ガクチカに高校時代の部活って書いていい?今の自分に自信が持てる履歴書の書き方
履歴書の「学生時代に力を入れたこと」=通称「ガクチカ」
このガクチカの書き方について「高校時代のことを書いてもいい?」とよく質問があります。
「部活動のことを書きたいけど、大学ではこれといった成績を残せていないし・・・」
「高校ならキャプテンをしていたし、地区大会入賞したから書きやすいのに」
「でも、高校時代の話は書くとよくないって聞いたけど?」
と、迷ってなかなか書き出せず困っていませんか?
そんなガクチカのエピソードに迷うあなた必見!
自信を持ってガクチカが書けるようになる方法をキャリアコンサルタント@中村朱里がご紹介します。
高校時代部活のエピソードでいい!
結論から言うと、少し注意点を守れば「高校時代の部活エピソードでもいい!」です。
大切なことは「自信を持って伝えられること」だからです。
ガクチカでは、学生時代に力を入れて行ったことを通じて、あなたが学生時代にどんな苦労をし、また工夫しながら、結果として何を学んできたのかということを、具体的なエピソードを交えて書いていきます。
企業担当者の視点!
これを見て企業担当者は、あなたが自社の仕事においてどんな頑張りができるか、を想像しています。
例えば、
「シュート率を上げることを目標に毎朝100本のシュート練習を3か月間欠かさず行った結果、シュート率30%を超えさらにリーグで最多得点王として表彰された」
というエピソードを書くとします。
企業担当者はこれを見て、
- 「3か月も欠かさず続けられる忍耐力があるなら、入社後の難関資格の勉強も乗り越えられるかも」
- 「明確な目標を立てて、それを達成するための計画が立てられるところは、うちの営業にピッタリだ」
など、自社で働いたときの活躍をイメージしているのです。
伝えられる想いや熱量がポイント!
よって、ガクチカではあなたの苦労や工夫がリアルに伝えられるエピソードが必要となります。ここで、あなたの想いや熱量が入っていないエピソードでは企業にあなたの頑張りを伝えることが難しいですよね。
自信を持って書けるエピソードが高校時代の部活動であるなら、それを書いていきましょう。
大学時代のエピソードが良いと言われる理由
「でも大学時代のエピソードの方が良いのでは?」
「高校時代の話は面接で指摘されるって聞いたけど…」
そうなんです。
「ガクチカ」で問われている学生時代とは暗黙の了解で「大学生活」のことです。
大学生活は、高校までの学生生活と比べ授業を自分で選択したり、長期の休みがあったりと自由度が一気に高くなります。その中で、やるべきことを計画的にこなしたり新しいことにチャレンジしたりすることができる人物か、授業にも出ずダラダラと大学生活過ごしてしまっていないか、というところを見られています。
そのため、高校時代のエピソードを書く際は「なんで高校時代?大学は何をしていたの?」と思われないよう、高校時代に学んだことを大学ではどう活かしているか、を伝えていきましょう。
高校時代のエピソードでガクチカを書いてみよう
では、高校時代のエピソードでガクチカを書いてみましょう。
いきなり履歴書に書くのは難しいので、構成を立てて書くことをお勧めします。
メモ用紙に順番に書き出してみましょう。
1. 高校時代の部活動を振り返る
① エピソードを考える
まず、高校時代の部活動経験の中で、「一番頑張ったエピソード」を選びましょう。その際大切なことは、結果ではなくプロセスです。
A:「あまり頑張らなかったけど、良い結果が出た」
B:「ものすごく頑張ったけど、思うような結果にはならなかった」
といったエピソードが2つある場合、より頑張ったプロセスが語れるBを選びましょう。
② 頑張りを通じて得たものを考える
そして、その頑張りを通じて得たものを考えます。
その際、良い結果だけにこだわってはいけません。そのプロセスの中で出来るようになったこと(効果の上がる練習計画の方法、友人や先輩に対する意見の伝え方など)を見つけましょう。
③ 文章にまとめる
まず結果から書き始め、①で挙げたエピソードを具体的に書き、最後に②で考えた得たもので締めくくります。
≪例≫
学生時代は部活動に力を入れました。
高校3年生ではキャプテンに抜擢されましたが、先代のキャプテンのようにチームが纏められず悩む日々が続きました。
そこで、自分らしいキャプテンの在り方を考え、「努力する姿を見せる」ことでチームを引っ張ることを決めました。練習メニューを誰よりも多くこなし、監督や仲間に対し感謝の言葉を頻繁に伝えるなど、今まで以上に真摯に練習に取り組み、その背中をメンバーに示しました。
すると、メンバーから信頼されるようになり、チームに一体感が生まれ、目標としていた大会で優勝することができました。この経験を通じて、与えられた役割にしっかり向き合い、自分らしく進めることの大切さを学びました。
2. 今の自分を振り返る
では次に、ここまでの大学生活を振り返り、「高校時代に学んだこと」を活かして行っていることを考えてみましょう。
例えば
【学んだこと】継続の重要性
【大学生活で続けていること】部活動の参加、授業への出席、等
【学んだこと】仲間の大切さ
【大学生活で続けていること】友人の悩みは時間を取って聴く、部活動以外の時間の集まりも大切にする
【学んだこと】自分らしく進むこと
【大学生活で続けていること】周りに流されて授業をさぼらない、記録が伸び悩んでも部活動をさぼらない
このように、高校で身につけたことが活かされている場面はありませんか?
