キャリアコンサルタント実技試験不合格体験記!【JCDA貴重な評価項目付】
キャリアコンサルタントが国家資格化され、合格率は平均的に学科試験約60%、実技試験約70%となっています。
一般的に考えても合格率約70%になると、それなりに学べば何とか合格するかな…と思ってしまいますよね。
でも、学科試験の約4割、実技試験の約3割は不合格となっているのです。
学科試験は正解が明確に分かりますので何とか乗り切ることができます。
ところが、実技はどうでしょうか…何がダメだったのか分からず不合格の結果だけで落ち込んでしまいます。
実は私は、国家資格化前のCDA資格の実技試験の不合格者でした。今から4年前の2015年です。CDA資格の実技試験、第46・47回と2度不合格、第48回の3度目で合格となりました。
いま現在、国家資格を受験されている方。これから受験予定の方にも知っておいてもらいたいことをお伝えしていきます。
キャリアコンサルタント@永居まき子のCDA資格実技試験2度の不合格体験をお伝えいたしますね。
この不合格体験を参考にして気持ちを切らすことなく前に進んでくださいね。
CDA資格試験とは
私が受験した当時は、キャリアコンサルタントが国家資格になる前だったので、JCDA(特定非営利活動法人日本キャリア開発協会)が実施していたCDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)資格試験をチャレンジしていました。
現在の国家資格キャリアコンサルタントと試験等が若干違うので、CDA実技試験について簡単に説明しますね。
CDA実技試験(2次試験)の特徴
今と同様インテーク面談の最初のロールプレイングとなり、その当時の実技試験時間は10分間、その後口頭試問約10分でした。
また、判定ポイントは次のとおりとなっていました。
◆CDAの基本コンセプトである経験代謝の理解を踏まえてロールプレイングが出来ること。
具体的な評価項目のポイント
項 目 | 割合 |
主訴・問題の把握 自己探索の支援 |
50% |
傾 聴 (非言語・言語表現・かかわり方) |
40% |
振り返り | 5% |
将来展望 | 5% |
その当時の2次試験の平均的な合格率は約40%、受験生の半分も合格しない状況。
現在のJCDAの評価項目
項 目 |
主訴・問題の把握 具体的展開 傾聴 |
振り返り 将来展望 |
変更になった評価項目は「自己探索の支援」が「具体的展開」になっている点だけで、大きくは変わってはいないですね。
JCDAにとっての「経験代謝」「傾聴」は以前から大切にしている点であり、評価項目にも変わらず組み込まれています。
カウンセリングを基本としてスタートした機関として譲れないところなんですね。
不合格者への講評
以前は、CDA2次(実技)試験の不合格者だけに届く講評がありました。
講評とは、ロールプレイの課題や試験委員からのコメントが記載してあり不合格者のみに届く結果通知です。
試験委員からのコメントが当てっているだけに、辛いものがありましたね。
具体的にはこんな感じです。
評価項目とかすごく参考になりますので要チェックです!
