国家資格キャリアコンサルタント集団が斬る仕事論

不安・心配・マイナス思考を解消、克服して、自由で軽やかに一歩を踏みだすには?

 
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国家資格キャリアコンサルタント/価値観受けとめカウンセラー。様々な社会とのかかわりの中で自分を見失うことがあり、心理学や健康法を学び始める。そして、感謝の気持ちや心からの笑顔のエネルギーがその人を満たすと、エネルギーは循環し、家庭平和・世界平和・宇宙平和へ繋がると確信。多様な価値観に触れながら自分らしく軽やかに生きるためのお手伝いをしています。絵本を使った大人のための気づきや癒しのワークショップ(絵本セラピーR)も開催中。

不安や心配に振り回されてモヤモヤしていても仕方がない!

マイナス思考ではなくプラス思考で考えよう!

そう自分に言い聞かせていても、ふとした瞬間に不安がよぎり気づいたらぐるぐるループのように心配事や不安な面を考えている・・・そんなことってありますよね。

過去のことを思い出しては落ち込んだり、未来のことを心配しすぎて不安が募ったり・・・マイナス思考に引きずられて「今、ここ」にしっかりと目を向けられない、集中できない、一歩踏み出すのが怖い・・・

そんなときに、不安・心配・マイナス思考を解消、克服して、自分らしく軽やかに一歩を踏み出すためのヒントをキャリアコンサルタント@山田みわきが具体例とともにお伝えしますね。

不安・心配・マイナス思考は悪いことばかりではない

不安や心配を感じると、胸が苦しくなったり汗をかいたり頭が混乱したりしますよね。

その結果パフォーマンスが下がることもあるため「不安」は良くないと思われがちですが、実は悪いことばかりではなく、大切な役割もあるのです。

不安は危険を察知するためのアラーム

脳神経科学の専門家でストレス研究をしている伊藤浩志氏は著書の『「不安」は悪いことじゃない』の中の対談で

脳科学において「不安」は意識や自我の問題ではなく、生命が漠然とした危険にさらされたときに全身で起きる情動反応のことです。

脳の扁桃体が活性化すると、人は不安を感じます。

扁桃体は危険を発見し、回避するための警報装置としての機能を果たしています。

扁桃体が活性化すると、眠気が醒め、心臓が高鳴ったり、免疫系が活性化したり、ストレスホルモンが分泌されたり、といった反応が一瞬のうちに起きます。

危険を察知したときに起きる生体のこの状態が「不安」なのです。

と話しています。

つまり「不安」は危険から身を守るために本能的に備わったシステムで、なくてはならないものなのです。

不安に大切な役割があるということは抱いていても良いのです

そう思うと不安になっていることへの自己嫌悪や恐怖が少し軽くなったりしませんか?

 適度の不安が最高の状態である

研究では、適度の不安がパフォーマンスを向上させるといわれています

たとえば、仕事の締め切りまで十分時間があるときには、あまり気合が入らずパフォーマンスは低い状態ですが、期限が近づいてくると次第に不安になり、集中して取り組んだりしたことはありませんか?

このように不安や心配は悪い面ばかりではないのです。

しかし、締め切りに本当に間に合わない状況になるなど不安が強すぎると、過剰なストレスを感じます。

すると、頭が真っ白になったり、何も手につかなくなったり、上手くいかなかった場合のことばかりを考えるようになったりしてパフォーマンスが落ちてしまうことになります。

どうすれば不安やマイナス思考に振り回されず、上手につきあっていけるのでしょうか。

【不安・心配・マイナス思考の解消法①】現実を客観的に見よう

不安や心配に振り回されないためにできることのひとつは現実を客観的にみることです。

 不安の対象を明確にしよう

不安や心配は頭の中で考えていることで、対象がぼんやりしていることが多いですよね。

対象がぼやけていると対処方法もわかりません。

不安や心配を書き出して明確にしてみると、対象がはっきりして、やるべきことやとるべき方法がみえてきます

  1. 思いつくままになんでもノートに書き出す
  2. 重なる内容等を整理して、「短期的」「中期的」「長期的」と時間軸で不安を表に分類する
  3. 解決できることと解決できないことに分類する(自分の課題か、他者の課題かを分離する)(課題の分離についてはアドラー心理学で人生が変わる。自分に自信を持てるようになるポイント!夫と子育て価値観対立!自分らしくキャリアを磨き笑顔の家庭を築く方法!にも書かれています)
  4. それぞれに対し、どうやって対応するのか、どうすれば上手くいくのか、を考える

