国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

障害者家族が知っておくべき文字、時計、数字、色の対応とは?

 
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結木つばめ
国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。

6月になり、少しずつ新しい学校や学年、職場に慣れてきた頃でしょうか。

障害者は、新しい場所で「普通だったらできるのに」と考えてしまう場面に直面することも出てきます。

その中でも『読む』事については日常の中で多く求められています。

「普通にできない」ということが苦手意識を増すきっかけにもなります。

障害者が困っている事を理解し、少しでも生活において過ごしやすくなり、自分に合ったスタイルを見つけるきっかけになればと思います。

障害者家族として学習環境を整えるという事

「読めない」・「読むことが難しい」と感じている人たち

学習障害(LD)、知的な障害がある、視覚障害や病気等がある、精神障害がある人たちです。

今回は紙媒体での対応を中心に紹介していきます。

「学習」するのは子どもたち

障害の有無に関係なく自己肯定感が低い児童生徒たちが「できる」ことがわかると、自信をもって学習に向き合う姿はキラキラしてます。

  • 「学習」するのは子どもたちです

読むことが困難に伴う「どうせできないんだから」の気持ちから「わかる・できる」学習が増えて、前向きに取り組んでいける姿勢を持てる機会を増やして欲しいと思います。

その時はおもいきって支援を受け入れてみませんか?

おもいきって支援を受け入れてみる

困っている事に対して、人との出会いなどでその人にあった支援を受ける事できると将来に希望をもてるようにもなります。

家族として受け入れる事、事実を知ってしまう事は怖さや不安が付きまとうのも当然です。

周りの子どもたちと比べて一喜一憂することもあるでしょう。

しかし、自分が困っている時はどうして欲しいかという想いも巡らしてみて下さい。

自分の事を理解して苦手だけれども支援を受ければできることを少しずつ増やしていくためにも、また、将来の可能性を見据えて、いま何が子どもにとって必要か考えていきましょう。

学校現場での支援

学校現場では子ども一人ひとりの教育ニーズに合わせて適切な教育を行うという考え方である、インクルーシブ教育(特別支援教育)へと変わっています。

多様な教育的ニーズへの児童生徒の配慮が求められている時代なのです。

また、授業でも電子黒板とタブレットの活用も進められています。

「読む」ための道具を活用してみる

書体、行間によって集中して読めない時は、市販の読書補助具があります。

値段も手ごろで定規の様な形なので、他の筆記用具と一緒に持ち運びもでき、便利な道具です。

リーディングトラッカー

上下や左右に視線が行かず、1行分だけを集中して読むことができます。

各色あるので、ご自身で合う色を使いましょう。

リーディングルーペ

先程のリーディングトラッカーにルーペがついて文字が拡大されて読める補助具です。

こちらも定規のような形なので持ち運びに便利です。

https://www.kihara-lib.co.jp/

前回ブログで書いたイヤーマフや、今回の二つの道具は障害の有無に関係なく勉強など集中したい時に使える便利な道具です。

うまく活用してくださいね。

カラーユニバーサルデザイン

リーディングトラッカーのように人によって色の感じ方(色覚(しきかく))には、1人ひとり違います。

生活空間や書類等にある色の情報は、それはそれはたくさんあふれています。

その中にあって、色を正確に受け取れず困っている人たちがいるのです。

色の使い方や文字の形などをあらかじめ配慮する事で正しく情報が伝わるようすることを

「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」といいます。

カラーユニバーサルデザインの3つのポイント

色づかいを否定するものではなく2色以上の色を使う際には出来るだけ多くの人が見分けることができる色遣いをする事です

誰もがわかりやすくカラーユニバーサルデザインに配慮してデザインする3つのポイント

①出来るだけ多くの人に見分けやすい配色を選ぶ

⓶色は見分けにくい人にも情報が伝わるようにする。

③色の名前を用いたコミュニケーションを可能する。

「NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)』より

色の組み合わせによっては見えにくい色があります

遺伝性の先天性と目の病気などによる後天性により色の違いがわかりにくい状態の方たちがいます。

どんな色の組み合わせに注意する?
「赤と緑」・「青と紫」・「ピンクと水色」

などの区別がつきにくいのです。

学校に向けてですが、わかりやすく書いているので紹介します。

職場での注意点

色覚があるからと言って、就職する際に、また、職場から仕事内容を制限する事がないようにして欲しいものです。

それぞれの特性を踏まえ、工夫できる点は職場で行いましょう。

その時は、何が苦手か当事者としっかり話し合いの場を持ってください。

  • 白と黒以外の色が苦手、黒字に白字の白黒反転の方が見やすい場合
  • 白が苦手で色付きの用紙なら読めるなど

色の配慮はその人それぞれです。

その人が何が苦手なのか、十分聞き取りをして職場でその人にとって何が有効か確認していきましょう。

資料・マニュアル作成で注意すべきこと

そのグラフ本当に読みやすいですか?