【第〇回CDA資格認定2次試験不合格者への講評】
今回は大変残念な結果をお知らせすることになり、心苦しく思っております。不合格者の皆様に、今後研鑽を積んでいただく上での方向性を掴んでいただくために、今回の不合格理由・改善点および試験委員からのコメントをお知らせいたします。
特定非営利活動法人日本キャリア開発協会
試験運営委員会
受験番号:〇〇〇〇 永居まき子 様
<講評>
ロールプレイの今後の課題
(今回あなたの行ったロールプレイの今後の課題に該当する項目にチェックをしています) □1.主訴・問題の把握:クライエントの問題を適切に把握するよう努める |
試験委員からのコメント
・クライエントの問題はきちんと把握出来ていました。しかし、その問題の背景に、クライエント自身が目を向けることが出来るような問いかけが出来て・・・・・・・ |
ここでもJCDAの拘りがわかりますね。
3~5まで全て「傾聴」で、「傾聴」をより詳細にした内容となっています。
国家資格になったからといっても、この「傾聴」ポイントは変わってはいません。
今後JCDAで受験される人は特に気を配ってくださいね。
CDA実技試験の不合格体験
冒頭にも記載しましたが、私はそのCDA試験の実技試験2度不合格となっています。
今だから話せる不合格体験をお伝えしますね。
第46回、初のCDA実技試験
当時は私の居住地の近県では受験会場がなく、名古屋会場まで行きました。前泊でした。
試験当日の朝、ホテルのロビーで、養成講座で一緒だった受験生数名と雑談で緊張を解し試験会場へ向かいました。
クライエント情報:大学秘書の契約社員の独身女性、70代の両親と同居。
来談目的:次回の契約更新はないと言われこの先どうしたらいいのか。
すごく緊張をしたわけでもなかったのですが、なんとなく終わっていったという感じでした。
試験終了後は、同じ養成講座の友人と試験の情報交換をしましたが、その彼女との情報交換で、あっこれはダメだったなぁ、と即わかりました。
その彼女と私の大きな違いは、クライエントの事象を明確に捉えその時の心情をしっかりと理解しているという点でした。クライエントの事象・心情等、10分間で理解したクライアントに関する情報量は、その友人がはるかに多いということです。
といえども合否結果が届くまでは、1%の可能性があるのではと思いながらどこかで諦めきれない自分もいました。が、結果は不合格、ダメだと思っていてもショックはありました。
その当時、不合格通知には評価者のコメントがありそれが結構厳しい内容で「キャリアコンサルタンを役として演じている」等々、このコメントでより一層気持ちが落ち込みましたね。
第46回CDA実技試験不合格からの切り替え
CDAの学科・実技試験の一発合格は厳しいということは聴いており、一緒に養成講座を受講していた受験生の結果は、うろ覚えですが、次のようだったと思います。
・1次試験(学科試験)合格者は受験した人9名うち7名(約80%)、そのうち2次試験合格者が7名中3名(約40%)、1・2次トータルで考えると、一発合格者は9名中3名(30%)でしたね。
気持ちを切り替えることが出来たのは、一緒に養成講座を受講した仲間のお陰でした。
不合格だった仲間数名と講評を持ち寄り、実技試験の自分達の不出来を全て棚に上げ、その時の実技試験での様子、試験委員からのコメント等々思っていることや不満をお互い言い合いました。
例えば、
「え~っ、傾聴してたって…経験代謝もしたつもりだけどぉ~」
「コメントでさぁ…ここまで書かなくてもいいでしょう、なんか人格否定みたい…」
「第45回の人も言ってたよね、実技を2度3度受験している人は珍しくないよって…」等々。
今では笑えるくらいですが、まぁ、思っていることをスッキリと散々好き勝手を言っていましたね。
でもその時間があったことで、悔しい思いをしているのは私だけではない、また一緒に頑張りたいという気持ちで前向きになり、切り替えることができました。
その後地元でロープレ練習を開始、その時一緒に練習していた知人から多田塾を紹介してもらい、多田塾を受講するきっかとなりました。
第47回2度目のCDA実技試験、散々な結果に
2度目の実技試験、地元で一緒に練習をした友人が大阪会場を選択したことで、単純に同じ会場でと大阪に変更しました。
試験会場へ向かうと、クライエントは中年の男性、「アッ、男性のクライエント…あまり練習相手ではいなかったなぁ」と少し苦手意識はありました。
試験スタート。ここで私の記憶は徐々に無くなるという、今までにない経験をしてしまいました。緊張は無かったのですが、クライエント情報、来談目的は、全く頭に残らないという感じです。クライエントは話を進めるのですが、私の中では「アレ、このクライエントさん、最初の来談目的ってなんだっけ…」と話している言葉が全く頭に残っていないのです。
