小学生子どもの進路、将来について親ができること厳選7つ!
「将来何になりたい?」
子どもに問いかけたことありますか?
保育園や幼稚園に通うころ、「サッカー選手になりたい」「ケーキ屋さんになりたい」子どもたちはきらきらした笑顔で答えてくれます。
微笑ましい光景です。
ですが、AIの発展により今ある職業が半分以上はなくなってしまうかもしれないと言われています。
将来、自分の子どもが仕事に就けず、希望を持って生きていけなくなるかもしれない。
子育ては悩みが尽きないもの。
子育てが「お世話期」から「精神(こころ)の育成期」となる小学高学年に差し掛かった時、子どもの将来や進路について親としてどう対応したらよいか、何を伝えていけばよいか悩みませんか?
そうはいっても日々の雑事に追われなかなか具体的に行動できないもの。
そんな忙しい働くお母さん、お父さんへ向けて、子どものキャリア、将来について親ができることについてキャリアコンサルタント@野口千里がお伝えします。
【子供に親ができること①】子どもにとっての「仕事」って何?を知ること
大人が子どものころに戻って考える
まずは親である私たちの小学生のころを振り返りましょう。
小学6年生の時「将来の仕事」についてどんな風に思っていましたか?
私はずっと「学校の先生」になりたかった。文集やアルバムにもしっかり刻まれています。
もうこれしかない!と思っていたし、絶対なろう!ってかなり強い意志で思っていました。
が、現在、その職業にはついていません。
でもそれって悪いこと・・・? そんなことはありませんよね。
その時、私の視野にはいっていたものが「学校の先生」という職業だけだった、ということだと思うのです。
小学生のころに大きな視野で「職業」を考える、というのは難しいことです。
子どもに「将来何になりたい?」って聞くときの親の心理って?
子どもが「医者になりたい」「弁護士になりたい」っていった時、どう感じますか?
この子は将来大物になるかもしれない!と期待と夢が膨らみます。
つまりこの質問、親の期待と願いを込めた質問なんですね。
だから、その答えにそんなに深い意味はないのです。
よって「医者になりたいといったのだから勉強しなさい」はあまり効果がありません。
また将来なりたいものを特定することで、目標が定めやすくなります。
目標が定まると行動に移せるので親はサポートしやすくなります。
ところが、この「なりたい職業」は子どもにとって大人が思っているほど具体的な目標ではないため、なかなか親の想いと折り合いがつかないのです。
【子供に親ができること②】子どもの自己肯定感をあげること
比較データで考えてみる
内閣府が行った日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした意識調査(我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度))「今を生きる若者の意識」という比較データがあります。
1.日本の若者の自己肯定感が諸外国と比べ低い
2.家族関係、学校関係、職場生活が充実している人ほど自己肯定感が高い
3.自らの参加により社会現象を少しは変えられると考える若者は,自国のために役立ちたいという思いが強い
自国のために役立ちたいと思う若者が多いというのは私たちにとって、とても心強いことだと思いませんか?
それには「社会に自ら参加すること」が必要です。
子どもが社会に参加できるようにサポートしていきたいですよね。
日本の将来を担う子どもたちは,我が国の一番の宝である。子どもたちの命と未来を守り,無限の可能性に満ちたチャレンジ精神にあふれる若者が活躍する活力にみちた社会を創り上げていかなければならない。
自分の将来に明るい希望が持てないというのはとても残念なこと。
まずは私たち大人が未来に希望を持ち、それを伝えることができればと考えます。
将来を担う子どもたちとともに、私たち大人も未来に希望をもってもっともっと輝きたい。
だからこそ、子どももそして大人も自己肯定感をあげることがとても大切だと思うのです!
子どもの自己肯定感をあげるために親ができること
子どもの話をよく聴くこと、これに尽きると思います。
例えばお子さんがどんな食べ物が好きで、どんなスポーツが好きで、アニメは何が好きか、など、お子さんを見ていたらわかることがあると思います。
では、それはなぜ好きなのか?
理由は人それぞれ。
子どもの「なぜ」を問うことが重要。
その理由をありのまま受け止め、認めることが大切です。
私が子供のときに「学校の先生」になりたかった理由
私は前述の通り「学校の先生」になりたかったのですがそれは「なぜ」でしょうか?
