【職場マナー基本】失礼にならない最低限のコツ!本質と必要性

入社して数年が経ち、初めて後輩を指導することになったあなた。
ビジネスマナーの指導について、何か悩んでいるようですね。
- 「ビジネスマナーって、知ってはいるけど、現場で人に教えられるほど自信がない。」
- 「自分が新入社員の時に教わった内容でも、実際に現場で使うことも少なくて忘れた。」
- 「教えられた通りにやっても、実際は上司に注意されることが多いよね。」
特に、普段から直接お客様に接する機会の少ない部門にいると「現場に配属されてから一度も名刺交換をしたことがないよ…」と、不安になることも多いでしょう。
ここでは、業種や職種に関係なく「これまで自分の仕事で困ったことはないけど、“マナー”と言われると教えることに自信がない。」というあなたに、“毎日ココロをフルにするお手伝い!”ココロフルプランナーこと、現役マナー講師&国家資格キャリアコンサルタント@大川礼子が、職場におけるマナーの本質と必要性をお伝えいたします。
職場でのマナーの必要性
「職場でのマナー」という言葉に対して、あなたはどんなイメージを持っていますか?
- 「社会人として常識」
- 「相手を不快にさせないためのもの」
- 「手順や敬語が面倒くさい」
そうですよね。ここではまず、職場でのマナーがなぜ必要なのかを詳しく見てみましょう。
企業の仕組みと、どの企業にも共通する目的
職場でのマナーがなぜ必要か、原点から考えるために、まずはどの企業にも共通する目的を見てみましょう。
企業は、規模の大小にかかわらず「社会貢献」を最終的な目的としています。
なぜなら、お客様からの信頼を得て多くの従業員を雇い地域・社会へ貢献すれば、企業の発展につながり、会社を長く存続させることができるからです。
あなたが企業から受け取る給与は、企業がお客様へ商品やサービスを提供して得た利益から支払われていますよね?
実は企業の利益は、あなたの給与以外にも、株主への配当や、国や地域へ納める税金などに利益は使われ、地域・社会への活性化に貢献しているんです。
この、“お客様からの信頼を得るために企業を発展させる努力”を、具体的な行動で誰が行うかというと、それは企業で働くあなたたち一人ひとりの従業員全員が担っている責務なんですよ。
特に大手企業の場合は、グループ会社の従業員も「〇〇会社の人」と世間からは認知されるため、企業として果たす役割も大きく、従業員の数も膨大!
ここ数年、従業員が勤務中に不適切な行動をとる姿を写真に撮り、SNSへ投稿したことがきっかけで、その従業員を雇う企業の業績が落ちたり倒産したりした、というニュースを聞いたことはありませんか?
たったひとりの従業員の振る舞いが、企業全体の存続に影響するというのは、どの職業でも同じことなんです。
従業員一人ひとりの言動が企業のイメージや信頼を大きく左右するからこそ、従業員には「社会人としての常識」とされるマナーが求められるんですよ。
職場でマナーがないとどうなる?
では、実際に職場でマナーやモラルがないと、いったいどうなると思いますか?
昨年夏に発売された『Think CIVILITY~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』では、大学の准教授である著者のクリスティーン・ボラスが多くの企業を20年かけて調査した結果が数値で示されています。
その中から「17業種500名に調査した結果、職場で誰かから無礼な態度を取られている人」を対象に行った調査結果の一部をご紹介します。
- 80%の人が、(相手の)無礼な態度を気に病み仕事に使うべき時間を奪われている。
- 48%の人が仕事にかける労力を、また47%の人が仕事にかける時間をそれぞれ意図的に減らしている。
- 25%の人が、無礼な人にストレスを感じたせいで顧客への対応が悪くなることがある。
(出典元:2019年 クリスティーン・ボラス『Think CIVILITY~「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である~』)
また別の実験として、被験者に「銀行員」2名を紹介し、1名が相手の1名を業務内容について叱責する姿を見せたところ、その姿を見た人のうち約3分の2が、この「銀行員」がいる銀行とは取引をしたくないと回答した、とも書かれているんです。
職場であなたが相手にとって不快な態度を取ってしまうと、相手の精神面や作業効率、また周囲の人やお客様にも悪影響を及ぼすことが分かりますね。
マナーの本質は「心」、表現方法としての「型」
「マナーって、新入社員研修で教えられたものの、実際には現場で実践する機会がなく自信がないよ」
あなたはこんな風に思って不安になっているのかもしれませんね。
でも、そんな時は、マナーの本質は「相手を尊重する心」であり、その心を適切に表現する「型」として作法やルールがあることを思い出してください。
例えば「敬語・言葉遣い」について。
「丁寧に話そうとすると、長くなって面倒くさい」なんて思っていませんか?
