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キャリコン合格体験記(学科編)2級キャリアコンサルティング技能士    

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国家資格キャリアコンサルタント、2級コンサルテイング 技能士。カウンセリングと写真を組合わせ、その人ならではの魅力を引き出すフォトカウンセラー。企業で様々な仕事を経験し、現在は新規事業開発を担当。写真は家業。ライフサイクルの中での様々な転機に際し、自分を変え自己成長を促して、よりハッピーな人生に導くお手伝いをしています。カウンセリングを通じて、あなたならではの本来の価値を探して、新たな人生を拓きましょう。【趣味】旅行、インテリア、コーラス、京ことば源氏物語の語り等

2級キャリアコンサルティング技能検定に合格しました。

私は、学科試験と実技試験を一緒に受けるのではなく、まず実技試験を受検し、半年後に学科試験を受けました。

1年がかりで取り組んだ2級キャリアコンサルティング技能検定の合格は、本当に嬉しいです。

この機会に、合格体験を振り返ってみようと思います。

勉強方法や当日の心構えなど、個人的な体験談ですが、これから受検される方のヒントとなり、少しでもお役に立てれば、幸いです。

2級キャリアコンサルティング技能検定の概要

まず、2級キャリアコンサルティング技能検定の概要について、基本的事項を確認しておきましょう。登る山の高さやルート等、を知っておきたいですよね。

キャリアコンサルティング技能士

「キャリアコンサルティング技能士」とは、キャリアコンサルティング技能検定(国家検定)に合格した方をいいます。

キャリアコンサルティング技能検定

キャリアコンサルティング技能検定は、2008年に技能検定に追加された試験で、キャリアコンサルティングの知識と技能を図る国家検定です。

試験は、学科試験と実技(論述及び面接)試験で行われ、両方の試験に合格すると 1級キャリアコンサルティング技能士または2級キャリアコンサルティング技能士の称号が 付与されます。

キャリアコンサルティング技能検定は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(以下、キャリアコンサルティング協議会)によって運営されています。

2級キャリアコンサルティング技能士に求められるレベル

2級キャリアコンサルティング技能士は、豊富な経験を有し、幅広いクライエントに対して厚みと広がりを持った支援が可能な「熟練レベル」と位置づけられています。個人の相談に対して相談者との関係構築のもとに問題・課題などを見立てることができ、1対1の相談支援が的確にできるレベルです。

従って、実技試験の対象は、論述、面接共に、個人の相談者のケースに対するキャリアコンサルティングとなります。

なお、1級キャリアコンサルティング技能士は「指導レベル」で、(より高い水準で的確な支援が可能であると同時に、組織内でのコーディネートや、キャリアコンサルタントの成長を促すような事例指導・アドバイスができるレベル) とされています。

1級キャリアコンサルティング技能検定は超難関で、合格者は、2020年3月末現在、全国で432名しかいない希少価値的な資格となっています。

実施要領

2級キャリアコンサルティング技能検定は年2回実施されます。

実施要領は以下のとおりです。

  • 学科試験は、100分 50問 筆記試験(四肢択一のマークシート方式) 100点満点70点以上で、学科合格です。
  • 実技試験は、論述試験と面接試験からなり、両方の合格が必要です。

実技(論述)試験は、60分 記述式による1ケース 記述式 100点満点で60点以上で合格。

実技(面接)試験は、100点満点で評価区分ごとに60%以上の得点(所要点)であることが必要です。

なお、一部合格の制度があり、学科試験、あるいは実技試験のいずれかに合格した場合、合格した試験実施日の翌々年度末までに、もう一方の試験に合格すれば、合格となります。

出題範囲 ※2020年度試験より改訂

【重要】2018年3月26日に厚生労働省から「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」が発表されました。

