国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

終身雇用崩壊!今後の会社、仕事はどうなる?これからの働き方と成功する方法とは

坪根 克朗
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坪根 克朗
国家資格キャリアコンサルタント。問題社員解決キャリアコンサルタント。ソフトウェア開発、システムエンジニアを経て、人事部(労務管理・人材育成・キャリア相談)業務に従事。長年、問題社員(ローマフォーマー社員含む)の再生・戦力化を目的とした問題社員解決の専門として活動中。高知県出身、広島県在住。【好き】広島カープ、WoWoW海外ドラマ、坂本龍馬、広島風お好み焼きなど

最近、マスコミで取り上げられる「終身雇用の廃止」「年功序列の廃止」の話自体は、私が人事部にいた10数年前から言われていたことで、今さらという感じで驚きはありませんでした。

ただ、世界一の利益を出し、日本のトップ企業であるトヨタ自動車でさえ、「自動運転」「電気自動車」などに関してイノベーションジレンマに陥る危機感から、雇用環境の見直しを唱えだしたことに非常に驚きを覚えます。

これからは、トヨタ自動車でさえそうなのですから、欧米と比べて生産性の低いと言われている日本の企業はおしなべて、「終身雇用「年功序列」「新卒一括採用」といった日本型雇用形態を捨てる時代になってくると思います。

そのような時、今後の会社、仕事はどうなっていくのか?そしてそのような会社、仕事での個人の働き方はどうなってくるのか、新しい働き方で成功する方法について、人事・労務を専門とするキャリアコンルタントの坪根克朗がお話していきますね。

イノベーションのジレンマ とは「業界トップ企業が顧客のニーズ に応えて製品改良を進めた結果、新興企業によるイノベーションに遅れを取り、やがて需要を失う」現象を表す言葉です。米国のハーバードビジネススクールの教授であるクレイトン・クリステンセン氏が1997年に提唱しました

今後の会社、仕事はどうなる?これからの働き方とは

アメリカでは20世紀中盤まで、HP(ヒューレットパッカード)社に代表されるようにノンレイオフポリシー(終身雇用)や年功序列を採用している企業がたくさんありました。

それが、日本、中国等の成長によって、20世紀の終わりまでに完全に崩壊してしまったのです。

そこで、現状のアメリカ状況を参考とすると、今後の会社、仕事の在り方、そして働き方は次のようになるのです。

ギグとは、元々はジャズミュージシャンが、その場限りの自由に演奏(単発ライブ)することから「短期の仕事を自由にする」という意味あいを込めて使っているそうです。

 

日本型雇用の問題点

日本型雇用が広がったのは、1960年代の高度成長期以降であらゆる職種で人手不足が起き、働き手を確保したい経営者と生活を安定させたい労働者の利害が一致して始まった制度です。

ただ、日本型雇用を長年続けていくことによって、多くの問題をもつようになってしまったのです。

会社は儲かっていない(1人あたりの利益率が低い)

2018年の日本生産性本部のデータだと「日本の労働者が生み出す一人当たりの利益(付加価値)は924万円でアメリカ労働者(1400万円)のなんと60%しかないそうです。

日本の労働者は、過労死問題が社会現象するくらい働いているのに、利益があがっていないのです。利益率が低い原因は何なのでしょうか。

  • 終身雇用の場合、解雇されないという安心感からくる従業員の質が低下
  • 年功序列の弊害として、報酬に見合った仕事をしていない社員の増加
  • 高齢者の継続雇用などにより人件費が上昇

若年層を中心とした就業意欲低下

世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合は6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。2017/5/26 日経新聞

年功序列により若年層はいくら努力しても賃金があがることがないため、仕事への意欲が低下していくのだと思われます。

アメリカの変革の背景

なぜアメリカは、会社や仕事、働き方を大きくかえることができたのでしょうか。

変革の背景を考えてみましょう。

テクノロジーの驚異的な発展

アメリカで成功を収めている企業のほとんどは、集めたビッグデータをネットワーク(クラウド)に集約し、それをAIに機械学習させ、そのうえで分析した結果をビジネスにつなげることによって多大な利益をあげています。

このようなことができるのも、テクノロジー(集積回路、ハードデイスク容量、通信速度)のパワーが指数関数的に上昇しているから可能になったのです。

シェアエコノミー文化の浸透

ライドシェアサービスのウーバー(Uber)のようにインターネット上のプラットフォームを利用して使っていない資産(場所、乗り物、空きスペース)を個人間でシェアするシェアエコノミー文化が広がったこともあります。

その結果「労働やスキル」さえもシャアすることが始まりました。

人材流動化を進める人事戦略

働き方改革において最先端に位置付けられるシリコンバレーの会社「映像配信会社ネットフリックス(Netflix)」では、会社の人事方針を示した「カルチャーデック」を若い起業家むけに配信しました。

この内容は、シェリル・サンドバーグ(フェイスブックのCOO)が絶賛したこともあり、一気に拡散し、グローバル企業における組織戦略や人事戦略に大きな影響を与えたのです。

