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【実技一発合格体験記】2級キャリコン論述面接ロープレ勉強法!

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国家資格キャリアコンサルタント、2級コンサルテイング 技能士。カウンセリングと写真を組合わせ、その人ならではの魅力を引き出すフォトカウンセラー。企業で様々な仕事を経験し、現在は新規事業開発を担当。写真は家業。ライフサイクルの中での様々な転機に際し、自分を変え自己成長を促して、よりハッピーな人生に導くお手伝いをしています。カウンセリングを通じて、あなたならではの本来の価値を探して、新たな人生を拓きましょう。【趣味】旅行、インテリア、コーラス、京ことば源氏物語の語り等

2級キャリアコンサルティング技能検定に合格しました。

受検は別々に、先に合格率が低い実技試験を受検し、後で学科試験を戦略的に受検。

実技試験の合格体験の振り返りを、学科編に続いて行ってみたいと思います。

両方をご覧いただき、これから受検される方へのヒントとなり、少しでもお役に立てれば、幸いです。

※学科試験については  2級キャリコン 戦略的合格体験記 〜学科合格編〜を参照ください。

2級キャリアコンサルティング技能士  実技試験の実施要領

2級キャリアコンサルティング技能士に求められるレベルは「個人の相談に対して相談者との関係構築のもとに問題・課題などを見立てることができ、1対1の相談支援が的確にできるレベル」です。

実技試験

実技試験は論述試験と面接試験からなり、両方の合格が必要です。論述試験は学科試験と同日に行われ、学科は午前、論述は午後に実施されます。面接試験は論述試験の翌月〜翌々月に実施されます。

論述試験  :  60分 記述式による1ケース 記述式 100点満点で60点以上で合格です。

面接試験  :  100点満点で評価区分ごとに60%以上の得点(所要点)であることが必要です。

なお、両方とも、個人の相談に対する1対1の相談支援について出題されます。

実技試験の範囲

試験科目及びその範囲並びにその細目」が2020年4月に改訂されました。

実技試験で測られる キャリアコンサルティン グを行うために必要な技能

1. 4つの基本的技能

1)カウンセリングの技能
2)グループアプローチの技法
3)キャリアシートの作成指導及び活用の技能
4)相談過程全体の進行の管理に関する技能

2. 相談過程において必要な技能

次の1)から8)までの技能を用いて、相談者との関係構築、相談者の抱えている問題の把握、その問題に対する目標設定及び具体的展開につながる応答と相談過程を意識できること。

1)相談場面の設定
2)自己理解への支援
3)仕事理解への支援
4)自己啓発の支援
5)意思決定の支援
6)方策の実行の支援
7)新たな仕事への適応の支援
8)相談過程の総括

(キャリアコンサルティング技能検定HPより)

必ず、熟読しましょう。

実技試験(面接試験)の実施方法

受験票に予め5つの相談ケースが記載されており、試験ではこの内1ケースが出題されます。

ロールプレイ ・・・ 20 分

口頭試問 ・・・・・・・ 10 分

  • 守秘義務、持ち時間など事前説明済み
  • 受検者は、民間の相談機関の相談室で、キャリアコンサルタントの役割を担っていると仮定してロールプレイングを行います。
  • 面接を進めるにあたって、キャリアコンサルタントのあり方は自由ですが、相談者との関係構築、相談者の抱えている問題、その問題に対する目標設定など、具体的展開につながるような応答、プロセスを心がけてください。

面接試験の評価区分

2級面接試験の評価区分とその内容は、下記のとおりです。熟読した上で、試験に臨んでください。

基本的態度:キャリアコンサルタントとして自分をありのままに受容し、言語・非言語で表現し、多くの場合、一致していること。また、必要に応じて相談者の個別問題に応じた支援(助言・情報提供等)を適切に行うことができること。

関係構築力:キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論スキルを用いて、相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するような相談を安定的に進めることができること。

問題把握力:相談者が表現した内容から、相談者が相談したいことを把握し理解するとともに、相談者が訴えている以外の相談者の問題を把握しており、推論の根拠も説明できること。

具体的展開力:相談者との関係性を意識しながら面談を進め、相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定し、キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できることで、相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が起こること。
(キャリアコンサルティング技能検定HPより)

