国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

介護未経験者とのキャッチボールが上手い介護管理者と下手な人との大きなずれ

 
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1995年 看護師のキャリアを生かし、大手複合医療法人、社会福祉法人の介護・福祉サービス事業に11年間携わる。   2006年〜 認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率82%から、4%に激減させる。 2018年〜 人財育成コミュニティ「ケアびと育成Lab.」立ち上げる。 現在までに、さまざまな家族介護の相談、介護保険についての相談、認知症介護の相談、介護職員のキャリア相談など、延べ1万人以上の方の相談、支援してきた。 今も認知症高齢者グループホーム所長として奮闘する中、「ケアする人、される人が、笑顔が溢れる世界を創ろう」と、わかちあう「ケアびと」と共に地域活動・社会貢献をも実践している。

介護人材不足の現状として、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者人ある2025年。介護現場において職員約38万人が不足すると言われています。

厚生労働省は、この38万人の介護職員が不足すると見込まれる需要のギャップを埋めるため、介護人材を量と質の両面から確保するため、国と自治体が二人三脚で、「参入促進」「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」を進めるための対策に総合的・計画的に取り組むことを打ち出しています。

3つの柱「総合的な確保方策」

1.参入促進 介護職のイメージアップ、若者の掘り起こし、未経験者や外国人材の算入促進など

2.資質の向上 介護福祉士取得制度の見直し・配置割合により事業所加算など

3.労働環境・処遇の改善 キャリアパスの構築、事業所ない保育所の運営支援・人材育成に取り組む事業所の評価、介護ロボットの導入など

しかしながら、この3つの施策の実現する以前に、現状として、人手不足の大きな課題は介護現場に、大きくのしかかっています。

組織とコミュニケーション

1)組織とは

【バーナードの定義】
組織とは、意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステムである。

【成立要件】
共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成される。

1. 共通目的(common purpose)
2.貢献意欲(willingness to serve)
3.意思疎通(communication)

組織には2人以上の人間と上記の3要件が必要ということになります。

(「バーナードの組織の3要素」より引用)

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まず組織を、現実のシステムにするのは、コミュニケーションであることが確認される。共通目的の達成の可能性と人間の存在−その人々の欲求がかかる共通目的に貢献する動機となっている−とは、協働的努力システムの相対する両極である。これらの潜在的なものを動的ならしめるプロセスがコミュニケーションである。(チェスター・バーナード『経営者の役割』を読むより引用)

2人以上の人間が存在することで、コミュケーションが必須であり、より現実的に組織、チームを活性化するには、コミュケーションが重要であると言われている。

2)ソーシャルキャピタルとコミュニケーション

ところで「ソーシャルキャピタル」って言葉を耳にしたことはありますか。

チーム、組織が活発化するには、「ひと」「もの」「かね」の3つが必要であると言われています。しかし、それぞれに3つ存在すれば成り立つものではありません。

どんなに優れた施策、システムや、環境があったとしても、そこで働く、個人ひとり一人が、誰一人として必要不可欠な存在でなければ、志は下がり、情報伝達がうまくいかず、業務が廻らず、最終的には、ケアの質の低下、サービスを受ける人の不利益につながります。

組織、チーム全体は、たちまち機能不全、衰退することになります。

メンバーの信頼関係、相互理解、メンバーひとりひとりの「リソース」を共有し合う基盤も、資本であると思います。

人と人がつながり、わかちあい、活かすことで、組織やチームは息を吹き返し、資産となり、豊かさにつながります。

私たちは、これまで人を相手に関わりや、ケアを行ってきました。どんな大きな組織も、小さなチームもそれが、人の集合体によって成り立っています。人と人とのつながり、コミュニケーションの集合体として成り立っています。

人相手の仕事、業務をするうえで、とくに介護の仕事はコミュニケーションの頻度は多いと言えます。

 

言葉のキャッチボールが、上手い介護管理者と、下手な人とは、何が違うのか

ここでは、ケア現場における介護管理者にとって、コミュケーションの基本と、組織、チーム内の、未経験者とのコミュケーションする場合、うまくできる場合と、うまくいかない場合と違いについて考えてみたいと思います。

1)介護管理者におけるコミュケーションの現状

介護人材不足が否めない現状は、採用の段階から、中途採用はもとより、他業種、他業界からの介護未経験者や、外国人労働者の就労が、必須の条件となっています。

介護管理者は、様々な新人職員、ましてや介護未経験者に対しての指導、教育、マネージメントを行います。そこでは、組織コミュケーション力の他に、対人コミュニケーション力が強く求められます。

目の前の人に対してのコミュケーショを図らないと、組織やチームの目標、目的が達成できないことや、役割を発揮することができません。

しかし、一方的なやりとりが多いように思います。

つまり、介護管理者は、上級者であり自分自身がわかっていることを相手に話します。

  • 利用者の状態についての確認
  • ケアをする上での観察ポイント
  • 障害が起きている発生機序についての理解
  • 手順や物品の必要性 

などについて、情報共有し、コミュニケーションする場面が多くあります。

しかしながら、介護管理者と未経験者とのコミュケーションは、全体の10分の1も、取れていないことが過度に存在しています。

「言葉のキャッッチボール」が上手くいっていない状態がよく、見受けられます。

「言葉のキャッチボール」が上手い介護管理者と、下手な介護管理者との違いはどこが違うのでしょうか。

2)言葉のキャッチボールが上手い人、下手な人の5つの大きなずれ

①二極化あるいは競争

②否定あるいは無視

③評価

④一方通行

⑤仲間はずれそして孤立

(コミュニケーションはキャッチボール®︎ 伊藤守氏 引用)