組織戦略
  • 会社とは、「事業や顧客の必要に合わせて絶えず変化し続ける有機体」である
  • 「とびきり優秀なエンジニアだけをそろえた小さなチーム」の方が「仕事熱心なエンジニアの大きなチーム」よりいい仕事をする
人事戦略
  • すべてのホストにもっとも優秀な人材をあてる
  • 業界最高水準の報酬を支払う
  • 将来の業務に適しない人はお金を払って辞めてもらう
  • 有給休暇を廃止する(従業員の裁量で休む)
  • 人事考課制度は、時間と労力の無駄

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く

今後の会社はどうなるの

会社はプロジェクトの集合体

社内の人事データデースやビジネス特化型SNSを使って、「マーケティング」「製品・サービス開発」といったプロジェクトが立ち上がるたびに、ジャスト・イン・タイムで最適任人財(専門スキルを持つ労働者)が社内および社外から招集され、少数精鋭で行われます。

会社は無くなるの

ギグエコノミーの発展や組織に縛られない働き方が出てきても会社はなくならないと思います。

会社が無くならない理由

  • 長期投資、長期プロジェクトを手掛ける組織がいる
  • 個人はどんなに信用力が高くても巨額の契約は結べない

会社に残る人々

会社には、経営者や経営幹部のほかに「管理職」「バックオフィスワーカー」が残ります。

重要な位置づけになる管理職

プロジェクトが存在し、プロジェクトが生み出す製品やサービスがある限り管理職は以下のような仕事をしなければいけないので、無くなりません。ただし、それ相当のスキルは必要となります。

  • プロジェクトを仕切り、プロジェクトの潤滑油
  • プロジェクトで生み出された製品、サービスの権利・契約
  • 流通や配信、利用を管理し、収益を回収して分配
  • グローバル市場(国籍、文化、歴史、宗教)における利害調整

バックオフィスワーカーは機械との競争

経理、会計、総務、庶務といったバックオフィス業務は、通常マニュアルや手順が作られているので、機械との競争にさらされる業務になってきます。

アメリカでは男性労働者が従事していた製造ラインの仕事は、機械にとって代わられています。

ただ、女性が優位性を持ち、共感が必要とされる看護師や介護士の仕事は機械との共存は可能だと思います。

今後の仕事はどうなるの

今後の仕事は、インターネットによって仕事がやり取りされるギグエコノミーの世界になってきます。

日本では、コンテンツやプログラム制作で始まっている「クラウドソーシングサービス」の拡大版になります。

ギグエコノミーとは

ギグエコノミー(Gig Economy)は、インターネットを通じて単発の仕事を個人が受注することによって成り立つ経済のことをいいます。

ギグエコノミーの将来の市場規模

ギグエコノミーの世界での市場規模は、アメリカの調査会社によると2013年の時点では11.5兆円ですが、このままいくと2025年には37兆円の規模に跳ね上がると言われています。
日本の税収が2018年度で60兆円くらいですから、とんでもない市場規模ですよね。

ギグエコノミーが成長する理由

ギグエコノミー成長の背景には、「サービスを提供したい側とサービスを受けたい側をマッチングさせるテクノロジー(プラットフォーム)」が登場したこともあります。

そして、ギグエコノミーは「単発の仕事」という面からみると日雇い労働者と変わらないため、社会的弱者の方が選択するイメージが強いですが、実は、スキルのある労働者が積極的にギグエコノミーを選択し始めているのです。

ギグエコノミーの特徴

  • 特定の組織に縛られることなく仕事や仲間を見つけることが容易
  • 発注側のコスト引下げにも役立つ
  • 専門能力の優劣により、収入面や受注面において大きな格差が発生
  • 安定した待遇や労働者保護の仕組みがまだ貧弱

ギグエコノミーに向いている仕事

  • 新規部門の立上げのための特殊な才能や経験が必要なコンサルティング
  • 新しい製品/サービスを創造するクリエーターの仕事
  • Web/写真などのコンテンツ制作
  • エンジニア(SE/プログラマ)
  • データ・サイエンス

今後の働き方は

今後の働き方は、組織に属さない働き方(ギグワーカー)が主流になってきます。

ギグワーカーとは

フリーランス/アルバイトとどう違うの

ギグワーカーはどれくらいいるの

アメリカの調査会社によると「アメリカの労働人口(3億3千人)のの30%(1億強)がギグエコノミーにかかわっている」と発表しています。

労働者がギグワーカーになる理由

ギグワーカーになって働いている人へのアメリカでの調査によるとベスト3は以下の理由になるそうです。

  • 元雇用主に自分の価値をわかってもらえなかった(47%)
  • フルタイム従業員にはない自主性・柔軟性・裁量の大きさを重要視している
  • 自分の価値を最大限に発揮するなら、雇われるより収入が増える

ギグワーカーで成功する方法6選

【ギグワーカーで成功する方法①】準備

ギグワーカーは個人起業家ですから、始めるにはいろいろなリスクがともないます。まずは、そのリスクを少なくする準備が必要です。

私のメンターでもある多田健次先生のブログを読んでみてください。

【ギグワーカーで成功する方法②】仕事への思考を変える

キグワーカーという新しい働き方をするには、いままでの組織べったりの「従業員思考(生活の保障や経済的な安定も会社が提供してくれる)」から成功を期待する「チャンス思考(積極的に人脈を広げ、新たなスキルを習得し、したことのない経験を求める)」へ考え方を変える必要があります。

このふたつの考え方は、仕事で表すと次のように対比できます。

  • 従業員思考 ―― どんな職に就こうか?
  • チャンス思考 ―― どんな仕事をして、どんな価値を生み出そうか?