敬語の本質は、“相手を尊重する「心」を適切に表現する”ことであり、言葉は“心”を「型」を使って表現する唯一のコミュニケーション方法なんです。
その時々で場に応じた敬語を使えるのが一番ですが、敬語の使い分けが難しいからと黙り込んでいては、コミュニケーションははかれません。
もしあなたが間違いを恐れて黙り込んでしまうようなら、まずは「~です。」「~ます。」と語尾までハキハキと相手に伝えることから始める。それだけでも相手が受け取るあなたへの印象は随分変わります。
このことは、敬語だけでなく、どのマナーにも当てはまり、本質には「相手を想い尊重する心」があり、共通の認識である「型」を通じて、その心を適切に表現して信頼関係を築くのだと知っておいてくださいね。
マナーの本質は “信頼関係”の構築にあり
お客様からの信頼を得るために、企業で働く従業員にはマナーが必要だと書きました。
ですが、お客様から信頼を得るには、その前に日々共に働く仲間から信頼されなければなりません。
目の前にいる上司や同僚に信頼されていない人が、お客様に長期的に信頼される行動は取れないからです。
信頼関係ができるまで
一言で「信頼関係を築く」と言っても、初めて会った瞬間に「この人、信頼できる!」と思える人は、そういないでしょう。
ここで少し、私の友人の話をさせてください。
友人(Aさん、女性)は笑顔が素敵で、彼女が入社してきた初対面の時から「何となく好感の持てる人だな」と感じていました。
職種は違いましたが、入社後しばらくするとAさんとペアで同じお客様を担当することになり、彼女と接する機会が増えるうち、お客様の情報を細やかに報連相する姿勢や、5W3Hが明確に示されたメモ書きなどを見て、“好感の持てる人”から“信用できる人”に変わっていきました。
その後、ある時ふとした会話の中で、“焼き鳥好き”という共通点から話が弾み、仕事の後や休日に会う機会が増えました。
Aさんは私とプライベートでどれだけ仲良くなっても、仕事の時は私を先輩として接してくれたことで、私は彼女とペアを組む時は、担当のお客様を安心して任せられるほど、彼女への信頼感が強まりました。
同じ職場で働いてから数年後に、私も彼女も当時の職場を退職しましたが、初対面から15年以上経つ今も、年に数回は会って交流を続けています。
私にとってAさんは今や、仕事の場面においてだけでなく、1人の人間として信頼し尊敬できる人です。
これはあくまでも私個人とAさんの話ですが、あなたの周りにも同じようにふとしたことから仲良くなり、普段の行動から「この人のこと、信頼できるな」と、頭に思い浮かぶ人がきっといるのではないですか?
実はこのAさんの行動は、全てマナーのスキルに置き換えることができるのです。
このスキルの数々を、初対面の時から心を開き、“親しき仲に礼儀あり”で実践し続けてくれていたのです。
仕事と結婚生活は同じ?
信頼関係を築く、という点において、仕事と結婚生活は同じだと常々私は思っています。
もしあなたが結婚しているならご自分の結婚生活を、もしあなたが結婚していない、あるいは結婚しない人生を歩まれるなら『同棲や同居生活』を想像しながら次の共通ポイントを見てくださいね。
就活(婚活)の段階でしっかりと自己分析をし、希望の職種へ就くために自己PRの日々。
企業の目的(理想の家庭像)や企業理念(相手のポリシー)と自分の希望条件が合致して、めでたく内定(プロポーズ)をもらったら、保証人(証人)を誰かにお願いし、契約書(婚姻届)を交わします。
入社(結婚)した当時は目に見える景色全てが新鮮に映ります。憧れていた生活にドキドキしながら、慣れないうちは上司や先輩(義父母や親族)から指導を受け、少しずつ仕事に慣れていきます。
でも、慣れてくると今の生活が当たり前になり、時にはその職場(家庭)でしか通じない独自のルールを面倒くさいと感じ、余所の企業(他の家庭)のシステムがうらやましく見えても、そのまま自分の職場(家庭)に取り入れることは容易ではありません。
そして何より、どちらも一度選択すると、少々思っていたことと違う面が見えたくらいでは辞める(離婚する)ことはできませんが、相手との信頼関係がなくなれば一方的に解雇されることがあります。
いかがですか?
