国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

子ども会役員実体験談。目的、運営方法を見直し子供の社会性、自立性を養う!

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国家資格キャリアコンサルタント/働くおかん・おとん応援コンサルタント。働くおかんとしてフルタイム勤務。毎日忙しく過ごす中で、自分の人生を苦行にしないためにどうしたらよいかを考えてキャリコン試験に挑戦。何事も極める性格で考えすぎてカウンセリング練習中に失語症になる。文章を書くのは子どものころから大好き。応募した感想文が当選、アメリカ旅行に招待されたこともある。何でも楽しめるタイプ。自分の「好き」を見つけるのが得意。【キーワード】アドラー心理学・発酵食品作り・自分らしく生きたい

子育てのゴールは子どもが自立すること。そうはいっても親としてどうやってそれを伝えていけばいいかわからないという人は多いと思います。

今、子どもたちの取り巻く環境は随分変わってきました。小学校の登下校でさえも危険がいっぱい。

子どもが一人で歩くことの不安が付きまとい、集団登校や送り迎えなど色んな策で回避しようとしますがそのことがもしかしたら自立を妨げているかもしれない。また学校が終わると学童へ行ったり、習い事に通ったり、子どもだけで過ごす時間はとても少なくなりました。そんな日常の中で子どもの社会性、自立は一体いつ身につければいいの?お友達とのコミュニケーションはうまくとれているの?つかみどころのない不安が沸き上がります。

そんな時、たまたまクジであたりを引いてしまった役員仕事。そう、子ども会育成会の役員です。迷走、大炎上を経て多くの学びを得ました。転んでもただでは起きない性格なんですね。この活動を通じて「社会性」について考えました!

身近な地域の活動、「子ども会」を通じて子どもの社会性を身につけるために親としてできることをキャリアコンサルタント@野口千里がお伝えします。

子ども会について

子ども会の組織体系

みなさんの地域に「子ども会」はありますか?地方によって微妙に組織の構造は違うと思います。学校区である○○校区子ども会育成会があり、各単位地区子ども会があります。

案外この組織体系を知らない保護者は多いです。実は私もその一人でした。毎年役員が交代するため、その場しのぎのやっつけ仕事でやってしまい、本来の組織体系と目的を見失いがちです。

そこで正しく理解するため、この組織体系を図に表してみました。

単位地区子ども会が一番小さな組織となり、いわゆるご近所さんとの交流の場となります。まずは単位地区子ども会に加入し、活動を行うことになります。この活動を育成する会が学校区毎にある○○校区子ども会育成会です。

私はこの校区の役員が当たったのでした。

子ども会の目指すところ

子どもは遊びの中から多くを学ぶといわれています。学校のクラスとは違った交流は有効と考えます。子どもたちの手による子どものための活動として、異世代交流や自然体験という地域活動を通じ、豊かな創造性や個性を発見し、積極的な社会参加を促すことにより社会生活で必要な知識や社会規範を吸収していくということです。

これってとってもシンプルな考え方だと思うのです。つまり特別な何かを行わなくても、日常において学年が違うご近所の子どもと遊ぶ、ご近所にある自然を観察することや町探検などで「生活」を感じるというようなことですよね。

ただ、子どもは発達途上にあるという観点から判断力が未熟な子どもたちのため、大人がいろいろな方面から指導助言し、子ども会の健全育成のためにサポートが必要なため、「育成者=保護者」が必要なのです。

私が子供の頃の子ども会

私の子どもの頃には地区ごとにスポーツのチームがありました。いつも決まった曜日と時間に練習があり、そこへ行くことが当たり前になっていてそこには子どもが集まっていました。普段は子どもたちだけで練習していましたが時々チームの子どもたちの親が参加して教えてくれました。また年に1度学校区の中で地区対抗の試合があり、勝ち上がればまた次の大会がある、というようなもので、同じ目標に向かってみんなで頑張るというような活動でした。また、小学校の運動会では地区対抗リレーがあり、地区で選抜された子どもが集まって地域の大人と練習していました。

その時にかかわった大人は覚えているし、また大人から「大きくなったね」と声をかけられることもありました。

こういった活動が社会にかかわる、街づくりに参加する第一歩だったんだなぁと思います。

ただ、最近ではクラブチームや習い事も増えてきたため子どもたちに時間がない。まだ少子化で各地区ではチームを作れなくなっているのが現状でありとても残念ではあります。

つまり子ども会は子どもの社会性を育むために育成者=保護者も共に楽しむという活動のだなと思うのです。

子ども会役員を実体験することに

とはいうものの役員活動は面倒。正直に言って私もできれば役員活動はやりたくないと思っていました。くじ引きで役が当たったときは真っ青になったくらいです。

そしてこの選考会(くじ引き)のあと、誰がこの役に当たったのかが保護者の中で重要な話題であることもわかりました。1週間のうちに色んな人に声をかけられましたから。とはいえ、当たったものは仕方がない。とにかくこの活動がなんなのかというところから調べ、学び、考えました。

役員になって一番嫌だと思ったことは何か。それは何をすればいいのか、目的はなんなのかがわからなかったことです。だから徹底的に調べました。凝り性なんですよね。

そこで発見し、こういったコミュニティが子どもの社会性を身につけるいい機会なのだと思えるようになりました。

まずは役員の仕事を知る

徹底的に簡素化し、マニュアル化すること

嫌なことならとにかく、できるだけやらない方向で考える。必要なことなら続ける。そんな視点でまずは取り組んでみようと思いました。

私の役割である「校区」はとても複雑な組織でした。その名の通り、地域の数多くの外部団体との連絡役だったのです。それぞれが企画する行事に運営主体である各単位地区の子ども会が活動するかどうかを確認し、伝える役です。

