子供に自信をつけさせたい!将来の受験、就活、キャリアに繋がる親の関わり方は?
学生や会社員の方を面談していると、ある一定以上の自信がある人と無い人で、就活の進み方や仕事への取り組み方、キャリアアップの仕方が違うなと感じる事があります。
就活でいえば “自信がない“ と言うだけで内定に繋がらない。
社会人では “自信がない” と言うだけでチャンスをつかめないということです。
本人が困ったり悩んだりしなければ、自信があろうが無かろうが問題ないと思っています。
また、大なり小なり物事によっては誰もが、自信を持てたり持てなかったりするわけですから、それについては人それぞれ色々な経験を通して折り合いをつけて、やって行く力をつけていくものと考えます。
私には子供がいますが、子供自身がやりたいなと思うことがあったら、失敗しても良いから思い切って進む事のできる ”自信という原動力“を授けてやりたいなと思うのです。
進学や就職活動で自分には自信が無い、という理由だけで一歩も前に踏み出せない何てことは避けさせたいと、親の勝手ながら私は思うのですがあなたはいかがですか?
子供が自分に自信を持てないまま成長するとどんな事が起こるのか、これまでの面談で感じた事、そして子育ての失敗談を踏まえながら、どうした関わりが良いのだろうかと言うことについて、キャリアコンサルタント@小林一美がお伝えします。
子供に自信をつけさせたい、自信をもたせたいと願う親の関わり方について考えるきっかけになれば幸いです。
※ここでは、子供を持つ親、保護者向けに記事を書いている為、成人している大人であっても、親の立場で「子供」と表現しています。また、親・保護者の立場を統一して「親」と記載します。
自信がない人の特徴
色々な能力項目について5段階や10段階で自己評価して行う方法があります。
傾向的に自信のある人が、全体的に5以上をつけるか、項目毎に3もあれば9もあるといった評価にバラツキがあるのに対し、自信の無い人は項目に関係なく全体的に1~3の評価をつけてきます。
また、自己評価の高い人と低い人では面談での様子に違いがあります。
特に自己評価の低い学生では、会話で目が合わなかったり自分の事を言葉で表現できず、また自分を卑下したりネガティブな表現が多かったりする傾向があります。
自信がない人の特徴① 関係づくりへの悪影響
新しい環境になかなか馴染めず関係作りが苦手
自分に自信が無いので話しかけた時に変なやつと思われないか等、どう思われるのか不安で自分から声をかけることができません。
その為、周りの人から声をかけられない限り、グループや輪に入る事が難しくなります。
不登校や退職に繋がることも
声をかけられたとしても、自信が無いので自分の事をどう思っているのだろうと、悪評されている前提で応答するので、その先への関係作りに発展しません。
そして、新しいクラス・学校・職場・配属先に馴染めず、つまらなくなったり、困っても聞く事ができなかったり、辛くなってそこへは行きたくなくなります。
自信がない人の特徴② 就活への悪影響
やりたい仕事が見つけられない
「やりたい事が本当にない」というよりも、心のロックがかかっていることが多い様です。
それは、やりたいなとどこかで思っていても、自信がないので自分にできるわけがないと思っている為、そのやりたい事への思いが意識化されていなくて、やりたい仕事がないと勘違いしているのです。
その結果、それ以外のやりたい事が見つからず前に進めなかったりします。
ゆっくり時間をかけて面談をしていると、本当はやりたかった仕事が何かしらある場合が多いです。
履歴書のPRが書けない
自信がないということは自分には良いところが一つも無いと思っているので、自分をアピールする自己PRが書けません。
履歴書に書けることがないので、自分は社会に出て活躍することは出来ないと、更に自信を無くすことにも。
面接で落ちてしまう
自信の無い人が全員落ちてしまうと言うことでは決してありません。
自信がないと自己PRも薄く消極的になり、面接ではその様子が前面にでてしまいます。
自信が無いと表情に元気さはなく、うつむき加減でボソボソと話してしまうので、採用側は能力を低く見積もって入社してからのことが不安になるので、不採用とせざるを得なくなるのです。
実際に自信がある人って、能力が高く見えたりしませんか?
