音大卒でプロを諦めるタイミングやその後就職や将来はどうなるの?知っておくべき5つのこと

この記事は、プロの演奏家を諦めた方に、就職という選択肢を考えていただくための手引書です。
私は市民オーケストラを中心に、これまで70名以上の音大卒や音大生と一緒に演奏してきました。
音大卒と接していると「今からでも一般の会社に就職できますか?」と相談を受けることがあります。
少し準備が必要ですが、もちろんできます。
私が実際にアドバイスした音大卒の一人は、36歳で飲食店のアルバイト卒業を決意。現在は契約社員としてIT系の会社でデータ加工などの事務作業を行いながら、週末はオーケストラや中学校の吹奏楽部へ指導に行くなど音楽活動を続けています。
仕事が正確なうえに、休ますマジメに勤務するので、とても重要な人材として認められています。
- 一応、フリーランス演奏家
- アルバイトで生計を補っている
- 30歳を過ぎて将来が不安になってきた
- アルバイトを卒業して安定した収入がほしい
- でも演奏活動は続けたい・・・
そういう音大卒には、土日祝がお休みの事務系のお仕事で働くことをおススメします。
事務系は身体への負担が少ないのでコンディションを整えやすく、土日祝休みで演奏活動の計画も立てやすいからです。収入もバイトより多くなるでしょう。
事務というと女性に大人気の職種ですから、アルバイトしか経験のない私が就職できるわけないと思いますよね?
たしかに、いきなり正社員はむずかしいです。
そこで、最初は「準社員」や「契約社員」をねらいます。目標年収は250万円。年齢はあまり関係ありません。ただし「ITスキル」は必須です。
ここでいうITスキルとは、パソコンでエクセルが使えること。「エクセルを使える=かなりパソコンが使える」という評価になります。そういう事務員さんを必要としている職場は意外とあるのです。
エクセルを使えるようになるためには訓練が必要です。といっても、習得に必要な期間は3ヶ月ほど。費用も5千円くらいの話です。
ただし、「仕事が本業」「演奏は副業」という意識の切りかえは必要ですよ。
「そこだけは譲れない・・・」ですか?
これまで膨大な時間とお金を音楽に費やしてきたわけですから、普通はそう思いますよね。
音大進学を諦めて就職してもプロを諦めきれなかった私のその後
勘違いはつづく
私は高校3年の夏までクラリネットで音大を受験しようと準備を進めていました。プロオケのクラリネット奏者になりたかったのです。
経済的理由で音大受験を諦めましたが、その後も楽器のレッスンだけは続けていたので、音大を卒業していない一般人としては、そこそこ吹けるほうでした。
師事していた先生は「あと5年早ければ、専門家になれたよ」といつも言ってくれました。また一般向けのアンサンブルコンテストで優勝した時は、著名なクラリネットの先生に「あなたは日本に居るのはもったいない。ドイツへ行くべきです」というコメントを頂きました。
”もしかして、自分には才能がある?” そう思うと「自分の可能性をとことん追求したい、挑戦したい」という気持ちが強くなります。
仕事をしながらも考えていることは「どうすればもっと上手くなれるか」ということばかり。
個人レッスン、公開レッスン、オーケストラ、室内楽、ソロなど、とにかく時間とお金の許す限り楽器が上手くなることに注力していました。
「音楽が本業」「仕事は副業」と本気で考えていたのです。
本業への反動で転職5回
理想の仕事、つまりプロ演奏家ではない現状に対して、自己実現できていない反動が本職にでてしまいました。
- 農協
- 会計事務所
- ソフトウェア開発会社
- パソコンサポート会社
- 損害保険会社の営業
- ITサービス会社(今ここ)
このように、34歳までに5回も転職しました。現在51歳で、6社目の会社にいます。
今の会社に転職してからも思考は音楽中心のまま。あっという間に50代の、万年ヒラ社員です。
周りが課長や部長になっていくのを呆然とみているのは惨めなものです。
いま振り返ると、30代~40代にもっと本業の仕事に役立つ勉強しておけばと反省しています。
少しばかり上手かったのが不幸、どちらも中途半端な結果になってしまいました。
音大卒がプロ諦めて就職を決断するタイミングは?
