国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

障害者自身が気持ちを伝える方法は?障害者家族がサポートできること

 
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結木つばめ
国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。

気持ちを伝える、って本当に難しいですよね。

表現ひとつで喜んでもらえたり、そんなつもりではないのに傷つけてしまったり…。

障害者家族自身も人とのおつきあいが避けられないし、当然、悩みもある。

そんな中でも障害者本人の気持ちの伝え方をサポートしなきゃいけない。

正直ハードルが高いと感じる時もあるはずです。

でも、考えてみてください!

成長するにつれて障害者本人も家族という枠から出ていきます。

同級生ばかりの世界から目上の人や年下の人と接するような人間関係になって、グループホームのような住む場所、学校から就職や作業所などで過ごす場所も変わります。

そこには、必ず人との会話があり、自分の気持ちを伝えなくてはいけない場面がたくさんでてきます。

今回は、結木 つばめが障害者本人に社会に前に伝えておけば良かったと実感や日々の悩みも交えて紹介します。

気をつけたいことは2つ

人と比べるのはやめます

障害特性はそれぞれで、言葉が少なかったり、気持ちを表現するのが苦手だったりして家族が思うようにコミュニケーションができないことで、どうしても他の障害者と比べて落ち込んでいませんか?

比べるのは良くないと頭でわかっていても心に落とし込むのは難しいかもしれません。

でも、一番困りごとを抱えているのは障害者本人です。

できないことばかり注目しないで、いいところも忘れず伝えてください。

学校司書時代に出会った障害者さんたちは、時間はかかっても着実に学んでいる姿があって、それは忘れることはありません。

成長していると思えないこともあるかもしれませんが、障害者本人の持っている力を信じて下さい。

障害者家族だからこそ「がんばれ」を言い過ぎない

難しいことを「がんばれ」っていわれることほど本人にとってツライですよね。

ストレスをずーっと感じてしまったり、自尊心を傷つけたりしてかたくなになってしまうかもしれません。

苦手な部分は認める

苦手な部分は認めつつ、どうやったら障害者自身が日々の生活の中で言葉を覚えていけるのかなという考え方を持ってください。

そこから、視野を広げて心の成長も含めて人と関わる言葉を少しずつ獲得していきます。

家族だけはなく周りの力を借りる

人と関わる言葉を増やしていくのは、家族だけは限界があります。

私自身も伝えきれないこと、後から伝えておけば良かったと思うことがあります。

家族はサポート役

ここは思い切ってサポート役と割り切り、療育の方、学校の先生、相談機関や作業所や仕事先などの支援の力もおおいに借ります。

家族ではない多くの大人と接していく中で、障害者本人もどうすれば人間関係を結べるのかを自分で考えて成長していきます。

障害者家族がこれだけはサポートしたい伝え方

なぜ、伝え方のサポートが必要なの?

生涯にわたって社会で生きる力をつけるため。

障害者の家族でいる時、障害者本人の表情や手ぶり、言葉を感じ取ったりして先回りしていませんか?