「キャリアコンサルタントの能力要件の見直し等に関する報告書」

これにあわせ、2020年度から、「試験科目及びその範囲並びにその細目」が変更されていますので、キャリアコンサルティング技能検定HPでご確認ください。

新「試験科目及びその範囲並びにその細目」

2級キャリアコンサルティング技能検定の合格率

2級キャリアコンサルティング技能士検定試験は、毎年2回行われます。当初は学科試験は年1回でしたが、第13回より両方行われるようになりました。

学科試験の合格率が高く、実技試験の合格率が低い傾向にあります。

第23回 実技:18.71% 学科:78.38%
第22回 実技:16.4% 学科:81.07%
第21回 実技:12.05% 学科:64.14%
第20回 実技:15.47% 学科:80.89%
第19回 実技:15.03% 学科:51.68%
第18回 実技:13.58% 学科:59.84%
第17回 実技:15.27% 学科:62.70%
第16回 実技:16.45% 学科:73.65%
第15回 実技:18.83% 学科:48.94%
第14回 実技:17.56% 学科:53.32%
第13回 実技:18.98% 学科:58.85%
第12回 実技:17.22%
第11回 実技:20.60% 学科:64.49%
第10回 実技:22.44%
第 9回 実技:24.95% 学科:54.32%
第 8回 実技:31.65%
第 7回 実技:26.10% 学科:29.98%
第 6回 実技:23.30%
第 5回 実技:25.51% 学科:27.88%
第 4回 実技:24.96%
第 3回 実技:23.30% 学科:45.20%
第 2回 実技:21.95%
第 1回 実技:17.24% 学科:51.36%

合格者累計人数は、第23回で、合格者9762人となりました。 

キャリコン2級合格体験記 〜学科編〜

さあ、いよいよ合格体験を振り返ってみようと思います。

キャリコン2級受検に向けて

2級コンサルテイング技能検定への挑戦を決めてから、どういう風に取り組むかを、考えました。眼前にそびえる高い山に登るには、どんなルートで、どんな装備でのぞめばよいのか、考えてみたのです。

合格に向けてのスケジュール

前書きでも触れた通り、学科試験と実技試験を分けて受けました。先に実技試験を受検して合格を確認してから、学科試験に申し込み受検しました。

2級コンサルテイング技能士試験の合格率は、上記のとおり、学科試験は最近では60〜80%に対し、実技試験は20%以下と低い状況が続いています。折角学科試験に合格しても、2年以内に実技試験に合格しないと、また学科試験を受け直さねばなりません。また、実技試験に何度もチャレンジしても受からないという話もきいていました。

両方受検した場合、両方受かれば合格だけれど、実技が失敗して学科のみ合格した場合、一部合格。次回実技に合格すれば、受検回数は同じく2回で合格。しかし、実技は、2回受けることになる、等。いろいろケースを考えました。

それでも、わたしは、先に実技を受け、後で学科を受ける、という2段階のプロセスを選んでよかったと思います。

理由は3つです。

  • 学科と論述は同じ試験日であり、論述に集中出来たこと
  • 論述と面接は一体であり、論述と面接だけに集中して取り組めたこと
  • 学科だけに集中して勉強した結果、深い勉強ができ、理解が進んだこと

特に、学科試験の内、キャリア理論、キャリアカウンセリング理論に関しては、重要且つ好きな分野ですが、キャリアコンサルタント試験の時には、両方の区別がつかず、理解できないまま、暗記に頼っていました。

今回は実技試験終了後、余裕を持って勉強し、理解できるまで深く確り学習して、今後の実務にも役立つ勉強ができた点、大変有意義でした。

心がまえ

受検に当たっては、一度の受検で必ず合格するという強い意志を持つことが肝要です。落ちて2度、3度と受け続けるモチベーション、かける時間と費用を考えると、実技、学科ともに、ワンチャンスと思って取り組みました。

マインドの切替え

社会人として働きながら、2級合格を目指すにあたり、生活の優先度を変える必要がある、と思いました。

あなたは、仕事、家庭、趣味、ボランテイアetc.,どの順番で優先度が高いですか?

キャリアコンサルタント養成講座でやりましたね?

ここに受検勉強が入る訳です。悩ましいですね。

わたしは、毎日帰宅後に録画した韓国ドラマを見るのが最大のリフレッシュだったのですが(笑)、まず韓国ドラマを封印しました。

次に趣味、その間は必要最小限に縮小しました(全て断れないのがつらい)。

こうして、徐々に受検生モードにマインドを切替えていきました。

勉強時間

勉強時間は、実技試験、学科試験ともに、半年前jほど前から始めて、徐々に優先度をあげ、各後半の約3ヶ月は集中して勉強を行いました。

わたしは、フルタイムで働いている為、勉強できる時間は限られています。朝晩の通勤時間(電車の中、歩いている間も)を無駄無く、寝る前、土日を勉強時間にあてるようにしました。