- 私は物事を説明するのがとても好きでした。
- その時知ったことをこれは○○だから○○だよ、というように人に伝えるのが好きでした。
- また同じ事柄でも○○ちゃんはこう考えるけれど○○くんはこんなふうに思うなど、人それぞれであることを知ることが好きでした。
- もちろん、知りえたことを誰かに伝えることが大好きでした。
このことにつながる、知っている職業が「学校の先生」だったのです。
もう少し発展させて「伝えること」が自分の中で別の興味に結びついていれば、また違う自分に出会えていたかもしれません。
例えば「伝えること」が解説者や研究者などを発想できていたら、なりたい職業は違うものになっていたかもしれないということです。
「自分のことを語る」ということ
「自分は大切な存在だ」「自分は生きているだけで価値がある」なんてことを日常考える人は少ないですよね。
ただ、子育てをしているとこんな場面に遭遇します。
子どもは自分のことをいろいろ語る
保育園にお迎えに行った時、残っている子どもたちが集まってきて自分のことや今日あったことなどをそれぞれが今話したいことを語ってくれます。
小学生になってもやっぱり同じで、遊びに来た子どもの友達が話してくれます。
でも大きくなるにつれて無邪気に語ってくれなくなる。
心の成長とともに「自分のこと」を語れなくなってしまうのです。
大人はなかなか自分のことを語らない
私たち大人も新しい環境、例えばPTA役員会で知り合った保護者、取引先の担当者、子どもの親のコミュニティの中で、なかなか自分のことは語れないもの。
相手を知る機会が少なければ仲良くなるチャンスも少なくなります。
自己肯定感をあげるためには日常の中で、人とのコミュニケーションを通じてありのままの自分を語れることが必要だと思うのです。
自分を語ることで自分を知る、相手のことを聴くことで相手を知るということで、ありのままの自分を受け入れることへとつながります。
それは自己肯定感があがるということと直結しているのです。
【子供に親ができること③】子どもが興味をもっていることを知ること
「サッカーをやりたい」といった子どもの話
私の子どもの話をしますね。
彼はこつこつ練習することはまあまあ好きでした。友達と一緒に練習することはもっと好き。先頭きって走るよりチームメイトのアシストすることが好き。サッカーを通じて私が知ったことは、彼は「仲間と一緒に楽しむことが好き」ということでした。
だからサッカーの技術を学ぶことを優先するよりこのままサッカーチームで友達と一緒に成長することを選択しました。
そして私は学校生活の中で、委員会や文化祭の実行委員などにも積極的に参加したら?とアドバイスしました。
子どもが興味を持っていることの理由がわかればその背中を押してあげることができます。
子ども同士の中で育つ興味
学校だけでなく、その他での子ども同士のコミュニケーションも大切だと思うのです。
どうしても一つのコミュニティだけだと役割が決まってしまい、小さくおさまりがち。大人だって会社と家の往復だけで他の世界がないと煮詰まります。
積極的にいろいろなコミュニティに参加することをお勧めします。
【子供に親ができること④】子どもの自立を助けること
身近なことから意識を変えていく
例えば漢字の書き取り。まずは見ながら書いてみる、次は問題を見て書いてみる。
できるようになることはその子の「成功体験」になります。
やればできる、という成功体験の積み重ねが継続する意欲へとつながっていきます。
成功体験は自己肯定感を上げるために効果を発揮します。
先生から書き方を学ぶ、身体でその技術を覚えるということは当然必要ですが、ここに「なぜ?」を問うことが大切だと思うのです。
どうしたら間違えないか?コツコツ書いて練習することにプラス知識を増やすこと。
なぜ間違うのか?次はどうやろうか?
自分で考えて行動するというくせを付けることがその後の成長の幅を広げるのです。
案外多い指示待ちの子ども
私たちはできないとわかっていてもついつい大人のペースで物事を進めようとします。
子どもの靴はき
例えば小さい子どもが靴を履くのに大人のようにさっさと履けず時間がかかりますが、私たち大人は待ち切れず手を出してしまいます。
でも、ちょっと待って!
子どもの成長のために「待つ」ことを実践しましょう。
子どもの戸締まり
例えば家族で出かけるとき、「戸締りして」と伝え、「2階の窓5か所を閉めて」など具体的な指示は避けます。
子どもはどんな行動をするでしょうか?
