国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

何をしたいのかわからない40代。ありたい自分や目標・職業への興味に気づくヒント

 
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国家資格キャリアコンサルタント/価値観受けとめカウンセラー。様々な社会とのかかわりの中で自分を見失うことがあり、心理学や健康法を学び始める。そして、感謝の気持ちや心からの笑顔のエネルギーがその人を満たすと、エネルギーは循環し、家庭平和・世界平和・宇宙平和へ繋がると確信。多様な価値観に触れながら自分らしく軽やかに生きるためのお手伝いをしています。絵本を使った大人のための気づきや癒しのワークショップ(絵本セラピーR)も開催中。

“私はなにをやりたいのだろう?”“どのように生きていきたいのだろう?“このままでいいのだろうか?”

あなたはこんな風に思ったことはありませんか?

40代になり、怒涛のような仕事と家事と子育ての時間をやりくりが少しだけひと段落した時期。

私は夫との価値観の違いへの対応に疲れ、自分らしさを見失い、自分の生き方に悩んでいました。

時間的忙しさや経済的なやりくりに追われ、体力の衰えを感じ始め、悶々とする日々…

あなたはいかがですか?

家事・子育てに力を注いでいた方、転職を経験した方、会社の中での異動や昇進・出向などの経験を積んだ方…様々な環境で40代を過ごされていることと思います。

その中で多種多様な価値観と出会い、傷つき、落ち込み、励まされ、喜び、希望を抱き…ながら、自分自身を築いてこられたのではないでしょうか?

今、“何をしたらいいのかわからない”“ありたい自分の姿がわからない”“これからどのような仕事をしていけるのかわからない”“どのように仕事に関わっていくべきかわからない”…

そんなことを考えているあなたへ、キャリアコンサルタント@和宇宙ナゴミソラが自分の経験をもとにちょっとしたヒントをお伝えしますね。

自分を知るためのキャリアストーリー・インタビュー

21世紀のキャリア構成理論をリードするマーク・L・サビカス教授は自身の著書で下記のように述べています。

21世紀を生きる私たちの幸福実現のために、一人ひとりが自分は誰であるかを自分は何をすべきかに関連づけて、自分の人生を手に入れなければならない。不確実性の世界において、技能や才能を発達させることは重要であるが、しっかりと根を下ろした自己感覚に代わりうるものはない。そのためキャリア構成(構築)理論は、仕事と関係性を通じた自己の構成に焦点を当てる。

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「キャリアストーリー・インタビュー」は仕事と関係性を通じた自己キャリアの構成のためのカウンセリングの手段として取り入れられているものです。

サビカス教授が30年にわたる実践を通じて進化させてきた質問によって構成されています。

自分を見つめるための5つの質問

「キャリアストーリー・インタビュー」は5つの質問で構成されています。

この5つの質問は通常キャリアカウンセラーとともに行います。

私たちは、質問の答えをキャリアカウンセラーに説明することで内省が深まり、より自分自身に気づいていくことができるのです。

5つの質問

  • 6歳以前にあなたが憧れていた人やロールモデルになった人を3人挙げてください。その理由も。
  • あなたの最も好きなa)雑誌、b)テレビ番組、c)ウェブサイトは何ですか?それはなぜですか?
  • 本や映画のストーリーであなたが最も好きなものは?
  • 最も好きなモットーやことわざを3つ
  • あなたの人生で最初の記憶は何ですか?最も幼い時期の思い出です。あなたが6歳までにおきたことで思い出せることのなかで、3つのストーリーを。

キャリア・ストーリー・インタビュー(Saicas,2011)より

キャリアカウンセラーはこの5つの質問を「あなたが自身のキャリアを構成するために、解決したい課題はどのようなことでしょうか。私はどのようにあなたの役に立てますか?」という導入の質問の後に行っていきます。

