【マイホーム購入】何から始めて、何をしたらいいの?
自分と家族が幸せに過ごすマイホーム。
現代は、物からコトへの時代とも言われますが、家は生活の基盤です。
安心して暮らすことができる「マイホーム」が欲しい、と思う方も多いのではないでしょうか?
ファイナンシャルプランナーとして、「マイホーム」購入のご相談を多くいただきますが、「もっと計画的に考えておけば良かった・・」という声も。
大きなお買い物だからこそ、お金も含めた「ライフプラン」で計画的に準備していきましょう。
今回は、マイホーム購入を実現するために、何から始めて、何をしたらいいかについて、キャリア設計デザイナーの森脇がご説明します。
マイホーム購入の年齢は?
マイホーム購入には数千万円かかります。
住み始めてから、「やっぱり気に入らない」とか「困ったこと」が起きてもそうそう買い換えはできませんよね。
購入する年齢によっても、その後の生涯設計が変わってきます。
マイホームって、何歳くらいで買ってるんでしょうか?
参考となる一つの指標として、国土交通省の「住宅市場動向調査報告書」があります。
平均年齢
- 注文住宅を購入する人の平均年齢 39.5歳
注文住宅を購入する人の年齢の割合は30歳代が48.1%、40歳代が26.6%、30歳未満10.5%、50歳代8.8%、60歳以上5.5%となっています。
平成29年度(2017年度)住宅市場動向調査報告書
住宅種類別 最も多い年齢
- 分譲戸建住宅、分譲マンション 30歳代
- 注文住宅(建て替え)とリフォーム住宅 「60歳以上」5割程度
- 中古戸建住宅、中古マンション 「40歳代」が3割程度
平成29年度(2017年度)住宅市場動向調査報告書
何から始めたらいいの?
マイホーム購入は本当に必要?
何のためにマイホームを持ちたいの?
あなたとあなたの家族にとって「マイホーム」は何のために必要でしょうか?
- 家族と幸せに暮らす居場所が欲しい
- 子どもがのびのび育つ環境を作ってあげたい
- 自分が亡くなった後も住む所に困らないように・・
- 他の人も買っているから
マイホームは、自分と家族が幸せに過ごすための「居場所」です。
まず、どんな暮らしをしていきたいかをイメージしてみてください。
どこで、誰と、どんな風に暮らしていたいですか?
買う以外に方法はないの?
新たにマイホームを購入しようと思っている人は、その前に少し考えてみてください。
日本では、「空き家が年々増えてきている」ということを耳にしたことはありませんか?
2033年頃には、全住宅の3戸に1戸が空き家になってしまうという民間予測も出ています。
平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要
- 空き家 848 万9千戸
2013 年と比べ、 29 万3千戸(3.6%)増
- 総住宅数に占める空き家の割合(空き家率) 13.6%
2013 年から 0.1 ポイント上昇し、過去最高
今後、団塊の世代が高齢者となります。
老人ホームや子どもの家へ転居するなどして、どんどん空き家も増えてしまうのです。
特に、駅から遠い住宅街では空き家が一気に増加することが予想されています。
子どもの頃の思い出が詰まった家が空家のまま放置されてしまう・・
可能であれば、二世帯住宅や実家のリフォームなどについても、選択肢の一つとして考えてみてくださいね。
住む場所の安全性・未来予想は?
マイホームは自分と家族の安心安全の場所です。
どんな状況でも安心の家を持てると良いですが、自然災害や時代の流れには人間の力は到底及びません。
だからこそ、情報を収集しておきましょう。
最近は各地で災害が発生しています。
私が住んでいる「晴れの国岡山」でも、思ってもいなかった大きな自然災害が起きました。
まさか、はある日突然起きます。
安全性を確認:ハザードマップ
ハザードマップとは、災害の危険度を地図上に表したものです。
最近では、各地で水害が発生していますので、目にされた方も多いのではないでしょうか。
まだ、確認したことがないという人は、自分達が住んでいる所や、マイホームを購入したい場所の危険度について確認してみてくださいね。
- 地震災害
- 水害
- 土砂災害など
ハザードマップに表示された危険箇所が必ず被災するという訳ではありませんし、表示がないから安心、というものでもありません。
身近なところに危険が潜んでいる、ということを意識し、日頃から「まさか」に対する心がけと準備をしておくことが大切です。
未来予想:コンパクトシティ構想
もう一つの視点はその土地の未来予想です。
「コンパクトシティ構想」という言葉を耳にしたことはありますか?