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上手く人と、下手な人には、この5つが上手い人と下手な人との大きな差(ずれ)があると思います。

3)介護管理者がやってしまいがちな、5つのミスキャッチボール

  • キャッチボールがついドッチボールになっている。教える側として、弱みを見せないように、負けたら終わり、私の方が強い、私の方が優っているといった心理状態で、ついキツめな言葉(のボール)を投げ返したり、相手が受け取れない説明や情報(のボール)を与えてしまっている。
  • 未経験者が、知らないこと、わからないことを尋ねて、話しかけてきた時、管理者は別の業務を行っていて、別のことを考えていた時に、「今じゃないとだめなの?」とか「後にして」または、知らないふりをして素通りしている。
  • 未経験者が、こんなことを尋ねたら馬鹿にされるのではないかと思いながら、管理者に尋ねたところ、「そのケアのやり方は、利用者の方にとってよくない方法だから、」と頭ごなしに言い切ってしまう。
  • 管理者は、未経験者に対して、「◯◯さんの、トイレにお連れしておいて」「経過記録が書けてないから、書いておいて」「様子観察お願いね」などと、言い放ってそのままで終わらせていること。そのあと、どうだったかの確認をせずに、次からつぎと一方的に幾つも指示やお願いをする。
  • 分かっているもの同士、できるもの同士だけでやりとりしている。未経験者や、できない人に言っても無駄だと決め付けて、その人抜きのコミュケーションをとる。未経験者が投げかけたことが、別の人が他のことでコミュケーションを始める。ケアをできる機会を与えないとか、意見を言わせないこと。

「ケアキャッチボール」の練習をしよう。

説明と同意

コミュケーションが下手な管理者がやってしまいがちな5つのことは、ついつい知らずとして行っています。管理者本人が、気がついてなくても、相手の未経験者や、チームのメンバーがみて感じているものです。

では、ケアする時の上手い言葉のコミュニケーション(=以下「ケアキャッチボール」という)をするには、練習が必要です。「ケアキャッチボール」の練習を普段から、回数を重ねて、やりとりする練習を行いましょう。

そのためには、「確認と同意」がポイントであると思います。

ケアキャッチボールの準備運動

相手に伝えたい内容をまとめる。

「◯◯さんのケアについて、私はこう思っている」と考えをまとめる。

軽くボールをさわる。

「今、時間ある?今日の◯◯の状態について確認したい。」と話して良いか同意をとる。

キャッチボールする立ち位置を決める。

立ち話でなく、椅子に腰掛けて話す場合がよい場合や、相手が今、受け入れられる状態でない場合は、環境を整える。

適度な距離をとる

新人、未経験者の場合は、短い近い距離から、場合によっては、手渡しが良い場合もある。傍で見守ってわかりやすい言葉を使う。

管理者のコンデションを整える

管理者自身の体調やマインドセットを、予めおこなってから始める。

実際にケアキャッチボールを行う

1セットから始める

介護管理者自身から、投げ始めたことは、未経験者から、投げ返ってきて1セット終了する。

未経験者から、投げてきた場合は、介護管理者が投げ返して1セット終了とする。

手渡しする

簡単な未経験者が、返してきやすい言葉を使う。次第に距離を話して言葉の肩慣らしをする。いきなり専門的用語(バイタル、口腔、陰洗、完食、BPSD、ギャジアップなど)を使ったりしない。

短い距離から、ゆっくり

段階的にやりとりする。遠く離れた位置から言葉を出さない。近い距離からゆっくりと、丁寧に話す。

受け取ったら、一呼吸する

未経験者が、投げてきたことは、すぐには投げ返さない。一旦受け取りましたという意思表示を、未経験者にわかるように伝え返す。

相手をみる

聞いてもらえていると満足しているか。話したいことが話させているか。分かったふりをしていないか。よくみてみる。

まとめ

コミュケーションは、目的を達成するためのスキルでもありますし、中には使い方を間違えると、権力を奪取することや、相手を傷つけ、落とし入れる手段にもなりかねません。

「ケア」は、見守ること、気に掛けることと私は定義づけしています。ケアを行う人同士、そのことを遂行するために、お互い相手が、対等な立場で、言葉を使い分かち合えることが、「ケアキャッチボール」の第一歩です。

恐れず、驕らすケアキャッチボールの練習をし続けていきたいと思います。

簡単なようで、実は練習を重ねることを要するコミュケーションは、日々連続して人との関わりの中で試合をすることを行っています。辛いと感じることもあるでしょうが、ケアキャッチボールを、自分なりに楽しんでできる練習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださいましてありがとうございます。

私が主宰する対人支援職のコミュニティの詳細は、こちらになります。

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1995年 看護師のキャリアを生かし、大手複合医療法人、社会福祉法人の介護・福祉サービス事業に11年間携わる。   2006年〜 認知症高齢者グループホームを立ち上げる。開所当初離職率82%から、4%に激減させる。 2018年〜 人財育成コミュニティ「ケアびと育成Lab.」立ち上げる。 現在までに、さまざまな家族介護の相談、介護保険についての相談、認知症介護の相談、介護職員のキャリア相談など、延べ1万人以上の方の相談、支援してきた。 今も認知症高齢者グループホーム所長として奮闘する中、「ケアする人、される人が、笑顔が溢れる世界を創ろう」と、わかちあう「ケアびと」と共に地域活動・社会貢献をも実践している。










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