タイプ別派遣会社の特徴や選び方のコツ5選!派遣のメリット、デメリット

派遣の仕事に求める条件は人それぞれ。
派遣社員の働き方にはいくつか種類があります。
派遣会社も沢山あって、選び方が分からない、という方も多いのではないでしょうか。
そこで、派遣のしくみやメリット、派遣会社の特徴や選び方のコツについてお伝えします!
派遣のメリット・デメリット
派遣という働き方の特徴は、派遣会社(派遣元)を通して派遣先企業(勤務先)で働くことです。
まずは、派遣のメリットとデメリットをあげてみましょう。
- メリット
働き方を自分で決められる、色々な会社で働ける、自由な働き方ができる。
派遣契約を延長するかどうか、あなた次第。
旅行にいったり、資格をとったり、ワークライフバランスがしやすい。
派遣会社が、仕事を探してくれたり、派遣先企業と調整を行ってくれる。
- デメリット
働いた分しか収入がない(月給制もあり)。
3ヶ月更新が多いが、次の更新があるかどうか分からない。
新型コロナで休業時には保障されないリスクが改めて浮き彫りに。
不安定(契約次第)。
派遣は不安定という印象がありますが、派遣法*は度々改正され、2020年の改正では派遣労働者の保護、同一価値同一労働といった方向性が打ち出されています。
*正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
また、派遣会社があなたの代わりに、派遣先企業と様々な調整を行ってくれるのは、大きなメリットであるといえましょう。
正社員なら、自分で会社に交渉せねばなりません。
派遣のしくみ
派遣の働き方の特徴は、雇用契約を結ぶ会社と、実際に働く会社が異なることです。
一般社団法人日本人材派遣協会より
派遣社員にとって派遣会社は雇用主、勤務先は派遣先企業となります。
実際の仕事の指示は派遣先企業の企業から受けますが、給料は派遣会社から支払われます。
派遣社員として派遣会社に登録しただけでは、まだ雇用契約が結ばれたことになりません。
派遣先が決定し、仕事の開始と共に雇用関係が成立し、契約期間終了時に雇用契約も終了となります。
派遣の種類
派遣には、以下の3つの種類があります。
一般派遣 (登録型派遣)
派遣の仕事を希望する人材を人材派遣会社に登録し、希望や条件の合う派遣先企業との派遣契約が結ばれた時、派遣社員として雇用契約を結びます。
契約期間に定めがあり、3年を超えて同じ人が同じ部署で仕事が出来ません(3年ルール)。
働いた分だけ給料が入る時給制で、原則交通費は無し(有りもあり)。
常用型派遣
派遣会社と派遣社員が無期雇用契約を結んだ上で、必要に応じて派遣先企業に派遣される雇用形態です。
月給制、賞与、交通費支給、昇級あり(派遣会社の正社員として、派遣先で派遣として働く)。
紹介予定派遣
派遣契約終了後に派遣社員が派遣先企業と直接契約(正社員・契約社員)を結ぶことを前提に、一定期間(6ヶ月迄)の人材派遣を行い、派遣契約終了時に、本人と派遣先企業の双方の合意により、直接契約を結びます。
あなたは、今後どういう働き方をしたいですか。一般派遣で働くのか、派遣会社の正社員として派遣先で働くのか、紹介予定派遣で企業の正社員を目指すのか。
働き方は十人十色、あなた自身の選択です。よく考えて決めましょう。
わたしの会社では、もう20年以上新卒採用はありませんでした。流石にまずい、ということで、紹介予定派遣で、生保の正社員を辞めて、半年お試しの期間を経て、見事正社員として採用された方がいます。当時28歳。半年の間に、人事、業務、営業と複数の部署で経験を積まれました。たった1枠の難関で、合格する保障は無い中、紹介予定派遣が決まった段階で、生保の正社員を辞めたわけですから、なかなか出来る決断では無いですね。チャンスの前髪をつかみ、いまや営業部で正社員としてバリバリ働いていらっしゃる姿は、見るに清々しいです。
派遣会社のタイプ
人材派遣会社の事業所は、全国で大小合わせて約3万箇所*以上あります。はじめての方は、どの派遣会社を選べばいいか迷うのも当たり前でしょう。
