転職活動で内定保留は危険?返事を延ばして内定取消になった実録

こんにちは、キャリアコンサルタントの@上岡愛です。
転職活動をされている人の中で、一度に複数の企業に応募する人は多いと思います。転職したい!と決心してから、できるだけ早い期間で次の会社で働くためにも、複数応募は効率的で良い手段。
でも一方で、複数応募したことで発生する悩みも出てきます。
一番多いのが、複数応募した企業の中で、優先順位が低いところから内定をもらえたが、第一希望の企業の採否結果はまだ出ていないというケース。
こんな時「内定を保留(延期)したい!!引き伸ばしたい。時間稼ぎできないかな」と思いますよね。
でも保留して一番怖いのは、せっかく内定をもらったのにそれが理由で取り消されてしまい、そのあと結局第一志望に受からなかった場合。
そんな恐怖を伴う「内定保留」について、実録も踏まえてお話をしていきたいと思います。
内定保留するのは可能?注意することってありますか?
結論から言うと、内定を保留するということは珍しいことではなく可能です。
企業側がたくさんの応募者の中から採用者を決めるのと同様、応募者も複数の企業に応募し、熟慮した上で一つの会社に入る意思を固めるということは担当者も何となくは分かっていることです。
しかし企業側がそれを分かっているからといって、そのままそれが理由だというのを伝えてしまっては身も蓋もありません。
内定を保留する時の注意点
内定を保留する際、注意しなければいけない点がいくつかあります。
内定を保留する会社に対し誠意を持って対応する
先方にこちらの都合で返事を待ってもらうということを念頭におき、行動するようにしましょう。
保留する会社への優先順位が低い、熱意がないと思われないよう注意を払う
先ほど、企業側は応募者が複数応募していることは想定内と述べましたが、だからこそ「他に優先順位の高い会社があって、うちはすべり止めなのでは?」という疑念を抱かれかねないのです。
「決して優先順位が低いわけでなく、真剣に入社を検討し、熟慮している」ことを示すようにしたいものです。
内定保留できる期間(返事を待ってもらえる期間)はいつまで?
長くても1週間をめどとすると良いでしょう。
先にも述べましたが、保留するにあたり、一番心に留めておくべきことは「返事を待ってもらう企業に誠意を示す」ということです。
期間を引っ張りすぎてしまう=どっちつかずで曖昧な態度を長く取ると、結局辞退する際にかなり気まずくなります。
また、保留後入社するケースでも、内定をすぐに承諾せず、なかなか決断しなかったという負のイメージがつきがちに。
「入社する、しないで何だったか、面倒くさいことがあった人ね」なんて印象を持たれるのって、イヤですよね。
内定保留希望の連絡はメールじゃダメ?
内定を保留してもらいたい、というのは言いづらいことです。電話して直に話すのは怖いことかもしれません。
ネット上では「メールで知らせても構いません」という記事もあります。さらに、ご丁寧にもメールで内定保留をする際の例文まで掲載されていたりします。
でもせっかくあなたを採用すると言ってくれた会社です。
面接を担当してくれた社員の方も、あなたのために時間を割いてくれていたことを考えると、私は言いづらいことこそ、電話で伝える方が誠意が伝わると思っています。
やむを得ずメールをする場合は?
とは言え、メールで伝えなければならないケースも。
それは複数回電話連絡を入れても担当者が不在の場合や、何日か不在の場合などです。
内定を保留するという意向は、先方にすぐに伝えなければなりません。
担当者へあなたの保留の意思が伝わらないまま何日も過ぎ、会社側はすっかりあなたが入社するものと思っていたところに「少し返事を待って下さい」の連絡が入る、想像しただけで印象が悪いというのがわかります。
そういった場合は、まずメールで先方に内定を保留してもらいたいというお願い連絡をし、後日担当者がいそうな時期を見て電話でフォローアップすると印象が悪くなるのを防ぐことができます。
内定保留するときの理由はどうする?上手は伝え方!
保留したい連絡を入れた際、先方から理由を尋ねられた場合、何と返答すれば良いか迷うことがあると思います。
基本は、嘘偽りなく誠意を持って伝えることが一番大事です。
内定の返事を待ってもらうための理由一例
家族と相談し、熟慮を重ねたい
すでに結婚し、家庭を持たれている人向けです。独身の人が家族と相談と言ってしまうと、「いい大人が家族(親)に相談するなんて」とあまり良い印象になりかねませんのでご注意を。
今後長くお世話になる会社なので、よく考えてからお答えしたい
他の会社と比べて、ということを決して匂わせるような言い方をしないようにしましょう。
あくまで「貴社への入社へ向け真剣に考えている」からこその熟慮、ということを印象づけるようにして下さい。
内定保留して内定取消しになるケースってありますか?
内定を保留することで心配なのはせっかく出た内定が取消しになること。
そんなことって実際あるのでしょうか?
あるんですよ!実際私の知人でそんな人がいました。
@上岡愛の身近で起きた内定保留からの取消し
知人は大企業で優秀なエンジニアをしていました。
開発した製品の売り上げは100億円以上、再就職支援のエージェントを利用し、転職活動をしていたところ、比較的早い段階でA社から内定が出ました。
ただ、知人の第一希望は同時進行で応募し、まだ結果が出ていなかったB社でした。
A社は提示された年収が希望年収を少し下回っていたからです。
早めに内定が出て安心したこともあり、知人はいつまで、というのは言わず「少し待ってほしい」、「提示された年収が希望より低い」ということをエージェントを通じ、A社に伝えました。
しばらく日が経ち、しびれを切らしたA社の担当から「うちの会社を他の会社と天秤にかけ、下に見ているような印象を受けた」いうことで内定を取り消したい、とエージェント担当者に連絡があったそうです。
知人はA社に対し、入社する意思が低かったわけではなかったため、慌てて「そんなことはない」と連絡するもあとの祭り。
返事を待っていたB社も結局不採用通知が来て後悔することになりました。
まとめ
いかがでしたか?今回は転職する際につきものの悩み、内定保留。
本音は優先順位が他より低い、もっと他の会社と見比べたいからかもしれません。
しかし保留する会社で働く人たちは、そこでの仕事に誇りを持っておられます。
あなたのちょっとした言い方一つで印象が悪くなることも。
もしかしてその会社には入社しないかもしれない。だけど、他の会社に入社した時に、辞退した会社がお客さんになることだってあるかもしれません。
今の時代、応募した人の個人情報を外に漏らすことはないでしょう。
でも、究極の話で言うと、辞退した会社の担当者が、第一希望の会社の担当者と学生時代の親友で、たまたまプライベートでの酒の席などであなたの話が出る、いう偶然も絶対ないとは言い切れないです。
縁あってこのサイトを見て下さっている人は、どんな時にでも、社会人として恥ずかしくない態度でいて欲しいと願っています。