どちらも信頼関係が肝心で、かつ自分の人生に大きく影響する出来事だという点でも同じだと思いませんか。
このように見てみると『職場だからマナーが必要』なのではなく、目の前にいるのが誰であれ、『人と接する時には』マナーや配慮の心が必要だと言えるんです。
なぜ、その振る舞いが「失礼」だと受け取られるの?
「ちゃんと敬語で話したのに、上司に『失礼だ』と叱られた…」
「報連相をしようと、『今よろしいでしょうか。』と上司に声を掛けたら、注意を受けた…」
教わった通りに行動したはずなのに、何故か叱られたり相手に嫌な思いをさせたりしてしまう…と言う時は、まずマナーの由来や確立した時代背景から学んでみましょう。
日本でマナーが確立した背景
「和を以って貴しと為す」という言葉を聞いたことはありませんか?
日本でのマナーは、『冠位十二階』や、冒頭の一文で始まる『十七条憲法』がルーツだと言われています。
『十七条憲法』は1400年以上も昔に、今で例えるなら国会議員や公務員の役割を担う人達へ対して「何事も諍いなく、調和をもって話し合いで決めなさい」など17の決まりごとを書き記したものです。
その後、平安時代には公家社会での規範を伝える『有職(ゆうそく)』や、武士の地位向上に資した室町幕府の『三議一統』など、その時々に権力を持つ人たちによって“相手に敬意を表すもの”として、礼儀作法が確立されました。
江戸時代に入ると、幕府は身分制度を確立し、“目上の人を敬う”など、人には思いやりをもって接することを基盤とする『儒教思想』を広め、家庭においても一家の主が絶対的な権威を持つ『家長制度』を取り入れて、社会の秩序を維持しました。
これに合わせて、それまでは地位の高い人達のしきたりだった礼儀作法が世間に広まり、結婚式や葬儀、また日常生活の様々な場面におけるマナーの基盤が、私たちの生活に根付いたのです。
日本のマナーは独自の文化
江戸時代に人々の生活にマナーが広まり生活に根付いたものの、明治維新が起き西洋の文化が入ってきたことで生活様式は大きく変わり、それまでの作法が使えず混乱した状況が続いたと言われています。
ですが日本では昔から、外国の文化を取り入れ日本独自のスタイルにアレンジすることに長けています。
例えば、食べ物で言えばラーメンや天麩羅、着る物で言えば洋服だけでなく西陣織などの帯、季節の行事で言えば春分などの二十四節気やお中元…。
あなたは、これらが日本で発祥したものと思っているかもしれませんが、そのルーツを辿ると全て大陸からの文化を取り入れ、日本での食文化や気候、元からあった技術と融合してオリジナルを確立しています。
もちろん、マナーも例外ではありません。
ここで挨拶と席次について、まずは日本と西洋の違いを見てください。
日本と西洋における挨拶の違い
- 日本では『お辞儀』…自分の脳天(急所)を相手に差し出すことで、『あなたに従います』という意思表示を由来とし、目線を伏せて行う。目下の者から立場が上の人に対して行う。
- 西洋では『握手』……相手に自分の利き手(右手)の手のひらを見せて『武器は持っていません(あなたに敵意はありません)』という意思表示を由来とし、目線は最初から終わりまで相手を見ている。握手を行う時は、立場が上の人から下の人に差し出す。
日本と西洋における席次の違い
- 和室では『左上位』…入口から離れた場所、かつ中心から見て左側を上位とする。入口正面から見た時は、向かって右側となる。
- 洋室では『右上位』…入口から離れた場所、かつ中心から見て右側を上位とする。入口正面から見た時は、向かって左側となる。
日本の職場で取引先と打合せをする際、会った時の挨拶としてお辞儀をしますが、その後、座って打合せをする場所が「和室」であれば和の作法を基準とした座席の配置に座り、反対に「洋室」であれば、西洋のマナーを基準とした座席の配置へと変わります。
こうして見ると、和洋折衷で確立された現代の日本のマナーはとても複雑で日本独自の物と言えますが、“挨拶”そのものは、『あなたに従います』『敵意はありません』と敬意や親愛を示すことが目的であることは和洋問わず同じです。
