【管理職試験に落ちた!】敗北感から這い上がりモチベーションをあげて働く方法

管理職試験に不合格!
管理職試験は、現場リーダー(主任、係長)クラスから管理職への登竜門試験になりますが、ビジネスパーソンにとってのこの試験の意味合いは、「たかが管理職されど管理職」なんですよね。
終身雇用崩壊とか、旧来の日本型人事制度は終わったと言われても、管理職になれなかったら、課長以上の出世の道は閉ざされてしまいます。
管理職試験に失敗すると、本人にとっては、絶望と敗北感、無力感がいっぱいになって、なかなか先を考えらなくなるし、仕事上のやる気はおきません。
そこで、中高年危機脱出キャリアコンサルタントの坪根克朗が、絶望や敗北感から立ち上がり、やる気を出して充実した会社人生を送っていく方法についてお話します。
管理職試験とはこんなもの
管理職試験はなぜ生まれた
会社において、マネジメントに関わる人材はとても重要です。
良きプレイヤーが良き管理職であるとは限らないため、マネジメント適性のある人材を選ぶ必要があります。
それで公平性の観点および公平性を担保するためにも多くの会社では、現場リーダー(主任、係長)クラスまでは推薦のみで昇格させても、課長クラス以上の選抜には昇格試験を設けています。
昇進・昇格試験とは
管理職試験は、昇進・昇格試験の1つになります。
昇格とは
昇格とは、社内の職能資格制度(職務遂行能力によって社員をいくつかの等級に分類し、賃金の管理を行う制度)において現在の資格よりも等級の高い資格に上がることを指しています。
昇進とは
会社の中での立場や地位が向上することです。
たとえば、一般社員から主任・係長へ、主任・係長から課長へというように上位の職位に任用されるのが昇進です。
簡単にいうと、昇格は等級が上がることで、昇進は職位が上がることになります。
管理職試験の目的
管理職試験の目的は、「人材の見極め」「公平性」「成長の機会を与える」の3つになります。
適した人材かどうかの見極め
1つは、その社員が管理職に適した人材かどうかを見極めることになります。
管理職として、マネジメント力などのスキルの有無、部門やチーム全体をまとめる適性があるかどうかをチェックします。
公平性を保つ
2つ目は、管理職の登用における、公平性を保つことです。
管理職試験に受験できるかどうかは、上司の推薦によって決まってきます。
ただ、上司が管理職になって問題ないと思っても、会社にとって適切でないケースも起こり得ます。
そのため、候補者全員に対し、同じ試験を実施して、同じ審査基準で適性を評価し、昇格させるかどうか判断することで公平性を保ち、候補者本人や周囲の納得も得ることができます。
成長の機会をあたえる
3つ目は、候補者本人の成長機会を与えることです。
試験という機会を通じ、より高いレベルの視点で課題を捉えたり、部下の育成を考えたり、管理職として物事を認識したりすることによって、昇格の有無にかかわらず候補者自身の経験や成長機会につながります。
管理職の審査方法
昇格試験の審査内容は会社によって異なりますが、いくつか代表的な審査方法を紹介します。
筆記試験
筆記試験では、業務上必要な専門知識や一般常識などの試験に加え、適性検査を用いる企業も多くあります。
適性検査は大きく「性格検査」と「能力検査」の2つに分類されます。
性格検査では管理職として求められる職種への適応力が判断されます。
また、能力検査においては、論理的な思考力・発想力・一般常識などを測ることが多いです。
論文
小論文では、「論理的思考力」「課題発見力」があるかを判断できるテーマを課題に設定することがポイントです。
課題に対して自分の考えを文章で述べてもらい、問題意識の高さや論理構成力などを評価します。
経営者や役員へのプレゼン
昇格の判断において、最終段階で実施されることが多いのが、経営者や役員へのプレゼンになります。
大体は、論文で書いた内容をプレゼンします。
管理職試験に落ちたらなぜつらいのか
管理職試験に落ちたら、一生で一番の敗北感や無力感に陥り、自己肯定感、自己効力感が下がってしまうのでしょうか。
それは、管理職試験受験のプレッシャーが大きい分、落ちた時の恥かしさが全面に出てくるからだと思います。
管理職試験受験、みんな知っている
管理職試験は、実施時期が決まっているので、研修が始まると業務を離れる頻度や定時で帰る日が増えたり、上司と打ち合わせが多くなります。