誰もが社名を知っている大手の会社と中小の会社、特定の職業や職種に特化したものなど様々で、それぞれ良さがあります。どの派遣会社を選ぶかで、その後の働き方が変わるので、会社の特性を把握し、自分に合った派遣会社を選ぶことが大切です。
*2015年には7万8千事業所ありましたが、2018年には3万8千事業所に減少(厚生労働省 労働者派遣事業報告書より)。
では、代表的なものをご紹介しましょう。
大手派遣会社
全国展開していて、知名度が高く、主要な駅にオフィスがあり、登録に行くのが便利。経営基盤が確りしており、求人数や福利厚生、研修制度等が充実しています。ただし、登録者も多いので、1つの求人に対する応募数も多数となりライバルが多くなります。
大手派遣会社は、資本によって次の3つに分かれます。
資本系
大手企業の関連会社として設立され、福利厚生が充実し、ルールも徹底されていて安心です。正社員としては難しい大手企業や人気企業で働くチャンスもあります。即戦力が求められる場合が多いです。
大手の有名メーカーなどの多くが派遣事業に進出しています。かつては、大手商社や銀行もそれぞれ派遣会社を持っていましたが、自社グループ会社への派遣が規制され、パソナやリクルートなどに吸収、或は正社員化し、いまは撤退した経緯があります。
- リクルートスタッフィング(リクルートグループ)
- パナソニックHRパートナーズ(パナソニックグループ)
独立系
親会社を持たず、派遣事業を専門に独自に資本金を集めて設立された会社。派遣業界の草分け的存在で、歴史ある会社が多く、最大勢力を誇ります。全国規模で大手から中小企業を扱うタイプが存在し、大手では常時数万件の求人募集も行っており、フォローが手厚いと評判の会社もあります。
独立系企業の中には、大手資本系の傘下になった会社もたくさんあります。たとえば、もともとは独立系だったスタッフサービスは、現在リクルートグループの子会社となっています。
- テンプスタッフ
- スタッフサービス
- パソナ
外資系
本社が海外にある派遣会社です。世界初の人材派遣会社は1947年にアメリカで設立されたマンパワー社。1966年日本に進出し、マンパワー・ジャパン社を設立。これが日本初の人材派遣会社と言われています。外資系派遣会社は、やはり外資系企業に強いのが特徴です。
- マンパワーグループ(アメリカ)
- アデコ(スイス)
- ランスタッド(オランダ)
職種特化型派遣会社
販売、貿易、製造など、専門分野の職種に限った派遣を行っています。キャリアアップを支援したり、派遣先との関係性が強かったりという面もありますが、異業種の出身だと仕事の紹介が難しい場合もあるので気を付けましょう。
医療や保育士、IT、エンジニアやクリエーター、コールセンターなど、特定の業種や職種に特化した派遣会社です。大手派遣会社とは全く異なる特定職種の求人数が豊富で、専門知識が豊富なコーディネーターが対応してくれるので、手厚いフォローを受けることができます。専門的なスキルを持っている方には、おすすめです。
- メデイカルリソース(医療系)
- ヒト・コミュニケーションズ(営業・販売職)
- メイテック(エンジニア)
- りらいあコミュニケーションズ(コールセンター)
地域密着型派遣会社
地域密着型で地元の会社に強いのが特徴です。地元の老舗や地方銀行など、地元企業で働きたい人や、特定の地域で就職したい人に適しています。
以上のように、ひとことで派遣会社といっても、それぞれ特徴があります。
どの派遣会社を選ぶのか、悩ましいですね。特化型では、例えばコールセンターの派遣は、いまモテモテです。公的なサポートから、百貨店や保険やスマホまで、ありとあらゆるサポートデスクを請け負っています。スキルや経験がなくても始められ、最初は、平のオペレータから、チーフへ、スーパーバイザーへとステップアップも可能。しんどい仕事ではありますが。
募集会社がそのまま派遣会社である場合も多いので、条件をよくみて選びましょう。
派遣会社を選ぶポイント
派遣会社のコーデイネート力が、派遣先企業でのあなたの働き方を左右します。派遣会社に登録する際、あなたの希望や適性を活かしてくれるかどうか、遠慮なく質問してください。「優先順位」をつけ、どうしても「譲れない条件」を予め決めておくと良いでしょう。