自分らしい働きかたとはなにかを考える
プロオケに所属する、プロの音楽家として働くのが自分にとっての理想でした。
しかし実際には、妻と、大4、高3、小5の家族5人が生活していくための収入が必要です。家族に最低限の生活はさせてやりたいというのが最優先です。楽器を続けるのはその次。
そのためには、理想の仕事とは程遠いけど、家族の生活のために働くというのが自分らしい働きかたなのかなと思っています。
なにか夢がないような話ですが、まずは目の前にある現実を受け入れるしかありません。
環境や人のせいにして現実から目をそらし続けても、後々後悔するだけです。私が何度も転職してしまったのが良い例です。
ブログやYoutubeで稼げる時代
ブログのアフリエイトやYoutubeなどネットだけで月に20万円とか、多い人だと100万円以上稼ぐ人もいます。
現在はネットがあれば自分の好きなことをやって生活できる時代であると言えるでしょう。
音楽家としてプロの道を歩もうとしていた皆さんにとっては、その方がイメージしやすいかもしれません。
それを目指すことは否定しません。むしろ、私もそこを目指したいと思っていますし、そのためにコツコツと情報を集めたり自分が出来そうなことを研究しています。
それでも、この記事では、会社などの組織に属して従業員として働くことを前提にしています。
なぜなら、既にネットで十分に稼いでいる人であればこの記事を読む必要がないからです。
また、フリーの演奏家として食べていくことが難しいと感じている皆さんであれば、すでに私以上にネットの可能性を調べていると思います。
その結果、ネットで稼ぐのはそう簡単ではないという結論に達しているのではないかと思います。
決断は早いに越したことはないが遅すぎることもない
在学中の音大生が最初から就職の道を選ぶのであれば、一般の大学生と同じように就活を行い一般の企業に正社員として就職していきます。
第二新卒と言われる人たちも、音大卒でも一般の大学卒業生と同じように転職活動を行って一般の企業に正社員として就職します。
正社員と非正規との年収の差は、約300万円もあるという統計があります。(年収ガイド:正規・非正規の収入格差)
35歳までなら、正社員として就職できる可能性は高いと言われています。私が最後に転職したのも34歳の時でした。ギリギリセーフです。
35歳以上の場合、特にアルバイトしか経験のない音大卒には、「準社員」「契約社員」として一旦就職して、それから正社員に昇格するなり、単価アップを目指すのがおすすめです。
ITスキルがあれば、40代でも50代でも「準社員」「契約社員」として就職することはできます。
正社員にこだわるよりも、バイトを卒業して就職すること、土日祝休みの職場をえらんで演奏活動を続けるということを優先するのが良いです。
収入アップは、あとから着いてくるのです。
音大卒がプロ諦めたら将来どうなる?
就職と演奏者は両立できる
この記事でおすすめしている就職は、演奏活動との両立を前提としています。
一度楽器を置いてしまうと、その後もとの状態に戻すには相当な時間と労力が必要です。実際にそういう音大卒を何人も見てきました。私なんかに言われなくてもよく分かっていらっしゃると思います。
では、一日朝から晩まで働いて、どうやって演奏活動を続けるのか。
私の考えるポイントは、選ぶ職種です。
土日祝が休みで、事務系の職種です。
そこをあまり考えずに、時給が高いとか、採用されやすいなどの理由で就職先を選んでしまうと、とたんに両立が難しくなってしまいます。
私のまわりにも職種の関係で思うように演奏活動ができずに悩んでいる人が何人かいます。
逆に職種を正しく選択している人は毎日練習を行い、演奏活動も自由に行うことができています。
私の5回の転職経験からおすすめする職種は、このあと「5-2」でお伝えします。
ふつうに働きながら国際コンクールで優勝したピアニストもいる
これはもう驚きです。音大を卒業と同時に新卒で一流企業に就職し、激務をこなしながら東京で開かれた国際コンクールで優勝したピアニストがおられます。
アマチュアの部とかではなく、音大生やプロの音楽家が出る部門での優勝です。残業が多いので平日は練習できず、土日に集中して練習されていたとのことなので、さらに驚きです。