試験の範囲と評価区分の表現が微妙に異なっていて、関係性が分かり難いと思います。
試験の範囲に対し、評価区分で評価のポイントが示されていると理解しました。

実技試験(論述試験)

それでは、論述試験を振り返ってみます。

事前勉強:過去問ダウンロード

論述試験は、問題文はキャリアコンサルティング技能検定HPに3回分の過去問が掲載されています。HPからダウンロードは可能ですが、正答が発表されていません。勉強するには、何らかの正解例が必要です。多田塾の2級対策講座のほか、キャリアコンサルティング協議会から発行されている問題集などを参考にして勉強をしました。

2級過去問題

https://www.career-kentei.org/about/learninfo/

(キャリアコンサルティング技能検定HPより)

自分なりの型をつくって、何度も書く

過去問を解く時には、他の例を参考にしながら自分で答案を実際に書いてみました。試行錯誤を繰り返しながら、問題文は違ってもある程度自分なりの型をつくって書けるように練習。

予め100枚の回答用紙を印刷し、過去5回分の過去問を時間をはかって自分なりの答案を作成し、何度も書きました。

60分は長いようですが、最初はなかなか書けないものです。60分かけても最初は最後まで書けませんが、だんだんと書けるようになってきます。その時間感覚も大切です。

結局各5回ほどしか書けなかったのですが、量を書いていく内に自分の型ができました。白紙の回答用紙が沢山余りましたが、それでも書いたということは自信に繋がりましたね。

2級キャリコン論述答案例

問1 相談者の訴えている問題(主訴)

論述試験では、逐語訳の相談者の冒頭に、来談目的を言っていることが多いです。間違いやすいのは、来談目的と主訴は違うということ。冒頭の発言に加えて、違った表現で何度も同じことを言ったり、繰り返し使っている言葉、感情表現の言葉に注意します。冒頭説明を中心に、CCとの会話によって引き出された、相談者のこだわりや悩みや迷い、不安な感情を、整理して書いていきます。

問2 CC視点での相談者の問題(見立て)

CCが把握した相談者の問題点について、仮説を立て根拠と共に指摘していきます。相談内容は現実に仕事の場で起こりそう問題が取り上げられており、最近は内容がより複雑化しているように思います。CC視点での相談者の問題は、どの問題にもあてはまる一般的な回答ではなく、なぜそう思うのか、根拠と共に述べ、その相談に固有な回答とします。

見立て(仮説)の例
  • 自己理解不足
  • 仕事理解不足、情報収集不足
  • 周囲とのコミュニケーション不足
  • 思い込み  など

問3 目標と方策

目標は、問1の相談者が訴えている問題と、問2のCC視点でとらえた問題を解決する為の目標を設定します。方策は目標を実現するための具体的方策を、システマティックアプローチを使って整理して記載していきます。目標と方策が重ならないように注意します。

本番当日

本番は、午前に学科試験、午後に論述試験があります。わたしは、論述試験のみの受検のため、早めに会場に着いて、空きスペースを見つけて、軽くお昼を食べながら、最後の見直しを行いました。

本番の論述試験

本番の試験では、問1から順番に解いていきました。60分の試験時間中、問1に時間をかけ過ぎてしまい、問2、問3にかける時間が少なくなってしまい焦りました。時計を見ながら、時間との勝負です。

ここで、これまで何枚も答案を書いて練習が役立ちました。

練習では自分なりの型をつくっていたのですが、本番の問題は事例が複雑化していて型どおりにはハマりません。

問1は問題文からひろって書くため、誰が書いても同じような回答になると思いますが、問2を書いて、問3の方策を書いているうちに、新たな問題に気づき、問2に追記することに。

そうなると、問3の目標設定は、問1の相談者の問題と問2のCC視点の相談者の問題の両方を盛り込んで設定するため、問2に追記したことで、目標も微妙に変更することになりました。

時間内に、真に問題を見抜く力が、試されているのだと思いました。また、今回は、問1から順に解きましたが、答案の書く順番は、検討した方がよいと思いました。それから、消しゴムは、サラの角が尖ったものがいいですね。

事後

試験が終わったら、その日の内に、自分の書いた答案を思い出して書き起こしておきましょう。人間の記憶は曖昧なもの、すぐに忘れてしまいます。書き起こした答案が、反省材料となり、次に繋がります。

