キャリコン技能士2級面接ロープレ練習、コツ、攻略法〔2回で合格〕
第23回、キャリコン技能士2級に2度目の受験で何とか合格することができました!
2015年にCDA(キャリコンが国家資格になる前の資格)を取得し、それから4年後、第22回2級キャリアコンサルティング技能士を受験しました。
学科試験は努力の甲斐があり合格、実技試験のうち論述は60点以上取得でしたが、面接は上手くいかず不合格となり、第22回の結果は学科試験のみ一部合格となりました。
CDA資格取得の時と同様、実技面接試験は応えのない見えない敵との戦いと痛感しながら、第23回へ向けてモチベーションを高め、多田塾の2級対策講座を受講しながら、再度学び直しでした。
その結果、実技試験2度目の受験で何とか合格することができました。
そこで、国家資格キャリアコンサルタント@永居まき子が、2度受験した実技面接試験についてお話しますね。
実技面接試験にむけて特訓中の皆さん、少しでも参考になったら嬉しいです。
(学科試験、実技論実試験は下記をご参考にしてくださいね。)
実技試験について
実技面接試験の実施方法については、キャリアコンサルティング協議会㏋を参考にしてくださいね。
評価区分4項目
試験の合否に関わる評価項目となります。
内容はしっかり押さえておきたいところですね。
【基本的態度】
キャリアコンサルタントとして自分をありのままに受容し、言語・非言語で表現し、多くの場合、一致していること。また、必要に応じて相談者の個別問題に応じた支援(助言・情報提供等)を適切に行うことができること。
【関係構築力】
キャリアコンサルタントとして、相談者に対する受容的・共感的な態度及び誠実な態度を維持しつつ、様々なカウンセリングの理論とスキルを用いて、相談者との人格的相互関係の中で相談者が自分に気づき、成長するような相談を安定的に進めることができること。
【問題把握力】
相談者が表現した内容から、相談者が相談したいことを把握し理解するとともに、相談者が訴えている以外の相談者の問題を把握しており、推論の根拠も説明できること。
【具体的展開力】
相談者との関係性を意識しながら面談を進め、相談者の訴えを理解した上で適切な目標を設定し、キャリアコンサルタントとしての対応を適切に選択し、対応できることで、相談者に気づき、変化(問題に対する認知の変化、自分または重要な他者に対する認知の変化、自己の表面的な表現から内面表現への変化、具体的行動や意欲の変化など)が、起こること。
※キャリアコンサルティング協議会HP「2 級キャリアコンサルティング技能検定実技(面接)試験の評価区分 」(PDF)より
キャリコン2級ロールプレイのイメージ
国キャリよりかなり難易度が高くなる実技試験のロールプレイです。
ザックリとした全体の流れのイメージを掴むために、私が意識していたことをお伝えいたしますね。
システマティック・アプローチとは
先ずは、システマティック・アプローチです。
実技面接試験の流れとして必須となるシステマティック・アプローチをシッカリと理解することがカギとなります。
システマティック・アプローチ
①カウンセリングの開始
カウンセリングの関係を樹立する。
温かい雰囲気の中で、クライエントが安心して話のできる信頼関係を樹立する。
②問題の把握
来談者の目的、何が問題なのかを明確にする。
それをカウンセラーとクライエントが相互に確認し、その問題の解決のためにクライエントが行動する意思を確認する。
③目標の設定
解決すべき問題を吟味し、最終目標を決定する。
そのプロセスは、まず、クライエントの悩みや阻害要因に気づかせる。
次に、具体的ないくつかの方策を選択しそれを一連の行動ステップに組み立てる。
契約を結ぶことによって、クライエントのコミットメントを確かにする。
④方策の実行
選択した方策を実行する。
主な方策は、意思決定、学習、及び自己管理である。
⑤結果の評価
⑥カウンセリングとケースの終了
※キャリアコンサルティング理論と実際(5訂版)木村周著より
ロールプレイ時間配分
次にロールプレイ20分の時間配分です。
システマティック・アプローチを踏まえ、20分の時間配分をどのように意識したかお伝えいたしますね。
(注:主観ですのでご了承願います。)
スタート | ①カウンセリング開始 | ・信頼関係 |
~10分過ぎ
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②問題の把握
|
・問題を明確にする
・クライエントの意思を確認 |
~15分過ぎ
|
③目標の設定
|
・最終目標を決定
・具体的ないくつかの方策を選択 ・クライエントのコミットメントを確認 |
~20分
|
④方策の実行
⑤結果の評価 |
|
ロールプレイによっては、④方策の実行 まで進まない場合、⑤結果の評価 まで進む場合など様々です。
キャリアコンサルティング協議会HPには、ロールプレイをどこまで進めるか、とは明確に記載はしてありませんが、評価項目には『問題把握力』『具体的展開力』が入っています。
ということは、評価項目に照らし合わせると、③目標の設定 まで必ず進めることが必要となります。