細かく指示してもらえる環境にある子どもは自分で考えることができなくなります。
また、戸締りで気をつけることは何? なぜ戸締りが必要? など
行動には理由があることを意識するためにそのことについても子どもと対話する機会を設けてほしいのです。
子どもの電車移動
また、移動に公共機関を利用するのもいいですよね。
電車に乗るときには行き先を決めて、乗る時間を決めて、切符を買う。
これだけでも初めての子どもには大冒険です。社会と子どもをつなげるということを意識したいですね。
子どもの送り迎え
お稽古事や塾に通う子どもは増えています。
ただし、今は送り迎えをほとんど親がやってしまいます。子どもは親がしてくれることを待っているだけ。
常に指示してもらえる状況にあります。
そうすると子どもは考える必要がないため、やめてしまいます。
子どもが主体的にかかわれる何か、例えば時間を意識することを伝えていきたいものです。
【子供に親ができること⑤】子どもを否定しないということ
私たちはとても「他人」を気にしています。
○○くんは算数のテストで満点だったけどうちの子は80点だった。
○○ちゃんは活発で運動ができる。
うちの子は・・・というようについつい比較してしまいます。
他人と比較して親が、自分たちのほうが優位だと安心したいためですが、そうそううまくいかず、比較した結果劣っている場合もあるので、振り回されてしまいます。
比較することをやめれば、自然と否定しなくなると思うのです。
【子供に親ができること⑥】自分の未来は自分で「選択する」ことを伝えること
中学に入学すると部活を選択する、高校受験をする学校を選択する、など具体的に自分の未来を「選択する」機会がやってきます。
その時に大切なことは「納得して自分で選択すること」です。
意思を持って選択することは難しいこと。
例えば家族で旅行に行くとき、どこに行くか、何をするか、どんなルートを使うかなどたくさんの選択肢から選択することを日常の中で意識しましょう。
【子供に親ができること⑦】子どもの想像力、発想力を高めるためにできること
夏休みの読書感想文
夏休みの宿題で後回しにされる傾向にある読書感想文。私もとても嫌いでした。
でも文章を書くこと、例えば日記を書くのは大好き。本を読むことも好き。
では、なぜ読書感想文は嫌いだったのでしょうか?
それは何を書けばよいのかわからなかったからです。
その本を読んだ感想を書きなさい。
何を書いてもいい、好きなように、と言われてもかなりおおざっぱな表現でかえって何を書けばよいのかわからなくなってしまったのだと思います。
今は、本を読む楽しみを知ったので子どもにこんな風に語りかけます。
- 一番印象に残ったところは?
- それはなぜ?
- 登場人物で誰が好き?
- どんなところがすき?
- あなたならどうする?
読書感想文はこのようなことをまとめたり、編集することが必要ですがそれはもちろん子どもにおまかせ。
私の目的は子どもの感じたことを引き出すことです。意外な感想が出てきて会話が弾みます。
想像力を鍛えるためにぜひお試しください。
五感を使って体験すること
こどもとお出かけした帰り道、こんな話をします。
自宅までの帰り道に畑の間のあぜ道を通ります。私はその場所が大好き。昼間の大きな青い空や、星が輝く夜の空を見ながら歩くのが好き。緑の合間にひっそりと生きてる虫の鳴き声や、カエルの声を聞くのも心が落ち着くのよね、と。
同じ時間を過ごし、同じ景色を見て、同じ空気を体感し、同じ音を聞き、同じにおいをかぐ。五感をフルに活用して体感し、その感じたことを言葉にする。
身近なことから表現力を身につけるために行っています。
まとめ
子育てのゴールは子どもが自分の力で生きていけるようになること。
そこに「自分らしく」「いきいきと」が加わればこんなに素晴らしいことはありません。
そして私たち大人も、まだまだ学ぶことがたくさんあり、未来に向けてわくわくして生きていきたい。
自分らしく生きていきたい。
子どもに問うのと同じように自分に問いをたてることは違う自分に出会えるチャンスなのです。
子育ては心の旅。
子どもの成長とともに自分も子どものころにかえってもう一度振り返り、見つめることは自分自身の成長につながります。
将来の選択は大学受験や就職活動でおしまいではありません。
就職した後もライフステージが変わる度、思わぬところから現れます。
”女性活躍”なんて限定せず、自分に納得のいく選択をして、大人も子どももみーんなどんどん活躍しましょう!