そのため職場の仲間は、今回は誰が管理職試験を受けているか、一目瞭然で職場の仲間はみんな知ることになります。
将来に影響する試験の受験をみんなに知られているなんて、受験する側は、プレッシャー以外の何物でもないのです。
周りの妬みが気になる
管理職試験は、誰でもが受験できるわけではありません。
現場リーダー(主任・係長)として実績を上げた人で、何年間の人事考課が良い人しか推薦されません。
その中で「なんであの人が?」「実績あったけ?」「〇〇上司の引き?」とか聞こえてくるわけですよ。
全員合格はない
管理職試験では、もちろん全員が合格なんてありえないので、酷い時は、「合格者なし」もあります。
そして、一般的に再受験の可能性が非常に低いので、一発勝負の試験です。
推薦、サポートしてくれた上司に申し訳ない
管理職試験は言うなれば、「組織ぐるみ受験」です。
管理職試験は、推薦した上司の評価にもつながると言われています。
そのため上司は、論文指導はもちろん、プレゼン資料のチェック、プレゼン練習に付き合い、受験前日までサポートしてくれます。
そこまで上司のサポートしてもらったのに落ちたら、「申し訳ないという気持ち」「上司に迷惑をかけたという気持ち」がより自分自身の不甲斐なさをせめてしまうのです。
変わっていく管理職試験
会社は、管理職試験に落ちた人のモチベーション低下の問題や、現場志向で、管理職になることを嫌がる社員も出てきました。
その他、急激な社会情勢に対応していく人材を育成するには、1回きりの管理職試験ではダメということに気がついて、管理職試験の見直しが始まっています。
複数のキャリアパスを作る
会社は、社員に対して複数のキャリアパス用意するようになりました。
代表的なキャリアパスとしては、「専門職キャリア」「管理職キャリア」になります。
専門職キャリアとは
専門職キャリアとは、人のマネジメントは得意ではないが、特定の分野における専門知識や、優れた能力を持つ従業員を評価して、管理職や役員と同じような待遇で厚遇するものになります。
そして管理職と同等の権限が付与され、同レベルの管理職と同等かそれ以上の給料が得られる仕組みです。
管理職キャリアとは
管理職キャリアとは、メンバーの育成や広い知識・技術を用いてプロジェクトをマネジメントしていくキャリアになります。
そして、管理職キャリアでは「係長→課長→部長→事業部長→役員」と昇進することが、管理職キャリアの人にとっての目標・ゴールになります。
管理職キャリアの中に昇格・昇進試験の導入
コロナ禍において環境変化のスピードが加速度的に上昇し、不確実性が高まる昨今のビジネス環境においては、「世の中全体を捉えて事象の本質をつかみ」「会社のあるべき姿を考え」「課題を見つけたあと組織の変革を進める」戦略的構想を考える人が必要になってきています。
そこで、会社は、MBAやビジネスモデル構築を教える大学の先生を招聘し、研修によって部長、事業部長になりうる人材として、適正があるかどうか判断する昇進・昇格試験を導入しています。
ただ、この研修の厳しさについていけず、研修途中で辞退する人がかなりの数いるそうです。
専門職キャリアが活きる場所が増える
私の以前書いたブログの中で、最近話題になっている「終身雇用の崩壊」「年功序列の廃止」が進んでいった暁には、会社の仕事は、「少数精鋭(専門職スキルをもった適任人材)によるジャスト・イン・タイムで招聘されるプロジュクトの集合体」で運営されると書きました。
そして、そのプロジェクトは社内全体からの公募になってきます。
いうなれば、プロジェクトを進めるためのプロフェッショナルの募集になります。
管理職に落ちてもモチベーションを高めて働く方法とは
管理職試験に落ちたとしても、あなたの会社人生が終わるわけではありません。
ただ、モチベーションが下がったなか、今後どのようにして働いていけば、充実した会社人生にすることができるかをお話していきます。
落ちたことを引きずらない
管理職試験で落ちたことを未だに悔やんでいるようなメンタルなら、他部署への異動、転職してもうまくいかないでしょう。
前を向くには、以下のステップを踏みながら気持ちの整理がまずは必要です。
管理職試験を完走した自分をほめる
プレッシャーのかかる管理職試験を最後まで受験した自分を褒めていいと思います。
業務を進めながらの管理職試験、自分の体調や仕事上のトラブル、お客様対応等大変なことがたくさんあったと思います。