私の周囲の合格された方には、ロールプレイ20分の中で、次回の相談内容を話すなどで面談を終了した人、目標を設定し具体的な方策の実行で終了した人と様々でした。
本番では、机上に時計がありますので、時間を確認することはできますから安心してくださいね。
※キャリアコンサルティング協議会HP「2級実技(面接)試験実施概要」(PDF)より。
実技面接試験の勉強方法について
ロールプレイの全体的な流のイメージはボンヤリと掴めたでしょうか。
では、この難関を乗り越えるためどのように学んだか、具体的な勉強方法をお伝えしますね。
前述のとおり、私は多田塾の2級対策講座を受講しました。
多田塾 2級対策講座
多田塾では論述を含めた実技試験について学びました。
ロールプレイ
ロールプレイでは、システマティック・アプローチを基本に、具体的に組み立てました。
①CCの出だしの質問(CCからCLへの最初の質問)
設例5つケース全てに自分の進め方に合った出だしの質問を、シッカリと決めておく。
②目標設定までに確認する内容・質問等
様々なことを想定し質問を考え問題点を捉える。問題に関する期限等必須項目を確認する。
③目標設定
設定した目標に対しCLが納得しない場合は、一旦CLの話を受容する。
④具体的な方策提案
具体的な方策をCLの意思を確認しながら言う。
口頭諮問
口頭試問は定番の質問5つ(③と④はワンセットの場合が多い)があります。
①ロールプレイで良かった点、改善点は何でしょうか。
②相談者との関係構築はできましたか。
③相談者が相談したい問題は何でしょうか。
④CCが考える相談者の問題は何でしょうか。
⑤今後どのように方策提案をしていきたいですか。
質問に対する回答は、CLとの面談の様子、話した内容を根拠として必ず言う。
例えば次のように答えます。
④CCが考える相談者の問題は何でしょうか。
「(根拠)相談者の△△△という発言から、(問題点)思い込みがありコミュニケーション不足~~」
多田塾では、ロールプレイの設例5ケース全てにおいて、あらゆる場面を想定し具体的な会話としての質問や確認方法の指導があり、とても参考になりました。(多田塾で言われる立体的な視点で想定できる事象を全て考えるということです。)
時計をおきロールプレイを実施したことで、時間配分を考えながらシステマティック・アプローチを意識し進めるようにもなりました。
一人での練習方法について
第22回の実技面接試験不合格から同じことをしていてもダメだと痛感し、どうしたらいいのかと模索しました。
設例5ケース毎にノート(A4左右)を作成
様々な事象や質問など多くの指導を受けたなかで、ひとめ見てイメージが湧くようにと思い、事象など整理するノートを作成。
CLの事象やその気持ちなどを整理し、システマティック・アプローチに沿ったことを意識するために、ケース毎にノートに記入してみました。
また、ケース全体が把握できるよう、1ケース毎にA4左右の見開きとし、指導を受けた内容を記入し纏めてみました。
◆1~5行目:設例を記入。CLの仕事に関する情報を纏める。
◆6行目:CCの出だしの質問を記入。
出だしの質問で相談内容の方向性が決まるのでとても重要。
方向性を決めるためにも、出だしの質問は一つのみ記入。
◆中段以降:CLの事象を時系列にし、その事象に対し質問内容や設例の中のCLの感情ワードを記入。
時系列にすることで過去・現在・未来の事象が一目でわかり、またその事象に合わせ質問内容を併記することで整理ができる。
質問の内容、タイミング全てにおいて質問力は、CLの問題を把握するためにとても重要。
◆上段:目標の設定を記入
CLとセッションの中で様々なケースを想定し、目標を記入。
◆中段:具体的な方策を記入
目標と同様、様々なケースを想定し、具体的な方策を記入。
◆下段:口頭試問の回答を記入
定番の口頭諮問の回答を記入。
特にロールプレイで具体的な方策まで進まなかった場合も想定し、CLを支援するための具体的な方策も記入していました。
論述との共通点
ノートを作成していると、キーワードなど論述の内容が浮かんできました。
CLの問題点、CC視点のCLの問題点、目標設定、方策の提案、全て論述で解答している内容です。
論述を解くことは、立体的な視点で相談内容を聴こうとする思考に近づいているということです。
論述の解答 = ロールプレイの思考
論述で学んだことは、全てロールプレイに活かすことができ繋がっています。
一人で声出し練習
ノートを作成し纏めただけでは、本番では通用しません。
本番は机上ではなく、CL役との実際のやり取りであり、CCの話し方・話す内容でCLの気持ちが変化していきます。正に生きているロールプレイです。
生きたロールプレイとなるよう本番でCLにシッカリと伝えるために、その内容を声に出し繰り返し練習をしました。
家事をしながら、お風呂の中、通勤の車中等々、一人の場所で声を出し練習です。
特に、CC出だしの質問、目標の設定は念入りに練習を重ねました。
【CC出だしの質問の練習】
スタートが肝心だと思い5ケース毎に、次の最初の2フレーズを徹底的に声出し練習。
「○○さん、本日はどのようなご相談でいらっしゃいましたか」⇒名前を間違えないために必ず名前つけて言う。
