【キャリアコンサルタント試験2級合格体験談】学科と論述対策の勉強法

第23回2級キャリアコンサルタント実技試験に合格しました!
学科試験は第22回で合格(一部合格)していたので、実技試験2度目の受験、第23回で合格となりました。
ネットでの合格発表から1ヵ月後に「技能検定合格証書」が届き、晴れて“2級キャリアコンサルティング技能士”と名乗れるようになりました。
2015年にCDA(キャリアコンサルタントが国家資格になる前の資格、キャリア・デベロップメント・アドバイザー)を取得し、それから4年が経過。
キャリアコンサルタントに関する理論等の記憶も遠くなっているなか、難関だとは分かっていたのですが、キャリア支援に携わりたい一心で受験を決意しました。
そこで、国家資格キャリアコンサルタント@永居まき子が、モガキながらも合格できた受験体験を、今回は学科試験・実技論述試験、次回は実技面接試験とお話いたしますね。
受験を迷っている、また次回の受験にむけ勉強中の皆さん、少しでも参考になったら嬉しいです。
キャリアコンサルティング試験について
受験体験をお話しする前に、キャリアコンサルティング試験を整理するために概要を確認したいと思います。
※詳細は、キャリアコンサルティング協議会HP「5分でわかるキャリアコンサルティングの資格試験」を確認してくださいね。
試験の全体像について
キャリアコンサルティングに関連する試験は2種類あります。
それぞれ、受験・受検要件やレベルが異なり、下表のようになります。
キャリアコンサルタン試験 | キャリアコンサルティング技能検定 | ||
2級 | 1級 | ||
制度 | 国家資格キャリアコンサルタントの登録に必要な試験。 | 働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度に基づく試験 (キャリアコンサルティング職種)。
試験に合格すると合格証書が交付され、「○級キャリアコンサルティング技能士」と名乗ることができる。技能士の資格に有効期限はなし。 |
|
得られる資格 | 国家資格キャリアコンサルタントへの登録が可能な資格。
※キャリアコンサルタントを名乗るためには登録が必要。 |
2級キャリアコンサルティング技能士の称号(国家資格) + 国家資格キャリアコンサルタントへの登録が可能な資格。
※キャリアコンサルタントを名乗るためには登録が必要。 |
1級キャリアコンサルティング技能士の称号(国家資格) + 国家資格キャリアコンサルタントへの登録が可能な資格。
※キャリアコンサルタントを名乗るためには登録が必要。 |
キャリコンサルタント能力のレベル感 | 入口レベル
(典型的な場面で安心してキャリアコンサルティングを実施できるレベル) |
熟練レベル
(豊富な経験を有し、幅広いクライエントに対して厚みと広がりを持った支援が可能なレベル) |
指導者レベル
(より高い水準で的確な支援が可能であると同時に、組織内でのコーディネートや、キャリアコンサルタントの成長を促すような事例指導・アドバイスができるレベル) |
実務経験 | 実務経験は必須ではない。(養成講習修了で受験可) | 原則5年以上、最低でも3年以上の実務経験が必要。 | 原則10年以上、最低でも6年以上の実務経験が必要。 |
国家資格キャリアコンサルタントへの登録 | ○ | ○ | ○ |
試験の形式 | 年に3回実施
学科試験…100分 論実試験…50分 面接試験… |
年に2回実施(前期・後期)
学科試験…100分 論実試験…60分 面接試験… |
年に1回実施(後期のみ)
学科試験…100分 論実試験…120分 面接試験… |
受験/受検手数料 | 学科試験 8,900円・実技試験 29,900円 |
2級キャリアコンサルティング検定試験の形式について
キャリアコンサルティング試験の概要を確認したところで、具体的に2級キャリアコンサルティング技能士試験の形式をお伝えいたします。
試験は「学科試験」「実技試験」から成り立っており、「実技試験」は『論述』『面接』があります。
※詳細は、キャリアコンサルティング協議会HP「受験概要」を確認してくださいね。
試験免除(一部合格)の制度
学科試験・実技試験のいずれか合格した場合は、一部合格者として一部合格証が発行され、一部合格した試験が一定期間に限り免除されます。(免除制度の有効期間:合格した試験実施日の翌々年度末まで)
※例えば2019年度前期で受験し学科試験(or実技試験)のみ合格した場合、もしくは2019年度後期で学科試験(or実技試験)のみ合格した場合は、2021年度後期まで学科試験が免除されるということです。
学科試験の勉強方法について
試験の形式が理解できたところで、実際どのように試験に取り組んだか、先ずは学科試験について簡単にお話いたします。
2級の合格者からは「CDAより全然簡単だから心配しなくていいよ」と言われ、現に学科は70%前後と高い合格率となっていました。
とはいえ、CDA資格(キャリアコンサルタントが国家資格になる前の資格)取得から4年が経過しており、キャリアコンサルタントに関することは頭からかなり抜け落ち、イチから覚え直すという状況で苦戦しました。
具体的な勉強方法としては次のように進めました。
① 解説付の問題集を1冊購入、過去問をダウンロード。(キャリアコンサルティング協議会HP)
② 問題集をひと通りサラーっと解く。解説を確認しながら答え合わせ。
③ 過去問を解く。
④ 自分なりのざっくりとしたノートを作成。
過去問の答え合わせをしながら、誤った言葉・内容を都度ノートに追記し纏める。先ずは大項目を記入し、それに関する言葉・内容を追記していく。ノートは、奇麗に纏めるより、時間をかけずに自分が一目見て分かるように作成するという感じです。