就職したからといって演奏家としての道を諦める必要はまったくないのです。
毎日練習を続けて状態をキープする
土日に集中して練習するタイプもいれば、土日の合わせや本番に向けて毎日練習が必要なひともいるでしょう。
毎日、仕事から帰ってきてから練習する。ここが就職する場合に一番のネックになることだと思います。
私は実家暮らしの時は吹き放題でしたが、結婚して引越ししてから練習する場所に困るようになりました。結果的にマンションに防音室を入れることで落ち着きましたが、色々試した結果をお伝えしましょう。
No. | 形態 | おすすめ度 | メリット | デメリット |
1 | 防音室 | ◎ | 24時間いつでも自宅で練習できる | 投資額が100万円単位 |
2 | カラオケルーム | ○ | 比較的費用が安い。仕事の帰りに寄れる | 音色をきたえることはできない |
3 | 楽器可の物件 | △ | 自宅で練習できる | 音だしは10時~21時までなど制限がある |
4 | クルマの中 | △ | 費用がほとんどかからない | クルマをもっていないとできない |
5 | ふとんの中 | × | 費用がかからない。自宅で出来る | 暑すぎる |
6 | 公共の練習室 | △ | 広い。比較的安価 | 毎日取るのはムリ |
7 | 民間の練習室 | △ | 広い | 費用が掛かる。毎日取るのはムリ |
防音室
一番のおすすめはなんといっても防音室です。100万単位の出費になりますし、部屋も狭くなってしまうので覚悟は必要です。
私のマンションは簡易防音の部屋があり、入居して2~3年は問題ありませんでした。しかし下の階のお嬢様が受験を迎えてから苦情がくるようになり、やむなく2.5畳の防音室を入れることに。
元々広い間取りではないので、さらに狭くなり家族の居住スペースがかなり限られてしまいます。
ちなみに、設置場所の天井に梁(はり)があって、ヤマハのアビテックスを入れることができませんでした。
そこで兵庫県西宮市にある新響楽器という楽器店オリジナルの防音室を入れました。
入れましたというか、部屋の中に防音室を建てました。2.5畳で120万円くらいでしたから、同条件のアビテックスの半額くらいでした。
それでも、できればアビテックスが良いと思います。それは、不要になればアビテックスは分解ができて売ることができるからです。
会社の寮に入っていたときは中古のアビテックスを22万円で買って、寮を出る時に4万円で引き取ってくれました。性能もおすみつきですし、値は張りますが防音室はアビテックスが一番良いと思います。
そこまでして毎日練習なんて・・・と思いますよね。本当にそうです。
カラオケルーム
次におすすめなのは、カラオケルームです。
私は単身赴任の約2年間、毎日カラオケに通った経験があります。毎日です。
毎日クラリネットのダブルケースをもって仕事に行き、帰りにカラオケによって1時間練習してから家に帰るというパターンです。
東急目黒線の武蔵小山駅近くにあるカラオケルームでVIP会員になって、1時間250円程で借りられたと記憶しています。
府中に単身赴任していた時は、シダックスに毎日通っていました。クーポンを使うと1時間300円くらいに収まります。シダックスがどんどん縮小されていくのはとても残念です。
仕事帰りですからお腹は空きますし、カラオケ通いは正直毎日苦痛でした。それでも吹かないよりはマシと思って、歯を食いしばって毎日通っていたのを思い出します。
楽器可の物件は、半年ほど上野に住んでいるときに利用しました。隣はヴァイオリン、上は声楽とピアノ、色々な音が聴こえてきて「自分も頑張らないと」という相乗効果が望めるのはメリットだと思います。
完全防音の物件でないと時間制限があり、これが意外とプレッシャーになります。本業の仕事を切り上げて帰るようなこともしていました。
高い家賃を出して楽器可の物件を選ぶよりは、1回300円くらいに収まる安いカラオケルームを探して毎日通うほうがコスパが良いというのが私の結論です。
このように、練習場所は何とかするしかありません。
音大卒がプロ諦めて今さら就職できる?
