【パラレル人生】キャリコン実技ロールプレイ、クライエントの相談の受け止め方
キャリコンの実技ロールプレイ、クライエントの相談内容を上手く受け止められず、クライエントの悩みだけに集中し、話が膨らまず進まないと悩んでいませんか。
話が膨らまないとなると、試験時間の15分間は負のループになってしまいますよね。
そこで、国家資格2級キャリアコンサルティング技能士&キャリアコンサルタント@永居まき子が、クレイエントの相談内容の受け止め方を具体的にイメージできるようお伝えしますね。
「キャリアコンサルタント」ってなにをする人?
クライエントの相談内容の受け止め方のお話の前に、先ずは「キャリアコンサルタント」について考えたいと思います。
今目指している「国家資格キャリアコンサルタント」とは、いったい何をする人でしょうか。
厚労省・文科省では次のように説明をしています。
「キャリアコンサルタント」
⇒『キャリアコンサルティングを行う専門家』
「キャリアコンサルティング」
⇒『労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。』
「キャリア」
⇒『過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。』
※「キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング」(厚労省)を参考にしてくださいね。
人は,他者や社会とのかかわりの中で,職業人,家庭人,地域社会の一員等,様々な役割を担いながら生きている。これらの役割は,生涯という時間的な流れの中で変化しつつ積み重なり,つながっていくものである。また,このような役割の中には,所属する集団や組織から与えられたものや日常生活の中で特に意識せず習慣的に行っているものもあるが,人はこれらを含めた様々な役割の関係や価値を自ら判断し,取捨選択や創造を重ねながら取り組んでいる。
人は,このような自分の役割を果たして活動すること,つまり「働くこと」を通して,人や社会にかかわることになり,そのかかわり方の違いが「自分らしい生き方」となっていくものである。
このように,人が,生涯の中で様々な役割を果たす過程で,自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ねが,「キャリア」の意味するところである。
(中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」(平成23 年1月31 日))
厚労省は職業に特化し、文科省は幅を広げ生涯の役割での価値など、という内容になっています。
もう少し広義に捉えるために語源をお伝えしますね。
ラテン語の「carrus(車輪の付いた乗り物)」を意味し、その乗り物の車輪の通った跡、轍を意味している。
厚労省・文科省そして語源の内容意味を合わせ考え、私は次のように理解しています。
「キャリアコンサルタント」
⇒『クライエントが歩んできた人生・過去の体験・職業経験を理解しながら、悩みを一緒に考え整理し、自分らしい生き方に踏み出せるよう支援・指導する人』
クライエントの悩みの捉え方
前述の内容『クライエントが歩んできた人生・過去の経験を理解』を意識しながら、ロールプレイの15分間、クライエントの悩みを広い視点で俯瞰的・多面的に捉えるようにしてみてくださいね。
先ずクライエントは、今抱えている悩みを話し始めます。
受験生はその悩みだけに拘って質問していませんか。
クライエントには、過去の様々な経験があります。
学生時代、就職、転勤、結婚、子育て、昇進、出向、セカンドキャリア等々、そんな中で悩みがあり相談にきているのです。
クライエントの相談、例えばパラレルをイメージ!?
「それは分かるけど…できない!」と思っている受験生は多いですよね。
例えば、悩みがあるクライエントの人生をパラレルをイメージして考えてみてはどうでしょうか。
上層⇒就職、転勤、昇進等の職業人
下層⇒学生時代、結婚、子育て等プライベート
平行しているようで様々な場面で交差しながら、迷いながらもその都度選択し人生を歩いています。
具体的な相談内容をパラレル人生に
クライエントの相談内容が多面的にイメージできるようパラレル人生に当てはめてみます。
[相談1]
クライエント:女性58歳 大手化粧品会社36年勤務・課長職
家族:夫58歳 会社員、義母80歳(同居)、子供2人(既婚・別居)
定年まで頑張りたいと思っていたところで、義母が階段から落ち介護が必要な状態になってしまった。後2年で定年だけど、仕事をどうしようかと悩んでいる。
[パラレル人生に当てはめると]
上層⇒大手化粧品会社入社、課長職、定年まであと2年
下層⇒夫、義母と同居
交差⇒義母が介護状態となり今後仕事をどうしたらいいか
[ロールプレイの視点]
・義母の現在の状況をどのように受け止めているか。
・家族(夫)とはどのような話をし、どう思ったか。
・会社の上司には相談したのか。社内で利用できる制度はあるか。
・今までの仕事のやりがい・・・等々。
(パラレル人生を意識!!)
・これまで主婦業・子育てをしながら仕事を続けてきているが、それまでの間、義母の支援・関わりはどうだったか。
・また、その間、義母との関わりをどのように受け止めていたのか、どのように思っていたか。
[相談2]
クライエント:男性55歳 商社地方支社33年勤務・課長職(定年60歳)
家族:妻55歳 パート、実父78歳(同居)、子供1人(社会人・別居)
半年前同居していた実母が亡くなり実父が落ち込んでいたが、最近は漸く元気になってきたので安心した。
そんな時、上司から本社の転勤の打診を受けた。本社への思いがけない転勤で妻にその旨を伝えたら、妻は一緒に来てくれると言ってくれた。
自分たちが転居すると実父が一人残ることになり、実父は健康面等特に特に心配はないが、漸く元気になったことを考えると心配でどうしたらいいかと悩んでいる。
[パラレル人生に当てはめると]
上層⇒商社入社、地方支社33年勤務、課長職
下層⇒妻、実父と同居
交差⇒本社転勤の打診があり、実父のことを考えると転勤をどうしたらいいか
[ロールプレイの視点]
・本社への転勤の状況(期限、転勤時期、転勤場所等)
・本社への転勤の打診をどのように思っているか、どのように受け止めたか。
・今後のサラリーマン人生をどう考えているか。
・今まで地方勤務で仕事のやりがい等どうだったか。
・一人残る実父のどのような点が心配か。
・実父は本社転勤の話をどう思ってくれるか・・・等々
(パラレル人生を意識!!)
・両親二人の姿がどのように映っていたのか。
・これまで仕事をしながら、実父との時間をどのように過ごしてきたのか。
パラレル人生、職業人・プライベートは平行線を辿りながら必ず交差地点があります。
クライエントの悩みだけに視点を置かず、クライエントの人生を多面的に理解できるようパラレル人生を意識し、交差地点を置き去りにしないようにしてみてくださいね。
まとめ
クライエントの悩みをパラレル人生でイメージする、15分のロールプレイのヒントになったでしょうか。
クライエントは悩みを分かってほしいと思い話しますが、キャリアコンサルタントとして、クライエントが歩んできた人生などを理解しながら悩みを整理していきましょうね。
先ずはロールプレイの練習からトライしてみてください。
頑張っているあなたにエールを送りますね!