キャリアストーリーインタビューの質問を使って自分に気づくヒント

これからキャリアストーリーインタビューの一部の質問を使い、手軽に自分のやりたいことやありたい姿に気づくヒントをお伝えしますね。

30分程度でできるものとして、先に挙げた5つのうちのふたつの質問について自問自答してみることをオススメします。

ひとりでやってみるためのガイドとして、考えるポイントや「私の場合」の例を示していきますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

導入の質問

まずは導入の質問です。

リンカーンの名言に

しっかりと心に決めれば、目標は半分達成したことになる

というものがあるように、到達したい目標をしっかりと意識することは重要です。

自問自答の場合でも必ず「私がキャリア構成していく上で解決したい課題はどのようなことだろう?」を考え、紙に書き出してください。

たとえば、“自分の強みと弱みを知りたい”“今のいき方で良いのかどうか確認したい”“自分がやりたいことがわかるようになりたい”という感じです。

私の場合(導入)
これからの生きかたや仕事内容など自分らしくあるために大切なことを認識したい

といういささか欲張った課題を書き出しました。

さあ、あなたもちょっと時間をとってやってみませんか?!

まずはコレ! 質問1<ロールモデル(3人)>

サビカスは著書『ライフデザイン・カウンセリング・マニュアル キャリア・カウンセリングの理論と実践』(遠見書房)の中で「カウンセラーがたった一つ質問ができるとしたら、それはロールモデルについての質問である。」と述べています。

サビカス ライフデザイン・カウンセリング・マニュアル──キャリア・カウンセリング理論と実践

Step1

あなたが6歳以前(もし思いつかなければ6歳以降のできるだけ早い時期でもOK!)にあなたが憧れていた人を3人(ロールモデル)、その特徴や理由とともに書き出しましょう。

Point1<留意点>

ロールモデルは憧れていた人の代わりに尊敬していた人でもよい。

実在しない人物でも、有名人でなくても、動物やアニメ・漫画のキャラクターでも構わない。

ただし、両親や家族以外の3人(ロールモデルは自律的に自己に同一化されたものとして取り込まれるが、両親や家族は他律的な影響として取り込まれているため)。

成長の途中でロールモデルへの意味やイメージが変化していった場合は最も早い時期に抱いていた特徴を書き出す。

Point2<ロールモデルの意味・示すもの>

ロールモデルは自己概念や中核的な人生のゴールを表す。

あなたの中核的な人生の問題に解決を与える可能性がある。

あなたの人生の苦境に対する暫定的解決を描き出しているあなた自身、またはなりたい自分を表している。

特に3人の共通の特徴に意味がある。

性格や特性・行動は、あなた自身の個性をもとにあなたが現在直面している問題をどのように解決していくかの青写真を示している。

自分のロールモデルを見つめることで自身の最も良いところが見えるようになる。

私の場合(ロールモデルと特徴)
  • アグネス・チャン(アイドル)

小さくてかわいい(見た目)のに海外からやってきて辛い顔をせずにニコニコ歌っている。

  • アルプスの少女ハイジ(アニメ)

小さな子どもで親がいなくて頑固なおじいさんのところに預けられたのに、毎日笑顔で元気にアルプスの 自然を走り、周囲に元気を与えている。

  • 魔法使いサリー(アニメ)

両親の反対を押し切って人間界へやってきた。失敗もするけれど魔法を使ってみんなの役に立ったり周囲を幸せにしたりしている。

たとえばこんなイメージです。

Step2

ロールモデルの“どんなところに憧れていたのか”を書き出してみましょう。

Point1<留意点>

同じロールモデルを選んだとしても、憧れていた特徴は人それぞれ。“あなたが”大切だと思っていた特徴を意識する。

多少事実とずれていても気にせずに(幼い頃の記憶の曖昧さは当然)“どんなところに”を考える。

Point2<特徴を表す言葉4つ>

ロールモデルの“憧れていた”部分を表現するとしたらどのような言葉を使うか?