商業地や行政サービスといった、生活上必要な機能を一定範囲に集め、効率的な生活・行政を目指すこと
日本では、急速に人口減少と高齢化が進んでいます。
居住地も郊外に拡散しており、将来、そこに住む人々の生活を支えるサービスの提供が困難になる可能性があります。
そのため、持続可能な都市・社会を実現しようとする取り組みとして、コンパクトシティ形成支援チームが設置されています。
コンパクトシティでは、居住地域と環境保全の地域が明確に区分けされるようになります。
どのくらいお金が必要?
家を購入するには、どの位のお金が必要なんでしょうか?
平均購入金額
国土交通省が「平成29年度(2017年度) 住宅市場動向調査報告書」を発表しています。
購入資金
- 土地を購入した注文住宅新築世帯 平均4,334万円
- 建て替え世帯 平均 3,128 万円
- 分譲戸建住宅と分譲マンションの取得世帯でそれぞれ平均 3,840万円、4,192万円
- 中古戸建住宅と中古マンションの取得世帯でそれぞれ平 均2,857万円、2,393万円
- リフォーム資金は平均231万円
自己資金比率(どのくらい自分でお金を準備したか)
- 土地を購入した注文住宅新築世帯 28.8%
- 建て替え世帯 53.3%
- 分譲戸建住宅と分譲マンションの取得世帯 それぞれ26.4%と42.8%
- 中古戸建住宅と中古マンションの取得世帯 それぞれ46.1%と51.3%
- リフォーム住宅世帯 は75.8%
予算は?
どんな家に住むかによって、購入金額は大きく変わります。
広い庭、全室空調付、こだわりのキッチン・最新の家電、収納がたくさんあって・・・
などなど、家族みんなのそれぞれの「良いな」を叶えようと思うと、どんどん購入費用が膨らんでいきそうですね。
まずは、家の予算について検討しましょう。
予算が決まってから、それぞの「こんな家が良いな」の理由を聞きながら、優先順位を話し合って決めましょう。
家計の現状把握
予算を決めるためには、自分達の家計の現状を知ることからスタートです。
収入は、総支給額ではなく手取り収入をベースに考えていきます。
- 会社員:給与収入 - (社会保険料 + 所得税 + 住民税)
- 自営業:事業収入 - (社会保険量 + 所得税 + 住民税 + 必要経費)
何にどのくらいお金を使っているか把握できていますか?
まだ家計簿をつけていない人は、夢のマイホームのために、今年の目標の一つにしませんか?
最近では、家計簿アプリ等レシートを読むだけで簡単に合計が出せるようにもなっています。
家計簿は、自分自身のマインドセットと、「続けられる」方法が大切です。
頭金って必要なの?
ぽんっと現金でマイホームを買えたらいいですが、なかなかそうはいきません。
その時に、夢の実現を手伝ってくれるのが「住宅ローン」です。
最近では、頭金なしでもOKのローンもありますが、十分な検討が必要です。
全てローンにすると、毎月の負担額が大きくなってしまいます。
家のローンの返済に追われ、笑顔が消えてしまうのは避けたいですよね。
無理のない借入れをするためにも、物件価格の2割以上を準備しておきましょう。
また、購入の際には、物件価格の3%~10%の諸費用がかかります。
こちらの分の現金も準備しておくことが必要です。
頭金はとても大切ですが、病気やケガ・リストラなど思いがけない出来事も想定して、現金を残しておきましょう。
- 購入時の貯蓄額 - 緊急時に備えるお金(生活費の1年分が理想)
住宅ローンについて調べよう
住宅ローンってどうやって決めたらいいんでしょうか?