また、その団体にボランティアとして参加し運営を補助する役でした。

だからまずはかかわっている団体が何の団体で、どんな目的で活動しているのか知ることからスタート。そして私たちがどんなふうにかかわり、私たちの役割である子ども会の育成のためにどのようにかかわればよいかを整理し、役員で議論しました。

そして1年かけてマニュアル化を行いました。そしてこのマニュアルは役員全員で共有。

そうすることで改善案を考えたり、わからないことはみんなで話し合ってつぶしていける体制が整いました。

本来の目的である子どもの社会性を育むための行事に楽しんで参加するために、役員仕事の軽減を図ったのです。

目的は役員仕事をすることではなく、子どもと共に遊びを通じて学ぶことにあるのだから。

各々役割を明確化し、担当制として分業をはかること

できれば役員仕事を少しでも軽減したい、と思うのはみんな同じです。なので、ついつい押し付け合いになりがち。これも担当制とすることで分業が図れます。

それぞれのプロジェクトに担当を置いて運営する。そうすると、それぞれの個性が現れます。

この役員を通じて知り合った人と共に活動することでお互いのことを知る、認めるということができたなぁと感じます。

こうした役員の仕事を知るということで、大人の都合で子ども会に加入するかしないかの問題になることを避けられればいいなと思うのです。

子ども会は子どもが交流する場であることを理解する

子どもが子ども同士交流できる場を提供する、これがこの会の目的の一つです。

アドラーの名言の中にこんな言葉があります。

幸せの三要素は 自分自身が好きかどうか。よい人間関係を 持っているかどうか。そして、人や社会に 貢献しているかどうか。

幸福は人間関係の中で感じるもの。子どものうちからよい人間関係を持てるようになればより生きやすくなる。子ども同士の人間関係には保護者は少し距離をおいて見守っていければよいと思います。

行事に親子で参加すること

毎年夏に納涼大会が行われます。私たちは毎年そのお祭りでヨーヨー釣りの出店が割り当てられていました。これも分業化することで役員仕事の負担を減らし取り組んだのですが、それにプラスして、今年は高学年の役員のお子さんが手伝ってくれました。

ヨーヨーを膨らませること、ゴムを止めること、こよりと金具を取りつけることなど作業をしながらわいわい楽しむことができました。そのとき、学校の近くに住む地域の方が、自家製の梅ジュースを持ってきてくれ、みんなでおいしくいただきました。

社会性はこういった街の行事に参加することにより身についていくのではないかと感じました。

運営に子どもを巻き込むこと

運営においても大人と子どもが一緒に楽しめるものはないかと考えました。

陸上競技大会のユニフォームが古くなったため数年前から新調を検討していたので、今回思い切って進めることにしました。主なデザインは業者へ依頼し、何点か案が出来上がったとき、子どもたちからも意見を募りました。与えられたものをそのまま着るより、自分たちも決定の段階からかかることがとても大切なのではと思います。

この体験が子どもたちの記憶の片隅に残ってくれたらと思います。

ワークショップもやってみた

保護者向け「人権研修会」の企画、運営では、今までと同じことをするのではなく、せっかくなので全員参加型のワークショップを企画しました。保護者はほぼ女性なので、お題は「女性の人権」。

難しく考えるのではなく自分が大切にしたいことを一人ひとり語ります。語る内容は似ているけれどやっぱり違う。一人ひとりの個性が出ます。その個性を認める、相手がどんなことを思っているかを聴く。そうすることでお互いの距離感が縮まり、ご近所同士の交流が生まれたように思いました。

終了後のアンケートでは、

  • 意識していなかったことに気づかされました。
  • 皆さんの考えや心の中を知れたようでとても共感できたし、新たな発見もありました。
  • 自分の中にある意識にとらわれず色々な考えを取り入れていきたい。
  • 頭では思うけど、今日の話し合いで話すことができてよかったです。

などうれしい感想もいただきました。

この研修会によって街づくりの中の人脈形成の場を提供することができたのではないかと思います。

まとめ

くじ引きで当たった役員。右も左もわからないまま、いろんなクレームも受けました。

1年目は制度見直しやマニュアル化で意見の相違も生まれ、大炎上も経験しましたが真剣に話し合ったからこそ生まれた信頼関係は何物にもかえられない宝物です。

何人かでそのまま2年目も残留し、新しいメンバーが加わり取り組んできましたがそこでも、お互いを知ることでいい仕事ができました。

こんな風に、仕事や家庭以外の社会活動の中に別の自分の世界があるというのは人を豊かにするのではないかと思うのです。

子どもにも、学校や習い事以外のコミュニィティを持つことで得られる学びをもっともっと体験してほしい。

また、かかわった大人との交流も子どもたちにとっては大切なコミュニケーションの一つになります。

子ども会だけでなく、時代に応じた様々なコミュニティの中に、お互いが依存するわけではない、お互いをちょっと知っていて気遣かえるような交流が社会を豊かにしていくのだと信じています。

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国家資格キャリアコンサルタント/働くおかん・おとん応援コンサルタント。働くおかんとしてフルタイム勤務。毎日忙しく過ごす中で、自分の人生を苦行にしないためにどうしたらよいかを考えてキャリコン試験に挑戦。何事も極める性格で考えすぎてカウンセリング練習中に失語症になる。文章を書くのは子どものころから大好き。応募した感想文が当選、アメリカ旅行に招待されたこともある。何でも楽しめるタイプ。自分の「好き」を見つけるのが得意。【キーワード】アドラー心理学・発酵食品作り・自分らしく生きたい










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