【新卒就活】入社前にブラック企業かホワイト企業かの見分け方8選!
就職活動をしていて皆さんが気になってしょうがないことは、応募先・内定先企業が「ブラック企業」なのか「ホワイト企業」なのかということではないでしょうか。
誰だってブラック企業とわかった上で入社したいと思う人などいませんよね。
入社するなら、こよなくホワイトな企業にこしたことはありませんからね。
では、就活生の皆さんはブラック企業とホワイト企業をどうやって見分ければいいのでしょうか?
大手や有名な企業がホワイトで、中小や名が知られていない企業はブラックだと思いますか。
果たしてそうなのでしょうか、就活生の皆さんはどう思いますか?
応募先や内定先の企業が“白”か“黒”か、その見分け方、ブラック企業に入社しないために事前にどういったことに注意すればよいのか。
大学キャリアセンター勤務のキャリアコンサルタント@小畑京香がお伝えします。
入社する企業は大丈夫なのか?
社会人になって初めて働く会社がまさかのブラック企業!
入社して「こんなはずじゃなかった」とならない為にも、就活中から様々な企業を見極めることができるようになっておく必要があります。
「ブラック企業」という言葉の対面に「ホワイト企業」という言葉があります。
ブラックな企業・ホワイトな企業といっても確固たる定義が存在するわけではありません。
あくまでも一般的に見てということになりますが、それぞれの見分けるポイントを知って、就活の対策を立てていきましょう。
ブラック企業とホワイト企業を見分けるポイント
- 「ブラック企業」とは社員の働く環境が劣悪な会社のこと
- 「ホワイト企業」とは社員が働きやすい環境が整っている会社のこと
見分けるポイントはいくつもあるかと思いますが、例えば、「離職率」「社員の年齢層」「残業時間」「給与の内訳」「時間外給与」「福利厚生」「有給の取得率」「女性の働きやすさ」に注目するとよいでしょう。
これらの情報をしっかりキャッチして内容を細かく検討することで、企業の良し悪しをある程度判断することができます。
【見分けるポイント①】離職率の高さ
会社の規模の割には採用する人数が多すぎたり、簡単に内定を出したりするような会社は離職率が高い傾向にあるので注意しましょう。
離職率が高いということは、入社後すぐに辞めてしまう人が多いということです。
例えば、無茶な目標を掲げて、それを達成させる為に毎日無理をしなければいけないと精神的・肉体的にもきつくなり、会社を辞めることになるでしょう。
【見分けるポイント②】社員の平均年齢、年齢層
ブラック企業では離職のサイクルが早いため、常に人材不足の状態になりがちです。
よって、年がら年中求人を出して社員の補充をしなければならないということになります。
社員が定着しないのですから、当然、若手ばかりあるいは年配者ばかりといった年齢層に極端な偏りがでてしまいます。
それに比べてホワイト企業は従業員の定着率がいいので必要以上に求人を出すことがありません。
これらを見抜くためには、新卒の求人サイトだけでなく転職用の求人サイトも参考にするとよいでしょう。
中途採用の募集を大々的にかけている企業は要注意かもしれません。
【見分けるポイント③】残業時間の多さ
1年を通して残業時間が大幅に多い場合、それはブラック企業といえます。
よって、この時間を超えての労働は時間外労働で、いわゆる残業時間ということになります。
仕事によっては繁忙期(業務が忙しくなる時期)があり、その時期はやむなく残業することが多くなる場合があります。
しかし、繁忙期でもないのに、時間外の労働が常態化しているような会社は要注意ということです。
時間外労働の上限規制としては月に45時間までが原則となり、残業時間が月に80時間を超えると過労死ラインになると言われています。
残業を当たり前と解釈して異常なほどの過重な長時間労働が強いられていたならば、その企業はブラックです。
【見分けるポイント④】給与の内訳
給与面の明確さはとても重要!
