生きています。うまく切り分けし、使い分けることができればストレスのないのかもしれませんが、生身の人間が、過度な情報や、複雑な人間関係、環境の変化から必ずしも、うまくいかないことがあります。

今一度、私たちはいろんな役割を果たしながら、介護は今後、避けては通れない社会問題であります。

皆さんも、急な介護問題や課題に直面したとしても、慌てずにストレスを抱え込むことがないように、コーピング・ストレラジーをスムーズにしていきたいものですね。

最後までお読み下さいまして、ありがとうございます。

私は、人材育成のコミュニティ「ケアびと育成Lab.」を運営しています。

詳しくを知りたい方は、こちらのホームページのURLをクリック下さい。

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1995年 看護師のキャリアを生かし、大手複合医療法人、社会福祉法人の介護・福祉サービス事業に11年間携わる。   2006年〜 認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率82%から、4%に激減させる。 2018年〜 人財育成コミュニティ「ケアびと育成Lab.」立ち上げる。 現在までに、さまざまな家族介護の相談、介護保険についての相談、認知症介護の相談、介護職員のキャリア相談など、延べ1万人以上の方の相談、支援してきた。 今も認知症高齢者グループホーム所長として奮闘する中、「ケアする人、される人が、笑顔が溢れる世界を創ろう」と、わかちあう「ケアびと」と共に地域活動・社会貢献をも実践している。










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