住宅ローンの種類
- 固定金利型:金利が変わらないため、返済額が一定。
- 固定金利選択型:一定期間金利が変わらない。固定期間終了後は返済額が変わる。
- 変動金利型:金利が見直されるため、返済額が変わる。
- 元利均等:元金と利息を合わせた毎月返済額が一定のため、生活設計が立てやすい。
- 元金均等:元金部分のみが一定で、ローン残高に応じて利息額が減る。
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している長期固定金利の住宅ローン。
- ずっと固定金利の安心
※資金の受取時に、返済終了までの借入金利と返済額が確定します。
- 保証人不要
- 繰上返済手数料不要
〇民間金融機関の住宅ローン
金融機関毎に金利や手数料、保証料などが決められています。
金利の優遇を設けている場合もあります。
金利を比較するサイト等もありますので、チェックしてみてください。
住宅ローンは、団体信用生命保険へ加入することにより、返済中に万一が一のことがあった場合でも、保険金で残りの住宅ローンを返済できます。
万一の場合にも、安心して家族が住み続けることができます。
ローン金額の目安
毎月無理なく返済できる金額はいくらでしょうか?
下記の計算式で目安を計算することができます。
※購入した後にも維持費や税金などの諸費用がかかりますので、そちらも頭に入れて計算します。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税)(所得税から控除)
住宅ローン減税により、住宅を購入する際の経済的な負担を軽くすることができます。
マイホームをローンで購入した場合に、社会保険料控除や生命保険控除のような所得控除とは異なり、一定の割合に相当する金額が所得税から控除されます。
つまり、その分所得税が安くなります。
- 毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除
- 所得税で控除しきれない分は住民税からも一部控除
- 住宅ローンの借入れを行う個人単位で申請
令和元年10月の消費税率引上げにあわせて、控除期間は13年間に拡充されます。
消費税率10%で住宅を購入した場合、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合には、控除期間が3年間延長されます。
11年目~13年目は、以下の①②のうちいずれか少ない方の金額が3年間所得税が減税されます。
①住宅ローン残高又は住宅の取得対価(上限4,000万円※4-2)のうちいずれか少ない方の金額の1%
②建物の取得価格(上限4,000万円※4-2)の2%÷3
すまい給付金(現金給付)
住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除するため、収入が低く所得税額が少ない人ほどその効果が小さくなります。
そんな人の負担を軽くする目的として、すまい給付金制度があります。
※給付額は、給付額は住宅取得者の収入及び持分割合により決まります。
(平成26年4月から令和3年12月まで実施)
ライフプランで生涯設計をしよう
住宅購入を計画的に進めるために、ライフプランを作成し、自分自身の人生と向き合ってみましょう。
ライフプランとは、自分と家族の人生設計のことです。
子どもの入学時期や、自分自身の定年などを一覧にすることで、どの時期にマイホームを購入し、住宅ローンが何歳で終わるのかを確認することができます。
また、自分と家族のライフイベントを確認することで、将来どのくらい支出が必要か事前に把握し、急な支出に戸惑うことを防ぐこともできます。
- どんな暮らしがしたいか、自分と家族の「夢」を見える化できる
- 計画的に頭金を貯めることができる
- 無理のない購入金額や返済計画を立てることができる
- お金に関する漠然とした不安を軽減できる
- 家族全体を見ながら最適な購入時期を決めることができる
※計画的にライフプランで準備する方法については、下記の記事も参考にしてください。
まとめ
今回は、マイホーム購入について書かせていただきました。
マイホーム購入は、「どんなふうに暮らしたいか」という家族みんなの「ありたい姿」からスタートします。
家族みんなで夢や希望を話し合いながら、早めに資金計画も含めた生涯設計をしていきましょう。
その際には、「夢の実現」をお手伝いさせていたくファイナンシャルプランナーに相談してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたとご家族の心豊かなくらしを応援しています!!