そして、それを「当たり前」のことだ、と思いこんでいませんか?
あなたが「当たり前」と思っていることほど、誰もが出来ることではないことがよくあります。
あなたらしい「当たり前」を探してみましょう。
3. 今に活かされていることを書き添える
1のエピソードに2で考えた内容を付け足します。
≪例≫
(先ほどの1のエピソードの最後に下記を追加)
大学生となった今も、部活動に真摯に取り組むことで後輩の模範となるよう心掛け練習に取り組んでいます。
どうでしょう?高校時代のエピソードが今に繋がりましたね。
ぜひ、あなたのエピソードも今の自分につながるように書いてみましょう。
それでも履歴書を書けないときに考えてほしいこと
1. ありのままの自分を受け止める
それでも、
「高校時代で学んだことを今の自分に繋げられない」
「本当に大学生活では何もやっていない」
と、高校時代の自分と比べ、ガクチカが書けないと悩む学生も少なくないです。
- 周りのレベルが高すぎて頑張る気が起きなかった
- 授業課題が多くて部活に時間がさけなかった
- アルバイトに追われていた
- 友人とのかかわりが楽しくて練習をおろそかにしていた
と高校時代のように一つのことに打ち込んで輝かしいものに出来なかったこと悔やんでしまうこともあるかもしれません。
でも、まずはそんな自分をそのまま受け止めてください。
「決められたこと」をすればよかった高校生から「自分で考え決断する」ことを求められる大学生になるのだから、一つの輝かしい結果なんて出なくて当然なのです。
これまでの大学生活をあまり有意義に過ごせなかった自分をまずは受け止め、これからどうしたいかを考えればよいのです。
まだ残された大学生活を有意義に過ごすことで、十分取り返せるのですから。
2. 他人や理想像と比べない
もちろん、周りには大学でも好成績を上げていたり、留学やインターンシップで多くの経験を積んでいる同級生がたくさんいるかもしれません。そんな人たちと自分を比べてしまう気持ちもわかります。
でも、ないものねだりをすることに意味はありません。
「故障さえなければ、自己ベストも更新できたのに…」と悔やむより、「故障したから分かったこと、出来たことがあるはずだ!」と気持ちを切り替えて考えてみましょう。
3. 過去より未来が大事だと気付く
どんなに過去素晴らしい成績があっても、これから社会人として活躍するあなたにとって大事なことは未来に何をするか、です。
「ガクチカに書ける輝かしい経験」がないなら、まずはそれに気づけたことを受け止め、今できること、そして未来に何ができるかを考えましょう。
私が担当していたある学生の話ですが、とある地方銀行の面接で、「学生生活で一番力を入れたこと」を聞かれ、正直に「大学生活は流されてしまい勉強も部活もおろそかにしてきましたが、就活を機にこのままではいけないと思い、将来について真剣に考え卒業論文にも力を入れて取り組んでいます」と語ったところ、その前向きな姿勢を評価され内定もらったという話もあります。
気づいたところから行動できれば、遅すぎるということはないのかもしれませんね。
履歴書は自信を持って書くことが大切
ガクチカをはじめ、履歴書に書くことは、面接で最もよく聞かれる内容です。
面接で聞かれた質問には、自信を持って答えたいですよね。
そのためにも、履歴書に書く内容は、自分が自信を持って語れるエピソードを書くようにしましょう。
そして、過去の自分、今の自分、未来の自分が一つの線でつながっていく様子をしっかり表現して、あなたらしい就活を進めていってください。
応援しています!