1.希望の仕事はあるか
自分のやりたい仕事、希望条件、経歴やスキルに合う求人情報を持っているかどうかは、派遣会社を選ぶ上で最優先すべきポイントです。職種や業種、勤務時間、時給、勤務地など、あなたの希望条件にあった案件を豊富に扱っている派遣会社を選びましょう。
2.今後のキャリアまで一緒に考えてくれるか
仕事の希望や今後のキャリアについて丁寧にヒアリングし、それに合った仕事を一緒に選んでくれる派遣会社をおすすめします。今後どのようにキャリアを築いていくか、一緒に考えてくれる派遣会社は長く付き合っていけるでしょう。
3.経営基盤が確りしているか
派遣社員の給料は、派遣会社から支払われます。経営基盤が確りしている派遣会社は、景気に左右されにくく、リスクを回避しやすいでしょう。その意味では、やはり大手派遣会社が安心かもしれません。
4.福利厚生、研修制度は充実しているか
社会保険制度や有給休暇などは、快適に働くための重要なポイントです。また、派遣社員への教育訓練は義務化されていますので、研修が充実している会社をおすすめします。派遣会社により、保養所や各種支援制度などのサービスが異なります。チェックしてみてください。
5. 信頼できるコーデイネーターや担当者がいるか
どの派遣会社を選ぶにしても、信頼できるコーディネーターや営業担当者がいる会社を選びましょう。あなたと派遣会社、派遣先企業との調整役になってくれるのは、実は会社ではなくヒトなのです。
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それぞれの特性や強みを知って派遣会社を選ぶことが、派遣で仕事をする上で大事なポイントです。
自分に合う派遣会社を選んでください。それから、担当者との相性も重要です。半ば運ですが、合わない担当者の場合は、思い切って、替えてもらうように頼んでみると良いでしょう。
派遣会社は複数登録しよう
自分に合う派遣会社が見つかったら、登録に進みます。この時、1社だけ登録しても構いませんが、複数の派遣会社に登録しても全く問題はありません。
派遣会社は登録は無料です。不安定な社会環境の時には大手が安心ではあるけれど、経営基盤の確りした中堅どころの派遣会社も視野に入れて、複数の派遣会社に登録することをおすすめします。
会社によりサービスの違いや担当者との相性も確認できるでしょう。求人案件はタイミングによるところが大きく、複数の会社に登録しておいた方が、好条件の仕事が見つかりやすくなるはずです。
ただし、ノルマ優先で、意に添わない契約を迫る派遣会社もありますので、注意してくださいね。
選ばれる人材になろう
あなたが派遣会社や仕事を選ぶように、派遣会社側もたくさんの候補者の中から仕事を紹介する人を選択しています。 仕事のスキルは勿論、社会人としての経験、コミュニケーション能力や、ルックスや言葉遣いなどがチェックされています。安心して派遣先に紹介できる、選ばれる人物になれるよう、日頃から心がけましょう。
以前、同じ職場に派遣社員で非常に優秀な人がいました。彼女は、新卒で貿易商社に入り貿易実務を叩き込まれたのですが、あまりの忙しさに、数年で退社してオーストラリアに語学留学。その後は、派遣社員となって、数年勤めると辞めて海外旅行に行き、また勤める、ということを繰り返していました。仕事は正社員と同じ貿易実務です。重宝されて、どんどん難しい仕事が回されても、淡々とこなす彼女。「悔しくないの?」と尋ねたら、「正社員を辞めた時点で割り切っている」という回答でした。その後、数年して「中国で働いている」と中国から年賀状が来るようになりました。さすがにいまは、日本に戻られています。スーパー派遣の彼女が選んだ人生。「あなたなら、またいつでも来てほしい」そう言われる存在になりたいですね。
まとめ
新型コロナウイルスで緊急事態宣言で在宅勤務となった際、派遣会社や派遣先企業により、派遣の扱いに大きな差が出ました。上記のポイントを確りチェックして、後悔のない選択してくださいね。
あなたが、あなた自身の働き方を決め、派遣会社を選ぶのです。
自分なりに将来までのキャリアを確り考えて、いまを選択し、後悔のない人生を歩みましょう。