【実録/営業職で妊娠】上司へ報告タイミング、引継ぎはどうする?使える制度は?

妊娠した…嬉しい!!でも仕事は…どうしよう。
子どもは欲しいけど、妊娠期間中、営業の仕事は乗り越えられる?
上司への報告はいつ?引き継ぎはどうなるんだろう?
妊娠して喜ばしいことなのに、仕事のことを考えると不安になることってありますよね。
職場に女性が多く、出産を経験し職場復帰した人が周囲に何人もいればイメージが持てますが、男性が多い職場であれば相談もできず、妊娠期間中から職場復帰までを想像することも難しいでしょう。
もしかしたら、あなたの職場であなたが“初の産休取得者”というケースも。
筆者も産休・育休に入ることになりましたが、マネージャーとして産休に入るのは“社内初”のケース。本当に不安だらけでした。
「子供は欲しいけど仕事はどうなるんだろう?」、「妊娠中の営業活動はどうしたらいい?」そんな不安を抱えるあなたに。
営業マネージャーあおきしずか(産休中)@国家資格キャリアコンサルタントが経験した、会社への報告から日々の営業活動まで、営業職妊婦の過ごし方をお伝えいたします!
会社への報告手順
まずは直属の上司に報告
報告のタイミングは、心拍が確認できてから
筆者の場合、妊娠が分かったのは5週目(妊娠2か月)でした。
診察を受けた病院からまだ「心拍が確認できないから2週間後に来てください」と言われ、8週目に受診、心拍を確認し上司に報告しました。
【理由】
- 心拍確認前(妊娠~6週)は流産の確率が高いこと
- つわりがひどくなる前に仕事の調整ができるように
- 引き継ぐ人を考えてもらえるように
流産の確率がさらに下がる12週目(4か月)以降や安定期と言われる16週目(5か月)以降に上司に報告する方もいるようですが、外回りの営業職の場合は運転や歩き営業など、身体を動かす場面が多いため、上司に早めに報告して業務の調整や引き継ぎのスケジュールなどを考慮してもらえるようにした方が安心です。
上司に伝える内容
①妊娠何週目か、出産予定日
②自分の健康状態
③産休・育休の取得期間
④職場復帰について
妊娠初期段階では、妊娠中期・後期、出産後にどんな変化、状況になるか分からないため、あくまでも「現時点での」状況や希望を伝えることになります。
④についてもあなたの希望を伝えられるといいですね。
フルタイムで働きたい、時短で働きたい、部署異動をお願いしたい等々。上司も組織を考える上で考慮してくれるかもしれません。
- タイミングは心拍が確認できてから
- 今後の大まかなスケジュールを伝える
- 仕事復帰に向けた出産後の働き方の希望も伝える
同僚・部下への報告タイミングは?
安定期(妊娠16週、5か月)以降が無難
人によっては既にお腹のふくらみがわかる状態にはなっていると思いますが、安定期に入ってから報告するのが無難です。
妊娠した人全体の約15%に流産が発生するそうです。その内訳は12週未満で13.3%、12~22週は1.6%と言われています。なので同僚や部下への報告は流産の確率が低い安定期以降が良いでしょう。
筆者も上司からの進言を受けて、妊娠16週に入ってからまず部下に、そして同僚に伝えました。
また上司から妊娠報告をしていただいたおかげで業務軽減や配慮についても皆に伝えていただき、重いものを運ぶときや高い場所にあるものをとるときは周りにお願いしやすくなりました。
【先に部下に伝えた理由】
- 体調不良や健診で休む可能性があること
- 業務上、協力してもらう部分が増えるかもしれないこと
- 一緒に働ける期間が限られていること(仕事復帰後は部署異動が確定)、皆に感謝していること
同行営業の軽減やプレゼンの企画運営など、部下に協力してもらったおかげで体調を崩すことなく産休に入ることができました。
- 報告タイミングは安定期(16週、5か月)入ってから
- 上司から部下や同僚に伝えてもらう
- 部下には同僚より先に。日頃の感謝の気持ちを伝える
妊娠初期・中期・後期の過ごし方
妊娠初期4~15週(妊娠2~4か月)
つわりや体調の変化を感じる時期
まだ周囲に妊娠していることが公表されていない時期
営業活動
走らない、早歩きはしないことは意識していましたが、それ以外は通常営業。
ただ、つわりがひどくて出歩けない人もいるようです。ご自身の体調をみながら必要に応じで上司に相談し、ムリなく過ごすことが大切です!
