〔コロナ不安〕障害者家族が自分らしい人生を歩むために今読みたい絵本を紹介
コロナウイルス拡大防止のため学校の臨時休校になったり、仕事もリモートワークになったり、普段とは違う落ち着かない日常の障害者家族も多いと思います。
そうなると何かと思うとおりにいかないこと、買い物などの不便や動くこともままならないことの連続。
さらに、今の世の中の状態や未来の事を考えると苦しくなって、不安も大きくなってきてイライラしたり、クヨクヨしたり。
こんなはずではなかったと落ち込んでばかりいては、物事はいい方に進みません。
障害者家族としてもう一度自分らしい人生を歩むために、今の状況から抜け出すためのヒントを絵本と共に結木つばめがお伝えします。
周りと比べていませんか?
≪ストライプ≫ たいへん!しまもようになちゃった らんか社
みんながリマ豆を嫌いだから、本当は好きなのに、食べたいのを我慢しているカミラ。
周りにどう思われているのか気にしてばかり。
そんなカミラの体が、ある朝とつぜんしまもように!
「自分らしさ」って大切と思う1冊です
ネガティブな想いに引きずられていませんか?
普段と違う生活が長引いて
「あ~あの家族は上手くいっていていいな」と思って、自分の悪い所に目が行ってしまうことも。
そうすると、ネガティブな方向にどんどんハマっていきます。
いつも周りに受け入れてもらえるかなと他人の評価が気になりすぎていませんか?
人の考えというのは、一つじゃありません。
だから、色々な意見に振り回されてカミラみたいになってしまうのはいただけないものです。
好きなものを味わう5分を持とう!
とはいえ、周りを気にしすぎないを心がけたくてもそうそう簡単にいきませんよね。
だからこそ、忙しいから無理とは言わずに、好きなものを感じる5分を意識して持ってください。
絵本、音楽、動画など何でもいいです。
最初はそれだけに集中するのは難しいかもしれません。
好きなものと向かい合うのを毎日少しずつすると、気持ちを整えるってこんな感じかなとだんだんつかめてきます。
インテリアや趣味で集めているもの植物など必ず見る場所に置くと波だった心を落ち着かせることができます。
忙しくても自分自身にご褒美時間を持ってみてくださいね。
物事を真正面から受け止めすぎていませんか?
「いいからいいから」 長谷川義史 絵本館
何が起きてもなんでもおおらかに受け止めるおじいちゃん。
こんなふうにできごとを受け止める力があったらいいなと思う一冊
家にいると戸惑うことはありませんか?
外出自粛で家に長い時間いると、いつも通りにはいかないことばかり。
家族のちょっとした振る舞いや言葉でイライラして、いつもは笑って過ごせることもできなくなってしまう。
未来への不安もむくむくと大きくなって、悩みやトラブルがなかったらどんなにいいだろうって思い始める
こんな一日ばかりで、振り返って気持ち的にもなんだか落ち込み気味でダメ出しの連続になっていたら次のことに注目してみます。
次のステップに注目してみる
①今障害者家族として一番引っかかっている悩みや問題はなんですか?
②その悩みや問題を軽くするためにどんな計画をたてますか?行動できることはなんですか?
⓷計画を立てたら形にするためにどんな行動を取ることができますか?
ここで注意したいのはすぐに結果に繋がらないので、焦らずに現実と折り合いをつけながらステップを踏んでいきます。
悩みや不安はなくなるものではないから。
悩みや不安はゼロになるものではないから、いい意味で開き直ります。
そして、一度立ち止まって大きく深呼吸をします。
これまでの経験を振り返ってみてください。
しんどくて、辛くて何度も泣いたり、歯を食いしばってきたこともあると思います
でも、障害者家族として歩もうと決心したその時から物事をしなやかに受け止める力は十分にあると思います
今は、普段と違う日常で受け止める力も燃料が切れがちになっているだけ。
出来事が起きたら避けて通れないけれど、「いいからいいから」と言葉にすると揺らぎながらも柔らかく受け止めてることができますよ。
心と身体をほぐそう
「パンダ なりきりたいそう」いりやまさとし 講談社
かわいらしいパンダの絵を見ながらバナナやおにぎりなど身近なものになりきって体を動かせる本
心も体もガチガチに固まっていませんか?
お互いの正しいにこだわり過ぎていて、こんな言葉が増えていませんか?
◎お互いに頑張っているのに、こうして欲しいという思いが強すぎて「なんでしてくれないの」?という言葉
◎相手が思わずかッとして、衝突してしまうようなトゲトゲした言葉
こうなっていたら要注意!