 考えるときのポイント

「なぜ不安なのか?どうして心配なのか?」という原因を問わず、「どうやって?どのように?対処するか」を問う。

不安を感じると「なぜこんなことになったのだろう?何が悪かったのだろう?」と原因を探そうとしてしまいがちです。

しかし「なぜ?」と考えても原因はわからないことが多く、解決できないことで自分を責めたり落ち込んだり他人のせいにしたりすることになりがちです。

「なぜ?」という問いかけは解決方法を探しているように見えて実は責める問いにもなるため、心配への対処法を考えるときには原因ではなく方法・手立てを考えると良いでしょう。

どうしたら?どのように?という建設的な問いが建設的な結果につながります。

対処法が不可能そうにみえても却下せず、できるだけたくさん幅を広げて考える。

たとえば

2で、中期的不安として「ブランクのあと復帰しても仕事をやっていけるか不安」と書いた場合

→不安の中味を分類

・子どもが病気になるかも…

⇒どうしたらやっていける?と問う。

  • 病児保育の利用方法を調べる
  • 夫や親への協力依頼を検討する
  • 日ごろから急な休みに対処できるように仕事をする
  • 地域のファミリーサポートなどの利用を検討する
  • 病気にならないよう日ごろから食事や健康管理を重視する

などのように

できるだけ可能性の幅を広げて多角的な視点から書き出してみると良いでしょう。

他の不安の中味についても次のように”どうやって?どのように?”と問いかけてから、対処法を考えてみるとマイナス思考に陥る前に踏みとどまれる可能性が高まります。

・家事との両立ができないかも…

⇒どうすれば両立できそう?

・責任ある仕事を任せてかせてもらえないかも…

⇒どうしたら任せてもらえるようになる?

・長く続けられないかも…

⇒どうやって続けていく?

というような感じです。

不安を書き出して不安の正体をはっきりさせ、どうやって?どのように?と質問をして思いつく対処法をできるだけたくさん書き出して見ましょう。

【不安・心配・マイナス思考の解消法②】自動思考を見つけよう

自動思考とは状況に対応して瞬時に自分の意志とは関係なく自動的に浮かんでくる思考のことです。

主に認知療法で用いられる言葉ですが、考え方のクセと捉えることもできて、マイナス思考や不安と上手につきあうために知っておくと良さそうなので主なものをご紹介しますね。

自動思考は自然に私達の頭に浮かんでくるため、普段はそれを意識していません。

そのため私達は自動思考の存在に気づかず「ある出来事や状況」が「嫌な気分や不安・心配」をもたらしていると考えてしまうのです。

出来事や状況 ⇒ 気分 のように感じますが、実際は

出来事や状況 ⇒ 自動思考 ⇒ 気分 なのです。

自分に不安や心配へ影響を与えやすい自動思考を意識してみましょう。

「私は〇〇の影響を受けやすい」とそれを頭の片隅において意識しておくと、不安や嫌な気分になったときに自分を客観的に見られるようになり、嫌な気分を軽くできて、不安やマイナス思考に引きずられにくくする助けとなるかもしれません。

【自動思考に潜む主な認知の歪み】

1白黒(分極化)思考

物事を「黒か白か」で割り切り、完璧でなければ納得できない。→完璧でなければ“失敗”と全否定し、自信をうしなってしまう。

2フィルター

出来事の悪い面ばかりが気になりよい点や上手くいったことなどが見えなくなる。→悲観的なフィルターを通して自分や世の中をみてしまうため気分も暗くなる。

3ラベリング

出来事や人に否定的なラベルを貼り、一度貼ったらはがさない。→そのラベルから浮かぶイメージに振り回されて冷静な判断ができなくなる。

4拡大解釈や過小評価

自分の短所や失敗を実際より大げさに考え、自分の長所や成功を実際より小さく捉える。→憂鬱や不安な気分になり、良ところも「できて当たり前」などと自分に対してネガティブに評価してしまう。