家事で料理の準備の時も、可能な限りテレビを消して、スマホでロープレ録音などを、ずっと流し聞くようにしていました。

土日は家だと集中出来ないので、よく図書館に行きました。その間の、家族の協力は必須です。

ラストスパートとして、日曜日の試験に対し、木曜、金曜は会社を休み、土曜日も含めると三日間、日常から離れて、学生の時のように、試験に専念するようにしました。

仕事も忙しいので、頭を完全仕事から切替えるには、それ位必要でした。会社の同僚が旅行で休む分、わたしは普段の旅行は我慢して、試験前に休むようにしていました。

  • 隙間時間を有効に利用する
  • 試験の2〜3日前から試験に集中する

気持ちがあっても、勉強しないことには、身に付きません。仕事や、ご家族やお子様がいてなかなか勉強の時間がとれない場合は、何とか隙間時間を見つけましょう。

メンタル面も大事なので、合格守りを買ったり貰ったりしました。心のよりどころになりますね。晴れて合格できたので、御礼参りにいこうと思います。

よい指導者、よい教材、よいテキスト

資格試験の受検勉強は、よい指導者、よい教材、よいテキストに巡り合う、これにつきると思います。

いずれも、自分で見つけて、自分で選択しなければなりません。他者の意見は大いに参考にしたらよいと思いますが、勉強方法にも自分の好みや相性があると思いますので。

それでは、ここからは、試験について書いていきますね。

なお、わたしは実技試験⇒学科試験の順番で受けましたが、一般的には学科試験の方から書いた方がイメージしやすいと思われますので、学科試験→実技試験の順で記載してみようと思います。

具体的なキャリコン2級学科試験勉強法

学科試験は、キャリアコンサルタント試験で勉強したものの、少し日が経っていたため、当時の資料を引っ張り出すところから始めました。想い出して、ひととおり勉強するところから始めました。

今回は、学科に集中して勉強した為、より深く勉強できたのが収穫でした。

難易度

受検前、2級キャリアコンサルティング技能検定はキャリアコンサルタント試験よりも易しい、素直な問題が多い、という噂めいたものをきいていました。

確かに、上記の合格率を参照すると、20回、22回は80%を超え、直近の23回も、78%と高いです。

しかし、実際に受けてみて、それは違うのではないかと思います。

2級の受検者の多くは、キャリアコンサルタント試験の合格者であり、一度勉強したことがある為に、2度目の勉強が易しく感じられるのではないでしょうか。

試験範囲

試験範囲が、2020年4月以降 第24回より、新能力体系となり試験範囲が大幅に拡張、一部はさらに「詳細な知識」が必要とされることになりました。これまでよりも、広く深く勉強が必要となります。

試験範囲は、「試験科目及びその範囲並びにその細目」を参照ください。

勉強範囲

学科試験は、範囲が広いため、勉強にあたっては、分類が必要だと思います。「試験科目及びその範囲並びにその細目」より学科試験についての項目を、固まりに分けてみます。

Ⅰキャリアコンサルティングの社会的意義

Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識

1.キャリア理論

2.カウンセリング理論

3.職業能力開発

4.企業

5.労働市場

6. 労働政策及び労働関係法令

7 .学校教育制度及びキャリア教育

8 .メンタルヘルス

9.中高年齢期

10. 人生の転機の知識

11. 個人の多様な特性

Ⅲ キャリアコンサルティングを行うために必要な技能

Ⅳ キャリアコンサルタントの倫理と行動

テキスト

繰り返しになりますが、よい教材、よいテキストに巡り合う、探すことが大切です。

①参考書

今回に限らず、資格試験を受検の際には、以下の基準で参考書を選んでいます。

  • 参考書は、なるべく薄いものを選ぶ
  • 書評(推薦)・本の帯、評判、口コミを参考にする
  • 出会いの感覚を大事にする

アマゾンなら、星が多いもの。

本屋さんで「あ、いいなっ」と思って手に取ったものが、本の帯で推薦されてたら、購入するようにしています。

次に同じものを探すのは労力が要りますし、また同じものが見つかるとは限らないためです。

中古でも気にならない方は、中古でもよいと思います。

  • キャリア理論とカウンセリング理論の違い

キャリア理論家とカウンセリング理論家の名前が、ゴチャゴチャになっていませんか?