自信がない人の特徴③ キャリアアップへの悪影響
新しい事にチャレンジできず活躍の場が拡がらない
入社して仕事をもつと色々な事ができるようになります。
明らかに精神的にも能力的にも成長しているのですが、変わらず自信がありませんから新たな仕事のチャンスが来てもそれに気付くこともないですし、チャンスを与えられたとしても、その時の反応や取り組みの姿勢にネガティブオーラがでているので、与える方も不安になります。
酷い時にはその態度に嫌悪感を抱かれ、その後声を掛けられることがなくなってしまいチャンスを失うことにもなります。
親の関わり大失敗 子供の自信を奪う!!
自信が無いとどんな傾向があるかを少し紹介しましたが、自信をつけることも、自信をなくすことも親にできる事だとしたら、あなたはどちらがいいですか?
私はあっという間に我が子の自信を奪った経験があります。
あなたも同じ事をしていませんか?
否定的な関わりで失った子供の自信
私の子供は、何でもやれば自分はできると思っている自信家でした。
そんな我が子ですが、ある時期どんどんと自分が出せなくなっていき、それが私のせいで自信を無くしてしまったと気がつき後悔している出来事があります。
他人と比べてできないことを指摘すると言うことが殆ど無かった私が、進学を境に我が子にダメ出しの連発、否定的な関わりばかりをした時期がありました。
あっというまに子供の性格が変わってしまう
あれができていない、これができていない、あげくの果てには子供自身を否定するように、だからあなたはできない、あなたはだめだと言った具合にエスカレート。
育児書にも本人の人格否定をしてはいけない、といった記述をよく見ますが、正に人格否定です。
するとどうでしょう!
半年も経たない位から子供の友達関係が変わってきたのです。
活発的だった子供が、消極的になり自分らしさを出さなくなっていきました。
表情も行動も薄くなりうちにこもるような感じに変わっていく我が子に、まだ自分のせいだとは思っていない私は情けなさを感じ、更にダメ出しを・・・。
すると歯車が狂い色々なことが上手くできなくなってきて悩んでいる我が子をみて、ある時やっと気付きました!
完全に自信を無くしている。しかも私のせいだ!!と。
でも、実は何度か言われていたのですよね。お母さんは変わった!って。
それでも私は我が子の為に必要な事だと勘違いし続け、なかなか気付かなかったのです。
なんて簡単に自信をなくしてしまうのでしょう。親の関わりだけでこんなにも影響がでるなんて!!
肯定的な関わりで取り戻した子供の自信
ハッ!! として反省した私は、そうなる前の自分を思い出し肯定的に関わるようにしました。
半年間のマイナスの働きを元に戻すのは倍以上に時間がかかった気がします。
それでも我が子は以前のように自信を取り戻し、自分らしさを発揮して元気にいきいきと学生生活を楽しんでいます。
変わったのは“親の関わり方”
子供は自信がある時も、自信が無くなった後も持っている能力は何も変わってはいません。
変わったのは、親が子供のどこを見て声をかけるのかと言うこと。
親が急に、子供の進学に伴い周りを意識しすぎて我が子を見る目が変わってしまっただけなのです。
自信がある人と無い人の特徴
自信がある人
良くも悪くもある程度自信のある人は「自分は大丈夫」「やればできる」「なんとかなる」と思っていますので、色んな事に挑戦することができます。
- 新しい学校新しいクラスメイトとも、比較的すぐに打ち解けることができる
- 就職活動では、自分の興味関心のある求人を見つけると、どんどんと応募を進め書類の作成に着手する
- 特別な結果が出ていなくても、自分が頑張ったことやほんの少しの成果でも自己PRに書くことができアピールすることができる
- 面接では緊張しながらでも自分の言葉で自分らしく成果について答えることができる
- 会社では、自信があるので色んな仕事に積極的に挑戦して仕事の幅が拡がり、どんどんとキャリアアップすることができる
自信の無い人
自信の無い人は最初から「できる気がしない」「できるはずがない」「私なんて認められない」と思っていますので、新しい事について取り組む事がとても不安です。
- やってみたいなと思う仕事でも、自分には無理だと決めつけて応募しないという結果になりがち
- もし背中を押されて応募したとしても、ネガティブオーラが書類にも面接にも出てしまうので、どうしても残念な結果になってしまう
- 会社では、自信がないので新しい事には挑戦せず、興味があっても自分からは手を挙げることはしない
- 新しい事に取り組む機会があっても、ネガティブな気持ちがあるので結果がマイナスな気持ちに引っ張られて結果が出ず負の連鎖に入ってしまいがち
- 結果としてなかなかキャリアアップに繋がるチャンスに恵まれない
どちらもただの思い込み?!