プレゼンなどでグラフを作る事もあるでしょう。また、会議でホワイトボードを使う事もありますね。

色の多用することは一見わかりやすく見た目も良く感じますが、色の判別がつかない人もいる事を念頭に置き、見栄えにこだわらず多色使いは避けるように気を付けて下さい。

作成時の注意点
「青と黒を基本」を意識しよう!

その字体、もしかしたら見えにくいかもしれません。

マニュアルや資料作成の時、明朝体や教科書体を使っている職場も多いかもしれません。

普段、それらの資料が読みづらいと感じることは少ないと思います。

しかし、障害特性によっては、明朝体の細い横線、教科書体の文字の先が細いによって字を正確に読むことが難しいことがあります。

“はね”や“はらい”など一部が欠けて見えたりするからです。

そのため、資料作成時は明朝体などはあまりお勧めできません。

丸ゴシック、UD体、メイリオで書いてみましょう。

電子黒板の文字もわかりやすく

今、教育現場で活用されている電子黒板。

学校の学習では、視覚に障害があったり、読み書きの障害がある子どもたちのために遠くから見ても読みやすいように「UDデジタル教科書体」があります。

授業の中でだれもがわかりやすく、読み間違えることが少ないような工夫がされています。

こんなチョークもあります。

従来の黒板では、今、障害者雇用で知名度のある「日本理化学工業株式会社」からカラーユニバーサルデザインを意識した『ダストレスeyeチョーク』が販売されています。

こういった教材が学習の現場でどんどん広まり、学んでいく上で障害者たちの困難さを少し和らげて、その人たちがもともと持っている力を伸ばしていければいいですね。

ひらがなでふりがなを付ける

障害の程度によりますが、資料等にはひらがなのふりがなを付けている方が読みやすい人もいます。

「ふりがな」があることで当事者の困ったが1つ解消され、仕事がはかどるのであれば、一度の手間で済むことなので資料やマニュアルなどにつけてみてください。

時計を読むということ

どのタイプの時計が身近にありますか?

家や腕に着けている時計は文字盤の時計ですか?デジタルタイプですか?

障害特性によって時間を理解しにくい場合もあります。

文字盤の時計なら読める、デジタルタイプなら読めるなど時計もその人によって違います。

どのタイプか早目に知る事で対応できます。

どうやって時計を読んでいる?

学校図書館にいた頃、文字盤の時計しかなかったのですが、障害者の児童生徒が時計をじっと見ている事がありました。

なぜだと思いますか?

実は時刻を読んでいるのではなく、時計の針の形で今の時間を判別していたのです。

家を出る時、いつも同じ時間なので時計の針の形を覚えていて、例えば8時の形になったから出てくるという障害者もいます。

朝のテレビのニュース番組の画面の隅にあるデジタル表示の方がわかりやすいと聞いた事もあります。

職場ではどうですか?

今、職場にいる障害者の方たちは時計を読めていますか?

例えば、時計の針は3時40分を指しています。上司が「あと10分で打合せ、スタートします。集まって下さい」と言いました。いつ集合しますか?

3時50分ですね。

しかし、この「後10分」の時計が読めなくて、障害者本人が困惑していることもあります。

3時10分なら理解できて、時計を確認できるけど、3時40分からの10分後がわからず、でも周りに聞く事も出来ず、周りが動き出したからなんとなく調子を合わせている様子は無いでしょうか?

わかっていると思い込んでの対応ではなく、個々の情報処理能力も踏まえつつ、「3時50分から始めましょう」と具体的な時間を提示することで、障害者だけでなく誰にでもわかりやすく情報が伝わります。

また、文字盤、デジタルの両方あれば時間感覚を実感させやすくなる職場環境になると思います。

まとめ

ペーパーレス化、ネット社会の時代ですが、紙媒体を読むことはまだまだ存在しています。

”英語には印刷されたものをそのままでは利用できない人”という意味の「print disability」(プリントディスアビリティ)という考え方があります。

目の前の印刷物を読めることは当たり前ではないこと、支援ツールや苦手を補うコツに出会うことが障害者たちの社会で生きる力になることを知っておきたいものです。

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結木つばめ
国家資格キャリアコンサルタント。家族内障害者カウンセラー。学校図書館専任職員として障害を持つ子どもたちに、今は障害者の日中活動の支援を行う。弟も障害者であり「家族」という当事者。障害者の家族の生活は雨や嵐の日もあるが、大好きな絵本「ぼちぼちいこか」(偕成社)の言葉を合言葉に今日を生きている。










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