実技試験(面接試験)

面接試験は、論述試験の翌月から翌々月にかけて行われます。少しでも練習時間を増やしたく、遅めの試験日程を選択しました。

2級のロールプレイは、20分間である程度まとめあげることが求められます。上述の基本的態度、関係構築力、問題把握力、具体的展開力の4つの評価区分を意識してロールプレイを行います。

一方で、国家資格キャリアコンサルタント試験は、60分間のキャリアコンサルティングの内の初めの15分間です。全く、考え方が違いますので、ご注意ください。

キャリア理論

キャリア理論はどれを使ってもかまいません。現在・過去・未来の時間軸で聴いていく方法、4S(状況、自己、支援、戦略)や来談者中心療法を使ったロールプレイなど。

キャリアコンサルティング協議会発行の2級試験用のDVDにも収録されています。一度は聴いてみられることをお勧めします。わたしは、スピードが早いことに驚きました。

カウンセリング理論

ロールプレイは、システマティック・アプローチで組み立てます。

システマティック・アプローチの6段階の内、リレーション(関係構築)、問題把握、目標設定、方策の1つか2つまでは行きたいところです。

システマティック・アプローチ

① リレーションづくり(関係構築)
② 問題把握
③ 目標設定
④ 方策実行
⑤ 結果の評価
⑥ カウンセリングとケース終了

上述の評価区分の具体的展開は、「(前略)相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が起こること」とあります。

相談者に気づきや変化が起こることまでは、なかなか到達できません。練習あるのみです。

ロールプレイ練習方法

2級では、受検票に、5ケースの相談事例が印刷されているため、事前に対策をたて練習することが可能となります。にも関わらず、合格率が低いんでんですよね。

①ケースの事例に書かれている内容で分からないことを調べます。学部、業界、分野など。

②相談者の問題を推測して、自分なりに相談者の事例研究を行います。

③ロールプレイ練習を行います。他の人とロールプレイ練習を行うと、自分が考えつかなかった設定があり、想定の幅が広がり、面白いと思いました。

④指導者から、フィードバックを受けます。

ロールプレイ練習は、上手な人とやった方がよいと思います。また、適切なフィードバックを行ってくれる指導者の下で行うのがベストです。良いロールプレイは手本になりますし、適切なフィードバックは、次への進歩に繋がります。相手の方の許可を得て、録音し、繰り返し聴きなおしましょう。

見立てについて

「見立て」とは、相談者の人物像や問題について、CCが、こういう人かな? こういう問題を抱えているんじゃないかな?と、様々な角度から考えて立てる仮説、と理解しています。

面接試験では、事前に与えられた5ケースに対し、見立てを行って対策を立てていきます。

見立て(仮説)の例
  • ○○○○だから、自己理解不足 なんじゃないかな?
  • △△だから仕事理解不足 なんじゃないかな?
  • XXXXだから、□□□とコミュニケーション不足何じゃないかな?
  • ◇◇◇って思い込み何じゃないの?  など

そして仮説を紐解く、質問を考えていきます。

この質問を考える作業(質問力)が、の作業となります。初受検者にはとても難しいです。

わたしは、多田塾の2級対策講座を受講して勉強しました。

基本、隙間時間を利用して耳から聴く勉強スタイルのため、スマホに音声録音して通勤時間やちょっとした隙間時間にもずっと聴いていました。

シミュレーション

与えられた20分間のどのタイミングで何を言うのか?

5事例毎に、ノート上で、20分間の応答のシュミレーションを書いていきました。

受講生同士のロールプレイ練習では上手く行っており、自分ではベストな展開と思っていました。

ところが、試験前日にロールプレイ練習を行ったら、ボロボロの結果に・・・

想定していた内容と異なる展開となり、シュミレーション通りに運ばないばかりか、肝心のキャリアコンサルティングが全く進まず、時間も大幅超過してしまったのです。

第一応答

翌日の試験本番を前に、自分の考えた展開を、見直すことになりました。

特に大事なのは第一応答です。

試験の応答の中で、相談者の冒頭説明を聴いた後の、最初の質問だけは自分で選ぶことが出来ます

最初の質問で、何をきくか。その後の展開が全く変わってくるので、よくよく考える必要があります。

養成講座の時からの学びで、第一応答の大切さは分かっていました。一晩悩んだ末に、翌日の本番試験の前に、自分で決めていた最初の質問を、変えることにしました。

また、同時に、作り込みすぎるのは良くない、ということにも気づかされました。

面接は一期一会。事前に想定したシュミレーション通りに進むことは無く、本番では臨機応変に対応出来るように、フリーな対応を心がけること。そのことに気づけた前日のロールプレイ練習の失敗が、当日の成功に繋がりました。