【ギグワーカーで成功する方法③】パーソナルブランドの確立

ギグエコノミーは、別名「評判経済」と言われます。

評判を高めるためには、社会から「信頼」を勝ち取る必要があります。

信頼を勝ち取るためには、自分自身のブランディング(お金になる価値を高める)を行わなければなりません。

そのためには、以下が必要になります。

  • お金が稼げる専門領域を2つ以上持つ
  • 高校生や大学生のころから、SNSでの評判を自覚的に作っていく
  • ブログやセミナーなどを通して、仕事に繋がる情報発信を継続的に行う

【ギグワーカーで成功する方法④】チャンス思考の実践

チャンス思考の実践として、日ごろから以下のような積極的な行動が必要になります。

  • 専門分野を明確にして、学び続ける
  • 仲間や仕事ネットワークを積極的に管理し、拡大、維持する
  • クライアントと良好な関係を築き、自分のブランドと相手からの信頼を築く
  • クライアントや仕事仲間から、スキルパフォーマンスのフィードバックを受ける
  • 今後の仕事を計画し、スキルの新規開発に務める
  • コワーキング・スペースへの参加は、孤独を避けるために積極的に行う

【ギグワーカーで成功する方法⑤】心理的レジリエンスを磨く

ギグワーカーのプロとしてやっていくためには、心理的レジリエンス、すなわち逆境から立ち直る能力や、不確実性、安定感の不足、混乱に対処するための能力を磨く必要があります。

多田健次先生が逆境を乗り越えるコツを教えてくれているので、以下のブログも読んでみてください。

【レジリエンスを養う】強くしなやかな心で逆境を乗り越えるコツ10選

【ギグワーカーで成功する方法⑥】マルチタスク能力を鍛える

ギグエコノミーの世界では、複数の仕事を並列に処理するする必要があるので、マルチタスク能力を身に着け、鍛えることができれば、仕事の効率は大きく改善し、一定のパフォーマンスを保ちながらクライアントに満足してもらえる仕事をすることができるようになります。

鍛える方法としては、以下になります。

無駄な時間を意識する

普段は無意識のうちに見逃してしまいがちな無駄な時間(連絡待ち、移動時間)を意識することで、その時間を有効活用する意識が高まり、有効活用することによりマルチタスク能力を鍛えることができます。

仕事に優先順位をつける

マルチタスクで仕事を処理するために重要になるのが、仕事の優先順位です。

自分の仕事の意味や緊急度を正しく理解できて始めて優先順位を決定することができます。

失敗してクライアントに迷惑をかけることになったら、クライアントからの信頼を無くしてしまうので時間管理含めてしっかりやらなければいけないテーマになります。

まとめ

ギグエコノミーは着々と広がりを見せており、Airbnb(民泊サービス)やUber(配車サービス)、WeWork(働く場所提供サービス)なども日本に上陸しつつあります。

また、ソフトバンクのように、ギグエコノミーの広がりを予感している企業はすでに大規模な投資をおこなっています。

来年からは、第5世代移動通信システム(5G)の本格稼働によって、「いつでも」「どこでも」「だれとでも」働ける環境ができ、時代はどんどん、「会社で働く」から「個人で働く」に変わって行くと思います。

そしてその可能性は若手からシニア層、高齢者、女性、外国人材まで広がってくるのです。

ギグエコノミーは、米国で著名な起業家支援団体カウフマン財団のシニア・フェローで、ギグエコノミーを実践しているダイアン・マルケイさんが言われているように、人生100年時代の仕事、働き方の在り方を示唆しているかもしれません。

「ギグエコノミーで言う“成功”とは、職を見つけることではなく、方向性が定まりバランスの取れた人生を送ること、そして職業生活と私生活における目標に近づくための充実した仕事を見つけることなのです」

最後に「自分の運命は自分でコントロールする」という生き方は今後の日本でも主流になっていくような気がします。

もし、今後の働き方について相談ごとあれば、TC坪根キャリアコンサルティングOfficeまでご連絡ください。

 

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坪根 克朗
国家資格キャリアコンサルタント。問題社員解決キャリアコンサルタント。ソフトウェア開発、システムエンジニアを経て、人事部(労務管理・人材育成・キャリア相談)業務に従事。長年、問題社員(ローマフォーマー社員含む)の再生・戦力化を目的とした問題社員解決の専門として活動中。高知県出身、広島県在住。【好き】広島カープ、WoWoW海外ドラマ、坂本龍馬、広島風お好み焼きなど










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