職場における面倒くさい人(上司・同僚)の対処法!【ビジネスパーソン必見】
今日本は、終身雇用が崩壊し、人材流動社会への転換期にあります。採用も新人の一括採用から、通年での中途採用が中心になってくるでしょう。
その結果、いろいろな方々が集まり、ダイバーシティーはますます進んでいくことになります。
そして、ビジネスパーソンが会社で働き続けるためには、「悪い上司」「人を操る上司・同僚」「受動的攻撃を仕掛けてくる同僚」等など様々な方と付き合っていく必要がでてきます。
そこで、会社の人間関係での労務問題に多く携わってきた問題社員解決コンサルタントの坪根克朗が、職場における面倒くさい、またはやっかいな人の対処方法についてお話していきます。
面倒くさい人とつきあうスキルの重要性
面倒くさい人とつきあうスキルは、以下のような社会的背景の中で今後ますます必要になってきます。
終身雇用から人材流動化社会への転換期
終身雇用は退職まで雇用が守られる一方で、その代償として上司・同僚は選べないという現実があります。
また、今後は人材流動化社会が進むので、あなた自身が転職することもありうるでしょう。
その時、転職先で能力は優秀だけど、面倒くさい人があなたの上司・同僚になる可能性は高いのです。
ダイバ-シティーの進展
多くの企業がダイバーシティー経営の強化を掲げ始めていますが、それを実行する難しさはあまり理解されていません。
それは、「自分と意見や考えが異なる人を受け入れる態度」が求められるということです。
そして、日本の企業のように「同質の人間が集まり、同調することを良しとしてきた職場」では、実際に実行することは難しいことなのです。
職場の面倒くさい人とは
それでは、以下の3種類の面倒くさい人について、「意味」「具体的な行動・手口」についてお話していきます。
面倒くさい人の対処法
それでは、個別に見ていきたいと思います。
悪い上司
悪い上司とは
ビジネスパーソンにとって、悪い上司とは「従業員エンゲージメント(組織の目標達成のためにモチベーションや努力)を下げる人」だと思います。
ただ、会社で働いている以上、どんなに上司に非があろうと「上司と円滑な関係を構築すること」はビジネスパーソンとして重要な職務の一部になります。
そして、これをうまくこなせるかどうかはその人の有能さを示す指標にもなってきます。
これから話すことは、同じような苦境に陥った人が職場で実践できる対処法になります。
【対処法①】自分の行動を内省する
上司との関係で苦労する人は、あなた自身が問題の一部になっているかもしれません。
ひょっとするとあなたの行動や考え方が、上司から評価されることを邪魔しているかもしれないのです。
上司から何らかの批判的発言や態度があれば、できるだけ客観的に、内省するのです。
自分の行動、あるいは結果のどの側面が上司をいらだたせたのか、また、自分の性格のどの部分が、摩擦を引き起こしているのか考えるのです。
そして、考えた結果として、自分のやり方に間違いがあることを認め、対応と修正に努めれば上司との関係を修復できるかもしれません。
【対処法②】上司とうまくいっている同僚のアドバイスを受ける
職場には、上司とうまくいっている同僚は必ずいます。
そのような場合、その同僚にアドバイスをもらうことも手です。しかし、質問にも工夫がいります。
〇(良い質問の例):「発言すべきか否かをどうやって判断していますか?」「上司が意見を聞きたがっているかどうしたらわかるのですか」「反対意見がある時はどういうふうに伝えますか」
【対処法③】時間をかせぐか、転職するか
いままでの方法で、上司との関係が改善できなければ、選択肢は限られてきます。
上司の異動を待ちながら、「そのままその組織で耐え忍ぶ」「異動を願いでる」「転職する」になります。
上司の異動を待ちながら、耐え忍ぶつもりなら、必ず自分で期限を決めなくてはいけません。