5すべき思考(~でなければならない)

自分や他者に対して「〇〇すべき」「〇〇でなければならない」と考える。自分の中のルールに自分や他者をあてはめて判断してしまう。→ルールに縛られて生活が窮屈になったり、自分や他者の失敗を許せず怒りや緊張を感じやすくなったりする。

6自己関連付け(個人化)

良くない出来事が起こると自分は直接関係ないにもかかわらず自分のせいだと考える。→勝手に背負った義務感から自己嫌悪になり「自分のせいだ」と自分を追い詰めてしまう。

7過度の一般化

わずかな出来事を根拠にあらゆる出来事が同じような結果になると一般化しすぎる。→嫌なことが繰り返し起こっているように感じてしまうため、落ち込みやすくなる。

8他人の考えを邪推する

確かな理由もないのに他者に対する悲観的な思いつきを信じ込んでしまう。→良くない結果を先読みしてしまい不安定な気分に苦しむ

具体例でみてみましょう。

<状況>夫が不機嫌に晩御飯を食べながらため息をついている

<そのとき浮かんだ考え>

“おいしくなかったのかな?またおいしくないと思っているけどそれを言わずに不機嫌とため息で表現しているのかな?仕事で疲れているのに頑張って作ったのだから多少まずくても不機嫌そうに食べないでほしい。私のことを家政婦だと持っているのかしら?”

<その考えに潜む自動思考は?>

3ラベリング(夫に対して“~いう人”というラベルを貼っている)

6自己関連付け(夫の不機嫌の原因を勝手に自分のせいだと考えている)

7過度の一般化(以前“美味しくない”といわれたことを思い出し今回もそうだと思い込んでいる)

かもしれないと自分で気づく。

というような感じです。

私はこんな風に自分が影響を受けやすい自動思考を意識して、「ちょっと待って。本当にそうなの?」と自分に問いかけるトレーニングをしました。

すると徐々に“また文句を言われるかも”と不安になることを避けられるようになり、“家政婦扱いされている”と自虐的になることも減ってきました。

さらに勇気を出して 「今日は疲れているみたいね。なにかあったの?」と尋ねると、「仕事で嫌なことがあって・・・(ため息)」という話だったりすることもありもありました。

自動思考は自分の考え方のクセなので、職場や地域、趣味での人間関係など、どのような場面でもあてはめてみることができます。

*認知療法は臨床心理士などの専門家が行うことが多いトレーニングです。不安や心配が強い場合には専門家の指導の下で行うほうが良いでしょう。

自分でできるトレーニングを知りたい方はマイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける竹田伸也著 遠見書房に詳しく書かれています。

マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック──心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける

【不安・心配・マイナス思考の解消法③】マインドフルネスで「今、ここ」に意識を向ける

マインドフルネスとは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、囚われのない状態で、ただ観ること」(日本マインドフルネス学会)です

“観る”とは「見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる(五感)、さらにそれらによって生じる五感の働きをも観る」ことで、ひとつひとつ、今やっていることを丁寧に観ていく感じです。

あなたが悩んだり不安を感じたりするのは「過去」のことや「未来」のことを考えているときではありませんか?。

私は気づくと食事をしているのに明日の予定の段取りを考えていたり、やり残した仕事が気になっていたりしていることがよくあります。

そんなとき、意識してご飯を噛みしめて味わったり、香りを感じたりしながら食事をすることで、不安や心配に気をとられずに「食べること」に集中してみると、ふっと不安や心配が頭からなくなることがあります。

