障害者家族が一歩前に進めない考え方のクセとは?
家事や育児、仕事にと息つくひまなく続く毎日。
そんな中で、障害者家族は頑張っているイメージに振り回されて疲れ切っていませんか?
周りから何を言われても、年齢や職業も関係ない。
「障害者家族が障害者と共に自分らしい人生を歩むために」、今の考え方をどう変えることができるのかをお伝えします。
周りのイメージに振り回されている自分に気づくことが第一歩
家族のことは家族だけで頑張らないを目指す
頑張りたいけれど頑張れない時、余計に障害者家族は障害者がいるから大変、家族で頑張るべきものっていう周囲の空気を感じる肩身の狭さ。
家族のことは自分が頑張らなければという気負いの気持ちが強くありませんか?
相手が大変と思っているのは、障害者家族がどんな生活なのか身近にいなくて具体的に知らないんです。
私たちは全ての物事を知っているわけではありません。
だからメディアなどで知った情報からなんとなくのイメージでお話ししているだけ。
「なんとなくのイメージ」に振り回されたりするのって疲れ切ってしまいます。
「大変ね」って言われたら、「そう思っているんだ」くらいに受け止めて気にし過ぎない。
心の切り替え上手になる習慣を身につけていきます。
「きょうだい」として無理して家族を抱え込まない
きょうだいとしては、「○○さんがいるから安心ね」という言葉を小さい時から、障害者家族になった時から声掛けられたこともあって、その影響が大きいはずです。
家族のために頑張ることは大切ですが、心の重荷になっているならいったんその重荷をお降ろします。
例えば今、両手にも背中にも重たい荷物を持っていいるとします。
長時間持ち続けると手がしびれたり、背中や腰が痛くなってしまいまよね。
でも、荷物を降ろすと和らぎます。
それと同じ。
自分には持てる荷物には限りがあって限度を超えると体を壊しかねません。
自分の負担が今どれくらいか、身体の声にしっかり耳を傾け、抱え込まない、無理をしないを目指していきます。
100%ではないことに徹して、自分の好きなものに触れたり、趣味の時間を持ったりすること。
余裕があることが無理をし過ぎないで程よさで家族に向き合うことができます。
障害者家族として「すみません」の口癖を減らしていく
わたしの口癖の一つに何かしてもらう時についこちらが悪くないのに「すみません」が出てしまいます。
これはいつも気を付けるようにしていますが、反省することもあります。
なぜ、そう思うようになったのか。
かつて学校司書をしていた時、障害者本人の親が何か配慮を求める際、何度も「すみません」と言いながら話していました。
その横で縮こまっている障害者本人の姿を見ると、私自身を振りかえって弟に申し訳ない気持ちにさせたり、自分を否定してしまう結果になっていると気づきました。
そして、悪いことをしていないんだったら、必要以上に申し訳ないなんて思う必要は無いのではと思うようになりました。
全く困りごとがない人なんていないと割り切って、頼みごとをする際は「すみません」っていう言葉を最初に出さない練習をしていきます。
私もなかなか抜けきらないので、一緒に成長していきましょうね。
障害者家族は家族で何とかするべきと思っているのを見直してみます
障害者家族のことって当事者同士じゃないとわからないと抱え込んでいる
障害者家族の困りごとや心配事は当事者同士じゃないとわからない。
人に迷惑をかけるぐらいなら自分で何とかしようと思ってしまう責任感
本当にその考え方がよいと思いますか?
家族で何とかするには自分自身のストレスがたまるかもしれないという視点を持ってみます。
「チカラを借りる」を深堀してみる
チカラを借りるってどいうことですか?
私にとって自分の心と体を守るために必要なことと思っています。
20代前半、慣れないことの連続の親の介護。
この時はまだ、家族で乗り切るものっていう考えなので、一生懸命でした。
で、ストレスが積もって体調を崩してしまいました。
だから、背伸びをしない。福祉や法律などの自分の専門外のことはその道のプロに頼もうと決めています。
チカラをかりて良かったということはありませんか?