「~営業から管理部門に異動されてどのように取り組んでこられましたか~」⇒本番でも迷わず寄り添うように言う。
【時系列にまとめた質問練習】
「~この会社にはどのようなきっかけで~」⇒過去の事象に対する質問
「~今などんな点を工夫して~」⇒現在の事象に対する質問
【目標の設定の練習】
設例の5ケース合った特別な言い方を徹底的に声出し練習。
「~今後のキャリアについて、後悔のない~」
「~不安を軽減して、やりたい仕事に前向きに~」
【具体的な方策提案の練習】
地元でのロールプレイ練習
第23回の実技面接試験が1月中旬、その1週間前にハローワーク勤務の2級取得者と実践練習。
たとえ一人で声出し練習をしていても、生きたロールプレイは実践あるのみですから、とても貴重な時間でした。
その貴重なロールプレイ練習は、20分で目標設定もグズグズになり具体的な方策提案もできず時間終了となりました。
が、その時次のようなフィードバックを頂きました。
「たとえ時間内に思うように進まなかったとしても、最後の口頭試問は諦めず、具体的に実施したいと思っていた方策をシッカリと伝えたらいいよ。先ずは確実に全てが60点とれることが重要で…。」(励ましもありのフィードバックだったと思いますが…)
正直なところ、1週間前でこの感触は不安が一杯でしたが、最後まで諦めずやり切るしかないとの思いでした。
いざ試験本番
要領がつかめず臨んだ初受験の第22回、リベンジと思いながらも不安な気持ちで受験した第23回、この2回をサッと振り返ってみたいと思います。
キャリコン2級第22回実技面接試験
CLは中年の女性で、やり難い感じはなく進んでいきました。
ただ練習のCL役とは違い、シッカリと役をつくり込んでおり、手ごわいな…やはり試験は違うなぁと痛感しました。
CLの問題を確認し目標設定までいき、方策提案へ。
その時の私は、『アッ、方策提案までいけた!』と思っていたのですが…その後です。
その方策提案を言うと、CLからは抵抗するような発言があり、ここで私は撃沈でした。
その発言を上手く受け止めきれず、CLは抵抗感を持ったまま時間切れとなりました。
終わって冷静に考えると、目標設定する前にCLが発した感情ワード、不安な気持ちをスルーした箇所があったと。
基本である寄り添う傾聴姿勢が欠け、CLの問題点が理解できなかったのです。
やり難い感じはなく進んだように思っていましたが、CLは受容された感がなく不完全燃焼だったのです。
当然の結果、評価区分は「問題把握力」「具体的展開力」が未達となり、これで私の初受験第22回は終わりました。
キャリコン2級第23回実技面接試験
第23回は、試験会場のドアの前で一緒に座っていたCL役が年配の男性でした。
前回とは違い、私の頭の中は纏めたノートの内容などイッキに巡りました。
『CLが年配の男性、となると、ケースは2番目?4番目?・・・そのケースだと名前は、出だしの質問は・・・』
と思いながらも、落ち着こう冷静に冷静に、と言い聞かせていました。
そして、試験会場に入りロールプレイスタートです。
その年配の男性のCLは、最初から流暢によく話すCLでした。
全く質問するマがない、というわけではないのですが、終始CLのペースに乗せられた感じで進んでいきました。
数少ない質問のチャンスに、過去に関する事、現在の仕事の事など伺いながら、10分過ぎにCLの相談内容を要約し確認しました。
するとCLは今までのセッションでは全く話さなかった内容を追加・・・イヤな予感。
その話を伝え返し、その話を踏まえながら目標を設定すると、ここでCLの抵抗です!
『アッ、抵抗された…またも撃沈?』と思いましたが、
前回の失敗や指導もあり、今回はCLの抵抗した言葉を伝え返し受容に努めました。
再度、目標を設定するのは難しいと思い、CLの仕事に対する思いを只々受け止め、そのまま時間切れとなりました。
口頭試問では、ロールプレイでのダメな思いを引きずらず、諦めることなくシッカリと伝えることに集中しました。
あっと言う間の30分、これで私の再受験第23回は手応えがないまま終わりました。
合格発表
ネットでの発表の日・・・ダメだと思ながら画面を確認・・・エッ合格!?
信じられない気持ちで一杯でした。
後日合格通知書が届き論述を含め評価項目全て60%以上となり、本当に合格したんだと実感しました。
第22回と第23回を比べるとロールプレイで“目標設定後、CLの抵抗をどう対応したか”と明らかな違いがありました。
傾聴の基本、肯定的関心を持ってCLに向き合うことができたのだと思います。
第23回は学び直したことで気づいたことが多くあり、私にとっては必要な時間でした。
まとめ
個人的な勉強方法でしたがいかがでしたか、少しはヒントになりましたか。
私自身物事を進める時は、全体像を視覚化し取り組みたいと思っています。
今回は、自分なりにノートを作成し、生きたロールプレイを進めるためにどうしたらいいか、と考えての練習方法となりました。
先ずは、皆さん自身に合った納得いく方法で練習を重ねることをお薦めします。
納得のいく方法は、継続することができ力がつきます。
そして、必ずやキャリコン2級合格を勝ち取ることができます。
自分を信じて進んで行きましょう。
頑張っているあなたにエールを送りますね!