このような状態を意識的に持つトレーニングがマインドフルネスです。

比較的気軽にできるものを二つご紹介します。

*うつ病などで治療を受けている方は必ず医師に相談してから始めてくださいね。

 瞑想する

瞑想と聞くと難しそうですよね。

実は、5分程度“呼吸”に意識を向けて瞑想することでマインドフルネス状態になれるのです

コツは、リラックスして背もたれのある椅子に背筋を伸ばして座り、手を膝の上に軽く置き、身体全体で呼吸することです。

吸った息が身体中に流れていくようなイメージや、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくようなイメージを持つ感じです。

NHKスペシャルで放映された『マインドフルネス入門/早稲田大学 熊野宏昭教授』には呼吸法が丁寧に説明されていて、ページの下部には教授がマインドフルネスに誘った音声もあります。

どんな感じか体験してみてはいかがでしょう。 

・・・私はこの音声で体験すると途中で眠くなってしまうことがあります。

本来瞑想は雑念から外にでているため眠くならないはずなのですが…。

でも、そんなときはそれでOKでも良いのではないかと思っています。

少なくとも終わった後はなんとなく頭がすっきりして不安や心配が少し遠のいていますから。

自然の中で五感を研ぎ澄ます

自然の中を歩いていると、景色・音・匂い・空気など多種多様なたくさんの刺激がはいってきます。

それを五感で丁寧に感じ取ってみてください。

考え事をすると雑念に囚われる状態になりますので、感覚に集中してみてくださいね。

マインドフルネスの状態になれるそうです。

先日ハイキングに行ったときのことです。

行く前は時間のやりくりやお金のやりくり、仕事の締め切りなど、いくつもの心配事が頭を占めていました。

しかし、樹木や葉をみて鳥の声を聴きながら、時に息を切らして歩いているうちに、自然に誘われるように心配事が頭から出て行ったようでした。

歩き終わったときにはすっきりした気分で、“なんとかなるさ”と思っている自分に気づき驚きました。

身体が疲れていたのでその日は倒れこむように眠ることもできました。

マインドフルネスについてやさしく楽しく書いてある本をご紹介しますね。

プーさんと一緒にマインドフルネス 私らしく生きる心の整え方 ジョゼフ・ペアレント、ナンシー・ペアレント 和波雅子訳 (角川書店)

プーさんと一緒にマインドフルネス 私らしく生きる心の整え方

*「今、ここ」に意識を集中することについてはこの記事にも書かれています

まとめ

 過去の失敗を反省することは大切ですし、適度に未来を予測・心配することも必要です。

しかし不安や心配が募ったりマイナス思考のループに陥ったりして辛くなるのは、過去の出来事や未来のことに意識を向けすぎているのかもしれません。

現実を客観的に書き出してみる、自分の考え方のクセを知る、「今、ここ」を意識する…何かちょっとでもやってみようかなと感じたことがあったら試してみてくださいね。

あなたが不安や心配やマイナス思考と上手に付き合い、自分らしく軽やかな一歩を踏み出す手助けになれば嬉しいです。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。

言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

これはマザーテレサの言葉として知られている名言です。

思考は運命をも変える力を持っているのですね。

~テーマに寄り添う おとなのための絵本の紹介~

『まほうつかいとねこ』作・絵 せなけいこ(鈴木出版)

まほうつかいと ねこ (チューリップえほんシリーズ)

魔法使いは集会に参加するために相棒となる黒猫を募集します。

ところがやってきたのは寒さに震える真っ白な猫。

さあ、どんなことが起こるでしょうか…?

「すべき思考(~でなければならない)」に気づいたあとの魔女の表情や行動・周囲の変化をお楽しみに! 

最後までお読みくださりありがとうございます。

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国家資格キャリアコンサルタント/価値観受けとめカウンセラー。様々な社会とのかかわりの中で自分を見失うことがあり、心理学や健康法を学び始める。そして、感謝の気持ちや心からの笑顔のエネルギーがその人を満たすと、エネルギーは循環し、家庭平和・世界平和・宇宙平和へ繋がると確信。多様な価値観に触れながら自分らしく軽やかに生きるためのお手伝いをしています。絵本を使った大人のための気づきや癒しのワークショップ(絵本セラピーR)も開催中。










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