これは私自身もそうしていて反省することばかりが浮かんできます。

家族と過ごすときストレスなくリラックスも必要なですが、それでは将来社会で暮らすためにならないんです。

忘れずにいたいこと

障害者であってもコミュニケーションを通じて、社会の中で自分を大切にして生きていく

自分で今を説明できるために

障害者本人が福祉サービスを利用する時は、3カ月~6ヶ月に一度、計画相談員のモニタリングがあって計画を見直したりします。

また、就労移行などを利用して一般企業に就職した時は、定着支援として、支援者が会社を訪ねます。

≪障害者本人が現在の状況を話す≫が前提になっています。

こんな時、自分の気持ちや困っているなどをちゃんと話せることが重要です。

「なにもかも大丈夫です」と言ってしまうと本当にどうにもならない状況に直面した時には【手遅れ】という事態になりかねません。

だからこそ、思いや考えを伝える態度を育てていくのが大事なんです。

空気を読むのが苦手だからこそ

集団の中で日常を過ごすときに

障害者家族としても障害者本人にとっても学校や仕事場など初めての集団生活へ参加する不安は大きいです。

特に集団生活の中では「空気を読む」という雰囲気がありますが、人の表情をみたり思いを想像したりするのが苦手とする障害者は多いものです。

学校司書時代、自分の思いや相手が求めていることがわからずイライラして物や周りの人にあたってしまう子供たちがいました。

その結果自分自身や周囲にいる人がケガを可能性もある危ない行動につながるようなヒヤリとする場面がありました。

こういう行動にならないためにも次のことを心がけます。

うまく表現できなかった時のサポート

残念ながら自分の気持ちをうまく言葉にできなくてトラブルを起こしてしまう場合もあります。

集団生活の中で生きていくことの大変さを思い知る瞬間です。

そんな時、家族としては一方的に「ダメだ」と決めつけてしまわないでくださいね。

障害者本人も「こんなつもりでは」と反省をしていますし、そこには何かしらの理由があります。

理由を話すことは自分の気持ちを説明する練習にもなりますし、成長するためには欠かせません。

失敗も経験のうち。無駄になりません!

本人にとってはツライ出来事ですが、失敗を家族もしっかりと受け止めて次は相手が嫌がる行為をしないよう繰り返し伝えていきます。

基本はできて当然でも難しいから

「おはようございます」、「こんにちは」など挨拶なんてできて当然と思っても当たり前のことが一番難しいんです。

気分によってはちゃんとできなかったり、家族で過ごしているとおなざりになってしまうことも。

さらに「ありがとう」の感謝の気持ちや「ごめんなさい」も素直に言えると相手に与える印象もずいぶん違います。

障害者の支援者としてまた、障害者家族として障害者自身も地域で生活する一員である、とも感じているので、あいさつは身につけていきます。

貸してくださいと言えますか?

覚えておきたい「貸してください」

障害者家族というのはどうしても障害者中心の生活になります。

きょうだいもそのことはとっても感じていて、「ガマン」がクセになっていることもあります。

例えば、お気に入りのおもちゃで遊んでいる時。

横から障害者本人が「貸して」も言わず取り上げたら、取り返そうとします。

その瞬間、親から「我慢しない」、「ちょっとぐらい良いじゃない」って言われたら、しぶしぶ手渡してします。

そして、それが壊れて返ってきたら。

悲しい気持ちはあってもグッと我慢します。

そんなことが続いたら、きょうだいだってストレスがたまりにたまっていつか爆発してしまいかねません。

だから、きょうだいであっても「貸してください」と言えるのが大切なんです。

ずっと人と関わるからこそ大切なことがあります。

将来、仕事をするにしてもグループホームで暮らすにしてもそこには必ず人がいます。

当然、物を借りたい時も出てきます。

他人の持ち物を見て、自分が使いたいって思って何も言わずに手に取ったらどうなるか、もう想像つきますよね。

ここで大切なのは、きょうだいだから言わなくてもいいや障害者だからって特別ではなく、物の貸し借りには、言葉を添えることを覚えていきます。

「貸してください」から「いいですよ。どうぞ」、そして「ありがとう」というやり取りができる

会社や学校などで伝えられますか?

自分を理解してもらうために

自分で伝えたい言葉

・ここで働きたい、通いたい、勉強したい、とやる気をみせる言葉

・働く前から、働いてから通勤方法や時間、バリアフリー、体調、感覚過敏など配慮してほしいこと

家族が全て代わりにすることはできません。

自分のことを自分自身で表現できると自分のことを周りに理解してもらえる第一歩になります。

会社でこんな困りごとはありませんか?

「わかりません」と言うことができる

障害者家族のみなさん、もし自分が働いている職場にこんな社員がいたら、イライラしたり、ムッとしませんか?

指示したことに対して問いかけが無い、

メモを取っている間に「もう一度教えて下さい」

などの発言も無かったら理解したと考えてしまいます。

でも、指示と違うことをしていたら「なぜ聞かないのか」と問い詰める経験はありませんか?