頭の中を例えるとこんな感じでした。
砂を握りその掌を広げたとき、指の隙間から砂がこぼれ落ちる、というような、クライエントの話が掌の砂のようにサーッとこぼれ落ちていく感じでした。
あっと言う間に10分は過ぎ、口頭試問は何を聴かれ何を応えたのかも全く覚えていない状態でした。
ということで2度目の実技試験は散々な結末で呆気なく終わりました。大阪からの帰りは電車で一人だったこともあり、実技試験での不甲斐ない自分が情けなくて年甲斐もなく大泣きして帰りましたね^^;
第47回CDA実技不合格からのモチベーションアップ
結果は当然不合格、この時はサスガに1%の可能性も期待も無かったですね。
評価者のコメントは「クライエントの話を丁寧に聴くように…」という内容が記載してあり、当然だと思っていました。
暫くはキャリコンについて誰とも話はしたくない心境で、キャリコン仲間のグループラインには、試験の様子も全く伝えずにいました。
どうしてあんな状態になったのかと、かなり気持ちは落ち込みました。
時間の経過とともに一緒に大阪で再受験した友人と話をしたり、試験での自分の状況、あんな状態の自分もいることを徐々に受け入れられるようになりました。
地元のロープレだけのフィードバックでは整理出来ないことは十分わかっていたので、再度多田塾に申し込み、その時点で定員一杯だったのですが、クラスの増設があり何とか受講できました。
その多田塾での講義終了時での先生の言葉。
「実技試験まで暫く時間があり、他の人とロープレをしたりフィードバックを受けたりすることがあると思うけど、多田塾でのフィードバックを迷わず信じて実行してください。」
「試験は水ものです。クライエントさんとの相性もありますから、万が一ダメだったとしてもサラッと受け止めて次回頑張ろうと思ってください。」
今も心にシッカリと残っています。
また、地元以外の練習会で知り合った受験生とスカプ練習を何度も繰り返し、この練習がとても励みになりました。お互いに同じ先生に習ったこともあり、フィードバックが腑に落ちる感じでした。
この時点でモチベーションはかなりアップし絶対に頑張りたいという思いが強くなりました。
第48回3度目のCDA実技試験で合格
前回のリベンジで迷わず大阪会場で申し込みをし、当日は同じ大阪受験の地元の友人と会場近くのホテルで5分程度のロープレ練習をして待機をしていました。
その5分程度のロープレ練習では、良かった点のみフィードバックすることにし、いいイメージで試験会場に入りました。
試験スタート。クライエント情報:証券会社勤務,人事課長48歳女性、夫(○○会社,管理職,50歳)、義母81歳。
来談目的:義母が転んでしまい家事は出来る状況だが、これを機会に仕事を辞めようか迷っている。
多田塾で教わった介護と仕事が頭をよぎり、教えてもらったことを気にかけながらロープレを進めていきました。
口頭試問は落ち着いて応えることができたのですが、ロープレは立体的視点で捉えられず今回もダメだったなぁと思っていました。
この時は、前回のようにクヨクヨしていても何も始まらないと思い、自分の気持ちの整理するため、ダメだったこともシッカリと認めるために、試験終了後即先生にメールをしました。試験での様子や今回のロープレも手応えがなく難しい状況など伝え、次回の多田塾の仮申し込みをしていました。
約1ヵ月後結果通知が届き合格できました。
素直に心底嬉しく、協力してもらった友人や多田塾での教えに只々感謝でしたね。
気持ちの立て直し方
今回の不合格体験で、気持ちの立て直し方として自分がとった行動を再度纏めてみます。
⇒落ち込んでいる時は、自分の気持ちに正直になり無理をしない。
②47回では今までにない自分の状態を時間をかけて受けいれた。
⇒時間の経過とともに、出来ない自分をゆっくりと見つめ認める。
③46回、47回どちらも励ましてくれる友人いた。またフィードバック等教えの言葉を素直に聴
⇒試験は一人、でも決して一人ではなく周りに応援してくれる人がいる。その言葉に素直に耳を傾ける。
まとめ
「不合格」仮に出来ていなかった自分がいても受け入れ難いですよね。
でも、この経験を自分のなかでどう活かすかで、人としての幅が広がるか否かです。
正直なところ、仮に私が一発で合格していたら、人に対する支援をここまで深く考える機会を得ることはなかったと思っています。
“過去は変えられないけど未来は変えられる”
私はこの言葉は言葉足らずだと思っていますので、ひとフレーズ付け足しますね。
“過去は変えられないけど、過去の失敗を捉え直すことで、未来は変えられる”
気持ちを立て直す時間は必要で人によりそれぞれ違います。
心をいつまでもそこに留めずに、失敗を前向きに捉え是非一歩進んでくださいね。
私は常にあなたにエールを送ります!