その中で、途中投げ出さずに、研修課題に向き合い最後まで完走できたことは素晴らしいです。
管理職試験を受けさせてもらえたことを喜ぶ
管理職試験を受けさせてもらえたということは、会社は、あなたの仕事ぶりを評価していることに他なりません。
まずは、推薦されるくらい「評価されていた」ということを素直に喜べばいいのです。
今後あなたの仕事への向きあい方を会社はみています。
モチベーションの下がったまま、エンジンを切るようではあなたの会社人生はむなしいものになります。
試験でダメだったところをフードバックしてもらう
上司から面接官だった役員に問い合わせてもらって、管理職試験の「どこで」「どんな点」がダメだったのかフィードバックをしてもらってください。
「論理的思考力」「課題発見力」「論理構成力」それとも「具体的な解決策」なのか、しっかり聞いてください。
聞くのは辛いです。
ただ、フィードバックをしてもらうことによって、自身にとっての課題ポイントがわかれば、そのポイントを強化する研修を受けることによって、あなたは管理職試験受験時より成長していけます。
管理職キャリアはあきらめなさい
残念ながら、管理職試験に落ちたら管理職キャリアの道は閉ざされたと思ったほうがいいと思います。
もし万が一、チャンスがあっても辞めたほうがいい理由があります。
管理職キャリアの道は、部長、事業部長、役員と上がっていくにしたがって「適正化あるかどうか」の毎回研修があって、それに合格しないとなれません。管理職試験の比ではないくらい過酷なキャリアパスです。
それに管理職キャリアパスには、降格もついてきます。
新しいポストについても、成果、実績を出せなければ即降格です。
それに、70歳、80歳まで働くつもりなら、専門性が明確でない分、管理職キャリアはデメリットのほうが多いと思います。
専門職キャリアを目指す
管理職キャリアをあきらめたら専門職キャリアを目指すことを勧めることになります。
以下のように準備して、進めていくといいと思います。
自身の専門性を磨き、成長させる
あなたの職種が、スタッフ(人事・総務・経理等)、営業、エンジニア、研究職等でも管理職試験を受けさせてもらったということは、現場リーダーとしての実績は十分もっている証です。
現場リーダーは専門性の種をもっています。
その専門性の種を現場で磨き、自己啓発で成長させるのです。
専門性を活かせるプロジエクトに参加し、専門性を強固なものにする
これからの仕事は、スピードが優先されます。
お客さんから依頼された仕事を半年や1年かかったら相手にされません。
ただ、社内教育で育成しようとしても間に合わないでしょう。
それで、社内の人事データデースやビジネス特化型SNSを使って、「マーケティング」「製品・サービス開発」といったプロジェクトが立ち上がるたびに、ジャスト・イン・タイムで最適任人財(専門スキルを持つメンバー)が社内および社外から招集され、少数精鋭で行われていくことになります。
プロジェクトには、スタッフ、エンジニア、営業等あらゆる職種から参加することになります。
そして、間違いなく社内公募が始まります。
その社内公募に応募して、プロジェクトに参加して腕を磨かせてもらうのです。
プロジェクトで知り合った人脈を活用する
プロジェクトには、いろいろな部門からメンバーが集まってきます。
ましてやその道の専門家です。
プロジェクト参加によって、会社が抱える課題に対していろんな知見が得られるでしょう。
そして、その人脈によって、仕事はますます広がることになると思います。
専門キャリアの道が見えてくる
プロジェクトの経験を積んで、成果を出していけば会社幹部の目に留まります。
そうなると部長や事業部長、役員と同格の「シニアエキスパート」「エグゼクティブ」「フェロー」といったタイトルで部長、事業部長や役員と同等の処遇になる専門職キャリアの道が開けてくると思います。
まとめ
管理職試験に落ちことは非常に残念なことです。
ただ、クランボルツの「計画された偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)」そのもののように「管理職試験の失敗」を気持ちの持ち方や行動によって、意図的に計画的にステップアップしていけるのです。
もし、何年も管理職試験の失敗を引きずっている方は、私が提供している中高年の危機脱出キャリア相談サービスを利用してみませんか。