就活生の皆さんは給与の総額ばかりに気を取られないで、その内訳についても注意して見るようにしてください。
一般的に見て大卒の初任給は20万円前後といったところでしょうか。
内訳は基本給と各種手当にわけることができます。
新卒の就活生の皆さんは、給与の総額が賞与(ボーナス)の計算に反映されると思っているかもしれませんが、実際は基本給の部分が重要で、多くの企業では基本給を基準に賞与の計算が行われます。
手当には、残業手当・通勤手当・皆勤手当・資格手当・住宅手当・地域手当等がありますが、手当がつくかどうかや手当の種類については企業によって異なります。
また、月額給与に固定残業代(定額残業代・みなし残業代)が含まれている場合があります。
こういった場合は、ある一定の残業時間分の賃金が既に給料に含まれていることになります。
【見分けるポイント⑤】時間外給与
時間外給与とは、いわゆる残業代のことですが、残業代支払いの仕組みの理解も大事なポイントです。
すでに社会人となって数年経っていても、理解できていない人が多くいます。
長時間労働に加え、残業代の未払いに関わることが時々ニュース等で取り上げられ問題視されています。
社員のワークライフバランスや労働に対する対価をきちんと考えている企業がホワイト企業といえます。
【見分けるポイント⑥】福利厚生の内容
働きやすい環境の基準として、やはり気になるのが福利厚生の充実度ですね。
福利厚生には法定福利厚生(社会保険料)と法定外福利厚生(企業独自の制度・手当)にわけることができます。
企業が充実した福利厚生を提供していることは、安定した経営基盤の証明にもなります。
健全経営の実践、社員重視の経営、人材育成力等は社会へのアピール要素です。
企業によってはユニークな制度を導入している企業もありますので、福利厚生をチェックして企業のスタンスを知りましょう。
【見分けるポイント⑦】有給取得率
有給休暇制度の利用は、労働基準法で定められた労働者の権利です。
入社6ヶ月経過後、10日間の有給休暇が付与され、その後は年数が増えるにつれ、有給休暇が付与される日数も増えていきます。
もし、付与しなかったり取得を妨害したりということがまかり通っていたならば、それは違法で、その企業はブラックです。
有給休暇の取得率が企業を“白”“黒”見分けるポイントの一つになります。
【見分けるポイント⑧】女性の働きやすさ
女性の働きやすさがホワイト企業としての目安になります。
出産や育児の休暇・休業制度等、女性へのサポート体制がどれだけ充実しているか!
フレックスタイム制や育児・介護に対する時短制度等も女性だけでなく男性社員にもありがたい制度ですね。
実際にその制度が機能しているかどうか、育児休暇等の取得実績をみることで企業の体質を知ることができます。
女性を大切にする企業は、すなわち男性社員にとっても働きやすい企業といえるのではないでしょうか。
厚生労働省による「ブラック企業」についての説明では
厚生労働省の「確かめよう労働条件」のQ&Aの中に「 ブラック企業」について取り上げられていたので紹介します。
Q)「ブラック企業」ってどんな会社なの?
A)厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、
一般的な特徴として、
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
などと言われています。【厚生労働省}労働条件に関する総合情報サイト「確かめよう労働条件」のQ&Aより
①~③は妥当な説明といえますね。
「確かめよう労働条件」のQ&Aには「雇用条件」「労働時間・休日・休憩」「年次有給休暇」「賃金」などのカテゴリで質問と回答がされています。
これから社会に出て働く新卒就活の皆さんにとっても参考になる情報サイトです。
新卒就活に役立つ情報
企業が自ら情報を発信しているものに企業のホームページがありますが、そこから得られるものは企業がアピールしたい良い面ばかりです。
ブラック企業か?ホワイト企業か?
就活生の皆さんが真に知りたいことを知るために、より客観的な情報を集めて総合的に判断していきましょう。
企業選びに役立つ書籍やサイトをいくつか紹介します。
5000社の客観情報、人事に直接聞きたくても聞けない情報が盛りだくさん!
● 東京商工リサーチ「ALevel(エラベル)」
北海道版から九州・沖縄版まで、魅力あふれる企業を紹介!
※大学のキャリアセンターには就活に役立つ書籍が閲覧できるように置かれています。
是非とも活用して下さいね。
職場情報総合サイトは、企業の時間外労働時間や有給休暇取得率、平均年齢などの職場情報を比較・検討
● 厚生労働省「女性の活躍推進企業」
女性管理職の割合や平均勤続年数など、企業が自ら公表している女性の活躍状況に関するデータ
※公的機関からも求職者に役立つ企業情報が発信されています。
新卒の就活生も企業研究に役立てて下さい。
まとめ
ブラック企業とホワイト企業をはっきりと線引きするような定義はありません。
言えることは、働かせ方に「非常に問題が多い企業」と「問題のない優良な企業「」との間にある「グレーな企業」が多数存在することです。
濃淡が様々なグレーの企業で我々の多くは働いているというのが現実なのです。
ホワイト企業がどうかは、選ぶ側の価値観や考え方にも左右されます。
業界研究、企業研究をしっかりと行い、自分のやりたいことや目指すキャリアと一致しているかどうかも見極めながら、自分に合った働きやすい環境の整った企業を見つけることが出来るといいですね。