仕事や子育て、人生の中で助かったということはあるはず。
その感覚が大事にして、思い切って何ができていて、困っていることは何かを素直に伝えていきます。
自分で自分に家族で世話をするべきというプレッシャー
1日の時間は限りがあります。
そこで、しないことを決めていきます。
自分で「頑張る」という言葉に自分自身を縛ったりすることは辞めて、深呼吸して、ガチガチに固まった心を緩めていきます。
そこから、家のいるものいらないものを判断する断捨離のようなかんじで、何を優先して何の時間が無駄になっているのかを判断していきます。
その上で「今できることをやる」を実践していきます。
「頑張っているね」の周りの期待に応えようとしている
周りの期待に応えようとしているのはある意味、認めてもらっているという感覚かもしれません。
誰も自分に関心が向いていないと寂しくなるもの。
だったら、今日の頑張りを自分で褒めてみるがおすすめです。
仕事では、締切に間に合った、急に頼まれた仕事を終えた、家事でも片付けや掃除などできたことをちゃんと認めるのです。
自分に自信がついてきて、周りに振り回されることが少なくなります。
SOSを出したい
助けを求めたいけれど、今まで職場や学校、趣味の友達などに「障害者が家族にいる」って言ってなかったのに伝えるというのはすごく緊張しますよね。
どんな反応があって、もしかしたらせっかく仲良くしていたのに離れてしまったら…。
まさに清水の舞台から飛び降りるくらいの勇気がいります。
でもゆっくり自分の周りを見渡してみてください。
ありのままのあなたを受け止めてくれる人がいるはずです。
「困っていて、助けて欲しい」という雰囲気を出しても、親しい友人などでも意図をくみ取ってくれません。
だから、思い切って「困っている」を伝えてみましょう。
ありのままの自分を認めて理解してくれる人の存在があれば、応援してくれたり、一緒に前に進める方法を考えてくれたりもします。
困った状況を周りのチカラを借りるという視点を持つことで、人間関係も好転していきますよ。
自分らしい人生を歩むために決めて動くことが大切
一歩進むためには「障害者家族がいるから」を言い訳にしない
希望やビジョンがあっても障害者家族だからということを口にしてあきらめしまう。
行動を起こせない言い訳にしてしまう。
そういう気持ちにサヨナラして前に進むにはどうしたら良いかにエネルギーを使います。
目の前に前に進めるかなと思える道や色々な選択肢があっても下を向きすぎていると気づかなくてせっかくのチャンスを逃してしまうことも。
確かに身動きが取れないこともあると思いますが、損していることになります。
自分の願望や希望ってとんとん拍子に進まないことも多く、信じる力はかなりいります。
だから、周りの目を気にして選択するのではなくて、自分の判断、つまり、自分の軸で物事を決める
そして、
やってみて、途中経過でメンテナンスしながらたどり着くトライ&エラーの繰り返し。
ちょっとした自分の考えやルール変更してもやってみようと決めたらその気持ちを掴んで離さないでいてくださね。そうすることが、きっと明るい未来に近づいていきます。。
失敗も自分らしい人生を歩むためにはプラス
こうしたいなと思っても決めて行動するとすぐには結果が出ないことも。
そんな中で失敗したくない、完璧にしないといけないと考えていると、うまくいかなくった場合、やる気がどんどん目減りしていって、本当に自分のしたいことなのかどうかもわからなくなります。
自分で選んで行動して自分なりに工夫していったという事実。
ちゃんと自分自身を褒めてあげましょう。
失敗という経験も自分の強みになり、人生のプラスになります。
その上で、「自分らしい人生を歩むため」に今できることから選んでスモールステップで目標に向かっていきます。
家族のためにという選択をとってしまう
家族の顔色をうかがいながらしたいことを我慢することが多いかもしれません。
そのため、自分の意見より家族の気持ちを優先していたこともあると思います。
目の前にいる家族を見放せない気持ちはとてもそれも大事。
でも家族への義務感から気持ちをしまいこんで、物事を選んでいたら、後で後悔する結果に繫がります。
自分がしたいことがあるなら、ここは家族としっかりと向き合って言葉を交わして、理解を深めてもらう作業が必須なのです。
痛くてツライこともあるかもしれませんが、言葉にすることによって自分がしたい想いが定まってきます。
その選択が自分らしさにつながっているかを考えてみる
家族の為の選択は、「自分らしい人生を歩むためにあるのか」もう一度しっかり向き合います。
自分の考え方、生き方を改めて見直していくことはもがいたり、じたばたしたりもします
でも、「このままで終わりたくない」という気持ちが少しでもあるなら自分に意識を向けます。
ポイント
自分はどういう時に充実しているのか、やる気に火がつくのか、楽しく取り組めるのか、自分自身の心の声と感覚を感じ取っていく。
自分の軸を持ちつつ、つまずくのを恐れず、自分で考えて行動に移していきます。
自分の価値観を固定せずに磨くうちに、あれもしたいな、これもできるかな、そういうのもいいなとやりたいことがどんどん膨らんでいきますよ。
終わり
障害者家族でいることになった時から、障害者家族はしなやかに生き抜く力はあります。
でも、周りの目を気にし過ぎたり、頑張り過ぎたり、ちょっとしたことでつまずくと負のループにはまり込んで抜け出せないこともあります
そろそろ「障害者家族は頑張るべき」という思い込みを捨てることを改めて考えてもよいのではないでしょうか?
今までのこうあるべきをとっぱらうのは楽なことではありません。
日々の小さなことから見直していって、自分らしい人生を歩みたいと思った気持ちや歩き出そうとしたその姿勢を忘れず、育んでいきましょう。
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障害者家族が障害者と共に自分らしい人生を歩むためのサポーター
「家族内障害者カウンセラー*八木尚美」
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