30代後半、40代でも遅くはない。「準社員」「契約社員」をねらう
決断が遅くてもITスキルがあれば、非正規ではありますが就職は可能です。
一度就職するとそれが実績となり、仮に契約満了となっても別の職に就きやすくなります。
それを繰り返すうちに実績がどんどん増えます。一つずつ実績を重ねるのです。一足飛びな方法はありません。
「準社員」や「契約社員」はアルバイトよりも難易度が高く責任のある業務を担うことが多いため、給与面についてもアルバイトより高い傾向にあります。
準社員の平均賃金は約340万円という統計もあります。かといって正社員ほど敷居は高くなく、音大卒でプロ諦めて働きたい人が狙う雇用形態としておすすめです。
35歳以降でも正社員を募集している会社はあります。普通であれば競争率が高くなるのです。ところがバイト経験しかないのに意外に入れてしまったなんてことがあります。しかしそういう会社は特殊な人間関係で新人が定着しないなど、ちょっとブラックな職場だったりします。
これを見抜くのはなかなか難しいです。
一番の理想は、知人友人から仕事を紹介してもらうことです。それだと事前に職場の様子が分かるし、大ハズレという可能性は低いでしょう。
どうやったら紹介してもらえるのか。それは実績を積み重ねるしかありません。
バイトしか経験がない人に対して仕事を紹介するのは、紹介する側にも大きなリスクがあります。
非正規でも半年連続して働いていれば、ある程度信用を得られます。2~3ヶ月で辞めてしまっていると「この人、紹介してもすぐに辞めてしまうかも」になってしまいます。
もちろん、超ブラックで早く抜け出した方が良い職場もあります。そんなときは躊躇せずに逃げ出しましょう。実際にそのように音大卒にアドバイスしたこともあります。
でも何となく「思っていたのと違う・・・」「毎日こんなのを続けるのかと思うと希望がない・・・」といった気持ちで辞めてしまうのはNGです。
最低でも半年はつづけると思ってください。
ITスキル=エクセルができれば選択肢は一気にひろがる
何度かお伝えしていますが、ITスキルがあればアルバイトしか経験がなくても事務職で就職できます。
必要なITスキルとは一体なにでしょうか。それは「エクセルがふつうに使える」状態のことです。
ではエクセルがふつうに使える状態とは、どういう状態かというと「エクセルの一般的な関数と、ピボットテーブルは使えますか?」という質問に対して「はい」と答えられるかです。
「パソコンが使えますか?」という質問に対して「はい」と答える人はけっこういます。
エクセルを仕事で使うとなると、自分で考えたり調べたりする能力が求められます。そういう人材はどんどん就職が決まっていくので、採用する側は意外と見つけにくいのです。
なお、エクセルが使えるということは、次のことも自動的にできるものと考えてください。
- Window7、およびWindows10の基本操作(コピペなど)
- ブラウザの基本操作(IEとクローム両方)
- メールの送受信(Outlook、gmailの基本操作は押さえておきたい)
- ワード(Word)での基本的な文章作成
- パワーポイントでの基本的な文章作成
- アクセス(Access)も使えたら鬼に金棒
「えっ?こんなに?」と思いますか?心配無用です。エクセルに比べたらこれらを覚えることはとても簡単ですし、エクセルをマスターするなかで自然と身に付くものもあります。
まずは安定した年収250万円が目標
「準社員」「契約社員」の平均年収は340万円といわれています。いまアルバイトで生活を補っている人にとっては、これだけの収入があれば十分でしょう。
しかしいきなり年収340万円を狙うのは難しいです。最初は年収250万円くらいを目標にして、1年~2年ほど頑張って仕事になれていきましょう。
事務員としての実績を積むことが大切です。
その後、正社員への昇格や、もっと時給の高い会社への転職を検討しながら、年収アップを考えていくのです。
音大卒がプロ諦めて就職するときに知っておくべき5つのこと
1.バイトを卒業して就職すると決心する
まずは「バイトを卒業する」と決意してください。
何年も働いているのにアルバイトから社員などへ昇格する見込みがなさそうであれば、あなたはずっとアルバイトのままです。
そこにい続けても経済的自立にはつながりません。
アルバイトから抜け出して、契約社員や準社員として就職することで、実績がつみ重ねられ、必要とされる人材に育っていきます。
収入も上がっていきます。
2.おすすめの職種
おすすめの職種は「事務職」です。
私は5回の転職で、営業、エンジニア、コールセンターなどを経験してきました。
その中でえた結論は事務職。デスクワークがおすすめです。身体的負担が少ないというのが一番の理由です。
データの集計や加工の仕事は肉体的な疲労は最小限です。毎日の練習にも支障が出にくいのです。
3.おすすめしない職種
- 土日祝が休みでない職場