わたしは、どちらか片方にしか名前が登場しない人はよいのですが、重要な人物ほど、同じ名前が両方に登場して混乱していました。

好きな分野だし、興味もあるのに、整理がつかず悩んでいました。

また、情報量が多く試験にどこまで必要なのかも、分からなくなっていました。

そんな時、多田先生(TADAJUKU)がまとめられたキャリア理論・カウンセリング理論のテキストが大変役立ちました。

双方の理論が分かりやすく整理されており、両方にまたがる場合は、どちらかに分類されていて、情報量も試験に必要最低限の情報が整理されています。

わたしは、そのテキストに、過去問を解いて、足りない情報を書き足して行くことで、わたしにとって唯一のテキストを作りました。

何よりも、ゴチャゴチャだった頭の整理ができ重宝しています。

②過去問

学科試験対策は、過去問が中心となります。過去問は、2級キャリアコンサルティング技能検定HPから3回分はダウンロード可能です。

素の状態で80点以上取れる回と、微妙に70点が取れない回があり、焦りました。

これは、もっと遡らねば、と思い、過去5回分まで遡って解きました。

回によっては、難しい回もあり、なかなか合格点に到達できず焦りました。

過去問は、間違ったところに印をして、繰り返し、何度も、間違えなくなるまで、解きました。

③統計関係等

統計関係は、出題される回とされない回がありますが、出る場合は同じような問題が出題されています。

インターネットで、厚生労働省のHPから白書を検索すると、毎年出題元となる白書が作成されています。

最新版、或は、タイミングによってはひとつ前の白書を参照し、出題されそうなグラフや解説を選んで、その部分のみ写メかプリントして、ノートに抜き書きしていきました。

その他、分からない問題は、インターネットでキーワード検索をして調べました。

何某か、参考になる記事がヒットしたら、印刷するか、ノートに控えるか、過去問に直接書き込んでいくようにしました。

④問題集

問題集は、キャリアコンサルティング協議会から発行されている 学科試験用の問題集を使いました。

第13回から第16回の学科試験問題を対象に、149問が収録され、詳細解説されています。出題意図がわかるので、よいと思います。

但し、統計や時事や労働法などは省かれています。

わたしは、この問題集も、過去問同様に、間違った問題に印をつけて、繰り返し、正解できるまで、解きました。

新しい問題集はこちら(購入年度にご注意ください)

⑤ノート

ノートは、苦手な分野を中心に書きました。PCでまとめるよりも、手で書いて、いつでも見れて、書き足していけるノートの方が使い勝手が良かったのです。

この辺は、人それぞれだと思います。

試験前

わたしは、日曜日が試験の場合は、木曜日から試験モードに切り替えるようにしています。

木曜と金曜は仕事を休み、土曜も含めて3日間かけて、頭を切り替えて、日常から脱却して試験のことだけ考えるようにしました。

学科試験の合格率を考えると、そこまでしなくても良いかもしれませんが、ルーテイーン化しているので、学科試験の時も、実技試験の時も、そうしました。会社の有休を試験のために使い、そのかわり旅行等はガマンしています。

前日は、この日ばかりは早く寝る。

当日は、早く会場に行きます。1時間以上前には到着し、最後のチェックをします。

試験当日

さあ、いよいよ試験当日です。ドキドキしますね。試験当日の注意事項を書いてみます。

①一問目から解かなくてもよい

問題用紙を開いたら、1問目で、いきなり分からない問題に時間をとられて時間が足りなくなったことはありませんか?

問題の順番は、毎年だいたい決まっています。できる問題からどんどん解いていきましょう。

苦手な問題は後回しにして、後で、戻って解くようにしましょう。

②問題文をチェック

問題文は紛らわしいですよね。

正しい問題を選べ、なのか、間違った問題を選べ、なのか。回答は一つなのか、複数なのか。

わたしは、問題用紙を開いたら、最初に機械的にチェックをしています。

正しい問題を選べの場合は、○で囲む、間違った問題の場合は、□で囲む、等。ここで勘違い(したことあります)して、無駄に点を落とすのは勿体ない。

自分なりの工夫をしましょう。

③マークシートのずれがないかチェック

マークシートは、ひとつずつチェックするのがよいのか、纏めてチェックがよいのか、悩ましいところですね。

わたしは、ある程度同じ分野の問題は続けて解いた方が頭の回転が働くので、解いたら問題用紙にチェックして、回答用紙にはある程度纏めてチェックしています。

こちらも、自分のやりやすい方法を決めた方がいいですね。

④時間配分

学科試験は50問で60分です。

単純計算で、1問1分12秒。それなら1問1分、見直す時間を10分とって、50分で解き終わるように配分しました。

途中で退出する人もいますが、わたしはギリギリまで何度も見直すようにしています。

今回も、見直しの中で、考え違いに気づいて書き直した問題が2、3問ありました。

あと2問ほど間違いが分かったのですが、時間切れでした。

まとめ

今回は2級キャリアコンサルティング技能検定の概要と合格体験記の内、こころがまえ的なことと、学科試験について、振り返りを行いました。

実技試験については、次の号に書きたいと思います。

参考:厚生労働省HP

キャリアコンサルティング技能検定HP

 

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