例えば、「このプロジェクトが終わるまで」「この仕事の切りのいい時」「来年の人事異動」等そうしないと、仕事に意欲的に取り組めず、幻滅を感じみじめな気持ちに陥るだけになります。
このような場合の解決方法は、仕事を続けながら、別の仕事を探し、自分の意志で立ちさることです。
人を操る(マニュピュレータ)上司・同僚
人を操る(マニュピュレータ)とは
人を操る人とは、「マニピュレーター」とも言われますが、暴力や威圧を使わずに、自分の望みを果たしたり、優越感を満たすことを目的にして、「他人の心」をコントロールすることです。
臨床心理学者のジョージ・サイモン氏が「羊の皮をかぶったオオカミ」とたとえているとおり、マニピュレーターは周到に本心を隠しつつ、相手や周囲に悟られないよう間接的な方法を用いるのです。
人を操る(マニピュレーター)の手口
マニピュレーターについての理解を深めるため、具体的な 3つのケースで“手口” をお話します。
マニピュレーターは、自分にとって邪魔な存在が現れると、「あなたのため」「会社・組織のため」という態度を装って、足を引っ張ったり、排除しようとします。
あるマニピュレーターの職場に、Aさんという優秀な同僚が現れたとします。マニピュレーターは、Aさんに脅威を覚え、足を引っ張ろうとたくらみます。しかし、直接イジメたり、妨害したりはしません。
マニピュレーターは、昇進のカギを握る上司に、Aさんの悪評をさりげなく吹き込みます。「仲間内では、Aさんの評判はあまりよくありません。もちろん、私、個人的にはAさんのことは好きなのですが・・・。リーダーを任せるのは、心配ですね」という具合に、会社の利益を考えた “善意” のアドバイスのように話すので、上司はその話を信用してしまうのです。
マニピュレーターは、相手を悪者扱いして罪悪感を与えることで、コントロールしようとします。たとえば、あなたの上司がマニピュレーターだとして、「私を何度もがっかりさせないでくれよ」「いつも君の尻ぬぐいをする、私の気持ちにもなってよ」などと、あなたを「悪者扱い」した時、あなたはどう感じますか。きっと、上司に対して申し訳なさを感じ、多少の理不尽な要求にも、「自分が悪かった」と従ってしまうかもしれません。
経営会議で1人の幹部が電話による報告をしている時、マニュピュレータとして有名なA部長は、会議の席上、何の意見も言わないで黙っているのに、報告している内容を納得できないことや否定の意味を込めて、「何度も首を振ったり」「肩をすくめたり」「手を挙げてあきれたポーズ」をとるのです。このように、電話で報告している人に見えないことをいいことに、相手を軽んじていることを会議の仲間に見せているのです。
あなたの職場にもいますよね。それでは、そういう方々への対処法をお話していきます。
【対処法①】人を操る(マニピュレーター)の存在を知る
まずは、職場には人を操る(マニピュレーター)という「他人を利用することしか考えない」人達が存在するということを意識しておくだけで、マニピュレーターから虐げられるリスクの軽減が期待できます。
【対処法②】距離を置く
マニピュレーターのターゲットにされてしまったら、距離を置くことを第一に考えましょう。
職場のように毎日顔を合わせる環境だと難しいかもしれませんが、なるべく関わらず、かつ相手を刺激しないよう気をつけてください。
最もNGなのは、怒ってやり返したり、態度を改めさせようと説得にかかったりすることです。マニピュレーターは攻撃性が強いので、「報復された」と感じ、さらにひどいやり方であなたを陥れてくるかもしれません。
【対処法③】あえて公の前で対立をする
時には会議や現場でマニピュレーターと対立することが、その工作を暴く唯一の方法になる場合もあるのです。
ケース3の場合では、A部長さんに対して、会議の中で「〇〇さんの報告にあなたは強く反対されているように見えましたが、結論か、詳細説明の一部に異論があったのですか」とその場で問えば言えばいいのです。多分「特に問題はないです」と答えるでしょう。