それぞれ4つ以上、性質・思考・感情・価値観などの特徴を表す言葉を考える。

 

私の場合(どんなところに?)
  • アグネス・チャン

異文化の中で孤独感をみせずにいつもニコニコしていて一生懸命に歌っている。聴いている自分も笑顔になる。(異文化でも生き生き・笑顔がかわいい・一生懸命・元気を与える)

  • ハイジ

両親はおらず、環境も変化して寂しいはずなのに元気に笑って過ごしている。それがいつの間にか周りを元気づけている。自然と仲良く暮らしている。(違う価値観の環境でも元気いっぱい・感受性豊か・思いやりがある)

  • サリー

失敗しても怒られても故郷を離れ地球で暮らすことを選び、楽しく過ごしている。魔法を他の人のために使っている。(異世界でも楽しそう・めげない・自分で決める・明るい・思いやりがある)

 

Step3

3人に共通する特徴を探してみましょう。

特徴の共通点は、あなたにとってとても大切な性質であることを示しています。

あなたが人生で問題解決のために重要視している特徴や行動はみえてきたでしょうか?!

Step2で書き出した“特徴を表す言葉”や、あなたがロールモデルを思い描いたときに繰り返し出てきたイメージや使っていた言葉を参考にしてみてくださいね。

私の場合(共通の特徴)

異文化や多様な価値観、環境の変化を受け入れ楽しむ。

笑顔で過ごす。

自分ならではの方法・自分の個性で周囲を元気づけ・喜ばせる。

…ような特徴を通して問題を解決していく、というイメージの青写真がみえてきました

もうひとつはコレ! 質問2<雑誌・TV・ウェブサイトなど3つ>

次は職業上の興味を確認するために、現在のあなたの興味のある環境や活動の種類を特定してみましょう。

なんとなく選んでいるつもりであっても、好きで読むものや観るものなどからは、顕在化した興味(行動に表れる意志)の評価が可能です。

Step1

あなたが最も好きなa)雑誌、b)テレビ番組、c)ウェブサイトを3つ、理由とともに書き出してみましょう。

Point1<留意点>

まず好きな雑誌。3冊以上の雑誌が挙がればOK

雑誌名が挙がらない場合は次にテレビ番組。最後の選択肢としてウェブサイトを考える。

Point2<それらの意味・示すもの>

あなた自身の行動に表れる意志を確認することで、興味を明らかにしていく。

自分の価値観を満たすことができると信じる(魅力を感じる)職業環境に注目する。

顕在化した興味は将来を予測する上で信憑性が高い。

あなたのライフスタイルに適合した、あるいは好みの環境を示す。

職業興味やどんな環境で働きたいと思っているのかがわかる。

私の場合(雑誌など)
  • 雑誌「MOE」絵本専門誌

最近の絵本のトレンドや絵本展等の情報が掲載されている。子どもへの絵本だけでなく大人が読む絵本という視点もちりばめられている。

  • TV番組「踊る!さんま御殿!!」

さんまさんのトークが秀逸。様々な個性・多様な価値観や意見を持ったタレント達を相手に、笑いが絶えない。機嫌悪くなる人がいないように、上手に多様な意見を引き出しながらコメントをしている。

  • TV番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」

世界の様々な場所を訪問し、そこに住む日本人の生活を通して様々な生きかたや価値観、可能性を感じることができる。

 

 

Step2

好きな理由に注目し、特に何に惹かれているのかを明らかにしていきましょう。

Point1<視点>

テーマや内容に注目する。

“専門的な主題について深く掘り下げた情報か?”

“様々な主題が取り扱われている雑誌の場合、最も楽しみにしている、または一番最初に読む部分は?”

“どのような特徴があるため興味があるのか?”