⑤ ③過去問を解く → ④分からない言葉・内容は解説を確認しノートに追記、ノートチェックを繰り返し実施。
⑥ 勉強時間は、休日は図書館、平日は仕事終わりにファミレスを利用しながら確保。
勉強する日時を決め、家族の理解を得ながら時間を作りました。
試験日が近づくと、過去問は時間を計りながら進めたのですが、やはり4年のブランクは私には長く、合格点(70点以上)は厳しい状況(過去問50点くらいと先が見えない状況)でした。
ここで諦めずに粘り強く、過去問・ノートチェックを何度も何度も繰り返しました。
その結果、学科試験本番の第22回では、82点で合格することができました(第22回学科試験合格率81.07%)。
合格率が約70%の学科試験、とても高い合格率、必ずや一回で合格したいところです。
具体的には50問中35問以上の正解で70点以上となります。
確実に70点以上とするために、定番の勉強法ですが、
①難易度が低い問題・自分の得意分野の問題は取りこぼさない
②過去問を数多くこなし、類似問題をチェック
などを意識しながら覚えることをお薦めします。
実技論述試験について
学科試験と同様4年のブランクは実技試験においても、不安しかありませんでした。まして実技試験の合格率約15%となるとかなりの難関となります。
そこで、CDA資格(国家資格前)取得の時に、指導を受けた多田塾の2級対策講座を受講し、なんとかブランクを埋めようと必死でした。
論述について
ご存知のとおり試験問題は、CL、CCとの相談内容の逐語を読み、4つ問に答える形式になっており次のような内容になります。
問2 キャリアコンサルタントが考える相談者の「問題」
問3 相談者を援助するために①どこに目標をおくか、②目標と具体的な方策
実際の勉強方法としては次のように進めました。
解答は掲載されていないので多田塾からの模範解答を参考にしました。
② それぞれの問について、キーワードとなる言葉をまとめる。
③ 解答用紙を使い過去問を解く。
最初は60分の時間を意識せず、キーワードとなる言葉を使いながら、それぞれの問の解答を自分なりにパターン化しコツを掴み、それを何度も繰り返すようにしました。
論述の解答の注意点
前述のとおり論述には4つの問があり、解答を記入する際に私自身が注意していた点などをお伝えしますね(注:あくまで主観ですのでご了承願います)。
【問1 相談者が相談したい「問題」】
・試験問題の逐語記録のうち、CLが話している内容・気持ちを整理・要約し記入する。
・CLの感情ワードは、逐語を黙読している際に○で囲むなど見落としがないようする。
個人的には、問1が最も苦手でかなり時間を割いていましたが、上記の点を注意しながら、少しでも時間短縮となるよう努力しました。
【問2 キャリアコンサルタントが考える相談者の「問題」】
この問の解答では、キーワードとなる言葉は必須となりますので、いくつかご紹介しますね。
・コミュニケーション不足 ・思い込み
・中長期的キャリアビジョンの欠如 ・情報収集不足 等々
具体的には上記キーワードを解答文に入れ、3~5つ程度箇条書きにしました。
CLの発言からの問題点 + キーワード
・~~相談をしておらずコミュニケーション不足~~
・~~能力・価値観など分からず自己理解不足~~
・~~求められている役割が分からず組織理解不足~~
・~~今後の方向性が定まっておらず中長期的なキャリアビジョンが不明確~~ 等々
【問3 相談者を援助するために①どこに目標をおくか、②具体的な方策】
①どこに目標をおくか
問2の問題点を踏まえながら、CLの今の問題に対する小さな目標、次に中期的なやや大きなめ目標を記入し、②具体的な方策と重複しないよう気をつけました。
苦肉の策として、文章の最後を「~~することを目標とする。」として結んでいました。
②具体的な方策
①の目標を実現するための方策となりますが、この解答全体に一貫性を持たせるため、問2の問題を解決する方策と考えるとイメージしやすいと思います。
この問でも、問2と同様キーワードとなる言葉が幾つかありますので紹介いたしますね。
・寄り添いながら
・傾聴を重ねる
・努力を労い
・信頼関係を構築 等々
・興味、価値観の棚卸し
・書き出しながら視覚化
・キャリアアンカーを探る
・自己(仕事・組織)を深める
・キャリアパスを確認
・OBへのインタビュー
・アセスメントツールを利用 等々
・主体的に
・自律的に
・自己決定
・意思決定
・~支援する
・~提案する 等々
上記キーワードを組みあわせる
・~~不安な気持ちに丁寧に寄り添いながら~~
・~~これまでの努力を労いながら~~
・~~興味・価値観を書き出し視覚化することで、自己理解を深めるよう~~
・~~OBへインタビューをし、仕事理解を深めるよう~~
・~~キャリアアンカーを探り、中長期的なキャリアビジョンを描けるよう支援する。
・~~自ら主体的に意思決定ができるよう継続的に支援する。 等々
相談内容に合うよう上記キーワードを選びながら繰り返し記入することで、自分なりのパターンができたように思えます。
その結果、試験本番第22回は、問1を約25分と時間を費やしてしまいまいたが、問2は問3をイメージしながら記入することができ、なんとか時間内に終えることができました。
実技の総合的な結果は、論述はかろうじて60点以上となったのですが、実技の面接は2つの評価項目が60%に満たず、第22回は一部合格と残念な結果となりました。
まとめ
皆さん、いかがでしたか、少しは参考になりましたか。
学科試験は約70%と高い合格率となってはいますが、約30%は不合格となります。
過去問等を利用しながら確実に点数を積み上げていくことをお薦めします。
私自身、定番の勉強法をやり切ったことが、一部合格(学科試験)に繫がったのだと思っています。
学科試験以上に苦戦をした、実技面接については下記でご確認くださいね!