体調不良対策
筆者は幸いにもつわりがほぼなく、軽い二日酔い程度のムカつきですみました。
ただ、便秘が辛かったため医師に相談し、内服薬を処方してもらいました。
人によってはつわりがひどくて、食べ物も水も受け付けない・食べてはもどす(吐きづわり)、もしくは食べていないと気持ち悪くなる(食べづわり)の人もいます。
働き続けるのが困難な場合には、無理せず医師に相談し、後ほど詳しく書きますが、「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用し、休憩を多めにとることや時差出勤・在宅勤務の申し出をすることも考えましょう。
服装準備
妊娠期間中の営業職の服装、どうしたらいいか悩みますよね。
筆者はマタニティパンツ2本と黒いローファーを新たに購入。今まで使っていたスーツジャケットとふんわりブラウスで着まわしていました。
パンツはエンジェリーベのジョーゼット素材のキレイめテーパードパンツがお勧め!
ジャケットと合わせても違和感なく、自宅で洗濯可能、ポケット付き、ジャージのような素材で動きやすく生地に少し厚みがありショーツラインをカバーしてくれます!
妊娠期間中であっても営業職としての「品のある身だしなみ」は大切です!
妊娠中期16~27週(妊娠5~7か月)
安定期
周囲に妊娠していることが公表されている時期
引継ぎ準備
妊娠5か月目には引き継ぎスケジュールを上司と相談し、有給休暇の取得予定も伝えておきましょう!
妊娠後期になるとお腹も重くなって、少しの移動でも息切れがします。遅くとも、8か月目までに完了するスケジュールがいいでしょう。
引き継ぎ優先順位
- 上位得意先(担当者の上司に挨拶)
- 要注意得意先(クセのある担当者、支払いが遅れる得意先、イレギュラー対応の得意先)
- 余力、新規得意先
- 部下の実績や特徴
引継ぎ期間がどれくらいかにもよりますが、筆者はあらかじめリストや資料でまとめておいたので、スムーズな引継ぎができました。
また後任に引継ぎができなさそうな得意先は、上司に同行してもらい、上司にも得意先を知ってもらうことで引継ぎが全くできないリスクを避けることにしました。
営業活動
通常、電車を使った歩き営業が主ですが、コロナ禍で商談拒否されるところもあり、可能なところはオンライン商談を実施。
オンライン商談でプレゼンの呼び込みをし「来ていただく」ことに集中。
夏で暑さもあり、なるべく外に出たくなかったので、プレゼンに来ていただいて引継ぐことを意識し、営業効率を上げることにしました。
体調不良対策
筆者はむくみと便秘に悩まされました。特に、むくみがひどく、ゾウみたいな脚になる日も(笑)
【むくみ対策】
- 水を1日1.5L飲む
- 着圧ソックスを履く
- 帰宅後はストレッチポールでふくらはぎのマッサージ
着圧ソックスは母の勧めで使い始めましたが、履くのと履かないのでは全く脚のむくみと疲れが変わりました!
妊娠後期28週~産前休業前(妊娠8~9か月)
動きづらさを感じる時期
産前産後休業・育児休業に入る準備
筆者は有給休暇を使用し、出産予定日6週前から始まる産前休業の4週前、つまり30週からお休みすることにしました。
職場や仕事によっては仕事が終わらず早く休みに入れない、上司に言いにくい、周りの目が気になることもあるかもしれません。
ただ、自分と赤ちゃんの健康状態は自分で管理するほかないんですよね。
終わらない仕事は誰かに協力してもらう、勇気をもって上司に相談する。きっと温かくサポートしてくれるはず。
筆者は日頃から“社内営業”を意識し、上司や同僚からサポートしてもらえる関係づくりをしていてよかったと妊娠中に実感しました!