根底にある「心」に基づいて、相手の国籍・思想や会合の場所に合わせた正しい「型」を学び実践することが、多くの人と信頼関係を築く第一歩となることには変わりありません。
「失礼」にならないために必要な力
企業は、様々な価値観を持った多くの人が、同じ目的に向かって共に働く場所です。
職場には気の合う人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
個々の考え方が多様な社会で、相手に「失礼」だと思われないために必要なことは「相手の置かれている立場・状況やその人の背景を知り、尊重する気持ちをお互いの立場や距離感に合わせた具体的な態度で表す」実践力です。
世代ギャップ
今、あなたの上司にあたる40~50歳代の多くは、“相手に敬意を表すマナー”を基盤として、「年長者を立てる」「教わる時、お願いする時は低姿勢」「雑用と呼ばれる仕事は若い立場が率先して行う」などを家庭で躾けられ、職場ではその躾を実践する場として働いてきた背景があります。
これに対し、あなたが育ってきた平成の時代には、共働き家庭も増え、学校教育や情報化社会への変化に伴って「個人の意思を尊重する」「他人に迷惑を掛けなければ良い」と個人が持つ意識にも大きく変化が表れました。
マナーは、言語と同じで時代と共に変化するものですから、どちらが正しい・正しくない、ということではありません。
ただマナーの本質においては、あなたの世代に通じる常識があるように、どの世代にも同年代で通じる常識がある事実を正しく知り、相手に合わせた適切な「型」で「目的=心」を表現することが重要なんですよ。
「ちゃんと敬語で話したのに、上司に『失礼だ』と叱られた…」というあなたへ
冒頭のこの悩み、ひょっとするとこの“相手に合わせた適切な「型」ではなかった”ということはありませんか?
- 「部長は、〇〇という機種をご存じですか?」(←相手の知識を試す質問)
⇒言い換えるなら「部長、〇〇という機種についてご相談(ご報告)なのですが…」
- 「ここまでの説明で、お分かりになりましたか?」(←相手の理解力を試す質問)
⇒言い換えるなら「ここまでで、説明不足の点はありませんでしたか?」
人は、どのような立場でも、自分の能力を試される質問に対して不快感を覚えます。
ましてや、「目上の人を立てるのが当たり前」の時代を生きてきた40~50歳代にとっては、上司に対して能力を試す話し方など、『非常識だ』という考えがあります。
あなたが仕事において幅広い年代と接する以上は、同じことを注意されないためにも、ぜひこの考え方を覚えておいてくださいね。
また、相手に「失礼」だと思われないためには、2つ目の例のように、自分の説明に非がなかったかを問うなど、自分側の行動について確認する癖をつけることも大切です。
職場で最低限これだけは覚えておきたいマナーのコツ!
ここまで『相手を知り、尊重する』と言うことを重点的にお伝えしました。
ここでは最低限覚えていて欲しい、職場のマナーのコツをお伝えいたします。
第一印象が重要な理由
よく「第一印象をよくしよう」と言われませんか?
なぜ第一印象が重要なのか、脳科学の観点にたってみてみましょう。
ポーランドの心理学者ソロモン・エリオット・アッシュは、印象形成について「初頭効果」という脳の働きを1946年に提唱しています。
- 人は最初の数秒間に受けた印象が残りやすく、この時受けた印象は半年ほど持続する。
- 目の前の相手と対する時間が短いほど、この「初頭効果」が第一印象に大きく影響を与える。
またアメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、1971年に著書「Silent Messages」(非言語コミュニケーション)の中で、人と人とが顔を合わせたコミュニケーションは「視覚・聴覚・言語情報」の3つの要素からなることを述べています。
この3つの要素をマナーに置き換えると、「身だしなみ」「笑顔・表情・挨拶」「言葉遣い・敬語」にあたります。
これらが「最初の数秒間」で判断されてしまうからこそ、第一印象がとても重要だと言われているのです。
最低限押さえておきたいマナーのコツ!