音大卒で飲食店で働いている方は結構多いと思います。後述しますが、土日祝が休みというのは演奏活動を続けるうえで一番大切なことだと考えています。毎日練習をするということよりも、土日祝は絶対に休みが優先されるくらい、大切なことです。 - 保険の営業
女性の場合、生命保険の営業職を考えるかたも多いと思います。上手くいけばかなりの高収入を稼げます。これは人によると思います。私には向いていませんでした。歩合制なので契約が取れないと収入が激減し、安定した収入を得て演奏活動を行うということができません。生命保険の営業職は大手企業のわりに入社しやすく、錯覚してしまいます。正社員ではありません。契約社員のような待遇です。お給料も最初の何か月は固定給が多めに設定されているものの、どんどん固定給の部分が減っていきます。実際に音大卒で保険の営業で成功している人もいるので一概には言えません。家族や親せき、友人知人にも何の抵抗もなく保険を営業できるタイプのかたであれば、素質があるかもしれません。 - プログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニア
システムを創るという仕事はとても楽しかったのです。納期が近づいてくるとどうしても土日に出勤する日があり、演奏活動に支障が出てしまいます。 - コールセンター
電話でしゃべり続けるというのは、肉体的にも精神的にも結構つかれます。また、最近は競争が激しく、土日祝も電話問い合わせを受付ける会社が増えています。そうなると演奏活動に支障が出てしまいます。単価が比較的高く、求人も多くありますが、土日祝が休みでなければ候補から外すべきです。 - 派遣
派遣は時給が高いので候補に考えるかたも多いと思います。私はおすすめしません。会社側からすれば、派遣社員には即戦力を期待します。「派遣=経験があって直ぐにできる人」というイメージがあるのです。アルバイトを卒業し、これから経験を積んでいこうとする音大卒には、準社員や契約社員のように会社が直接雇用して育ててくれる形態がおすすめです。
4.必ず土日祝が休みの職場をえらぶ
土日が休みというのは演奏活動を続けるうえで絶対条件といって良いです。
「どちらか片方は休みがもらえる」「隔週で休み」「シフト制で希望を出せば必ず休める」という職場であればそんなに問題がないように思えます。
しかし「繁忙期だから休めない」とか「バイトが急に休んだから出勤しないといけなくなった」ということが実際よくあります。
- 土日どちらか片方は休みがもらえる
どちらか休めるのであれば演奏活動に支障はないだろうと考えがちです。実際は先のような理由で土日両方出勤になることが多々あります。そうなると周りに迷惑が掛かりますし、なんといっても精神的によくありません。「土日どちらも休み」という条件は絶対に譲らないでください。
- 土曜日は隔週で休み
本番を設定する日は圧倒的に日曜日が多いです。しかし合わせが多いのは土曜日です。合わせの前には練習をする時間が必要です。土曜日の午前中や午後は、練習のためにまとまった時間をとるとても貴重な時間なのです。
- シフト制だが希望を出せば休める
これも一見問題なさそうです。しかし自分ばかり土日に休みの希望を出していると気を使います。また、半年先の本番とかになると、希望を出せば通ると分かってはいても1ヶ月前に確定するまでは不安なものです。しかも同じ月に何度も土日に本番が入ることもあります。希望を出せば休めるといってもバイトの時とちがって、なかなか100%希望は出せないものなのです。それでも希望を出し続けると、職場での人間関係に影響してきます。
お伝えしたように、完全に土日祝が休みでない職場は必ずストレスになります。未来の予定を組めないストレスは、演奏活動を行う上で致命的です。土日祝休みの職場一択と考えてください。
5.パソコンのトレーニングはハローワークがおすすめ
ハローワークで行われている職業訓練なら、教科書代として5,000円程だけ負担すれば、無料でパソコンを学ぶことができます。
期間は2~3ヶ月ほど。無料で基礎から学ぶことができますし、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)という資格取得にも対応しています。
面接などの選考がありますが、ぜひ一度管轄のハローワークに行って問い合わせてみてください。
職業訓練に通うのが難しい場合は、民間のパソコンスクールを検討してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
音大卒でアルバイトしか経験がなくても、ITスキルを身に付ければ事務職ではたらくことができます。
職種に気をつければ、バリバリ演奏活動を続けられます。
プロとして将来に不安があるのであれば、就職して安定した収入をえることを検討してみてください。
30代・40代はもちろん、50代からでも遅くはありませんよ。
そして休日にどんどん演奏や教育活動をおこなって、音楽のあふれる社会づくりに貢献してください。