「わかりません」の後に

「教えてください」、「どうやればいいですか?」、「確認したいのですが?」

これが言えないと自分勝手に判断して仕事を進めてしまっては誤解を生みます。

また、指示が出た際にメモを取る時も言えると役立ちます。

我が家の障害者もメモを取りながらはずいぶん苦労しました。

聞き取ってメモするだけで精一杯で、さて、いざ作業を進めようとするとわからないことが出てきて、その度に聞きに行く、繰り返しでした。

でもこの経験が今の仕事に向き合う姿勢をしっかり支えてくれています。

覚えておきたい目上の人に丁寧に話しかけること

仕事の指示を出した時、返事を「はい」と言わず「うん」と言う。

あだ名で呼びかける。

友達に話しかけるような言葉で会話をする。

こんなふうな対応をされたら思わず顔をしかめちゃいますよね。

ただ、敬語を話すのは、私だって言い間違えるくらい難しいです。

障害者本人も敬語を使いこなすのは大変です。

完璧な敬語ではなくてもいいので、言い換えることで敬意を表したり、丁寧に接している印象をあたえることができます。

覚えておきたい言葉

「~してください」、「お願いします」、「はい」、「できました」、「何をすればいいですか?」

「手伝ってください」、など

完璧な敬語ではなくてもいいので、言い換えることで敬意を表したり、丁寧に接している印象をあたえることができます。

家の中ではなかなか敬語を使うことは少ないので、仕事を始めて知ることの方が多くて、注意されて落ち込むこともあると思います。

でも目上の人たちの接し方を体得していくことで、今後の社会で暮らすためにいかせることはいっぱいあります。

伝わり合う場面が増えると自信にもつながります

障害者だからできなくてもしかたがないという考え方ではなく、障害者でもできる伝え方をサポートしておくことが人との信頼関係を結んでいくことになります。

どんなふうになって欲しい?

将来、仕事や作業所に通うとして、

どんなふうにコミュニケーションを通じての人との関係を築きながら、働いて欲しいですか?

思い描いてみたら、それに向かって焦らず地道に基礎を積み重ねていきます。

「断れる」勇気も大切

前回のブログでも書きましたが、成長するにつれて人間関係も広がり、その中でお金のやり取りも出てきます。

また、【おつきあい】という交流も出てきます。

人とのコミュニケーションの中で、わがままなイヤではなく、なぜ苦手なのかを伝えながら断るためのイヤが言えるのが大切です。

断ることによって迷惑をかけるのではと思うかもしれませんが、人間関係には程よい距離感も必要です。

お金が絡んで今まで築いた関係がこじれるよりはましです。

断りたい時に使えないのは不便なので、ぜひ練習していきたい言葉です。

どうしてもの時は保護者や相談できる人に確認してからというルールを徹底していきます。

カードゲームから学ぶ表現力

「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」

https://tobiraco.co.jp/item/card/

というカードに書かれた質問に答えるカードゲームがあります。

特別支援学校の教諭が考えたもので、勝ち負けがありません。

相手の言葉に耳を傾け、否定しないこと、話したくない時はパスカードを使うこともできます。

質問内容も豊富で、出てくるお題に自分が好きなものって何だろうと改めてじっくり振り返るきっかけになりますし、家族だけでなく周りの人たちとも十分に楽しめます。

ルール守ることは大切なスキル

ルールや約束を守って何かをするのはとても大事なスキルです。

カードゲームの良いところ

遊びの中でもルールがあること、そのルールは守る必要があることを楽しく遊びながらできます。

◇ゲームを通して「〇〇さん貸してください」などと自分から名前を呼びかける練習になる

◇話している人の話を最後まで聞いてから話をすることができる

終わり

我が家の障害者が通勤する会社のご親戚が亡くなり、なんとかその方に寄り添う言葉をかけたいと一生懸命に考えていました。

コミュニケーションの本質は、上手く言えなくても相手を思って話すこと

にあるのだなと改めて実感した瞬間でした。

もっともっとではなく、障害者本人が自分の気持ちを伝えることによっていろいろな選択肢や可能性が広がる。

そして、障害者家族も人との関わりで笑顔が増えるように一緒にステップアップしていきましょう。

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結木つばめ
国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。










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