そこで、何か新たに挑戦する時の気持ちについて、自信のある人が「できる気がする」という理由と、自信の無い人の「できる気がしない」という理由を聞いてみると、共通点を見つけました!
根拠のはっきりしない、無いに等しい思い込みです。
全く同じ事でない限り、前に成功したからといって必ずしも成功するわけではない。
失敗も同じで、前に失敗したからといって今回も失敗するとは限らないですよね。
だからその予想は根拠が無いに等しいと考えるのが自然な気がするのです。
根拠のない自信があれば何でもできる!
私の子供は自信を取り戻し、以前のように何でもやればできると思っています。興味をもった事には、自分ならできると思って取り組みます。
端から見ていて、できるわけ無いだろうと思うような事でも、不思議なくらい“根拠の無い自信”で取り組んでいます。
そしてその自信のお陰なのか、できるわけ無いだろうと言うことも案外やってのけたり、失敗したとしても何度も何度も挑戦できています。
面談でよく聞く「できる気がしない」「私には無理」「私は認められるはずがない」という言葉も同じで、実際の能力とは違う根拠の無い思い込み。
私の子供は前述したように能力が急に低くなって、急に高くなった訳ではありません。
私がかけた悪魔のささやき「あれがだめ、ここがだめ、あなたはできない、あなたはだめだ」という言葉に騙されて、根拠無く自分は無能であるとすり込まれ、そう思い込んで自分に自信を無くしてしまっているだけなのです。
ならば、根拠の無い自信!つけさせてあげたいですね。
就活にも有利! 自信をつけさせる親の関わり
自信をつけさせるために親はどう関わっていけばいいのでしょうか。まずは下記4つのポイントを押さえてくださいね。
- とにかく良いところに目を向けて声をかけましょう
- 肯定的表現で伝えましょう
- 小さな成功を見つけましょう
- 足らないところは、指摘をするのではなくアドバイスをしましょう
小学生の子供から学んだ事
子供がテストでいつもより20点ぐらい点数が低かったとしましょう。あなたは、どのように声をかけますか?
ある時子供が塾の小テストで60点位の点数を取ってきた時の事です。
「60点?」と私が残念そうなイメージで(*何て言うのか試して)いうと「点数が悪いと思ってるの?」と子供が言いました。
そして続けて子供は「苦手な教科で、しかも前よりあがったんだよ。凄いでしょう?」と。
私は100点からの減点法。子供は自分の能力からの加点法です。
私は常々、テストの結果については減点されている部分について、わからないところがわかって良かったねといい、そのわからなかったところ、間違ったところをわかるように勉強しようねって言っています。
子供にあわせた基準を大切に!