“何があなたに訴えてくるか”

などの視点から好きな理由を考える。

Point2<ロールモデルとの関連>

ロールモデルを書き出した際に共通していると思われた特徴が、好きな雑誌やテレビ番組等のなかでどのように発揮されているかを考えてみる。

この時、興味を惹きつける場を4つの次元<働きたい場所・交流したい人・取り組みたい問題・活用したい方法>に沿って考えると、職業への興味がより明確になる。

私の場合(惹かれたこと)
  • MOE

絵本という専門性(大人は絵本に自分の経験や価値観を投影して読む場合が多く、同じ絵本<絵と簡潔なストーリー>から感じることは人それぞれ・多種多様)に興味があり知識を深めたい。

  • 「さんま御殿」

さんまさんの絶妙なトークから引き出されるその人らしさや多様な価値観を楽しんで聞ける。

  • 「世界の村で発見」

知らなかった世界の様子や生活・価値観を知ることができる。

これらから

  • 働きたい場・交流したい人々/多様な価値観と触れたり受け入れたりすることを重視している
  • 取り組みたい問題/ 価値観の多様性を受け入れながら自分らしく、笑顔で生きる
  • 活用したい方法/自分ならではの特徴・専門性を使い、関わる人や周囲を元気づける

という、職業興味が浮かび上がりました

この質問では、好きな雑誌やテレビ番組が同じであることもあります。

しかし、”好きな理由やどこに惹かれるのか”は人それぞれ、その人ならではでとても興味深いです。

まとめ

実際にされてみていかがでしたか?

私はふたつの質問を通して自問自答し書き出して、自己概念や職業興味を自覚することができました。

到達したい目標「これからの生きかたや仕事内容など自分らしくあるために大切なことを確認」に対しては、「自分ならではの専門性を磨き、異文化や多様な価値観を受け入れながら、その人らしく笑顔で生きていく応援ができる仕事をする」という気づきを得ました。

専門性についての手がかりは「絵本」「トーク(聴く・尋ねる・考えを伝える)」のようです。

あなたがふたつの質問をポイントに沿って自分に尋ねてみることで、ありたい自分の姿や目標、職業への興味への気づきやヒントを得ていたら嬉しいです。

2つ目の質問(好きな雑誌やテレビ番組)はその時期の興味によって変化していくと思います。

それでも何か”好き”の理由には共通点が源泉のように存在していると気づくことも多くあります。

私はそんな時、自分はいつでも細くても途切れない一本の糸で繋がっていることを感じ、自分に向き合えたような気がしてほっとしたりします。

道に迷い、どうしていいのかわからなくたったときには、自分のこれまでの経験や今の関心を丁寧に、ある一定のルール(たとえばここでお伝えしたような)に沿って見つめなおしてみるのもありではないでしょうか。

もちろん、NowJobで記事を書いているような国家資格キャリアコンサルタントと相談するのも、とても役立つはずです。

最後に 一篇の詩の抜粋をお届けします。

もっと自分を愛してごらん

もっと自分を愛してごらん

すると自分のいいところが見えてくる。

もっと自分を愛してごらん

すると人生という贈り物を

真摯に 感謝をこめて

受け取れるようになる。

(中略)

自分をありのままに愛してみたら

ふりかえることが できるようになった。

自分が混乱していたときのことを

闘っていたときのことを

かなしみに打ちのめされていたときのことを。

そして こう思うようになったのだ。

―それらもまた わたし自身の姿であり

愛するに値するものなのだ。

(中略)

もっと自分を愛してごらん

すると 自由の味が

さらに豊かにわかるようになる。

『親から子へ伝えたい17の詩』より抜粋 キム・マクミラン 河野万里子訳 双葉社

親から子へ伝えたい17の詩

最後までお読みいただきありがとうございました。

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国家資格キャリアコンサルタント/価値観受けとめカウンセラー。様々な社会とのかかわりの中で自分を見失うことがあり、心理学や健康法を学び始める。そして、感謝の気持ちや心からの笑顔のエネルギーがその人を満たすと、エネルギーは循環し、家庭平和・世界平和・宇宙平和へ繋がると確信。多様な価値観に触れながら自分らしく軽やかに生きるためのお手伝いをしています。絵本を使った大人のための気づきや癒しのワークショップ(絵本セラピーR)も開催中。










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