- 挨拶…自分の動作を止め、相手の方へ体ごと向け、ハキハキとした声で「おはようございます。」「お疲れさまです。」と伝えること。まずは自分から声を掛けることを忘れずに。
- 笑顔…笑顔は目元・口元を意識して。マスクをつけるなら鏡で自分の口元を隠して、目尻の下がり具合だけで「笑顔」に見えるかチェックしてみましょう。
- 姿勢…猫背は論外ですが、最近ではスマホやパソコンを長時間使うことにより、“巻き肩”と言って、両側の肩が前に丸まることも多いですよね。立ち姿、座り姿勢共に、隣の席の人に見てもらいましょう。
- 丁寧な言葉遣い…あなたの年代や職種でしか通用しない言葉を避け、語尾まで言い切ること。
基本的なことばかりですが、信頼関係を築くためにはこれらを継続して行う必要があります。
またあなたの人間性が、これらの行動だけで判断できるかと言われればそうではありません。
ですが、この基本的なことができないという理由だけで「もう2度と会いたくない」と思われ、相手と信頼関係を築けなくなってしまうというのは、あなたにとっても不本意ですよね。
時間を守ることが最も重要な理由
そしてもう一つ、仕事の場面で最も重要なことがあります。
それは「時間に対する意識を持つ=時間を守ること」です。
「時間の長さ」は社会的地位や年齢や性別、国籍などに関わらず、地球上の人類全員に、唯一平等に与えられていますが、「時間の持つ重み」というのは、人それぞれに異なります。
何度もお伝えするように、企業では与えられた業務を自分ひとりで完結させることは少なく、上長の決裁や取引先の承認など、多くの人と協力します。
自分の過失による遅刻や納期遅れで相手の業務を止めるというのは、あなたの意図に関わらず相手の時間を勝手に消費していることになるのです。
またそれだけでなく、遅刻や納期遅れなどの行為が「あなたにとって、相手との業務の優先順位は低い」ことを意味してしまい、結果的には相手からの信頼を失います。
「時間を守る=時間の価値を知っている」ということにつながるからこそ、職場では時間を守ることが最も重要だとされているのです。
時間を大切にする「5S」
あなたは職場で「5S」活動について聞いたことはありませんか?
これは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つで、職場によってはポスターが貼っているところもあるほど、重要な位置づけとされています。
仕事を進める中で、非生産的で無駄な時間は、「探し物」の時間です。
机上や引き出しの整理ができていないと、1つの業務を進める際、1時間に1~2分ほど探し物をすることになります。
1回ではほんの数分でも、1日で約15分、1週間で1時間15分、1ヶ月で5時間、1年で60時間もの時間を無駄にしています。
しかも上司に「あの書類はどこ?」などと言われて書類を探すようなことになれば焦ってしまい、脳や心臓にもストレスがかかります。
ストレスが続けば、あなたの体にも悪影響があることは明白です。
あなたが有休を取っても業務は滞りなく進む、また自分の体への悪影響を少しでも減らす、職場と自分、お互いのためにも整理・整頓を心掛けることが、結果として時間を大切にすることにつながるのです。
まとめ
いかがでしたか?
私は、人間関係を構築するためには「自分も相手も尊重する心」が重要との考えに基づいて、今の仕事や働き方を選びましたが、ここに至るまではどちらかと言うと他人とのコミュニケーションがとても下手でした。
下手、というのは苦手とは違い、「知識はあるけどなかなか実践できず、気持ちがうまく伝えられない・伝わらない」ということです。
趣味やスポーツ、仕事の技術などと同じように、職場のマナーも知識があっても実践しなければ身につきません。
そして自分の気持ちを押し付けるばかりでなく、目の前の相手が別の価値観を持った一人の人間であることを理解することも必要です。
ぜひあなたにも、まずは普段の何気ない行動にほんの少しだけでも意識を向け、実践できそうなことから始めてもらいたいなと思います。
あなたの人生が、より良い人間関係に基づいて、充実した毎日を過ごせるよう心から願っています。