【値下げ要求、優柔不断、批判的】苦手・嫌いなお客様と上手く付き合う方法
「あのお客様は苦手なんだよな…今日の商談は気が重い~」
「営業だから、『お客様を好きになって良好な関係を築くとよい』と言われるけれど、どうしてもあのお客様だけは生理的に受けつけない!」
苦手なお客様、いませんか?
わたしはいました。
- 値下げ要求しながら「取引止めてもいいよ」と脅す人
- 何でも否定、批判する人
- すっごく優しかったと思えば、次に会ったときは機嫌が悪くて怒鳴る人・・・
でも、苦手で嫌いなお客様がいても気にすることはありません!!
お客様の態度を変えることはできませんが、自分の対応・態度・考え方を変えることで気持ちがラクになりますよ!
今回は苦手・嫌いなお客様と上手く付き合う方法を現役営業マネージャー&国家資格キャリアコンサルタントの青木静がお伝えいたします!
青木静のプロフィールはこちら☟☟☟
苦手・嫌いなお客様がいてもいい
苦手、嫌いなお客様がいることは自然なこと
米国の臨床心理学者カール・ロジャーズ(Carl Rogers)は人間関係の法則として「2:7:1の法則」を提唱しています。
10人いたとすると
2人は気の合う人、無条件で賛成してくれる肯定的な人
7人はどちらでもない人
1人は気が合わない人、何をしても反対する否定的な人
この法則が、人間関係の原理原則としてあるので、苦手なお客様、嫌いなお客様がいても当然のこと。
誰にでもある、当然のことなんだと思ってまずは自分の気持ちを受け止めましょう。
とはいえ、特にBtoB営業の場合は自分でお客様を選ぶことが出来ないもの。
自分の態度や対応を変えることで、苦手・嫌いなお客様と上手く付き合う方法を探ってみませんか?
苦手・嫌いなお客様と上手く付き合う方法
苦手ポイント1:話が長い=時間の主導権を自分が握る
お客様の話が長くて次のアポイントに遅れた!ということはありませんか?
アポイントの遅刻は営業マンとして厳禁ですし、1日の商談件数を増やすためにも極力時間の無駄は省きたいものです。
わたしは商談時間を30分~1時間を目安にしています。
30分以下だと深堀り出来ず、1時間を超えると自分の集中力が切れてしまうからです。
毎度商談時間が長くなるお客様対処法
- 今日の商談で確認したいことを箇条書きでまとめておく
- 「今日は1時間(30分)くらいお話しできればと思いまして~」と商談の冒頭でさりげなく商談時間を伝える
- 商談時間を超えてお客様の話が長くなりそうだなと思ったら、メモを取っているノートや手帳を閉じて終了間近のシグナルを出す
- 「まだまだお話を伺いたいのですが、次のアポイントがありまして、次回ぜひ続きを聞かせてくださいね!」と自分から商談終了を切り出し、本日の商談内容をまとめ、次回のアポイントをとる
自分から商談終了を切り出すことに抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。「お客様の気分を害してしまったらどうしよう…」とか、「他のお客様を優先していると思われないかな…」とか。
しかし、お客様も、あなたが自分以外にお客様を担当しているということは分かっていますし、ダラダラ時間を費やす営業員よりタイムマネジメントできる営業員の方が信頼できます。
まずは今日の商談時間(30分?1時間?)を伝えることから始めてみてはいかがでしょうか。
苦手ポイント2:値下げ要求が多い=誠意をもって断る
商談のたびに値下げを要求されたり、他社から見積もりを取って「1円でも安い方を選びます」と言われたことはありませんか?
「値下げ」要求に全く応じない!というわけではありませんが、「値下げ」は利益を削ることになるので慎重に判断しなければなりません。
会社は粗利益から新商品の開発費用、サービス向上のための施策費用、あなたの給与を支払っています。
一つの商品の値段には、“モノとしての価値”と“サービス(情報、提案)としての価値”が含まれています。“サービス(情報、提案)としての価値”は“営業の価値”ともいえるでしょう。
あなたはあなたの“営業の価値”を感じていただけるように、それまで一生懸命提案をしているわけです。簡単に値下げに応じて、自ら自分の価値を下げる必要はないと、私は考えています。
誠意をもってお伝えします。
部下から値下げの相談があったときは、上記のようにお客様に伝えるように話します。普段からお客様と良好な関係が築けていれば多少他社より高くても買っていただけます。
もし取引がなくなるようなら、それは仕方ありません。
おそらく、その会社は他社にも値下げ要求をしているので売上も厳しいのでしょう。
そのような会社と取引を継続して、回収できなくなることの方がよっぽどリスクが高い。継続的にお取引できるお客様を大事にしていきましょう。
苦手ポイント3:結論が煮え切らない=お客様に返答期限を決めてもらう
提案すると、「いい商品ですね!(いつから使うか)考えておきますね。」と言われたことはありませんか?
前向きな反応なのに、結局いつも成約に至らない、はぐらかされる感じのお客様。
社内調整が必要なお客様:返答期限をお客様に設定していただく
お客様に期限を決めていただくと、言ったことに責任を持ち、返答をもらいやすくなります。
ただ注意しなければならないのは、返答期限が長ければ長いほど、成約になりにくいということ。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによると人間の記憶は時間の経過に伴い思い出すのに時間がかかると言われています。お客様の案件に対する優先順位も下がり、時間とともに忘れ去られてしまいます。
できれば3日以内に返答をいただきたい。
社内調整で1週間以上かかる場合には、その理由を確認し、3日~1週間以内に最低でも1回は連絡を取り、案件の確認を促します。「例の件、ご返答お待ちしておりますね!」
お客様が単独で判断できる場合:商談翌日に後追いの電話
翌日、まだ記憶に残っている段階でお礼と結果を確認します。
そして結果が採用でも不採用でも、その理由を確認すること。
理由を確認すれば次回の提案に向けたヒントを得ることができますよね。
苦手ポイント4:反論・批判ばかり言う=まずは受け止める
ああ言えばこう言う、何かにつけて批判ばかり言うお客様、いませんか?