第一応答の変更が、今回の合格の大きな要因であったと、考えています。

ロールプレイのヒント集 10選

ロールプレイを行うにあたって、考えてみたいことがあります。

わたしは以前、質問責めで、解決志向、相手を誘導している、と言われていました。関係構築ができないまま、相手を置いてけぼりにして自分本位にロールプレイを進めていました。国家資格キャリアコンサルタント受検時は、合格率が高く得意な分野のクライエントにあたり運がよかったと思います。

2級受検にあたっては、やみくもにロールプレイを繰り返したり運頼みではダメだと思いました。よいロールプレイとダメなロールプレイの違いが分かっていなければ。そこで、自分なりに、ロールプレイを分析してみることにしました。

① 相談者は、何故キャリアコンサルティングを受けにくるのか?

受検の設定は、民間の相談機関の相談室です。

相談者は、わざわざ民間の相談機関に代金を支払って相談にいらっしゃる訳です。相談者は、自分ひとりで悩んでいても、どうしてよいか分からない。専門家に相談して、何かを変えたい、そんな縋るような気持ち。キャリアコンサルティングが終わった時に、相談者の気持ちが、前向きに切り替えられ、「ああ、来てよかった〜」と思っていただけたら、嬉しいですよね。

相談者に、気持ちの変化が起こり、具体的に何らかの行動を行うキッカケとなる「認知の変化」「行動変容」を目指します。

② キャリアコンサルタントのあり方とは?

「面接を進めるにあたって、キャリアコンサルタントのあり方は自由ですが、相談者との関係構築、相談者の抱えている問題、その問題に対する目標設定など、具体的展開につながるような応答、プロセスを心がけてください。」

この一文は、受験票に記載されていますし、本番の面接試験でも入室直後に試験官から試験前の注意事項として読み上げられます。わたしは試験官からこの言葉をきくと、ドキッとして気持ちが新たになります。

「キャリアコンサルタントのあり方は自由」キャリアコンサルタントの可能性を無限に拡げていて、とてもキャリアコンサルティング的な表現だと思います。そして、自分はどのようなあり方でキャリアコンサルテイングに臨むのか、深く考えねばなりません。

③ 面接を進めるために大切なことは?

面接では、評価区分を意識して、目標設定、少なくとも方策の一つまでは進めるよう目指しました。目標設定、方策までキャリアコンサルティングを進める為には、その前段階として、相談者とキャリアコンサルタントの信頼関係の構築が必須です。相談者の話を、丁寧に受容共感し、関係構築ができていないと、そもそも20分間、話が続きません。よい関係が構築できてこそ、問題把握、目標、方策へと進むことができるのです。

面接試験20分の中で、最初の数分間で信頼関係を築けるかが、わたしにとっては最も重要なポイントでした。進めたい気持ちをぐっとガマンし、最初の数分間はあくまで傾聴に徹する。その姿勢は、必ず面接官にも伝わっていると思います。

④ 論述と面接は一体

論述と面接は一体だと言われています。そもそも、実技に論述が入っている意図は? 別に面接試験だけでいいんじゃないの? そんな疑問がありました。

面接練習を進めていくうちに、論述試験で学んだ型が、ロールプレイにも活かせることに気づきました。それは、大きな気づきでした。

⑤ よいロールプレイとは?

どういうロールプレイがよいロールプレイなのか。自分や他人の良いロールプレイ、上手いなあと思うロールプレイを逐語訳におこして分析してみました。地道な作業で時間はかかりますが、その作業を通じて、よいロールプレイには、型があることに気がつきました。そこに気づけたことが、面接試験を一発合格できた、要因の一つだと思っています。

わたしはこのブログを読んでくださっている皆さんにも、自分でその回答を見つけて欲しい、と思います。何故なら、人にいくら言われても、身につかないからです。わたしがそうであったように。自分で苦労して回答を見つけた時、新しい気づきがあります。新しい発見ができると嬉しいし、その時に、はじめて腹落ちし、自分でも出来るようになるのです。

⑥ オウム返しをした方がよいのか?