また、点数だけでなく、前回よりどうだったか、どう取り組んでいたのかということで、100点という統一の点数基準ではなく、我が子に合わせて基準をおいて声をかけています。
ですから今回も褒めてもらえると思っていたのだと思います。
今のところ嬉しいことに我が子は、基本的にどんなことも前回よりもどうだったのか、自分にとってどうだったかという部分に目をむけて自己評価します。
更に、他人ができても自分にできないことがあり、自分にできても他人にできないことがある、ということも理解できているので「できない自分」というより「できる自分」に比較的意識がいっているように思います。
私はこれらのやりとりと、前述した失敗もふまえて親の関わり方は子供の自己評価基準に影響を与えるのだなと改めて感じたのです。
まずは良かったところに目を向けるという子供自身の自己評価。
それは ”自分への自信” として前に進む力になってくれていることを願うばかりです。
褒めの言葉12の能力
そこで、どんな所を褒めたらいいのかわからない皆さんへ、今回は社会人基礎力という変わった切り口で紹介します。
声かけにオススメの社会人基礎力という12の能力分類があります。
「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として定義づけされ、2006年に経済産業省から提唱されているもので、意識的に育成していくことが求められているものです。
社会人基礎力:前に踏み出す力(アクション)
~一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力~
①主体性:物事に進んで取り組む力
②働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
③実行力:目的を設定し確実に行動する力
社会人基礎力:考え抜く力(シンキング)
~疑問を持ち、考え抜く力~
④課題発見力:現状分析し目的や課題を明らかにする力
⑤計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
⑥創造力:新しい価値を生み出す力
社会人基礎力:チームで働く力(チームワーク)
~多様な人々とともに、目標に向けて協力する力~
⑦発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
⑧傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
⑨柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
⑩状況把握力:自分と周囲の人々や物事の関係性を理解する力
⑪規律性:社会のルールや人との約束を守る力
⑫ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
冒頭に書きましたが、学生や社会人で自信の無い人はこの12の能力について、項目毎の評価差は無く、一律に10段階中3以下だったりしています。
社会人基礎力を使って褒めてみよう
社会人基礎力12の説明文には、子供の良いところをみつけ褒める表現がいくつもあります。
例えば、高校生以上は熟語で褒め、高校生以下はかみ砕いて褒めると伝わりやすいです。
疑問を持ち考え抜く力: どうしてかな?って考える力があるね。じっくりとわかるまで考え抜く力があるね。
課題発見力:何が原因かを見つけるがあるね。
このように言葉を分類すると、子供の良さや頑張りを認め声かけできる表現が沢山できますね。
この分類以外にも、集中力、根気力、忍耐力、継続力、注意力、思いやり他、沢山の言葉がありますが、社会で求められている能力分類ですから、これを意識した声かけは有利だと考えます。
子供本人がその能力を意識するようになりますから。
また、どこを褒めたらわからない保護者の方にはヒントにしやすいのでは無いでしょうか。
どうぞ、お子さんの個性にあわせて声かけし、自信を持たせてあげてください。
更にこの能力評価について、なぜその評価にしたのか理由を項目毎に書き出すワークをしていますが、褒められず認められてこなかった人は理想が高く評価基準がとても高かったりしています。
しかし、比べてみると自信を持っている人と実際の能力はさほど変わらないものです。
こんな勿体ないことは無いでしょう?
まとめ
親の関わりで自信をつけさせてあげることができるということ、おわかり頂けたでしょうか。
自信があるだけで、学校生活が楽しくなり、就職活動の進む力になり、キャリアアップにも繋がることがあるということ。
しかし、こうすれば良いとわかっていても、別の感情が邪魔をして言えなかったりするのが親子関係。
いってはいけない事も平気で言って傷つけてしまったり。
私も記事を書きながら振り返って反省し、また新たな気持ちで関わっていこうと思っています。
失敗した私のような悪魔のささやきではなく、是非自信に繋がる魔法の言葉をかけ続けてあげてください。
良いところに目を向けて、自信という原動力を授けてあげられるよう一緒に頑張りましょうね。
この記事がお子さんの自信に繋がり、前に進む力になることを願っています。