家族の気持ちを思って、感謝と、わくわくするような言葉をかけられるように意識を向けます。
意識を向けられる人が家族も自分自身もストレスに押しつぶされなくなります。
心も体も言葉もガチガチにこわばってしまうとダメなことばかり浮かんきます。
せっかく心もほぐれてきたら、凝り固まっている体もゆるめていきましょう。
「自分と家族にとって大切なものは」を改めて考えてみる
「ぼくのニセモノをつくるには」ヨシタケシンスケ ブロンズ新社
お手伝いをするのがイヤで、お手伝いロボットを買ったぼく。
ロボットは「ボク」になるためにどんどんインタビューされます。
じぶんの木を気に入っているかどうか振り返るきっかけにもなる本
自分にインタビューしてみよう!
心と身体をリセットしたらもう一度自分らしい人生を歩むために時間をかけて考えます。
でも、ただ考えるのは難しいもの、めんどくさい、向き合いたくないなという気持ちも出てきます。
そこで、この絵本を読みながら頭の中のモヤモヤを片付けてみます。
自分はどういう人?自分の「あり方」・「らしさ」ってなに?
自分らしい人生を歩むベースを見える化していく
いつもの≪自分の行動のリズム≫、≪自分のあり方≫が思い浮かんだところで、改めて「障害者家族として自分らしい人生を歩むために」どうしていきたいか考えます。
◎家族として大切にしていることはなんですか?
◎今まで経験したことで学んだことは?それはどんな風に家族として工夫できますか?
◎1年、5年、10年家族としてどうなっていたいですか?
◎障害者本人、きょうだいがいればどんなふうに過ごして欲しいですか?
じっくりと向き合いあって、自分を質問していって自分らしい人生を歩むベースを作り出します。
ベースが目に見えると気持ちが安心できます。
障害者家族として障害者本人と共に自分らしい人生を歩むために
「リンドバーグ」空飛ぶネズミの大冒険 トーベン クールマン ブロンズ新社
飛行機で大西洋を渡るという夢に向けて挑戦を続ける小ネズミですが、失敗をくり返し、思いもよらぬ敵の妨害にも遭って、一筋縄ではいきません。あきらめない心を伝えてくれる一冊
未来へ進む方向へ再始動していくために
後悔したくないなら小さな一歩でもスタートします。
そんな時には新しいことに取り組むってうまくいくかなと心配が大きくなりますよね。
でも、それはチャレンジ精神があるということです。
新しいことを始めると失敗はつきもの。
私だってしたく無いほうがよいのですが、そうはいかないですよね。
でも、それも未来への大切な経験です。
未来へ進むためのポイント
物事の見方を意識すると受け止め方も変化してきます。
今は、長いトンネルで先が見えないと思っても、未来で振り返ってみると、決して苦いことばかりじゃなかったと思える時間がきっとあります。
いろいろな出来事も将来役立つかもしれないという視点。
情報収集をして少しずつ考えながら今できることを取り組んでいく
自分の心と体をいたわる、心に栄養を届ける方法を忘れないこと。
頑張ったことはちゃんと認めることが大事です。
「おやすみ、ボク」 アンドリュー・ダッド クレヨンハウス
「おやすみ、ぼくのあしさん」オランウータンの子が、自分のからだのあちこちに呼びかけながら眠りについていく。頑張った自分を労いたくなる1冊
学校司書時代も福祉現場のスタッフとして感じるのは、障害者家族は、本当に試行錯誤しながら日々を積み重ねて、
粘り強くやるべきことを頑張りを続けているということ。
だから、一日の終わりは、今日できたことをしっかり受け止めて、身体に感謝も込めて労います。
今は慣れない生活の中だからこそ、無理をしている心と身体を緩めていたわる時間を大切してください。
それが、明日への種まきになります。
終わり
アフターコロナに少しずつ備えていく時期です。
自分らしい人生を歩むために心を整えてくれる一つのアイテムとして今回は絵本を紹介しました。
絵本は短い時間であなたの居場所としての心強い味方にもなります。
気持ちを切り替えるきっかけにもなり、スゥッと心に風が通るようにもなります。
そこから自分に矢印を向けるだけで日々の行動や心の持ち方が変わります。
この苦しい状況を乗り越えようと意気込むのではなくて、自分が大切にしているも相棒にしながら「障害者家族が障害者と共に自分らしい人生」を歩んでいってくださいね。