ロールプレイの時にオウム返しは必要か?何のためにオウム返しが必要なのか?この疑問を持っている方は多いと思います。わたしもそうでした。しかし、最初の3分〜5分はオウム返しが鉄則です。

オウム返しは、相手の話している言葉を、反復して返すという方法です。心理学的には「返報性の原理」と言われるもので、オウム返しにより人間関係が深まるとされています。返報性の原理は、好意には好意で返すというシンプルな心理です。自分が認められたと感じ、そのお返しに好意を持つというプロセスが生まれるのです。特にキャリアコンサルティングでは感情ワードに着目して受容共感、あいづち、表情で相手に返していきます。

⑦ 解決しない、誘導しない

この20分間は、初回面談です。クライエントさんの悩みや不安をきいても、20分でキレイさっぱり解決するなんて、少なくともわたし達受検者レベルでは無理です。

ですから、20分で解決しようとしないでください。わたしは、自分自身が解決志向になりがちなので、とても気をつけるようにしました。示すのは、解決の道筋=選択肢を示すこと。そして、選ぶのは相談者です。

⑧ 変化を目指す

面接試験では、相談者との対話を通じて、相談者の考えが変わり、行動が変わることを目指します。それを、「認知の変化」「行動変容」と言います。初盤で関係構築できて信頼関係ができ、相談者の問題が把握できたら、終盤で価値観を問う質問をしていきます。

「◯◯さんは、△△について、どのように考えていますか?」

「将来、どうしたいですか?」などの質問です。

試験の相談者は、狭い視野でどうしてよいかわからず思い悩んでいる設定です。キャリアコンサルタントが、もう一段階上で俯瞰して、相談者の視野を拡げ問いかけができたら、スーッと目の前に、今後に続くひと筋の道筋が見えるでしょう。

相談者によっては、こちらから提示しなくても、みずから答えを見つける人もいるかもしれません。そういう場合は、面接がどんどん進みます。その場合の応対の仕方も、事前に研究しておき、あわてることなく対応できるようにしておきましょう。

⑨ 最終局面

本番でどこまで進むかは分かりません。モヤモヤが晴れた、相談してよかった、と言って貰えたら、こんな嬉しいことはありませんね。20分でそこまで辿りつけたら拍手です。

多くの人は、辿り着けずに中途で終わることでしょう。わたしもそこまでは行けませんでした。もしも、すごく面接がスムーズに進んで話すことが無くなったら、「今日の面接で何か変化はありましたか?」などと聞いてみたいですね。

或は、面接がうまく行かなくて話すことがなくなるケースもあるかも知れません。その場合は、「何か話し足りないことは無いですか?」ときいてみてください。もしかしたら、何某か、話してくれるかも知れません。

相談者が、この面談が終わった後、気持ちが切り替わって、晴れ晴れとした笑顔で、新しい行動が小さくても具体的に起こせるような状態になることを、目指します。

⑩ その他のロールプレイのヒント

ここでは、項目だけあげておきますね。

  • 最初と最後の質問を決めておこう
  • 相談者の自己肯定感をあげよう
  • 意識しながらロールプレイしよう
  • 時間管理しよう
  • 質問力
  • 要約を適宜
  • ロールプレイは協働作業
  • 再現性 etc.

試行錯誤を繰返し、欠点を克服して、何とか合格ラインのロールプレイを行うことができるようになりました。努力は裏切りません。

口頭試問

20分間のロールプレイレイの後、10分間の口頭試問が行われます。ロールプレイが出来ても、出来なくても、全力で取り組みましょう。口頭試問はチーンとベルがなってから1分間ほどは続けることが出来ます。限られた時間を有効にギリギリまで、伝えましょう。

  • ロールプレイ時の根拠と共にのべる
  • 熱意
  • 事前準備
口頭試問(例)

1  ロールプレイでよかった点、改善したい点
2  リレーション  (関係構築)
3  相談者の問題
4  cc視点の問題
5  出来た方策と、出来なかった方策 (やろうとした方策)