こちらの伝えたいことが伝わらず、わたしはイライラしてしまいます(笑)
そんなときは、わたしはイライラする自分を一旦脇に置き、お客様の意見を善悪・好き嫌い判断抜きで「お客様はそう思っているんだ」と一旦受け止めるように心がけています。
「そうなんですね~」「そうですよね~」「そういうこともありますよね~」
否定意見の中に、お客様が大切にしている考え方や提案に繋がるヒントがあるはずです。
まずは受け止め、傾聴すること。
傾聴のポイントについてはこちらのブログをご覧くださいね。
老人ホームに営業に行った時のこと。
担当栄養士さんに入所者様向けの味付け魚の提案をしたところ、否定的な反応。「お魚は2日に1回は出すけど、これは使えないね~。原価が上がるし、味付けも好みではないよ。」
と。確かに、自分のリサーチ不足だったと思い、しばらく話を聴くこと10分。
入所者の「好き嫌い」の話題から、栄養士さんの「好き嫌い」の話題に。その方は「鶏肉が嫌い」ということが判明。
その日は、「老人ホームで鶏肉は1週間に3~4回使う食材なのに、栄養士さんは嫌いなんだ~」と思いながら帰りました。
翌月、鶏肉メニューはよく出されるので、その提案と試食品を持って訪問。
挨拶したあと、「○○さん、鶏肉嫌いだと思うのですが、今日は鶏肉メニューの提案で、、、すいません、、、」と伝え商談を始めました。
後日知ったことですが、栄養士さんは「鶏肉が嫌いなことを覚えててくれた!」と大変感動され、取引を増やすようにしたそうです。
お客様の否定・批判意見の中にも商談に繋がるヒントが隠されています。
ただ、時間は有限。毎回毎回ずーっと話を聴いて商談時間が終了するのは勿体ないこと!
時間の主導権は自分で握りましょう!
苦手ポイント5:言うことがコロコロ変わる=書面に残す
「あれ?聞いたことと話が違う!?」商談中に感じたことはありませんか?
先方も組織であれば、会社の方針が変更になって末端担当者から頼まれていたことが変更になる、なんてことはよくあります。
でも、担当者と打ち合わせしたはずなのに、どこで認識がずれたのか、こちらの提示条件と相違があった場合、、、大きな損害に繋がってしまいます。
ある総菜加工メーカーのOEM商品を新規受注することになったときのこと。
受注にあたって、こちらの製造条件を打ち合わせで説明しました。
お客様専用商品として製造するので、全て買い取っていただかなくてはなりません。
1回の製造量、使用していただきたい月間使用量、いつまで使っていただける商品か。
諸条件を確認し、製造に取り掛かりました。
いざ、初回発注があり、無事の納品できたと安堵していたのもつかの間。
あれれ??予定より月間使用量が少ない、、、このままいくと、賞味期限内に使い切っていただけない、廃棄処分になってしまう!!!
担当者に事情を確認したところ、「徐々に使用する量を増やすので、現時点では月間使用量は満たせません。」
打ち合わせした時と違うじゃん!!
結果、初回製造品の90%を廃棄処分することになりました。
会社に大きな損害を与えてしまったことは言うまでもありません。
日頃のOEM商品の商談も口頭でのやり取りで、書面にして説明することはしていませんでしたが、言うことがコロコロ変わる人向けに対策を考えていなかったことを猛省しました。
大事なことは書面に残す、書面で説明することで「言った、言わない」のトラブル防止に役立てたいものです。
苦手ポイント6:気分の変動が激しい=自分の気持ちは一定に保つ
「今日は機嫌がいいな~」「今日は機嫌が悪いな~」日によって気分の変動が激しいお客様、いませんか?
お客様の気分や機嫌に振り回されては自分自身が疲れてしまいます。
そんなとき思うようにしていること。
夫婦喧嘩でもしたのかな~?この人も家の中ではきっと“いいお父さん”なんだろうな~
機嫌が悪いのには何か理由があり、その理由は意外と自分の機嫌が悪くなることと一緒だったりするかも。
私はお客様の家族をイメージするとほっこりした気持ちになり、自分の気分が和らぎます。
仕事以外の場面でも、相手の態度によって感情を左右されない自分なりの対処法をもつことは大いに役立ちます。
例えば私の夫。高速道路で後続車があおってきたときは「きっとものすごくトイレに行きたくて焦っているんだ!」と思うようにしているそうです。
トイレに行きたくて焦る気持ち、とても共感できますよね(笑)あとはその車が追い抜いてくれるのを待つだけ。
自分に都合のよい考え方をするだけで、気持ちを安定させることができます。
くすっと笑ってしまうような、心が和む都合の良い考え方を見つけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました!
苦手、嫌いなお客様がいて当然。
対応方法や考え方を変えることで、少しでもあなたの気持ちがラクになるといいです。
あなたが生き生きと営業職を楽しめますように。
あおきしずかはあなたを応援しています☆彡