“社内営業”のTipsはこちらにまとめてありますので、ぜひご覧くださいね!
引継ぎ
27週:後任着任、引き継ぎ開始
引き継ぎ期間は2~3週間。
あらかじめ「要注意得意先」「余力、新規得意先」「部下の実績や特徴」はリストや資料でまとめておいたので、プレゼンに来ていただけない得意先は訪問せず1週間で申し送り。後任の方に営業員と同行営業してもらい、徐々に覚えていただく方法をとりました。
上位得意先は営業員にお願いしてアポイントをとってもらい、訪問しました。
今振り返るとすべての上位得意先に訪問できたわけではないので、資料にまとめておけば良かったと思っています。
28週:引継ぎ期間後半は部下の相談、突発的な仕事への対応など実践的な引継ぎに時間を費やしました。なので、28週目以降はほぼ営業に出ていません!
30週:有給休暇(里帰り準備、里帰り)
33週:里帰り出産の病院初受診
34週:産前休業開始
コロナ禍の里帰りのため、里帰り先の病院を受診するには2週間の実家滞在期間が必要でした。
有休を使用し余裕を持った里帰りスケジュールを立てていたため、里帰り出産の準備や今までやりたかったけど後回しにしていたこと(格安スマホへの変更、運転免許証の住所変更、マイナンバーカードの更新等)に時間を割くことができましたよ。
産前休業前の制度
働く妊婦のための公的な制度を2つご紹介。
自分と赤ちゃんの健康のために、制度を知っていると安心です。
母性健康管理指導事項連絡カード
つわりや切迫早産・切迫流産で安静が必要な時、その他体調を考慮した対応が必要な時
母性健康管理指導事項連絡カードの活用し、通勤の緩和(時差出勤、在宅勤務)、休憩時間の延長等を事業主に申し出ることができます。
母健連絡カードは、主治医等が行った指導事項の内容を、妊産婦である女性労働者から事業主へ的確に伝えるためのカードです。
事業主は、母健連絡カードの記載内容に応じ、男女雇用機会均等法第13条に基づく適切な措置を講じる義務があります。
活用事例
電車通勤片道1時間のKさん、妊娠7か月。
新型コロナウイルス感染拡大中のため、感染予防対策として在宅勤務を希望していたが会社の就業規則では在宅勤務が認められなかった。
医師に相談し、医師の指示事項として母健連絡カードに通勤緩和措置(在宅勤務)を記入してもらい、人事部に提出。
結果、在宅勤務が可能となり産前休業直前まで働くことができた
つわりや切迫早産・切迫流産に限らず、
自分自身や赤ちゃんを守るために、困ったときは医師に相談してみましょう!!
傷病手当金
傷病手当金は、病気休業中に公的医療保険(健康保険)の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
妊娠中の事例では、重度妊娠悪阻、切迫流産、切迫早産、妊娠中毒症候群など、医師の診断により就業できず連続して有休を使用しない欠勤が4日以上続いた場合、公的医療保険(健康保険、例えば全国健康保険協会、組合健保、共済組合等)から給与の2/3が支給されます。診断書と必要書類に医師に記入してもらい勤務先の担当部署に提出します。
万が一に備えて知っておくと安心ですよね!
まとめ
いかがでしたか。
普段はバリバリシャキシャキ働いているあなた。普段できていたことが制限されるようで、葛藤を感じることもあるかもしれません。
でもその状態が永遠に続くわけではない、と筆者は自分に言い聞かせていました(笑)
妊娠期間中は赤ちゃんと自分自身の健康を最優先に考えて、心身ともにストレスなく穏やかな気持ちで過ごし出産の日を迎えることができるといいですね。
あなたが仕事もプライベートも生き生きと楽しめますように。
あおきしずかはあなたを応援しています☆彡
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