面接現場によって質問される内容は、異なるかもしれませんが、わたしは5つ目の出来なかった方策で、予め準備していた方策だが、ロールプレイで言えなかった方策を述べました。実のところ、この出来なかった方策を述べれたことが、合格に大きく関わっているのではないかと、個人的には思っています。

途中であと1分を知らせるベルが鳴りましたが、熱意と確信を持って、この方策を述べました。最後の1分まで有効に使いましょう。もしかしたら、この時間ギリギリの方策が救ってくれるかもしれません。

事前準備として、確りと方策を考えておかねばなりません。2級では、5ケースがわかっているため、予め、事例の検討を行い、様々な方策を考えておくことが可能であると思います。

試験後

試験が終わったら、すぐに逐語訳を起こしましょう。忘却曲線のごとく人の記憶はもろいもの。

当日たまたま同じ時間帯で試験を受けた友人に出会い、お茶を飲んで帰ったら、帰りの電車では既にところどころ記憶から飛んでいました。テンションがあがっているから尚更です。その日の内に書き起こしておきましょう。それが、次に繋がります。

参考書・テキスト

実技試験でも、よいテキストに巡り合うことが必要だと思います。

キャリアコンサルティングに関する本をいくつか読みましたが、ここでは、キャリアコンサルティング協議会が出版している実技試験用のテキストをあげておきます。

付属のDVDでは異なるアプローチ3例、失敗例2例が収録されています。ロールプレイがとても早く進んでいることに驚かされました。

学ぶ、働く、生きるを支援する時代の新資格 キャリア・コンサルティング技能検定2級〜学科問題解説と実技の視点、考え方〜  2012/1/1

最新版はコチラです。

国家検定2級キャリアコンサルティング技能検定 -学科問題解説と実技の視点、考え方-(第二版)面談DVD付き  平成24年3月発行

学科試験は、2018年に最新版が出版されていますが、実技試験用は、今のところ、こちらが最新版となっています。

最後にお伝えしたいこと

論述試験が終わってから、面接試験までは1ヶ月半程でした。毎日していたことは、とにかく聴くことでした。仕事で終日PCに向かっていて眼を使うと疲れるので、リスニングは歩きながら、作業をしながらでもできるので重宝しました。通勤時間、家事をしながら、就寝前。子守唄となって、何度寝落ちしたことでしょう。

土日のまとまった時間がある時には、学科試験の時と同じく、図書館で集中して、ノートに向かいました。ロールプレイなのに変と思われるかもしれませんが、机上でロールプレイの分析を行いました。

最終段階では、口に出して言ってみました。ロールプレイに合わせて言ってみる、自分でつくったシュミレーションに合わせて言ってみる、口頭試問に答えてみる。ブツブツと実際に言ってみることを繰り返しました。

おまけ 〜面接試験時の服装、髪、化粧〜

面接時の服装や髪型どうするのか、お化粧も気になりますよね。試験官に好感度の高い外見でアピールするというのも有りだと思うのですが、基本は、試験官と同じような外見を心がけるのが、キャリアコンサルタントの心得だと思います。その意味で、試験官がスーツなら、受検者側もスーツ、またはそれに準じる服装だと思います。

髪や化粧は、清潔感があればよいと思いますが、リクルートじゃないから、普段通りで良いのではないかと思います。ここもセンスですかね。面接官にも色々な考えの方がいらっしゃると思うので、無難に行きましょう。

試験会場に入ったところから、試験は始まっていると思いましょう。面接室に入ったら、まずは試験官との関係構築が大事だと思います。緊張で頭真っ白でも、笑顔でうなづきましょう。相談者に向き合ったら、ひとつ大きく深呼吸をして、心を鎮めたら、笑顔で全力で相談者のお話を聴きましょう。

レッツトライ!

まとめ

2級キャリアコンサルティング技能士になろうと思ったのは、今後キャリアコンサルティングの仕事を続けて行く上で、クライエントさんから見たら有資格者である方が安心していただけるだろうなあ、と考えたためです。わたしがクライエントなら、そう思うであろうから、です。

今後、実務経験を積み、さらに高い資格を目指していけたらよいなと思っています。より広く深く、キャリアコンサルティングの世界に関わっていきたいと考えています。共に、がんばりましょう。

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