その後は、同じような会議において、わがもの顔で振舞ったりすることはできなくなるでしょう。そして、電話の向こうで報告していた○○さんに、A部長から卑劣な手段で批判されていることを知らしめるのです。
受動的攻撃を仕掛けてくる人
受動的な攻撃とは
受動的攻撃性とは、本人が感じている「怒り」「不平不満」などに代表される否定的な感情を相手にぶつけず、消極的かつ否定的な態度・行動を取ることで、相手を攻撃しようとすることです。
そして、受動的攻撃行動の代表例は、「沈黙/無視」「サボタージュ」「抑うつ状態」の3つになります。
- 沈黙/無視:黙り喋らないことや、相手を無視することで攻撃する
- サボタージュ:仕事を意図的に遅らせたり、怠けたりして攻撃する
- 抑うつ状態:気分的に落ち込んだ状態になることで攻撃する
受動的攻撃の対象は
受動的攻撃の由来は、米国の軍隊で使われた言葉で、「上司から命令されるとイヤでも従わなければならない鬱憤を晴らすために、仕事をわざと遅らせたり真剣に取り組まなかったりして、反抗の気持ちを間接的に表したこと」と言われています。
したがって、受動的攻撃の対象は、「組織の中での役職や階級が上であったり、自分にお金を払う立場の人、いうなれば逆らえない人」に向けられます。
このような人への対処法は以下になります。
【対処法①】受動的攻撃行動をそのまま敵対行為として認識する
受動的攻撃を受けた時、「無視された」「馬鹿にされている」ということを気にするのではなく、「相手は隠れた敵対行為を行った」と認識する必要があります。
そして、このような場合の一番してしてはいけないことは、彼らに対して寛大な態度をとることです。
一度受動的攻撃行動を許してしまえば、相手は、調子にのって続けてくる可能性があります。
【対処法②】限度を設定して厳しく対処する
受動的行動の内容にもよりますが、不当な扱いをされることを容認しないという態度をはっきりと見せる必要があります。
もしいつも約束に遅れて来ても平気な人がいたら、その人に対し、次回約束に遅れて来たら、もう一緒には行動しないという姿勢を見せるのです。
このように「限度の設定」で、受動的攻撃に対する代償を払うつもりはないという意思をはっきり表すことが必要です。
【対処法③】直接的なコニュニケーション機会を作る
一般的に、受動的攻撃をする人は、面と向かって話す直接的なコミュニケーションを避けたかったり、対立することが怖くて、そのような行動をしていると言われます。そこで、受動的攻撃を受けているのが、上司(管理職)ならば、顔を見て話すような直接的なコミュニケーションをとることを勧めます。
今起こっていることに、とても怒っているように見えるし、本当に辛そうに見えるから、よかったら話してみて!
受動的攻撃をする人が望んでいるのは、結局は怒りに気付いて欲しいのです。
あらゆる行動の裏に怒りを隠そうと必死になっているので、上司や管理職がこのように直接話を聞くのは効果的な作戦になると思います。
まとめ
3種類の面倒くさい人の対処法をお話してきました。
気をつけなければいけないことは、面倒くさい人の対処において犯しがちなミスは、「相手を論理で説き伏せよう」とすることです。
これは相手の認知に働きかける行動です。しかし、人は理屈を理解していても、感情的に納得しないと行動には移さない生き物なのです。
従って、面倒くさい人への対処法のポイントは、「自分の認知を活かして、まずは自分の感情をコントロールし、その上で面倒くさい相手の感情や行動を変えていく」ことになります。
ただ、いくら努力しても「人は変えれない」とも言われます。
そういう場合は、面倒な人と付き合うのをやめ、組織から離れる(異動、転職)ことも選択肢にいれていいのではないでしょうか。
面倒くさい人の対応は難しいです。
もし、問題社員とは言いませんが、面倒くさい人が廻りにいてお困りことあれば、TC坪根キャリアコンサルティングOfficeまで相談してください。